上を目指し、俺は塔の階段を登っていく。
偶に振動で塔が揺れるのは、ナツ達が戦っているからだろう。
其々が原作通りの敵を相手にしているようだ。
なら、何も問題は無いだろ。
俺は、俺の敵を倒す。
「・・・・・・・・・この先だな」
結構上まで登って来たのだが、天辺まではまだ先だな。
まぁ、ジェラール以外の敵を倒したら、外から飛んでいけばいいか。
目の前にある扉を足で押し破る。
結構な大きさの広間に出た。
もしかしたらこの階は、ほぼこの広間が占めているのかもしれない。
辺りは暗く、視界は悪い。
まぁ、俺の【完成‐ジ・エンド‐】して獲た視力なら問題は無い。
暗い広間を歩く。
この大広間の真ん中に、そいつは居た。
「よお、アンタが4人の戦士の1人か?」
背は俺より少し下だろうか。
背中まで伸びた赤茶色の髪。
細身で華奢だが、性別が男だと言うのは体格で分かる。
タキシード姿も目を引くが、それ以上に目立つのは奴の顔。
仮面を付けている。
髑髏を思わせるその仮面。
アレは・・・・・・・虚の仮面か?
「お前、転生者か?」
この世界には無い能力。
そこから導かれる正体は、一つだけだ。
「―――――――――――――――――――――」
けど、なんだかなぁ・・・・・・。
下でエコーロケーションした時も感じたんだが、転生者にしては気配が妙だ。
ルーチェ・クライン。
孫悟空。
エリザベス・マスタング。
鮫島篤。
俺が今まで出会った転生者4人は、出会った瞬間、自分と同じ転生者だという事が直感で感じ取れた。
だが、この仮面の男は、転生者の気配を醸し出しているが、何か違う。
転生者だが、根本的に何かが違う、暗い何かを感じる。
「―――――――――――――――――――――」
「・・・・・・おい、黙ってないで何か言ったらどうだ?」
さっきからだんまりだよコイツ。
一護の虚の仮面を付けてるから転生者の類だとは思うんだが、何か喋ってくれねぇと何も情報が得られねぇぜ。
喋らない所か、ピクリとも動きやがらねぇし。
・・・・・・・もういっそ素通りしてやろうか。
「足止めする気がねぇんなら、先に行かせてもらうぜ?」
足を一歩前に進めた、その時だった。
「ッ!?」
ザワァッ・・・・・・・・と、背筋が凍った。
嫌な予感・・・・いや、コレは悪寒だ。
圧倒的な死をイメージさせられる、黒い気配。
「・・・・・・・殺さねぇと、先には行けない、か?」
そうか・・・・・・・コイツが。
ファントム戦で鮫島篤に戦闘不能に追い遣られた時、俺を転生させた女神が言っていた。
殺さなきゃヤバい転生者。
それがコイツか。
「なら、初っ端から飛ばしてくぜ!」
右目を万華鏡写輪眼、左目を輪廻写輪眼に変える。
更にモード雷炎竜‼+六道仙人モード‼+威装・須佐能乎‼
「多重影分身の術‼」
100人の影分身を造り出す。
「一気に片付けてやるよぉ‼」
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