「祐一達、どこ行ったの!?」
「急に消えたぞ‼」
オラシオンセイスとの戦いで倒されたナツ達が、急にこの場から消失した祐一達の行方を探すが、何処にも姿が見つからない。
連合軍の殆どを倒されて、無事なのはケット・シェルターの2人と一匹のみ。
だが、
「来い、天空の巫女!」
「きゃあッ!?」
ブレインの魔法で、岩陰に隠れていたウェンディは連れ去られてしまう。
「お姉ちゃん!」
ウェンディを助けようとクリスは飛び出すが、それは森の木々の影から幾つか飛んできた黒い影によって阻まれる。
空中で身を捻って躱そうとするが、1つが頬に掠ってしまい、赤い筋が出来上がり、そこから血が垂れて来た。
避けた物が後ろの木々に幾つか突き刺さっていた。
それは黒い短剣だ。
森の奥に潜む何者かが、コレを投げたのか?
だが、姿が見えなければ気配も感じない。
「ッ!?」
突如上空から黒い何かが飛んできた。
それは黒い疾風だ。
黒い人影が弾丸の如きスピードと速さで風を切り、飛来する。
黒い鎧、黒い剣を携えた騎士。
ウェンディを追うクリスの前に立ち塞がる。
「そこ退いて・・・・・!」
クリスの言葉に、黒い騎士は何も語らない。
「フン。此処は任せたぞ」
クリスを一瞥したブレインは、ウェンディと、何故かくっついているハッピーを連れてこの場から去って行く。
「待って‼」
そんなクリスの叫びに応える筈も無く、ブレイン達はこの場から姿を消した。
◆◆◆
「うぉぉぉおおおおらぁぁぁぁぁあああああああああああああああッ‼‼‼」
投影で様々な武器を造り出し飛ばしてくるエミヤに、俺も同じく複製し、同じ武器を飛ばして相殺させていく。
己の手に握るのは、最初と変わらず干将莫邪。
接近戦に持ち込み、何合をも剣戟を重ねて徐々にエミヤを押していく。
そして、押しているのは俺だけではない。
もうみんな、敵サーヴァントをトドメを刺そうとしている所だ。
ルーチェは【一方通行‐アクセラレータ‐】の能力で、その背から黒い暴風の翼を噴出させてディルムッドを吹き飛ばす。
エリザベスは【王の軍勢‐アイオニオン・ヘタイロイ‐】で現れた兵士達を焔の錬金術で焼き払い、【神威の車輪‐ゴルディアス・ホイール‐】という戦車に乗るイスカンダルを、全身【最強の盾】で固めて力づくで止め、【最強の矛】でイスカンダルの胸を刺し貫いた。
悟空はスーパーサイヤ人3と化して、気で全身を纏い肉体を頑強にしてランスロットの剣を拳で薙ぎ払い、その身体を上空へと蹴り飛ばす。
そして、
「オラがやらなきゃ誰がやる!? 龍拳爆発ぅぅぅぅぅうううううううう‼‼‼」
その拳がランスロットの胴体をぶち抜いた。
「後は俺等だけだな」
この戦闘でエミヤが投影した武器は全て覚えた。
その武器と、俺が今まで見て来た武器を投影し、空中に展開する。
何百という剣や槍、斧等が宙に浮いている様は壮観だ。
「コレで終いだ。【無限の剣舞‐アンリミテッド・ブレイド・ダンス‐】‼」
空中で停滞していた武器が、一斉にエミヤに飛来し、その身体を串刺しにしていく。
その姿が見えなくなるほど武器で串刺しにされ、エミヤの肉体が消滅した。
英霊全員が消滅し、展開されていた固有結界が音を立てて砕け散った。
.