俺達の目の前に現れる7体の黒いサーヴァント。
その7体を【解析‐アナリシス‐】で情報を読み取る。
セイバー:ジークフリート
アーチャー:ケイローン
ランサー:カルナ
ライダー:アキレウス
キャスター:メディア
アサシン:李書文
バーサーカー:ヘラクレス
「マジで?」
知ってんのがメディアとヘラクレスしかいねぇんだが。
俺が観たのstaynightとZEROだけだぜ。
能力も解析していく。
・・・・・あのジークフリートとアキレウスとヘラクレスは不死スキル持ちで、カルナとケイローンは何だ? 何かヤバい宝具持ってんだけど。
李書文は・・・佐々木小次郎とスタイルは違うが似たタイプだな。
技を宝具の域にまで到達させたサーヴァント。
メディアは、対魔力が高いサーヴァントが相手の聖杯戦争に参加していたから最弱のイメージがあるが、メディアその者の腕前は神域の魔術師だ。
油断は出来ない。
「今回は簡単にはいかなさそうだな・・・・・・」
「流石に向こうも転生者相手にする手ぐらい考えてるでしょ」
「へへへ・・・ワクワクしてくんな!」
俺の様に情報が頭に入ってくるわけではないが、皆も気配でヤバい奴等だという事は察したようで、各々既に戦闘準備は完了している。
ルーチェは【白眼】と【一方通行‐アクセラレータ‐】を常時発動し、悟空はスーパーサイヤ人2になり、エリザベスは全身を【最強の盾】で覆い、クリスは【アルティメット化】して右手に【5本の鎖】を出していた。
俺も右目に【白眼】左目に【万華鏡写輪眼】額に【輪廻眼】の三大瞳術を発動させ【六道仙人モード】となる。
「人数は向こうが上か・・・・あんま離れんなよ」
「分かってるって」
サーヴァント達が動き出した。
メディアとケイローンが魔法や弓で遠距離から俺達を牽制し、他の5体が接近して来る。
ジークフリートとヘラクレスがその剣を持って斬りかかり、アキレウスは三頭立ての戦車に乗って疾走し、カルナは何かデカい槍振り回しつつ目からビームを撃って・・・て、目からビーム出んのかよアイツ!?
飛んで来るビームやら何やらを右手の【幻想殺し‐イマジンブレイカー‐】で弾きつつ、
「見えてるぜ」
スキルで完全に気配を絶ち、姿を消している李書文が背後から襲い掛かってきたので蹴り飛ばす。
気で姿を消しても、この眼の前には無意味。
少なくとも、俺とルーチェには姿が見えている。
そのルーチェはカルナに黒い翼を持って攻撃をしているが、奴の黄金の鎧が全てを阻む。
攻撃が通らないようだ。
悟空は戦車に乗って疾走するアキレウスに追従しつつ気弾で攻撃するが、殆んど当たらない。
少ないながら幾つか当たったようだが、全く効いていない。
エリザベスとクリスは、ジークフリートとヘラクレスの猛攻を防いだり搔い潜りながら攻撃をするが、余り効果は無いうえ、援護攻撃をするメディアとケイローンの矢や魔弾の回避等をしているせいか、攻撃の頻度も低い。
「メンドクセェな・・・・・」
1対1の状況に持ち込めれば、俺達ならどうとでもなる。
不死性を持つ3体も、完全な不死身って訳じゃ無い。
ジークフリートの背中は不死性が無いので、そこを攻撃すればいい。
同じく、アキレウスはアキレス腱。
ヘラクレスは致命傷を12回与えれば倒せる。
カルナの鎧は神々でさえ破壊困難のようだが、俺の完成させた【直死の魔眼】なら殺せるだろう。
ケイローンは死んだ後にでも発動出来る宝具が厄介だが、俺かエリザベスなら食らってもあまり意味が無い。
1回死んだくらいなら再生すればいいだけだ。
厄介とはいえ、1日に1発しか使えない。
李書文は気配を絶てるが、俺とルーチェの瞳術なら見切れるし、格闘戦も問題無く対処出来る。
メディアの宝具は特に脅威には感じないし、魔法も俺なら完全に防げる。
攻略法は確かに存在するが、向こうはバーサーカー化しているというのにそれなりに連携が取れていた。
其々の弱点を狙おうとしても、誰かがそのカバーに入る。
サーヴァントと基礎スペックがそんなに大きく離れていないからか、此方の動きも対処される。
今まで戦ってきた雑魚とは違う。
向こうは英雄だ。
そもそも戦ってきた場数が違うだろう。
このまま戦っても埒が明かない。
いや、霊体な分向こうが体力的には余裕があるのかもしれん。
コッチもどうにかして頭数を増やすか?
いや、仮にナツ達が合流してもこの戦いには付いて来れる気がしない。
チート能力持ちの転生者が手こずってんだから。
それか、もうどうにかして大幅に戦闘力を上げてパワーアップとか――――――
「―――――そうだ、それだ!」
今の戦力で拮抗してるんなら、コッチの戦力を・・・いや、戦闘力を上げればいいだけだ。
「悟空! コッチに来い‼ ルーチェ! エリザベス! クリス! 少しの間でいい、お前ら時間稼げ‼」
「どうする気よッ!?」
こんな時に頭数を減らすなとルーチェが怒鳴る。
まぁ、無茶言ってるのは分かるが理解して欲しい。
「この状況を打破する! 1分でいいから稼げ‼」
それだけ言って、俺は少し離れた墓所へと移動する。
悟空も付いて来た。
ルーチェとエリザベスの非難の声が聴こえてくるが、無視だ無視。
戦闘開始場所から100メートル程離れた地点に移動し、悟空が隣に並んだ。
「どうすんだ?」
「パワーアップしてぶっ倒そうと思ってな。悟空、アレ、出来るだろ?」
俺の言葉に悟空は首を傾げるが、直ぐに「ああ、アレか!?」と気が付いた。
「やったことねぇけど、たぶん出来っぞ!」
「んじゃ、やるか。現状を打破するにはそれしかねぇし」
「もうちょっと1人で戦いたかったけどなぁ・・・・・」
「ボヤクな」
また今度にしなさい。
俺と悟空は其々少し離れて横に並ぶ。
アレはかなりダサイとはいえ、あのサーヴァント達をどうにかするんなら、コレが一番だろう。
「いくぞ‼」
「おう‼」
そして俺達は、アレをやる。
「「フュー・・・・・・ジョン! ハァッ‼」」
激ダサいモーションを取り、俺と悟空の両手に人差し指が合わさり、俺達の身体が光り出す。
【融合‐フュージョン‐】。
ようは合体する技である。
そして、俺と悟空は1つになった。
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