《午後16:00 トールズ士官学院 河川敷》
「…………ふあぁぁぁ」
抜けた声を上げて私は縄跳びを持ったまま、眠り込むようにうつ伏せで地面に倒れる。
「――縄跳び200回終了。ようやく準備運動もちゃんと出来るようになったな」
すぐ脇からイビトさんが聞こえ、私は顔だけ動かしてそちらを向く。
「10分の小休止の後、投擲の訓練を始めるぞ」
「………は、はい」
淡々としたイビトさんの知らせに私は息が切れながらも返事を出す。
今日でやっと訓練の準備運動を全てやり遂げることが出来た。
もっともイビトさんの計らいで目標数は当初の半分まで減少しましたが。
まぁそれでも凄く大変で正直凄くしんどいけど、弱音を吐かないという約束を破るわけにいかない。
もし破ったらそれは今までの苦労や努力を投げ出すというもの。
そんな真似は絶対にしたくない。
ここまで耐え抜いて来たのだから最後まで耐え抜いて強くなって見せる!
私の面倒を見てくれているイビトさんの為にも、何より私自身の為にも。
……やがて10分間の小休止が終わり、ナイフの投擲の訓練が始まる。
訓練内容は至ってシンプル、四角い板の真ん中に書かれた的にナイフを当てるというもの。
私は命中が酷い具合に低いのでこれを徹底的にやらされた。
「ハッ!」
私はイビトさんが投げ出した板に書かれた的をナイフの投擲で的確に射抜く。
次は放射状に投げられた的。
その次は地面の上を転がる的。
次が終われば即座に次の的が様々なパターンで出さ続けられるが、私は焦ること確実に的を射抜いていく。
当初は止まった的ですらまともに当てられなかったけど、イビトさんから徹底的に鍛え上げられたことで現在では動く的を正確に当てられるようになった。
そして30枚目の的を射抜き、ナイフを全て投げ尽くしたところで的も全て出し尽くす。
この訓練は的を全部当てるのが目標としていて、全部当てられたら合格。
結果はーーー。
「―――30枚中30枚全て命中。合格だな」
一つも外すことなく、全ての的を射抜いたことで合格を貰う。
その言葉を聞いて自然と笑みが零れる。
今までの血が滲むような努力が実り、思わず両手を上げてガッツポーズを取った。
訓練で合格を貰ったのもそうだが、少し前まで投擲が下手だった私が自分自身でも成長したのが分かるぐらい上達したことに胸の奥から喜びと感動が躍り出る。
「やったぁ!! イビトさん、私やりましたぁ!!」
「はしゃぐな」
「あたぁ!?」
感極まって歓声の声を出した瞬間、イビトさんに額を指で小突かれた。
地味に痛かったので額を押さえる。
もう………人が嬉しく仕方ないのに、少しくらいはしゃいでも良いじゃないんですか?
