「おい祐一飲んでるか!?」
「若ぇんだからもっと飲めよ!」
「いや、飲み過ぎだからなお前ら」
酒を飲んだり、飯を食ったりしている奴らに嘆息しつつ、俺も軽く酒を飲む。
うーん、俺ビールはあんま飲まねぇんだけどな・・・清酒や焼酎の方が好みだ。
因みに、今は昼間。
俺がここで酒を飲むのも今日で2日目。
今日は地方のギルドマスター達が集まって定期報告する日。
すなわち定例会だ。
俺が所属しているギルド、フェアリーテイルのマスターであるマカロフ・ドレアーも当然この定例会に参加しており、俺はその付き添いで来ていた。
そして今日は、ナツ達がエルザの頼みでアイゼンヴァルドを潰しに行く日である。
ま、アイゼンヴァルドを潰すのはナツ達に任せて、俺はここでララバイが来るのを持つとしよう。
ボブ「マカロフちゃん、アンタんとこの魔導士ちゃんは元気があっていいわぁ~。聞いたわよ、どっかの権力者コテンパンにしちゃったとかぁ」
マカロフ「おーっ、新入りのルーシィじゃあ! あいつはいいぞぉっ‼ 特に乳がいいっ‼ ムチムチ、ボイーンじゃあ‼‼」
ボブ「キャー、エッチ~」
ゴールドマイン「元気があるのは良いが、テメェんとこはちぃとやりすぎなんじゃねぇのかぃ? 評議員の中じゃ、いつかフェアリーテイルが町1個潰すんじゃねぇかって懸念してる奴もいるらしいぞ」
マカロフ「うひょひょ、潰されてみたいのう‼ ルーシィのボディで‼」
ボブ「もう、ダメよ。自分とこの魔導士ちゃんに手ぇ出しちゃ」
「ギルドマスターが痴漢容疑で逮捕とか御免だぞ?」
すっかりデキあがってる我がギルドマスターに呆れてしまう。
・・・・つーか、マジで下手こいたら捕まりそうだけどな、マカロフ。
このジジイ、確かギルドにプール作ったときに、プールの地下に覗き穴とか作ってたはずだし。
グビッと酒を飲もうとしたが、コップの中が空だった。
「御主人様」
「ん?」
声をかけてきた主に振り向くと、そいつは俺の空のコップに酒を注いでくれた。
「サンキュー、バルゴ」
バルゴ「御仕置きですか?」
「なんでだよ」
俺に酒を注いでくれたのは、星霊バルゴ。
一昨日エバルー公爵から頂いた、金色の鍵の星霊だ。
昨日には契約できたので、早速契約を結ばせてもらった。
そして何故か呼んでもいないのに出てくる。
いや、別に良いんだけどな。
とくに困る訳でもないし。
―――――――バタッ‼
「マカロフ!?」
「きゃー‼」
「どうした!?」
・・・・どうやらジジイがミラからの手紙を読んでぶっ倒れたようだ。
つーことは、やっぱ今晩にはナツ達がこっちに来るんだな。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」
そーいや、俺がバルゴと契約したから、ルーシィ達がバルゴの力を使って魔風壁の下を通って脱出することが出来ないんじゃ・・・・・・
「・・・・ま、いいか」
エリゴールがララバイの笛を持ってきても、俺が倒せばいい・・・・つーか、ギルドマスター達が自力で対処するだろ。
バカが多いが、決して無能でも弱くも無い奴らなのだから。
◆◆◆
「・・・・・おい、なんでこうなった?」
夜。
エリゴールが来てララバイを吹くと予想し、俺は定例会会場の外でエリゴールが来るのを待っていたのだが、何故か来たのがカゲヤマで、笛を吹こうとしていたらマカロフが説き伏せてしまうという原作の流れになってしまった。
後から追ってきたナツ達に聞いてみれば、魔風壁の上をハッピーとエルザ(黒羽の鎧)の力で抜けてきたんだとか。
・・・まぁ、確かに真上は塞がれてる感じには見えなかったものなぁ。
バルゴ無くても抜けれるものだな。
ああ、因みにララバイの笛は悪魔と化す前に、俺の『万華鏡写輪眼・天照』で完全に焼き払っといた。
ここで原作通りに定例会会場をぶっ壊されたら、評議院から俺の方にも苦情が来る。
始末書とかメンドクセェのは御免だ。
(次はガルナ島だっけか・・・・?)
俺は次の事件の対策を考えながら、みんなと一緒に帰路についた。
.
そろそろ新たなイレギュラーが来るか