タダクニの日常   作:龍気

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第15話『タダクニと乱入2』

「・・・どうした?続けろ・・・」

 

「めっ・・・妹?」

 

 

突如としてタダクニの部屋に入って来たメイ。

 

場は静まり返り、自分の心音と、メイの足音しか聞こえない。

 

 

(おい!何で妹が来るんだよ?)

 

(知らねえよ!お前また妹の服に手を出したんじゃないの?)

 

(今回はやってないし、等価交換でパンツも置いてない!)

 

(じゃあ何で妹が入って来るんだよ!?)

 

(さっきも言ったけど知るか!お前こそ妹の下着でも盗んだんじゃないのか?)

 

(今回はしてねえよ!)

 

(今回はって、以前やった事あんのかよ!?)

 

 

メイの乱入とも言える行動は、2人にとっても予想外の事で、その原因について小声で話し合っていたが・・・犯罪だからね・・・それ。

 

 

「いっ・・・妹、どうしたんだよ?急に?」

 

「・・・・・・別に、只部屋が寒かったから来ただけ」

 

「あの・・・でしたら暖房を入れたら・・・」

 

「電気代が勿体ない」

 

「・・・そうですか」

 

「あ・・・でも俺達今取り込んでいまして・・・」

 

「言ったろ?続けろって・・・」

 

「いや・・・でも・・・」

 

「聞くに堪えない、見るに堪えない下らない内容だったら勝手に出て行く・・・続けろ」

 

「はっ・・・はぁ・・・」

 

 

ヒデノリとヨシタケは何時になく丁寧な、それでいて何時もの様な口調で愛衣に話しかける。

 

当然だ、メイの体から迸るオーラと言うか雰囲気が・・・明らかに不機嫌であると分かるからだ。

 

しかも、スカートや衣服を拝借した時、下着を盗んだ時、このどちらをした時以上の不機嫌さ、2人がビビるのは仕方がない。

 

 

(おい!何で妹の奴、こんなに不機嫌なんだ?)

 

(何度も言うけど知らねえよ!)

 

(神に誓って言うけど俺は何もしてねえぞ!)

 

(俺だってそうだ!)

 

「なあ・・・妹、俺達何かしたか?勿論俺は何かした覚えはないけど・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

(無視ですか・・・相変わらずの兄妹仲な事で・・・)

 

(質問はナイスだと思うけど、普段のこいつ等見てると火に油を注ぐようなものだぞ)

 

 

タダクニとメイの兄妹仲が悪い事を知っている2人は、この光景を当たり前と見ていた・・・しかし、どこか違和感があると感じ始めた。

 

 

(なあ・・・何時もなら被害者であってもタダクニに真っ先に暴行する妹が何もしないぞ)

 

(あぁ・・・今気付いた、正直さっきみたいに騒いでいたら、真っ先にタダクニに襲い掛かる筈なのに・・・)

 

 

そう、何時もなら真っ先にタダクニに鉄拳や蹴り、更には関節技と言った制裁を与える筈なのに、一向にそんな傾向が見られないのだ。

 

それもその筈、2人はタダクニとメイの仲が良くなった事を知らないのだから・・・それと、それがメイを不機嫌にさせている原因の1つだと言う事も・・・。

 

 

「おっ・・・俺達そろそろ帰るわ・・・ヨシタケはまだ残るみたいだけど・・・」

 

「えっ!?何それ!?」

 

 

突如のヒデノリからの、ヨシタケ残る発言に言われた当人は大いに焦った。

 

 

(いいからお前残れよ!そしてタダクニから真相を聞き出して俺に教えろ!)

 

(じゃあお前が残れよ!俺もうこの空気に耐えられないよ!)

 

(俺だってそうだよ!)

 

 

小声で言い争う2人。

 

 

「なあ・・・お前等」

 

「「はっ!はい!!」」

 

「帰るなら・・・帰れ・・・」

 

「「えっ?」」

 

 

思いもよらぬメイからの解放許可・・・しかし・・・。

 

 

「帰りたいのなら帰れよ・・・」

 

((いや・・・どちらかと言うと、帰らないと殺すって目で見てるんですけど・・・))

 

 

そう・・・その目はまさに人殺しの目(前髪で見えないけど)であった。

 

いう事を聞かないと殺される・・・と、野生の勘がそう訴えている・・・そんなものはないが・・・。

 

この何故か不機嫌なメイを前に、ヒデノリとヨシタケは、帰宅を余儀なくされ、部屋には不機嫌なメイと、

先程から黙って空気と化していたタダクニだけが残された・・・。

 




明日はこの時間に投稿できるかな・・・。

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