FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第57話 バトル・オブ・フェアリーテイル

 

 

「この街に、こんなに人がいたなんてねー」

「『大パレード‐ファンタジア‐』目当てに、他の街からも大勢来てるからな」

 

毎年の、この街の恒例行事・・・・収穫祭。

街の人は祭りの準備に忙しなく動いており、それは俺達フェアリーテイルも例外ではない。

俺達は夜にあるパレードに出て、其々に魔法を披露するのだ。

さて、今年はどんな魔法を披露しようか・・・・・・。

 

「大パレード! あたしも見たーい‼」

「お前、参加する側だぞ?」

 

祭り前でテンション上がってるルーシィに、苦笑しつつツッコむ。

まぁ、気持ちは分からんでもないしな。

ルーシィは「参加といえば・・・・・・そろそろミス・フェアリーテイルコンテスト始まっちゃう~~~‼」と、ギルドに突っ走って帰って行った。

ミス・フェアリーテイルコンテスト。

つまりはミスコンだ。

このミスコンも収穫祭のイベントに組み込まれており、当然客も来る。

俺もギルドの一員として、盛り上げていかなければ!

 

 

◆◆◆

 

 

・・・・・そう考えていた時期が、俺にもありました。

まぁ、知っていたが。

 

「よォ・・・フェアリーテイルの野郎共・・・・祭りはこれからだぜ」

「ラクサス‼」

「フリードにビッグスローも!?」

「雷神衆‼」

「ラクサス親衛隊だ‼」

 

突然ミスコンに乱入した、雷神衆の1人・・・エバーグリーンが、ミスコン参加者を全員石化させてしまったのだ。

そして、ステージの上にラクサスが雷神衆を連れて参上したのである。

 

「遊ぼうぜ、ジジィ」

「馬鹿な事は止さんか! こっちはファンタジアの準備も残っとるんじゃ! 今直ぐ皆を元に戻せ‼」

「ファンタジアは夜だよな。さぁて、何人が生き残れるかねぇ・・・・・・」

 

カッ‼と、ステージの頭上に雷が発生し、石化したルーシィに襲い掛かる。

その落雷はギリギリで外れて、ステージの床を壊しただけで済んだ。

ハナっから当てる気なんかねぇクセに・・・・・・。

 

「この女達は人質に頂く。ルールを破れば1人ずつ砕いて行くぞ。言ったろ、余興だと」

「冗談ですむ遊びと、そうはいかぬものがあるぞ、ラクサス」

「もちろん、俺は本気だよ」

 

ジジイのドスの利いた声も大した脅しにはならないようで、ラクサスは止める気は無い。

 

「ここらでフェアリーテイル最強は誰なのかをハッキリさせようじゃないか」

「――――っつう遊びだヨ」

 

フリードとビッグスローの発言に続き、ビッグスローのベイビー達が「あそびあそびー」と楽しそうに笑う。

・・・・・・地味に可愛いんだよな、アレ。

 

「ルールは簡単。最後に残った者が勝者・・・・・バトル・オブ・フェアリーテイル」

 

――――――――ガコォォォォォォオンッ‼

 

と、大きな音を立ててテーブルが宙へと吹っ飛ぶ。

視ると、

 

「いいんじゃねぇの? 分かりやすくて。燃えて来たぞ!」

 

拳を振り上げたナツがいた。

さっきまでエーテリオン食った影響でダウンしてたのに、ようやく調子が戻ったようだ。

 

「ナツ・・・・・・俺はお前のそういうノリのいいとこは嫌いじゃねえ――――」

「行くぞ‼」

 

言って、ナツはいきなり突っ込んだ。

 

「おーいナツ、お前昔ラクサスに瞬殺されたこと覚えてねーのか?」

 

俺の記憶がボケてなければ、確か去年ナツが喧嘩吹っ掛けて、1秒も持たずに瞬殺されたはずだ。

実力に圧倒的な差がある事を、この馬鹿は理解しているのだろうか?

 

 

「ガキの頃の話だ‼」

「いや、去年の話だよ」

「去年はガキだったんだ‼‼」

 

今もガキだろーが、瞬殺されんぞ。

 

「―――だが、そういう芸のねぇとこは好きじゃねぇ」

「オラァァァァァァァァァッ‼」

「落ち着けよ、ナツ」

 

――――――――ビリビリビリィッ‼

 

「びぎゃあああああああああああああっ‼‼」

 

あ、やっぱ瞬殺された。

少しは学習するという事を覚えてくれ。

 

「この子たちを元に戻したければ、私達を倒してごらんなさい」

「俺達は4人、そっちは100人近くいる。うっわぁ‼ こっちの方が不利だぜ、ぎゃははははっ‼‼」

 

何が不利だっつー話だ。

ラクサスは当然としても、この雷神衆の3人もギルド内でも上位の実力者。

今動ける此処に居るメンバーでこの三人に勝てると断言できるのは、俺とジジイ位だ。

互角に戦えるのがナツ、グレイ、ガジルで、次点でエルフマン。

大穴でアルザック、マックス、マカオ、ワカバ、ジェット、ドロイ、リーダス、ビジター、ナブ、ウォーレン、ラキか。

後の奴等では勝負にもならずに終わる可能性が高い。

 

「制限時間は3時間ね。それまでに私達を倒せないとこの子たち・・・・・・砂になっちゃうから」

「バトルフィールドはマグノリア全体。俺達を見つけたらバトル開始だ」

 

まぁ、俺が倒せばいいだけの話だが。

今回は身内での喧嘩だ。

そう深刻になるほどでもないだろう。

 

「バトル・オブ・フェアリーテイル・・・・・開始だ‼‼」

 

 

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