宜しければご理解と共に、今後とも励みになる感想いただけると幸いであります。
龍驤にちょっとOHANASHIをしようと思っていたのに、邪魔が入ってしまいました。
仕方ないので最後の仕事、先生への釘刺しに移りまーす。
そして、今回はこの辺でお開きでしょうかー。
再び先生が居る病室の前ですー。
ちなみに現在私はプンスカ状態です。すんごい怒っています。
せっかく龍驤を捕まえたのに、良いところで日向に邪魔されてしまったんですよー。
偶然かどうかは知りませんが、「仕事に関係のないことは止めて欲しいのだが」と言って、ジト目を向けてきたんですよねー。
確かに明石と先生に直接関係はないとはいえ、間接的には愛宕の依頼に関わるんですけど……。
風紀的にどうかと持ちだされると、ちょっと立場的に弱いですからねー。
安西提督に許可を貰いましたが、正規でここにお邪魔している訳じゃないですから仕方ないってところでしょうか。
でもやっぱり納得できませんので、先生でフラストレーションの解消をしちゃいます。
ということで、扉をノックしながらさっさと開けちゃいますー。
「はいはーい。診察の時間ですよー?」
「なんで疑問形で入ってくるのかが気になるんですが、それより先に返事をまだしていないんですけどね」
「別にこの部屋には先生しかいないから問題ないんじゃない?
それとも、怪我人だからとか言って甘えた感じで誰かを連れ込んで、ニャンニャンしていたって訳でもないんでしょ?」
「べ、別にしてませんけど……」
「なら良いんじゃないかなー」
「は、はぁ……」
先生は落ち込んだように肩を落としていますが、どうやら私のことは女性医師だと認識していますねー。
しっかりと変装はしていますし、そもそも彼女と私は殆ど同じですからねー。
「それにさ、世の中には気にしちゃいけないことが沢山あるんだよ?」
私の仕事についても、今回の先生の処遇についても、気にしちゃダメなんですよー。
「だからどうして疑問形なんですか……」
「乙女に秘密はつきものなんだよ?」
「乙女って歳なんですかね……」
……ムカッ。
ちょっと腹立ったので、持っていたボールペンを……とうっ!
ヒュンッ!
「……っ!?」
「あれれー、手が滑っちゃったー」
先生の頬を掠めるように投げたボールペンは、真っ白な壁に突き刺さってビィィィンッと震えています。
うんうん、ナイスストレート。バッチリ三振取れますねー。
「あ……ぅ……」
「変なことを言っちゃダメだよー。
ボールペンだけじゃなくて、たまーにメスなんかも持ち歩いているんだからー」
「わ、わわ、分かりました……っ!」
先生は慌てて敬礼をしましたけど、身体のあちこちが痛むのか顔を歪ませていますねー。
なんだかその表情がそそるので、ちょっといたずら……は止めておいた方が良さそうです。
後々面倒なのは別に構いませんけど、まずは仕事をちゃっちゃと済ませてしまいましょうー。
ボールペンを先生に取ってもらって、脅しを込めた絵をカルテに描いて、『浮気者は死すべし』って追加しておけば大丈夫ですよねー。
それから先生の不能について症状を聞き、明石から聞きだした話と照らし合わせながら原因を考えていきます。
おそらくは下半身への血流阻害でしょうし、それほど難しい治療じゃなさそうです。
医師である彼女に任せる手もありますけど、ここは問題を起こした明石自身に治療をさせるべきでしょう。それに愛宕からもそうするようにと言われていますし。
先生から明石の居場所を問われましたが、上手く言葉で転がしつつ話を逸らしちゃいます。
危うく依頼のことを話しかけちゃいましたけど、どうしてなのかは分かりません。
もしかすると先生のスキルとか、そういうことだったりするんでしょうか?
対面して話していると、何だか引き込まれちゃう感じがしますし……。
これって、魔性とか誘惑の魔法みたいなのがかかっちゃったりしていません?
