FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第32話 上田祐一&グレイ・フルバスターVSアリア

 

 

ファントムのギルドが『超魔導巨人ファントムMkⅡ』に変形した後、俺は廊下の壁際にジュビアを寝かせた。

このまま連れて行くわけにもいかんしな。

 

 

グレイ「祐一!」

 

祐一「おお、グレイ」

 

 

如何やら内部に侵入して来たようだ。

一応原作の流れならナツが兎兎丸倒した後か。

 

 

祐一「ナツ達は?」

 

グレイ「今手分けしてこのギルドの動力源を探してんだ」

 

祐一「動力源?」

 

 

ああ、確か今この巨人が『煉獄砕破‐アビス・ブレイク‐』を発動させようとしてるんだっけか?

 

 

祐一「エレメント4だ」

 

グレイ「あん?」

 

祐一「4元素魔法の禁忌魔法、『煉獄砕破‐アビス・ブレイク‐』。4元素は火・水・風・土だ。この巨人の動力は4つの元素。つまりは、エレメント4の魔力とリンクしてる」

 

グレイ「マジか?」

 

祐一「ああ。下でナツが火のエレメント4を、俺はコイツ・・・水のエレメント4を倒したから、後は風と土を司ってるエレメント4を倒せば、巨人を止められるだろ」

 

 

俺がコイツと言ったエレメント4・・・ジュビアに視線を向けると、グレイも目を向ける。

 

 

グレイ「コイツがエレメント4の一人か・・・つか、何でこんな幸せそうな顔でぶっ倒れてんだ?」

 

祐一「俺の『魅惑の究極美貌‐アルティメット・チャーム‐』で骨抜きにしてやった。いやー女相手だと楽に決められて良いね」

 

グレイ「ゲスだな!? つーか、また使ったのかよ、昔あんな目に遭っておいて・・・」

 

祐一「思い出させんなよ恐怖が甦るから・・・ま、ちゃんとチャームは解除しとくって」

 

 

俺の『魅惑の究極美貌‐アルティメット・チャーム‐』はON・OFFが可能で、長期的にチャームを掛けていたりしなければ、一度解けばチャーム状態は解ける。

掛けたのは初対面で出くわしての数十秒程度だから、影響は殆どない。

まぁ、もしこれが長期的に掛けられたチャームだったら早々解ける事は無い・・・というか、チャームという力が掛けられているという事すら感知も認識も出来ないという鬼畜使用で出来ているのだが・・・・まぁ、仮にそうなっても、

 

 

祐一「一応右手で触れとくか」

 

 

俺の右手で発動出来る能力『幻想殺し‐イマジン・ブレイカー‐』で触れれば解除出来る。

右手で気絶しているジュビアの頭を触る。

瞬間、何かが壊れるような音が微かに響いた。

コレで『魅惑の究極美貌‐アルティメット・チャーム‐』は完全に解除出来た。

 

 

祐一「あと残ってるファントムの主力は、エレメント4の残りの二人と、俺を倒した鮫島篤と・・・」

 

グレイ「鉄のガジルと、マスタージョゼだな」

 

 

『魅惑の究極美貌‐アルティメット・チャーム‐』でジュビアをあっさりと倒せたから体力も魔力も殆ど消費していないし、鮫島篤との戦いまでは温存できそうだな。

 

 

祐一「ん?」

 

グレイ「どうした?」

 

祐一「気配が一つ消えた。コレは・・・エルフマンがエレメント4の一人を倒したか」

 

グレイ「本当か!?」

 

祐一「ああ」

 

 

ミラの気配もあるな・・・・そういや捕まえられたんだっけ、原作だと。

コレで残りの敵の主戦力は4人か。

 

 

「悲しい・・・」

 

祐一&グレイ「「!?」」

 

 

周囲の空間に風が巻き起こる。

その風の流れに乗って、

 

 

「我が名はアリア・・・エレメント4の頂点なり。妖精狩りに推参致した」

 

 

最後のエレメント4が、俺達の目の前に現れた。

此処で出て来るか、エレメント4最強の男。

 

 

祐一「随分自信たっぷりに出て来たな」

 

