FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第14話 ガルナ島へ

 

 

 

 

祐一「・・・・それで? 一体全体何の御用件だ?」

 

 

エルザが評議院の使者に連れられたのと同じく、俺も評議院に呼ばれて、共に評議院のフィオーレ支部に赴いた。

と言っても、俺もエルザも別に犯罪者として連れられたという訳ではない。

表向きは魔導裁判ということになっているが、こんなものは形だけの裁判だ。

形だけの逮捕。

魔法界全体の秩序を守るため、評議会としても取り締まる姿勢は見せておかねばならない。

つまり、有罪にはされるが罰は受けない。

今日中には帰れる。

ナツが・・・・・馬鹿が乱入してこなければ。

ナツが裁判に乱入して暴れて色々ぶち壊してしまい、今は二人とも牢屋に入れられている。

それもまぁ、精々明日までだろう。

どちらにしろ、たいしたことではない。

問題は、俺の方だ。

俺は今、さっきまでエルザが立っていた証言台に立っている。

目の前にいるのは、評議員である。

俺の問いに、評議院議長は疲れたような顔で言った。

 

 

議長「・・・・言わんでも分かるだろう?」

 

祐一「うん、まぁ・・・・・」

 

 

先程のナツの乱入が原因だろう。

普通に今日中に終わるはずの案件が、無駄に引き延ばされたのだから。

そして俺が呼ばれた件だが、議長の言った通り予測はついている。

 

 

祐一「仕事か?」

 

議長「そうだ」

 

 

あまりにもフェアリーテイルが揉め事を起こして賠償の請求などが多すぎる為、俺が聖十魔導として仕事を請け負って、賠償金を払っているのだ。

・・・・後で始末書も書かなければならんかもしれんな。

 

 

議長「仕事はこれだ」

 

 

議長が一枚の紙を、魔法で俺の元まで飛ばす。

その紙を受け取り、目を通した。

・・・・どうやら、仕事は闇ギルドの討伐らしい。

ギルド間の抗争は禁じているくせに、個人的にはやらせんのかよと毎回思うな。

 

 

祐一「ちゃっちゃと終わらせるか」

 

 

俺は踵を返して、評議院を後にした。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

祐一「―――――あー、やっぱ間に合わなかったか」

 

 

数日後。

俺は仕事を片付けて急いで戻ってきたのだが、遅かった。

時期的にそろそろ『ガルナ島』の話に入るのだろうとは思っていたが、既にナツ達の姿がなく、グレイの姿も無い。

もうナツ達を追って行き、そして連れて行かれたのだろう。

ギルドに入った瞬間、エルザが怒気を纏っていたから容易に察せられる。

一つ溜息を吐き、

 

 

祐一「何かあったのか?」

 

 

何が起きたのか知っているが、形だけ聞いておくことにする。

 

 

マカロフ「お、おおう、祐一帰っておったか!」

 

 

良い所に来てくれた、という字が思いっきり顔に書いてある。

それは他の皆も同じのようだ。

 

 

マカロフ「いやー、実はナツとルーシィとハッピーが勝手にS級クエストを受けてしまったようでな。グレイが連れ戻しに向かったはずなのじゃが、戻ってこないんじゃ」

 

祐一「・・・・なるほどね」

 

 

やっぱりか。

 

 

祐一「んじゃ、俺が行こう。エルザ、レッド、お前らも来い」

 

レッド「わかった!」

 

エルザ「無論だ」

 

 

言われなくても、といった風にエルザは物凄い形相をしている。

・・・・怖いわコイツ。

 

 

祐一「ジジイ。依頼人には俺がクエストを引き受けたと報告しといてくれるか? アイツらが行った以上もうクエストは引き受けてるだろうし、今更中止には出来ないだろう。S級魔導士の俺とエルザが引き受けて、ナツ達が同行することにすれば問題ないだろ」

 

 

評議院の依頼が終わった直後に、また難癖付けられたら面倒だ。

 

 

マカロフ「うむ。報告しておこう」

 

 

・・・・・さぁて、行くか、悪魔の島へ。

 

 

 

.


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