Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ EXTRA 作:白狐
「さてセンパイ、センパイには魔術と剣術、武術を鍛えてもらいます。」
寝たと思ったらこの精神空間。肉体的には回復するだろうが精神的には疲れが溜まる一方である
「そこで、教師役の方なんですが…」
「はいはい!勿論ご主人様のサーヴァントのこのキャスターが教えるんですよね。」
「うむ!余が直々に奏者の剣の指導をしてやろう。」
「残念ですがキャスターさんもセイバーさんも違います。」
「どうしてですか!?」 「何故だ!」
おや?自分もてっきりこの二人とアーチャーに教わるのだと思っていたが違うのか
「だってキャスターさんが使うのは魔術じゃなくて呪術ですし、センパイにセイバーさんの様な大剣扱える筈ありませんし。」
なるほど、理由を聞いてみると納得である。キャスターが普段使っている『呪術』は「自分の肉体を素材にして組み替えるプログラム」だ。また、自分もセイバーが使うような剣を振り回せる気はしない。
「でも、じゃあ誰が。」
「それじゃあセンパイ、ここに書かれてあるサーヴァントを思い浮かんでください。」
そう渡された紙に書かれたサーヴァントは自分も知っているサーヴァントだった。そのサーヴァントを思い浮かべると。
「おまかせください。剣術指導も騎士の務め、白野さんにしっかりとお教えしましょう」
「なんで俺が魔術教えなきゃならねえんだよ。そういうのは師匠の方が向いてるだろうが。」
「呵々、まさか儂が小僧に武芸を教えることになるとはな。」
「それでは、剣術を教えるガウェインさん、中国武術を教える李書文さん、魔術と槍術を教えるワンちゃんです。もし弓を教わるんだったらアーチャーさんにお願いしてくださいね。」
「おいこらBB!ナチュラルに俺を犬扱いするんじゃねえ!」
「ちょっと!レオさんとユリウスさんのサーヴァントは分かりますけど、なんで凛さんのサーヴァントが魔術を教えるんですか!ていうか教えれるんですか?」
それには自分も同意だ、ランサーなのに魔術を教えることができるのだろうか。
「あ、BBちゃんの人選疑ってます?失礼ですね、これでもこのワンちゃ・・・コホン、クーフーリンさんはルーン魔術を修めてるんですよ?それくらいの事は出来るに決まってます。まあ、当初予定していたメディアさんとかスカアハさんとかに断られたんで妥協の選択ですけど。」
「くっ!私は妥協の選択に負けたっていうんですか。キャスターなのにランサーに負けるって。」
自分はorzのポーズで落ち込んでいるキャスターを慰めながら
「ところでサーヴァントの他に三人他の存在がいるって言ってたけどあれは?」
「ああ、そのことですか。一人はありすさん、電脳空間漂ってたんで連れてきちゃいました。」
『ありす』、自分が月の聖杯の三回戦で戦い、月の裏側ではメルトリリスによって人形にされてしまったサイバーゴーストの少女、まさかまだ存在していたなんて。
「そして残る二人はパッションリップとメルトリリスの二人です。」
こちらも驚きだ。月の裏側で戦ったアルターエゴの二人もいるなんて。
「あの二人には私がちょっと手を加えました。会ってみます?」
自分は頷き、頭にパッションリップとメルトリリスを思い浮かべる。
「あの、また会えて嬉しいです。」
「久しぶりね、白野。また会えるなんて、これはもう運命じゃないかしら?」
いいえ、自分が思い浮かべてここに来たので運命ではなく必然です。それより、BBが手を加えたと言った通り二人には前とは大きな違いがある。
「あ、はい!お母様がこれからは不要だろうって武装を外してもらったんです。」
「すごしやすくなったけど、あなたを見下ろすことができなくなったのが少し残念だわ。」
そう、リップの凶悪な爪とメルトの剣の足が普通少女の手足に変わっているのだ
「あの、白野さん。手を握ってくれますか?」
そういってリップは手を差し出してきた。月の裏側ではその凶悪な爪ゆえに叶えられなかった願い、自分はその差し出された手をしっかりと握りしめた。
「あ、嬉しい、です。やっと、手を握ってくれました。」
リップは目に涙を溜めながらそう言った。
「あら、なら私はもう片方の手を貰おうかしら。」
そう言うと、空いている方の手をメルトが握ってきた
「前は手の感覚が無かったけど、今ならあなたの温かさを感じることができる。ふふ、こういうのも悪くないわね。」
そうやって二人が自分の手を握っていると
「奏者よ!何故その二人と良い感じの雰囲気になっておるのだ。余にももっと構うがよい。」
「ご主人様!私を差し置いてアルターエゴと仲良くなるなんて、そんなの認めませんよ!」
