(Z–>)90º – (E–N²W)90ºt = 1   作:ASHIMU

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よろしくお願いいたします!


プロローグ

やぁ、ご機嫌麗しゅう、皆さま最近いかがですか?

 

色々あると思います、調子のよい方はどうかその調子で、調子の悪い方は今は耐え時と頑張りましょう。

 

あ、ちなみに私はというと…

 

 

 

 

目の前にトラックが迫っております。

 

 

え?轢かれるって言うのになんで余裕かましているかって?いや、別に余裕かましているわけではないんですがね…

 

 

今日はお休みなので、お出かけしよう!

昨日できたデッキを回すためにカード屋だ!

移動中にトラックが目の前に!

 

 

 

で、何故かその瞬間[世界が止まりました]

 

いや、比喩でも何でもなく本当に止まってまして

 

昨日の雨でできた水溜まりから跳ねてる水がかれこれ…丸3日空中にいます。

 

そして私も3日、瞼も閉じれません、完全に停止しております。

 

まぁ、最初は混乱もしましたし、どうにかしようとしたのですが…まぁ、完全にどうしようもございません。

 

そもそも丸3日とか言ってますが、実際どれくらいかわかりませんし、最早諦めの境地です…何故か思考は出来てますが。

 

 

 

 

 

(しかし、現実逃避も飽きたな)

 

 

この意味のわからん状況になって体感で丸3日

目の前には相変わらずトラックが視界の殆どを占めていて、動かす事も出来ない。

 

(どこかの誰かに話しかけでもせんと気が狂う…ってか運転手起きろよ、居眠り運転で死ぬのかよ…)

 

最早何度目かわからない悪態をつく、この状態は既に諦めている、もちろん死にたくは無い、だがこの異常な状態とそれにより生まれた時間により整理はついている…しかし、未だに変化は無い。

 

(これが続くと[考えるのをやめた]って状態になるのかね?…あー、コントロールに耐えられた時もこんな感じか…デッキ回したかったなぁ…)

 

また、新しい未練が増える。

血縁や友人への未練や不満等は言い尽くした、そんな所に新たな未練ができるとその事ばかり考えてしまう。

 

(明日金曜日だったのになぁ…今度こそ全勝するって意気こんでたってのに…)

 

一年前から始めた、カードゲーム

元々は別のカードをしていたが、あるときに友人に誘われ始めた…ハマりすぎて元々やっていた方を止めてしまったのは笑い話だが。

 

(こんなことなら他のデッキも使ってみればよかったかなぁ…いまさら使う気になれんか)

 

始めるときに友人と市販のデッキで遊んだのだが、殆ど負けてしまい、意地になって一年間そのデッキを使い続けている、まぁ、最早《色》ぐらいしか共通点は無いのだが。

 

そんなことを考えていた時だった。

 

(ん?)

 

相変わらず視界は変わらないが、音が聞こえた。

 

(なんだ…声…か?)

 

振り替える事は出来ないが、男の声が聞こえる、その声には不満の色がありありと浮かんでいた。

 

「ちっ!…ここも無駄足か…なんの役にも立たなかったな、マナを操る術も無いとは…」

 

(マナ?)

 

ファンタジーによくある言葉だ、魔力とか、ファンタジー世界のエネルギーを指す言葉だ…自分にとっては慣れしたんだ言葉でもある。

 

「…仕方がない戻るか…?…ん?」

 

後ろから聞こえる疑問の声、続けて聞こえる少しづつ近づいてくる足音。

 

(もしかして、助かるのか…?)

 

希望が生まれる、色々と理解が追い付かないが、この状態に適応しているなにかがこちら側に近づいてきている、もしかしたらと、淡い希望にすがりつくが…

 

「…不運な奴だ」

 

(おい、ちょっと待て!それだけか?!)

 

あっさりと裏切られる。

こちらが勝手に抱いた希望とはいえ、文句が出てしまう。

内心で後ろの何かに罵詈雑言を浴びせていると…

 

「…《Planeswalk》」

 

と聞いた事のある単語が聞こえた、その直後にナニかが開く音、そして…

 

(な、なんだぁっ!?)

 

自分のポケットの中と荷物からから光が溢れだし始め、中身が外に飛び出した!

 

「これは…?マナに反応して…?」

 

(おおおぉぉぉぉ?!)

 

飛び出したのはカードだ、自分の回りを竜巻のように回りながら自分を包み込む、カードの回転はどんどん早くなり、光がどんどん強くなっていく。

 

(な、なんかヤバくないか、コレ?!)

 

回転も光も止まらず、恐らく外から見れば光の球体に見えるだろう。

 

(な、なんなんだよぉ!?)

 

もはや戸惑いの言葉しか出てこない、体は相変わらずピクリとも動かないが、カードの竜巻は少しづつ後ろに移動していた。

 

「…面白い。」

 

ボソリと声が聞こえた、続いてバチバチとした音が聞こえ、赤い光がカードから生まれた光に追加される。

 

「マナを恵んでやろう、さて、どうなる?」

 

その声を最後に、俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光の球体は消え、赤と青のコートを着た男はカードを見ながら、興味深そうに笑みを浮かべた。

 

そのカードの裏にはこう書いてあった。

 

 

《MAGIC The Gathering》

 

 

 




次回から本編!

下手くそですが頑張ります!

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