そんな気持ちを込めた眼で私はイビトさんを見る。
だけど、当人は呆れた顔でこう返す。
「これぐらいことで浮かれるんじゃない。お前がやっていた訓練は段階的に初歩の初歩、投擲を軸にして戦う者なら出来て当然なものだ」
「うぅ…………」
それを言われると言い返せる言葉がない。
投擲を主体にしている者なら標的を正確に当てられる腕が絶対に必要だ。
にも関わらず、少し前の私はその腕が無かった。
普通なら考えられないとイビトさんに心底呆れられたっけ。
今でも思い出すと恥ずかしい限りである。
「まぁこれでやっと次のステップに入ることが出来る。実技テストも近いことだし、少しでもお前を強くしないと」
「実技テスト………」
そういえば日にち的に考えてもうすぐ実技テストの日だ。
ほぼ毎日特訓に明け暮れていたからすっかり忘れてた。
と実技テストのことを思い出した直後、お腹の底辺りから不安が込み上げてくる。
「どうした? 不安そうな顔をして」
「いえ………私、ちゃんとやれるのかなって思って……」
顔に出ていてようで、それイビトさんに指摘された私は正直に話す。
私の中で芽生えてきた不安、それは今までの努力の成果を上手く本番で出せるかどうか。
どうも私は昔から本番に弱く、本番中必ずと言って良い程、何らかのミスをやらかしてしまう。
投擲の腕は上がったけど、前の実技テストの時と同じようなミスを繰り返してしまうのではないかとそんな心配が胸を焦がすように圧迫する。
「……エレカ、教えたことを忘れたか?」
「えっ? 教えた事って――――あたっ!?」
言葉の途中で額をまた小突かれる。
まだ言っていないのに………。
二度目も地味に痛い。
「前にも言ったが、お前に一番足りないのは才能でも努力でもない、〝自信〟だ。何時如何なる時も自分を信じろ、そうすればお前が積み重ねてきた努力はきっと応えてくれる。忘れるな」
「あ―――はい!」
激励の言葉に私は力強く了解する。
気付けば、さっきまでの不安が不思議と何処かに消え去っていた。
自分を信じる………うん、そうだよね。
これまでの特訓の成果を引き出すには私が自分を信じなきゃいけないんだ。
私の努力が無駄じゃなかったことを証明する為にも。
……それにしても初めてイビトさんに勇気付けられた気がする。
普段は厳しい言葉遣いでいつも凹まされてばかりだけど、こういうのをギャップって言うのかな?
とても嬉しく感じる。
けど励ましてくれるならもっと優しくしてくれても良いのに………。
ーーーでもそこは、イビトさんらしいかな。
「だが、もし前の実技テストの時と同じようなミスをしたら罰として特訓量、今までの二倍な」
「え゛え゛っ !?」
微笑みも束の間、イビトさんが出した恐ろしい罰に私は悲鳴を上げたかのように驚く。
に、二倍!?
特訓量を二倍って、それは罰というよりも死の宣告ですよ!!
止めてください死んでしまいます、と言いたいけど、弱音は吐かない約束がありますし………。
まずいです、これは何としてでもミス無しで実技テストを終えないと、私の命が危ない!
絶対に成功させなくては………! 絶対に!!
そう決心した私は次の段階に進んだ特訓に取り掛かるのでした。
《午後16:30 トールズ士官学院 本校舎前 / 視点変更・視点者=トモユキ》
旧校舎第2層の奥深くに居た親玉を倒した俺達は全員無事に地上へと生還を果たす。
が、地上に出た直後。
ルーティーが報復という名の粛清だと公言し始め、俺達男子メンバーに向けて発砲する。
何故アイツがそのような蛮行に出たのか、心当たりが有り過ぎて見当が付かない。
だからと言ってやられる訳にはいかないので、リィンを盾ーーーーいや、リィンが身を呈して庇ってくれたお陰で俺は一人逃亡に成功する。
勿論その後、追い掛けられたりしたが、一時間費やして何とか撒くことが出来、現在本校舎の前に居る訳だ。
「あっ先輩」
「おや、トモユキ君」
するとそこで二年のアンゼリカ先輩と鉢合わせする。
相変わらず先輩は指定の制服を着ず、黒いライダースーツを身に纏っていた。
しかし、何時見てもライダースーツが胸や尻を引き締めて、良い色気を出してるな~先輩は。
目の保養、目の保養。
「はっはっは、余りジロジロ見ると請求書を要求するよ」
「ナンノコトデスカー? オレ、ワカラナイデース」
イカンイカン、ちょっと見過ぎたか。先輩の眼が妙に冷たい。
棒読みじゃ誤魔化せないなこりゃ。
まぁそれはどうでも良い。せっかく会ったんだし、ここは。
「ところで先輩、今日もやりませんか?」
「ふふ、構わないよ。今日は丁度予定が無い日だからね」
快く先輩は申し込みを了承してくれた。
いつも〝あれ〟をやることが決まると俺と先輩は勝負のお題を考える。
「ーーー借り物競争っていうのはどうです?」
「日曜学校の体育祭かい? ……まぁ他に良いのが思い浮かばないからそれにしようか」
こうしてお題は借り物競争に決まった。
さて、話に付いていけない諸君にそろそろ説明してあげよう。
何故、俺と先輩がこのようなことをするのか?
