艦これMAX   作:ラッドローチ2

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本格的な技術チートの、始まり始まりぃ!
なお、作者提督は未だに大鯨も榛名改二も大和も武蔵も大鳳も居ない模様。


04 限りあるかどうかは不明な資源の再利用

 

 

 

 命の危機を脱したアクセルが、妖精からの集団リンチによって再度死に掛けるという些細なハプニングこそあったが。

 

 その後は特に問題もなく、艦娘らとアクセルは港湾施設の中の比較的状態がよかった会議室で互いに自己紹介を始める。

 

 まず艦娘……初春、神通、球磨、瑞鳳、雷の5人が名乗りと簡単な自己紹介をし。

 

 続いて、アクセルが名乗り。簡単な自己紹介を始める……前に。

 

 

「あー、荒唐無稽かも知らねぇが。とりあえず最後まで聞いてから質問してくれ」

 

 

 そう前置きし、5人の少女達が訝しそうにしながらも頷いたのを確認してから語り始める。

 

 自分が居たところは、荒野と瓦礫が広がる荒れ果てた世界で町の外には人間を狩り殺す化け物がウヨウヨいた事。

 

 そんな世界で、自分は仲間達と共にメカニックとして旅を続け仲間に恩を返すために復讐の手助けをしてきた事。

 

 そして、最後の戦いを終えて目が覚めたらこの島の浜辺に倒れていた事。

 

 

「……まぁ、自分で言っててありえねぇとは思うがな」

 

 

 パイプいすをギッ、と鳴らすアクセル。

 

 

「んーむ……正直に言って、俄には信じ難いのじゃが。お主が嘘を言っているようにも見えぬしなぁ」

 

「あの……なんで、アクセルさんが居た場所はそんなに荒れ果てていたのですか?」

 

 

 初春が素直な感想を口にし、おずおずと神通が挙手をしてからアクセルへ問いかける。

 

 

「正直俺にもわかんねぇ、物心ついた時には既にそうだったしな」

 

「そうですか……」

 

「アクセルは、どんな敵と戦ってきたんだクマー?」

 

 

 アクセルの回答に、何かを考えながら神通は頷き。

 

 続いて球磨が挙手しながら質問をぶつける。

 

 

「そうだな……ここにも居たアクアウォーカーみてぇな機械に、砲台ついた鮫の化け物なUシャークに、船から首とか足出してるでけぇトカゲな軍艦ザウルスとかかね」

 

「……なんじゃと?」

 

 

 半信半疑でいた初春の眉毛が、アクセルの言葉を聴いてピクリと動く。

 

 アメンボと仮称されていた機械兵器の名前を知っていたのも聞き捨てならないが。

 

 

「お主、鬼鮫に軽巡竜を知っておるのか?」

 

「……いや、そんな名前のは知らねぇけども……こんなヤツか?」

 

 

 会議室の壁に傾いたままかけられていたホワイトボードに、自らが知るUシャークと軍艦ザウルスの簡単なフォルムと特徴を書いていくアクセル。

 

 そのフォルム、情報が一つ一つ書かれていくほど少女らの口数は少なくなり……。

 

 瑞鳳が、ぽつりと口を開く。

 

 

「……ねぇ、アナタってもしかして……あいつらやっつけた事、あるの?」

 

「んぁ? まー、そうだな」

 

 

 少女の言葉に、アクセルは倒した事は否定せずに答える。

 

 俺一人だと間違いなく無理だったけどなーなどとのんきな事を口走っているアクセルをよそに。

 

 少女らは自然と顔を見合わせる。

 

 今現在、遠征や出撃を行っている艦娘で深海棲艦とは違う、新たな化け物に遭遇していない艦娘は殆ど居ない。

 

 

 安全なはずのお使い遠征に出たとある鎮守府の駆逐艦隊が、轟沈一歩手前の状態で帰ってきたことをきっかけに。

 

 あちこちで目撃証言が報告され始めたそいつらは。

 

 今はどこの鎮守府でも頭の痛い問題となっており、現状の確実な対処方法が耐久力が高く火力の大きい戦艦娘で圧殺するくらいしかなかった。

 