「リップ!メルト!いつまでセンパイと手をつないでいるんですか?いい加減その手を離しなさい。」
こちらに気付いたセイバーとキャスターと、堪え切れなくなったBBが文句を言ってきた
「ここまでね、それじゃあ私は人形作りに戻るとするわ。またね、白野。」
「わ、私も失礼します。また、手を握ってくださいね。」
そう言うと二人は消えていった
「奏者よ、余は頭をなでてほしいぞ。」
「あっ、ずるいです!それじゃあ私はご主人様の膝枕を所望します。」
「じゃあ私は後で添い寝してください。」
「「それは駄目!」」
「何でですか!お二人だってセンパイにして欲しいこと要求してたじゃありませんか。それに、月の裏側で同じベットで寝ていたの知ってるんですからね。」
二人とはまた今度会って話をしよう。だけど、今はこっちの三人に構ってあげないと
◆ ◆ ◆
数日後、精神世界で教師役のサーヴァントに戦闘を教えてもらったり、月で出会ったサーヴァントやその他の始めて会うサーヴァントと交流したり、現実では精神世界で教わった型の練習をしている生活が続いていると、切嗣さんがある提案をしてきた
「学校?」
「ああ、君もこっちでの生活が大分慣れてきたみたいだし、学校に行ってみないかい?」
たしかに普通自分くらいの子供は学校へ通うのが普通だろう
「そうですね、行ってみます。通うとしたらどこの学校なんですか?」
「この辺りなら私立の『穂群原学園』だね、小中高一貫の学校で結構人気が高い学校だよ。それじゃあ、僕は入学手続きをしてくるよ。」
「お願いします。」
そういうわけで今日は学校初登校の日。今は切嗣さんに連れられて職員室で自分の担任になる教師と会っている。
「それじゃあ息子をよろしくお願いします。ほら、挨拶を。」
「岸波白野です。よろしくお願いします。」
「はい、よろしくお願いします。礼儀正しい息子さんですね。ところで失礼ですがお父様の名字はとは違うようですが。。」
「この子は養子で引き取ったんですが、その際に色々ありましてね、名字を一緒にしていないんです。」
「そうですか、それは失礼しました。それでは、息子さんをお預かりします。白野君ついてきて。」
「頑張りなさい、白野。」
担任に連れられて着いた教室は1年1組、ガヤガヤとしている教室に先に先生が入る。
「はーい、皆席につきなさーい。」
先生が入ると途端に静かになる教室
「えー、今日は出席を取る前に皆にお知らせがあります。このクラスに、今日から一人転校生が来ます。」
先生がそう言うと教室がざわめく
「はい、静かに。それじゃあ入ってきて。」
教室に入ると一斉に好奇の視線に晒される
「フラ・・・ゴホン、岸波白野です。よろしくお願いします。」
フランシスコザビエルと名乗りそうになるのをぐっと堪えて自己紹介を終える
「皆、岸波君と仲良くするように。岸波君の席は、えーっと、窓際の一番後ろの席あそこに座りなさい。」
そう先生に言われた席に座ると隣の席の子が話しかけてきた
「私は森山奈菜巳、岸波君よろしくね。」
「よろしく、森山さん。」
出席確認が終わった後に席の周りに人が集中し始める
「岸波君って何処から来たの?」「ペケモン持ってる?」「なにか習い事してる?」
そんな質問の中
「まったく、転校生と聞いてどんな奴かと思えばこんな冴えない奴だなんてね。」
「駄目だよ間桐君そんなこと言ったら。」
「うるさい!僕に指図するな!」
あの見たことのあるわかめの様な青い髪は慎二!
「なんだよ、そんなにじろじろ見て。」
「いや、よろしく、慎二。」
「な、なんでいきなり呼び捨てなんだよ!ま、まあこの僕の才能に気付いて今のうちに仲良くしようっていう心意気は評価してあげるよ。」
「はいはい、それじゃあよろしくね。」
慎二と無理やりにでも握手をすると皆が驚いた目で見てくる
「どうしたの?皆?」
「だって、間桐君が他の人と仲良くしているの始めて見たから。」
慎二、お前…。
「な、なんだよその可愛そうなものを見る目は!ぼ、僕は優れた奴としか関わらないんだ。君も、僕に認められたことを誇りに思うんだね。」
キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム鳴ったね。次は国語だよ岸波君。」
「ねえ森山さん、僕まだ教科書貰ってないから一緒に見せてもらって良い?」
「え!?う、うん勿論良いよ!」
「おい!僕を無視するんじゃない。」
「授業始めるぞー、間桐もさっさと席につけー。」
「くっ、覚えてろよ岸波!」
そうやって、俺の学校生活は始まって言った。
次は冬木の美少女剣士が登場予定
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