篤「つーわけで、行くぜぇっ‼」
天井から跳び下りた篤が、その両腕を覇気の力で黒く染めて殴り掛かって来た。
俺は両目を写輪眼へと変えて、篤の攻撃を見切る。
右ストレート、左フック、右アッパーと、繰り出される攻撃を全て紙一重で回避する。
そして、
祐一「こうやんのか?」
俺も腕を覇気の力・・・武装色の覇気で黒く染めて強化し、
祐一「ナイフ‼」
篤「うおぉっと!?」
突き出した抜き手を、篤は身を捻って避けた。
だがまだだ!
祐一「ポイズンドレッシング‼」
身を捻って体勢を崩したところに、左手から毒の雫を撒き散らす。
その毒を身に受けた篤。
篤「俺の技をこうも簡単に真似してくるとはな・・・」
祐一「『完成‐ジ・エンド‐』・・・他人の能力を学習し、完全なモノへと昇華し、完成させる能力だ」
篤「反則くせぇ能力だな」
祐一「お前も大概だと思うけどな」
四天王の能力を全て使えるんだからよ。
現に今も俺が撃った毒を、ポイズンアーマーで無効化してるし。
まぁ、体内で毒を精製してるから、自分で作れる毒は効果が無いか。
毒の抗体も精製出来るし。
篤「ならコイツはどうだ・・・ボイスミサイル‼」
爆発的な音の衝撃と音波が篤の口から放たれる。
音の爆撃か。
まぁ、これくらいなら・・・・反射すればいい。
俺はベクトル変換の反射で、ボイスミサイルを跳ね返した。
昔ギルダーツに反射を軽く破られてから、あまり過信せずに使う頻度を下げていたのだがコイツ相手なら大丈夫だろ。
俺の反射を篤は一瞬目を丸くしたが、直ぐに行動を移す。
篤「フライ返し‼」
普通の眼には見えない程の細い触角が篤の髪から伸びて、俺が跳ね返した音の爆弾を更に跳ね返してくる。
なんのっ‼
祐一「フライ返し‼」
俺もまた、直ぐに能力をコピーして篤に跳ね返してやる。
篤もまた跳ね返して、俺も再び跳ね返す。
・・・・て、キリがねぇ。
俺は舌打ちしつつ、右手の幻想殺しで跳ね返って来た音を消し飛ばす。
跳ね返し合いになっちまうな。
篤も同じ考えなのだろう。
このまま続けても同じだ。
ヘアリードで大抵の攻撃は逸らされそうだし、またはフライ返しで跳ね返す。
仮に跳ね返せない攻撃を放っても、フォークアーマーにポイズンアーマーにサウンドアーマーと、こちらの攻撃を防ぐ技も向こうは持っている。
それらをコピーし、またベクトル変換や最強の盾等の能力を保持してる俺にも、攻撃は易々と通らない。
さぁて・・・どうしてくれようか?
篤「しゃあねぇな・・・・ならとっておきだ」
言って、篤の身体からオーラの様なモノが放たれる。
それは見る見るうちに大きくなり、篤の上に形を作っていく。
これは・・・・・スタンド?
祐一「じゃねぇわ」
グルメ細胞の悪魔だ。
食欲のエネルギーの具現化。
これは俺も良く知らない。
現時点でも原作で語られることがあまり無いからだ。
そして、このグルメ細胞の悪魔を・・・俺の『完成』でコピー出来る気はしない。
技とか体質ならまだどうにか習得出来るが、コイツに関する知識も殆ど無いからな。
コピーのしようが無い。
篤のグルメ細胞を僅かでも抽出出来れば可能だと思うが・・・。
問題は、コイツがどんな能力を持っているのかって事なんだが・・・・四天王のどの悪魔とも違う姿だ。
おそらく、コイツのオリジナルだろう。
てことはだ、視てからでしか能力を判別出来ないという事で、
祐一「先手必勝だ」
向こうが動く前にケリをつける。
モード鉄炎竜!
鉄炎竜に変身し、俺は篤との間合いを詰め、
祐一「滅竜奥儀・・・改!」
両の腕を天へ伸ばし、腕が巨大な鉄の剣へと姿を変える。
その鉄の剣は赤く輝き、炎と熱を発して燃えていた。
高熱を帯びた燃える鉄の剣。
祐一「業魔・鉄炎剣‼」
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