それは話すと色々長くなるので、かいつまんで言うと先輩とは先月から会って以来、負けたら相手の言うことを何でもするというお互いのプライドを懸けた勝負をすることになったのだ。
ちなみに現在の俺の戦績は6勝8敗3引きとなっている。
今は負け越しているが、今日の勝負は勝ち、次の勝負もそのまた次の勝負も勝ち続け、すぐに勝ち越してみせるぜ!
「さて、次は肝心な借り物だが………ここはお互いに借り物にしたいと思う物を三つだけ、この紙に記入するというのはどうかな?」
「成る程、じゅあそれで行きましょう」
と、俺は先輩から三つの紙切れを受け取り、借り物の品を何にするか真剣に考える。
何故そんなことに真剣に考える必要が有るかだって?
それはこの借り物の品を何にするかで、勝負の勝敗が決まるからだ!
例えば比較的簡単に人から借りられる物なら苦労せずに持ってこられる。
だが、相手にも借り易い物は面白くないので、そういう物は無しという方向で。
逆に借り難い、或いは持ち運ぶのが困難な物は相手が引いたらラッキーだが、もしそれを自分が引いたりしたら大変なのでそういう物も無しという方向で。
じゃあどういう物なら良いか?
俺は数秒掛けて閃いた。
お互いが異性であることを利用しろ!と。
どういう事かと言うと、例えば俺は男だ、男なら男だから借り易い物や捕まえられるものがある。
しかし、男にとって容易な物でも女にとっては借り難い、もしくは捕まえられないものが世の中には沢山有るというのは諸君も心当たりがある筈だ。
そしてその逆も然り。
つまり何が言いたいかと言うと。
男性の俺にとって取って来易い物のであると同時に女性の先輩にとって取り難い物を書けば良いのだ!
我ながらエグつない発想だな、うん。
「では、始めようか」
「オッス」
そしてお互いに書き終えたので借り物の品が書かれた六つの紙切れをくじ引き箱に入れてシャッフルする。
箱に入れた六つの紙切れの内、三枚は自分が書いた物。
ということは三分の一の確率で自分が書いた紙を引ける。
だが、それは相手も同じ。
もし先輩の書いた紙を引いたらきっと男の俺では取り難い物が書かれているだろう。
先輩も自分は取り易く、俺には取り難い物を書いたに違いない。
「(ーーーこの勝負、どっちかが自分の方を引いた者が勝ちだ!)」
やがてシャッフルが終わり、俺と先輩は箱の中からそれぞれ一枚選んで取り出す。
準備が整ったことで、そろそろ借り物競争が始まる。
始まったら始まった此処がゴール。
つまり此処に早く指定された借り物を持ってきた者が勝者というわけだ。
ちなみに勝負開始の合図は定番の一二の三を一緒にすることで決定する。
そしてーーーー。
「一……」
「二の…」
「「三!」」
二人で開始の合図を出した瞬間、俺と先輩は即座に紙切れに書かれた借り物の品を確認する。
そして二人とも、借り物の品がある場所へと向かう。
先輩は本校舎へ、俺は学生会館へ。
借り物競争はスピードが命なので、お互い全力で走る。
5秒も掛からずに学生会館に着いた俺は二階へと駆け上がり…………
「ふぅ、今日の仕事も終わーーー」
「ビューティーィィィィ!!じゃなくて、トワ会長ぉ!!!」
「ふええええ!! ととととトモユキ君!? 一体どうしーーー」
「お借りしまーすっ!!」
「ちょ、きゃああああああああ!??」
案の定、生徒会室に居たトワ会長を拉致ーーーいや、確保する。
何故か悲鳴を上げているが気にしている暇は無いので、無視する方向で。
そんなことよりもターゲットを確保したことで階段から下へ降りるのが面倒だった俺は会長を担いだまま、部屋の窓から外へ飛び出す。
「って、此処二階ーーーーイヤァアアアアアアアアアア!!?」
「喋ると舌噛みますよ会長!」
細かいことを言う会長を注意しつつ、近くの木の枝で着地時の衝撃を軽減して地面に着地する。
無事に着地した俺はすかさず走り出し、疾風の如く速さでゴールへと向かう。
「「ゴールッ!!」」
そしてほぼ同時に俺とアンゼリカ先輩はゴールに到着するのだった。
「残念だったねトモユキ君、今回も私の勝ちのようだ」
「何言ってるっすか? 俺が少し早かったじゃないですか!」
「いーや、私の方が早かった!」
自分の方が早かったとそれを巡って口論が始まる。
……まぁ正直言って俺はどっちが早く着いたかは分からない。
だが、ここで負けを認めれば敗戦数を更に増やすことになり、それによって勝ち越すことが遠くなってしまう。
それだけはなんとしてでも回避しなけばならない!
