FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第34話 上田祐一VS鮫島篤 第2ラウンド‼

 

 

 

篤「随分見た目が変わったな、それが本気モードってやつか?」

 

祐一「ま、そんな所だ」

 

 

俺の今の姿に、興味深げに視線をやる篤。

だが、呑気に観賞させてやる気は無い。

一気に行く!

 

 

祐一「いくぜぇっ‼」

 

 

音速のスピードで一気に鮫島篤へ間合いを詰めて、

 

 

祐一「大玉螺旋丸‼」

 

 

右掌に生み出した大きな螺旋丸を、鮫島篤の腹目掛けてぶち込んだ!

 

 

篤「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

 

大玉螺旋丸の回転力で、鮫島篤はグルグルと回されながら吹き飛んだ。

大きな音を発てて壁に激突する。

普通なら死んでるか重症なんだが・・・。

 

 

祐一「これで、くたばってはくれないんだろうな」

 

篤「当然だろ!」

 

 

ガラッと、崩れた壁の瓦礫に埋もれていた篤が、瓦礫をどかして出て来る。

やはり大して利いてないか。

鮫島篤は首をゴキゴキ鳴らして、グルリと肩を回す。

 

 

篤「いきなりだな・・・今回は楽しめそうだぜ!」

 

祐一「悪いが、俺は楽しむ余裕は無さそうだからな。速攻で終わらせてやる」

 

篤「上等‼」

 

 

鮫島篤の闘気が膨れ上がり、その身から黒い何かが現れる。

グルメ細胞の悪魔だ。

・・・・アレが問題だな。

俺は両手の人差し指を十字にし、印を結ぶ。

 

 

祐一「多重影分身の術‼」

 

 

ボボボボボボンッ‼と、俺の分身体が現れた。

その数、100体。

それらが一斉に襲い掛かる!

 

 

「「「「「大玉螺旋多連丸‼」」」」」

 

 

大勢の俺が、大玉螺旋丸を繰り出す。

だが、それらの分身体は大玉螺旋丸ごと、グルメ細胞の悪魔に薙ぎ払われた。

やっぱあの悪魔の腕には、並大抵の攻撃じゃあ通らない。

螺旋丸だけでなく、色々身に纏っている俺の分身体も簡単に消された。

15体は消えたか?

やはり、あの悪魔を如何にかしなければ。

分身体5人が攻撃に向かう。

グルメ細胞の悪魔が迎撃に来た。

分身体は、威装・須佐能乎や尾獣の衣、鎧等を解除する。

その右手部分のみ。

最初の一人が、その右手で悪魔を殴り掛かった。

ドゴッと悪魔を殴り飛ばした。

予想通り、どうやら『幻想殺し‐イマジン・ブレイカー‐』で触れる事は出来るらしい。

なら右手でぶん殴れる。

だが、『幻想殺し‐イマジン・ブレイカー‐』を使う時は、右手を剥き出しにしなきゃならない。

つまり右手では物理攻撃は防ぎきれない。

使いどころは慎重にしなければな。

分身体をもう少し回すか。

残りの分身体は85体。

内の25体をグルメ細胞の悪魔の迎撃に回し、残りの60体を鮫島篤の攻撃に向かわせる。

 

 

「「「「「火竜の咆哮‼」」」」」

 

「「「「「鉄竜の咆哮‼」」」」」

 

「「「「「キャノンナイフ‼」」」」」

 

「「「「「マシンガンポイズン‼」」」」」

 

「「「「「ボイスバースト‼」」」」」

 

「「「「「かめはめ波‼」」」」」

 

 

分身体の一斉攻撃が、鮫島篤に放たれる。

グルメ細胞の悪魔は、他の分身体が動きを制限していて、防御に回すことが出来ない。

 

 

篤「ちぃっ、フォークアーマー‼ フォークシールド‼」

 

 

俺の攻撃に、鮫島篤はフォークの鎧と盾で防ごうとする。

だが、防ぐことを許す気はない。

俺は須佐能乎の手から手裏剣を創り出し、それを鮫島篤に投げつけた。

 

 

祐一「神威手裏剣‼」

 

 

投げつけた大きな手裏剣が、鮫島篤が展開した鎧と盾に直撃した。

瞬間、ズズズ・・・と、展開していた鎧と盾が捻じ曲がり、収束して消滅した。

 

 

篤「げ!?」

 

 

この手裏剣に接触したモノは、時空間へと飛ばす。

物体の強度は関係無い。

僅かにでも触れたのなら、問答無用で飛ばす。

コレで鮫島篤の身を護るモノは存在しない。

分身体の一斉攻撃が、鮫島篤に襲い掛かる!

 

篤「う・・ぉぉぉぉおおおおおあああああああああああああああっ!?」

 

 

鮫島篤は腕を交叉して、前面から来る攻撃をどうにか凌ぎ切ろうとしている。

 

 

祐一「まだ終わりじゃねぇぜ‼」

 

 

分身体が攻撃し続けている端で、俺は別に動く。

 

 

祐一「モード鉄炎竜‼」

 

 

威装・須佐能乎や鎧を解除して、全ての力を攻撃力に変換させる。

仙人モードもプラスして、自然エネルギーもそこに加える。

 

 

祐一「鉄炎竜の咆哮‼」

 

 

自然エネルギーを加えた鉄炎竜の咆哮が、鮫島篤とは違う方向へと放たれた。

目標物とは違う方向へと向かっていく攻撃を、

 

 

祐一「神威‼」

 

 

右目の万華鏡写輪眼で神威を発動し、放った鉄炎竜の咆哮を時空間へ吸い込む。

そして直ぐさま、時空間を鮫島篤の真後ろに展開させた。

その時空間から勢い良く飛び出してくる。

先程俺が放った、鉄炎竜の咆哮が。

前方から撃たれ続けている分身体の一斉攻撃に意識を向けられており、後ろから放たれる攻撃には気づいていない。

神威は何も相手や、相手の攻撃を凌ぐ為だけに使う訳じゃない。

さっきみたいに手裏剣にその力を付与したり、自分の攻撃を時空間に飛ばして、別の座標から攻撃することが出来る。

前方の攻撃を腕で受けていた鮫島篤の背後から、鉄炎竜の咆哮が放たれ、直撃した。

 

 

篤「ぐぅっ!?」

 

 

その背に直撃して俺の攻撃に気づいたが、もう遅い。

背の攻撃を受けた拍子に、腕での防御が解けて、前方から放たれていた分身体の一斉攻撃も、その身に直撃した。

 

 

篤「がああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」

 

 

鮫島篤の叫びが、様々な攻撃の衝撃音に掻き消される。

竜の咆哮が、気功の波動が、音の衝撃が・・・様々な力が襲い、ぶつかり、弾け飛んだ。

 

轟ッ‼

 

爆音と衝撃波が部屋中に放たれた。

床が、壁が崩れて、部屋が崩壊していく。

粉塵が巻き上がり、視界が奪われるが、外と吹き抜けになったのか、風が吹き粉塵が晴らされていく。

 

視界が晴れたその先には、瓦礫に半身を埋もれながら倒れている、鮫島篤の姿があった。

 

 

 

 

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