FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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第11話 帰宅

 

 

 

 

 

エバルーを近くにある評議院支部に連行した後、俺は『舞空術』で空を飛んで帰る。

小林太郎こと孫悟空の能力だが、どうやら『翼‐エーラ‐』よりこっちの方が燃費が良いらしく、力の消耗が少ない。

これからはこっちを使うか。

更にスピードを上げるなら、『舞空術』に『翼‐エーラ‐』を加えればいいし、『翼‐エーラ‐』の能力は無駄にならずに済みそうだ。

さて、後はカービィの家で本の秘密をルーシィがドヤ顔で語る現場でも観て、この仕事は終わりだな。

 

 

「おーい!」

 

「げ」

 

 

と思ったのだが、会いたくもない奴の声が聞こえ振り返ってみると、孫悟空が手を振りながら飛んできた。

しばらく眠ったままのはずなのに、もう目が覚めたのかよ。

戦いの続きか?

こっちはもうエバルーをぶっ倒した後だから、もう戦う理由はないのだが。

 

 

「なんかようか?」

 

 

眼を写輪眼に変化させて、警戒しつつ用件を聞く。

 

 

悟空「いやー、おめぇ強ぇな! オラ、ビックリしたぞ!」

 

 

俺の警戒心に気づいていないのか、悟空の表情はヘラヘラしている。

気づいたうえでやってるとしたら大した役者だ。

・・・まぁ、おそらく素なんだろうが。

 

 

「神様特典で能力を得てる奴は、だいたい強いと思うがな。俺が特別強いわけじゃねーよ」

 

悟空「そういうもんか?」

 

「・・・で、結局何の用なんだ? リベンジか? お前の雇主はもう捕まっちまったんだから、俺としてはお前と戦う理由はないんだが」

 

悟空「おお、それもいいかと思ったんだけどな。修行してもっと強くなってからにするぞ」

 

「そうかい・・・で?」

 

 

中々話が進まない。

 

 

悟空「それでよ、おめぇはどうやって強くなったんだ? 神様の力だけじゃねぇだろ?」

 

「ああ。ま、そりゃ力を使いこなせるように練習はしたな。ギルドで仕事をやってれば、嫌でも経験値は上がるし」

 

悟空「ギルドか・・・・」

 

 

何か考え込むポーズを取る悟空だが、どこかのギルドに入るつもりか?

 

 

「ま、お前もどこかのギルドに入って、仕事で金稼ぎつつ修行すりゃいいんじゃねーか?」

 

悟空「そうだなぁ・・・そうすっか!」

 

 

やはりギルドに入るつもりだったのか、あまり考え込まずに直ぐに決めたようだ。

・・・・どこのギルドに入るのかは知らんが。

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺の家は、マグノリアにあるギルドから歩いて20分の距離にある、比較的大きな一軒家だ。

S級やSS級のクエストばかりやってたら金は貯まる一方で、家を買うのにたいして時間はかからなかった。

最初は安いアパートを借りてたが、やはり一軒家だな。

とはいえ、俺にとっては『仮の家』なんだが・・・。

なぜ急に俺の家の話になっているのかというと、今俺が家にいるからだ。

 

 

「・・・・やっと帰ってこれたな」

 

 

悟空と別れてカービィの家に向かったのだが、どうやらアイツらは先に帰ってしまったようだ。

・・・大方、ナツが待てなかったんだろうな。

薄情なやつだ。

だからマグノリアにある自分の家まで飛んで帰ってきたのだ。

多分俺の方が早く帰ってきてる。

アイツら、確か帰りは徒歩のはずだし。

 

 

「まだ契約は切れずか・・・」

 

 

エバルーから奪った金色の鍵を取り出して眺めてみる。

・・・漫画の鍵の形はシンプルだが、アニメは結構細かく作られてんだよな。

因みに鍵はアニメ使用だ。

まぁ、明後日には切れるだろ、たぶん。

明日にはエルザが帰って来て、明後日には『鉄の森‐アイゼンヴァルド‐』と一戦やらかすはずだからな。

 

 

「日記書いたら、今日はもう寝るか・・・」

 

 

 

 

.


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