俺のプライドの為にも! 何より勝った者に与えられる負けた者に何でも言うことを聞かせる権限という名のご褒美の為にも!!
「もぉ! いい加減下ろしてよ、トモユキ君!」
すると痺れを切らしたようにトワ会長が下ろすように訴え始めた。
「おや? その可愛らしいお尻と声はトワかい?」
「その声、アンちゃん? 良かったちょっと助けて~」
「ふむ………トモユキ君、一応君が引いた借り物の品を教えてくれないかな?」
「良いっすよ」
先輩の注文に応えて俺は紙切れを広げる。
紙切れには『女子生徒の下着』と書かれていた。
「それは私が書いたものだな」
「やっぱり………」
流石アンゼリカ先輩だ。
〝これ〟は男では到底借りることが出来ない物を選びやがった。
俺程の忍じゃなかったらアウトだぜ。
「しかし、君が持ってきたのはトワだ。それでは指定された借り物の品としてーーー」
『合っていない』と言い掛けた先輩だったが、言葉の途中でハッ!と眼を見開く。
どうやら気付いたようだ。
「まさか……! 君がトワを持って来たのは………!」
「そう、そのまさかですよ!」
勘づいた先輩に応えるようにバサァ!と会長のスカートを目繰り上げる。
『ふぇ?』と抜けた声と共にスカートの中からストライプ柄の三角地帯が一瞬露になった。
直後にボッと会長の顔が蛸のように真っ赤に染まる。
「き、きゃあああああああああ?!!」
「考えたね! 借りるのではなく、〝それ〟を付けている人をそのまま持ってくるとは!」
「ふっ……何事にも柔軟な発想ですよ、発想! 男が女の子の〝それ〟を借りて持ってくるなんて、どう言い訳したってただの変態ですからね!」
「今さっきの行動も十分変態だよ! トモユキ君のバカ! エッチ!! 痴漢!!! 変態!!!!」
罵声を飛ばしながらポカポカと俺の身体を叩くトワ会長。
全然痛くない上にその行動も愛らしさを感じるとは、全く大した12歳だ。
「それにしても何でトワなんだい? 君ならその辺に居る子を適当にかっさらいそうだが」
「見くびらないでくださいよ先輩。一流の〝忍〟ならこの場面に相応しい者を連れてくることが出来るのです」
「つまり、それがトワと?」
「えぇ。まぁもっとも以前、会長が『私に手伝えることなら何でも言ってね!』と言ったくれたのが最大の理由なんですけどね」
「確かに言ったけど、こんなことを手伝う為に言ったんじゃありませーん!!」
何を言っているのか分からない為、とりあえず口笛を吹いてみる。
言っておくが『全く、細かいなぁ会長は』などとは微塵も思っていない。
ついでに『余り細かいことばかり気にしても、絶壁は治りませんよ』なども、微塵も思っちゃいないぜ。
「………トモユキ君、今とても失礼なこと考えなかった?」
「イイエ、ソンナコトアリマセンヨー」
女のカンって、怖ぇー………。
ま、まぁそれはともかく、いい加減抱えている会長を下ろしてやろう。
これ以上怒らせたら流石に不味いだろうし。
……あっ、そうだ!
