第84話 六魔将軍篇から1週間・・・・
「最近の俺の扱いって酷いと思わないか?」
「そうか?」
「だって置いて行かれたんだぜ?」
「その話まだ引き摺ってたんだな・・・・・・」
ギルドのいつものカウンター席で、いつもの様にミラが作った軽食を食べながらコーヒーブレイク。
六魔将軍との戦いから数日が経過した、あるお昼。
俺達の日常は相変わらずだ。
レッドを相手に愚痴を溢し、レッドはミラが作ったチョコのショートケーキをパクついている。
「美味そうだな、一口くれ」
「嫌」
「良いじゃねぇか、ちょっとくらい」
「ミラに頼めばいいだろ」
「それもそうか」
別に金に困ってる訳でも無いしな。
「ミラ、パスタ追加」
「はいはい」
「あれ、ケーキは!?」
何となく気分じゃ無かった。
◆◆◆
「うーん・・・・・・・」
飯も食い終わり、さて今日は何やって過ごそうかとギルド内をうろついていると、リクエストボード前で唸るウェンディ、クリス、シャルルの2人と1匹を見かけた。
「何だ、仕事が決まんねぇのか?」
「色々あり過ぎちゃって・・・・・・」
まぁ、結構種類多いからなぁ。
「始めの内は誰かのアシストをやるのも良いと思うぜ。報酬は減るが、その分安全さが増す」
「アシスタントですか?」
「確かに、初めはそれがいいかもしれませんが・・・・・・」
「と言っても、この連中とじゃねぇ・・・・・・」
チラッとシャルルの視線の先を視る。
ナツとエルフマンが、カウンターで狂ったように笑ってた。
意味が分からん、何が面白かったのだろう。
その横にいるガジルはシカトしてるし。
「ウェンディ、クリス、仕事決めたの?」
暇してるのか、ルーシィとレビィがやって来た。
「いや、今誰かのアシストをやってみたらどうだって言ってたところだ」
「そう言えば、ルーちゃんも初仕事は祐一とナツでしたんだよね?」
「おかげで命がいくつあっても足りない目に何度あった事か・・・・・・」
「でも楽しそうだよ?」
ルーシィが涙を流しながら遠い眼をする。
俺は悪くないぞ?
「あの・・・・・・」
「うん?」
「私達、フェアリーテイルに来てもう1週間になるし、そろそろ初仕事をッて思ってるんですけど」
ウェンディの言葉に、レビィが「じゃあ、シャドウ・ギアと一緒にやる?」と誘いをかけ、次にルーシィが「やるなら私達とどう?」と誘った。
「えー、ルーちゃん今、命がいくつあっても足りないって・・・」
「うーん・・・・・・」
「順番でいいんじゃねぇか?」
別に1つのチームとでしか仕事できないって訳でもねぇし。
「うん、決まり!」
「で、どっちが先に?」
「うーん・・・・・・」
ルーシィとレビィ、どっちのチームと先に仕事をするか。
「ウェンディとクリス、2人別々に仕事したっていいんだぜ?」
「うーん・・・・・・最初はやっぱり2人でが良いかなぁ。ちょっと不安ですし・・・・・・」
「私も・・・・・・」
見た目は全然似てはいないが、同じ考えなのか、雰囲気は姉妹っぽいよなコイツ等。
「ま、焦らずゆっくり決めな」
仕事は別に逃げない・・・・いや、早い者勝ちだからな。
やりたい物が有るなら、早めに決めた方が良いのか。
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