 そんな厄介者らを、目の前のカラフルな頭をした自称異世界人は対処してきたと言っているのだ。

 

 コレが狂人の類ならどうしようもないが、賭ける価値はあるかもしれない。今この場にいる艦娘のまとめ役である初春は真剣にそう考えていた。

 

 

「……のう、アクセルや。今の情報は妾らの提督に報告しても良いものかの?」

 

「別に構わねーよ、つかそうか……ハンターオフィスなけりゃぁアイツらの情報あるわけねーもんな」

 

 

 どちらにせよ報告はするつもりであったが、通すべき筋としてアクセルに初春は確認し。

 

 あっさりと彼女の目の前にいる男は承諾。何かぼやいているがソレについてはスルーした。

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、簡単な装備の点検をしてから出立する旨を初春がアクセルに伝えると。

 

 

「急ぎじゃねぇなら、ちょいとだけ待ってくれないか? 礼がしたい」

 

 

 言うや否や、アクセルは駆け足で港湾施設の工廠跡へと消えていった。

 

 

「ここの工廠にあったのでもくれるのかしら?」

 

「さー、クマにもわからないクマー」

 

 

 のんびりと艤装の手入れをしながら、話し合う雷と球磨。

 

 

「ちょっと見てくる?」

 

「どうしましょうか……」

 

 

 何か、珍しい航空機あるかも。と目を輝かせる瑞鳳に苦笑しながら神通は答える。

 

 そんな、和やかな空気の中。

 

 

「何故じゃろう……妾の常識が木っ端微塵に粉砕されるモノが、迫ってきている気がする」

 

 

 幾度も自らを、そして仲間の命を救ってきた第六感に嫌な予感を隠せない初春。

 

 そして、ソレは約1時間後……現実となる。

 

 

 

 

 

「わりぃ、待たせたな! こいつを受け取ってくれ!」

 

「……なんじゃこの艤装、初めて見るのじゃが」

 

 

 えっほえっほ、と妖精が担いで持ってきた4連装機銃を見て思わず呟く初春。

 

 12.7mm単装機銃よりも口径がでかいソレをしげしげと眺め…。

 

 

「妖精に協力してもらって、アクアウォーカーの残骸かき集めて作った四連装16mm対空機銃だ」

 

「……待て、待てお主。聞き捨てならない事を言うな」

 

 

 すごーーい、と目を雷が目を輝かせる中……頭痛をこらえて初春が呟く。

 

 

「お主、コレをアレの残骸から作り上げたのか?」

 

「おうよ」

 

「もしかして、他の連中の残骸からも作れるのか?」

 

「敵によるけどな、Uシャークと軍艦ザウルスは間違いなくいけるぜ」

 

 

 雷のハシャギように機銃を覗き込んだ球磨が、妖精からの情報にクマァ!?などと叫ぶ声をBGMに。

 

 初春は、今ようやく目の前の男が嘘偽りなく……荒野と瓦礫の世界からやってきたのだと、理解し。

 

 同時にこれから間違いなく襲い来るであろうトラブルを思い、こめかみを押さえる。

 

 

「ねぇねぇ! 航空機とか作れる!?」

 

「無理いうなよ、精々作れてミサイルが関の山だ」

 

「そんなぁ~」

 

 

 瑞鳳がアクセルに迫りながら問いかけ、無碍もなく断られ肩を落とすのを身ながら。

 

 初春は、応急修理女神に頬をぽむぽむと。ねぎらう様に叩かれ……青空に向かってため息を吐いた。

 

 

 

 





嘘装備図鑑No.1
レアリティ:☆☆レア
名称:四連装16mm対空機銃
装備適正:潜水艦を除く全ての艦種
能力:火力+1、対空+4、命中+1
入手条件:遠征『新勢力発生地調査1』成功報酬、もしくは謎兵器残骸を一定個数と交換

5分くらいででっち上げた、今は特に反省していない。
妖精さんとアクセルさんの共同作業による作品の一つです。

アクアウォーカーって16mm機銃をたまにドロップします、そんな残骸を匠は劇的にビフォーアフター。
スペックはたいしたことないですが、逆に言うと敵の残骸を確保できれば簡単に入手可能な武装の一つ。そんな兵器です。

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