グレイ「エレメント4も後はお前一人だ、お前一人で俺等二人とやり合う気かよ?」

 

アリア「妖精皇帝に、グレイ・フルバスターか。悲しいな・・・妖精の中でも名が通っている貴方達の首が取れるとは・・・・」

 

 

やはり勝つ気でいるみたいだな。

まぁ、自身があるのは確かだろう。

殆ど不意打ちとはいえ、コイツはジジイを・・・聖十大魔道の一角を倒せたんだから。

アリアの魔法は『空域』という風の系譜の魔法『枯渇‐ドレイン‐』。

対象者の魔力を流出させる魔法だ。

俺も食らえば力を消費せざるをえない。

鮫島篤とやり合う前に、無駄な消耗はしたくないな。

 

 

祐一「グレイ、速攻で決めるぞ!」

 

グレイ「おう!」

 

 

コイツの空域の間合いに入ってやる義理は無い。

この距離で決める。

 

 

祐一「フライング連射フォーク‼」

 

グレイ「アイスメイク『槍騎兵‐ランス‐』‼」

 

 

俺の無数のフォークと、グレイの幾多もの氷の槍が飛来し、アリアを襲う。

だが、俺達の攻撃はアリアの身体をすり抜けてしまった。

いや、風になって受け流したのか?

風となったアリアは不可視、目に映らない。

 

 

祐一「写輪眼!」

 

 

だが、俺の眼には見える。

アリアは風となって俺達の後ろを取ろうとしていた。

実態が無くても、今の俺には関係ない。

 

 

祐一「武装色硬化!」

 

 

覇気の力なら流動となっている今のコイツにも触れられる。

 

 

祐一「火竜の鉄拳‼」

 

アリア「ぬぅっ!?」

 

 

武装色となった火竜の鉄拳を繰り出し、その一撃がアリアの腹を穿つ。

宙を舞うアリアだが、すぐさま体勢を立て直して着地する。

俺は追撃を掛けようとしたが、

 

 

グレイ「え?」

 

 

俺もグレイも、その突然の援護に動きを止めた。

人影が突然飛んできたと思ったら、そいつはアリアの顔面に蹴りを入れて吹っ飛ばし、舞い降りた。

 

 

エルザ「コイツがマスターをやったエレメント4か・・・」

 

グレイ「エルザ!」

 

 

やって来たのはエルザだ。

・・・・なんか怒ってらっしゃる?

怒気が凄まじいんだが・・・・。

 

 

エルザ「私たちの親に手を出したのは、貴様だな」

 

 

ああ、ジジイをやったのにキレてんだな。

 

 

アリア「ふふふ・・・さすがに妖精皇帝と妖精女王が揃って相手となると、この私も本気を出さねばなりませんな」

 

 

言って、アリアは目を塞いでいた布を取り去り、その両の眼を露わにする。

普段は目を閉じて、その強大な力を封じている・・・・という設定があったんだっけ?

 

 

エルザ「いや、お前の相手は私だけだ」

 

アリア「ほう?」

 

グレイ「おい、エルザ!?」

 

祐一「・・・一人でやれんのか?」

 

エルザ「問題無い。この男は私の剣で斬り伏せる」

 

 

・・・・・まぁ、言い出したら聞かない性格してるからな、何を言っても無駄だろう。

 

 

祐一「グレイ。念の為にお前は残ってもらえるか? エルザが負けるとは微塵も思わねぇが、万が一ってこともある」

 

グレイ「別に構わねぇが、お前は?」

 

祐一「先へ行く。借りを返さなきゃならない奴がいるからな」

 

 

鮫島篤・・・やられた借りは倍にして返してやるぜぇ。

 

 

グレイ「分かった、ここは任せろ!」

 

祐一「任せたぜ‼」

 

 

高く跳躍し、アリアの上を跳ぶ。

アリアが迎撃しようとしたが、エルザの剣気と、グレイの冷気に威嚇され動きを止めた。

俺は後ろを振り返らずに廊下を走る。

目指す場所はただ一つ、鮫島篤がいる場所。

奴とは一度接触してるし、気配を辿っていけば直ぐに会えるだろう。

出くわす前に、戦闘準備は整えておかないとな。

 

 

 

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