俺の力を試すには丁度いい。
まだ実践は一度もやってないからな。
「転生したんならよ、当然特典は得たんだろ? 何を得たんだ?」
ルーチェ「一々言うと思う?」
「別に思わんが」
俺の特典は六つ。
完成・無限の剣製・幻想殺し・ステータスMAX・魅惑の究極美貌・六道仙人の力。
無限の剣製は、まだ何も武器をコピーしてないから使えない。
完成も同様だ。
これは相手が特典で得た力を使えば修得出来るだろうが、それはつまり後出しでしか使えないということでもある。
まず、相手の力を観察するところから始めなければならないのだから。
幻想殺しは、異能の力にしか作用しない。
少なくとも今は、右手で相手をぶん殴るくらいしか使い道はないだろう。
ステータスMAXは既にこの身に作用している。
魅惑の究極美貌が全くこの女に作用してないのは、それはおそらくこの女がそもそもイケメンにしか惚れてないからか。
ということは、俺がまともに使えるのは六道仙人の力のみ。
「いくぜ」
走って一気に距離を詰める。
俺のやることはシンプルだ。
まず、右手で殴る。
相手がどんな特典を持っているのか分からない。
不用意には攻撃出来ないが、俺の右手、幻想殺しならどんな能力も無効化する。
そして両目を写輪眼に変化させた。
なにかしてきても、この目で見切ることが出来るだろう。
写輪眼の先にあるのが輪廻眼なら、逆も出来る筈。
六道仙人の力という曖昧な表現で得た神様特典だったが、どうやら都合よく作用するようだ。
俺の拳が迫るというのに、ルーチェの顔は不敵な笑みを浮かべている。
・・・なんだ、この余裕は?
ルーチェ「フッ、無駄よ。私にそんな打撃は通じないわ」
何かあるのだろうが、今更拳を止める気はない。
その右拳を、ルーチェの顔面へと繰り出し、
ルーチェ「私の特典は4つ。その内の一つ『一方通行‐アクセラレータ‐』はベクトルを操り、あなたの攻撃を反射さぷげらばあぁっ!?」
――――――――――その右拳は、容赦なくルーチェの顔面を打ち抜いた。
拳に打たれたルーチェは殴られた勢いでクルクルと身体が回転しながら吹っ飛び、顔面から地面に落下した。
なにやら「ぷぎゃぶぅっ!?」と潰れる声が漏れたが、まぁ、どうでもいいことだ。
倒れてもすぐに立ち上がったが、足はガクガクとKO寸前のボクサーのように揺れており、殴られた顔面からは鼻血がダラダラと垂れている。
ルーチェ「な、何故? 私の反射能力が・・・・」
「あー・・・俺の特典の一つが『幻想殺し‐イマジン・ブレイカー‐』なんだわ」
ルーチェ「なん・・・だと・・・・・?」
何か驚愕してぶっ倒れたが、まぁどうでもいいか。
取りあえず、コイツの能力『一方通行‐アクセラレータ‐』はコピーさせてもらった。
しかしベクトル操作とは、いきなり当たりを引いたな。
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