もしそうだったら危険度Sクラスですけど、さすがに青葉に貸しだした本にも治療法は載っていなかったはずなんですよねー。
まぁ、先生本人が気づいていないうちはそれ程脅威にもならないでしょうし、問題視されるようになったら私の出番になるでしょう。
そうなったときには、オシオキという手段で存分に可愛がってあげますけどねー。
「……ということで、先生の治療法はこんな感じですー」
「は、はい……。ワカリマシタ……」
そうして私は明石の元に戻り、先生の治療方法と今後についてのお話をしました。
日向にも同席してもらって治療の際に問題が起きないようサポートするように伝え、これで仕事はひと段落になりました。
「しかし分からんな……」
「おやおやー、何がですかー?」
「なぜキミが先生の治療まで手を貸そうとするのだ。
あくまで今回ここにきたのは明石を懲らしめる為と、先生の女癖についてだったはず。
しかも先生の件についてはキミが言うようなことは……」
「なかった……ですかー?」
「……全くとは言えなかったものの、危険視する程ではないと感じた。
だが、心の中に引っかかるものを感じたのもまた事実ではあるが……」
日向はそう言いながら表情を曇らせます。
これは……、何かあったんでしょうかねー?
「それが分かっていれば大丈夫だとは思うんですけどねー」
「ならばやはりおかしいだろう。
先生が問題というのなら、不能を治療する必要性は皆無ではないのか?」
「ええ。それは正論なんですけど、これも仕事のうちなんですよー」
「………………」
なぜ……と言いたそうな顔で私の目を見る日向は、腕を組みながら息を吐きました。
「詳しくは言えませんけれど、依頼者の要望に先生の不能を治療するということが含まれているんですよねー」
「それはつまり……、先生の彼女とかそういう相手……なのか?」
「さぁー。そんな感じには見えませんでしたけどねー」
友達以上恋人未満。
私にはそんな風に見えましたし、先生に告れる度胸があるとも思えません。
あー、でも愛宕が先生を押し倒していたらそうとも言えませんかー。
……何そのシチュエーション。ちょっと面白そうなんですけど。
「……そうか」
すると日向は少しホッとしたようにため息を吐き……って、なんだか怪しいですよ?
でもこれはこれで面白い……かもしれませんし、見なかったことにして放っておきましょうかねー。
「それじゃあ後のことは宜しくお願いしますねー」
「ああ、分かった」
「ワ、ワカリマシタ……」
コクリと頷く日向とガタガタ震える明石に手を振った私は、佐世保の外へと向かいます。
安西提督に挨拶をしても……と思いましたが、また驚かしても可哀想ですから止めておきましょう。
どうせ日向から報告は受けるでしょうし、話すこともあまりありませんからねー。
あとは明石と日向の行動を潜伏中の青葉がしっかりと確認し、愛宕の元に情報を送ればお仕事は終了。
その間やることもありませんし、逃がした魚……じゃなくて龍驤の顔を見るとちょっとだけ気まずいですから、さっさと佐世保から離れるに限ります。
今のところ別のお仕事は入っていませんから、のんびりさせてもらいましょうか……おや?
ピリリリリッ、ピリリリリッ……
私のスマホが鳴っているー……っと。
「はいはーい。大鯨ですよー」
『もしもし。実はちょっと厄介なことが起きたんだけど……』
「ふむふむ……。あら、そうなんですかー。
わっかりましたー。早速向かいますねー」
手が空いた途端に用事ができちゃいましたねー。
お仕事じゃないのでオシオキできそうにないですけど、さすがに見過ごすことができない可能性があるというのは困ります。
おそらくは高みの見物になるんでしょうが、ぶらっと向かっちゃいますかねー。
ということで、今回はこの辺でお開きにしますー。
ではでは、さよなら、さよなら、さよーならー。
終わり
※活動報告にて感想についてのお願いなどをお伝えしております。
宜しければご理解と共に、今後とも励みになる感想いただけると幸いであります。
これにてヤン鯨編は終了いたしました。
今章は前章の謎解き&ヤン鯨進出となりましたが、今後どういった風に関わるかは不明であります。
ですが、どこかでまたオシオキをするヤン鯨が……いるかもしれません。
さて、次回も艦娘幼稚園はスピンオフで進みます。
次のメインは……プリンツ・オイゲン。
ビスマルクを奪い去ろうとする? 先生をどうにかしようと考えていたプリンツですが、どうやら雲行きが怪しい感じに……。
はたしてプリンツはどうなってしまうのか。
先生の無意識による毒牙に対抗することができるのか。
次回予告
プリンツ・オイゲン大ピンチ!
先生にビスマルク姉さまが盗られちゃう!
だから私は先生に対立していたはずなのに……。
艦娘幼稚園 第二部 スピンオフシリーズ
~プリンツ編~ その1「今までの経緯」
乞うご期待!
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