先輩の方の借り物が何なのか、見てないな。
一応確認しておこう。
「そういえば先輩の借り物は何でした?」
「私かい? 私のは………これさ」
と懐からゴソゴソと取り出す。
出てきたのは髪の毛の塊だった。
「あ、アンちゃんそれって………カツラ? しかも何処かで見たことのあるような………」
「成る程、先輩が引いたのはーーー」
「ご察しの通り、私の借り物はぁ!」
『これだ!』と先輩は自分が引いた紙切れを広げる。
そこには『教頭のカツラ』と書かれていた。
「って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! ハインリッヒ教頭のカツラを取ってきたのーーー!?」
「まぁね。ちなみにこれを書いたのはトモユキ君、君だろう?」
「無論そうですよ。ところでよく持ってこれましたね先輩、教頭が素直に貸してくれたんですか?」
「はははっ、まさか! 時間が惜しかったから気絶させてちょっと拝借させてもらったのさ」
だと思ったぜ。
流石アンゼリカ先輩! 全うな人じゃ出来ないことを平然とやってのける!
そこに痺れない! 憧れない!
『うぎゃあああああああああああああ!!! 私の髪がぁーーーーーーーーー!!!?』
するとが本校舎内から断末魔のような悲鳴が響く。
この声は…………。
「い、今のって、ハインリッヒ教頭の声だよね?」
「みたいっすね。どうやらお目覚めしたようですよ先輩」
「やれやれ予想よりも早く起きたか。バレる前にこれは処分しなきゃいけないね」
サラリと非道なことを言うなこの人も。
教頭に同情を覚えつつ、俺は勝敗の話に移そうとした時、先輩の懐からポロっと何かが落ちた。
「「「あ」」」
この場に居る俺達三人の声が重なる。
懐から落ちたのは俺が引いた借り物と同じ、女性の下着。
しかもクマさんが書かれている、如何にも子供っぽいものだった。
「アンちゃん………それ、私の下着だよね?」
声のトーンを低くした会長が先輩に訊ねる。
あれってトワ会長のだったのか、色々と納得………。
っていうか、眼が据わって怖いですよ会長。
アンゼリカ先輩は眼を逸らしつつ、額から大量の冷や汗が流れして滅茶苦茶焦っているのに対し、トワ会長は対照的に表情から感情が消え去っていた。
「何処を探しても無いと思ったら、アンちゃんが持ってたんだね………道理で」
「と、トワ、これはだねーーー」
「友達を疑いたくなかったけど、私の下着を盗む人なんてアンちゃんぐらいしか思い付かなかったから、本当に残念だよ……」
別れを告げるようにそう言って会長はジャキィ!と魔導銃を取り出し、バッと後ろに飛んで距離を取った。
一方で先輩は血の気が引いたような顔を浮かべ、次に回れ右を行い、この場から逃走しようとする。
しかし、会長が魔導銃の引き金を引くのが早い。
…………あれ? もしかして此処に居たら俺もーーーー
「待って会ーーー」
「『レインボーショット』!!!」
魔導銃から放たれた七色の光が無慈悲にも俺の声を掻き消した…………。
ーーーやがて、講堂の方から一つの人影が現れる。
「今日の演習も終了、日が落ちる前に寮に戻りましょうか。そういえばさっき本校舎の方から何やら馬鹿デカイ音が…………って、何事ですかこれはァーーーーーー!!?」
クラブの帰りにゼオラは本校舎の前で地面に横たわる焼死体になり掛けたトモユキ、アンゼリカ、教頭の三人を発見するのだった。
借り物競争でトモユキとアンゼリカが書いた借り物の一覧。
トモユキ=『ミミズ』『教頭のカツラ』『TE○GA』
アンゼリカ=『女子生徒の下着』『女性教官の下着』『TE○GA』
気付いたらアンゼリカだけがキャラ崩壊してたけど、他のSS閃のアンゼリカも似たようなキャラ崩壊していたw