そしてこの回で、第1部終了。
最終話 新たなる転生へ向けて
「しかし、君って奴は本当に情けないね。コレでここに来たのは4度目だよ」
・・・・・・。
「ああ、喋れないって? まぁ、今の君は肉体を持たない魂だけの存在だし、消耗も激しいからね。私の事を知覚出来るけど、君から何かをすることは出来ないぜ」
・・・・・・。
「ま、一応何が起きたのかを説明してあげよう。君は黒魔導士ゼレフに倒されて、君を転生させたこの女神アモル様のいる神様空間的な真っ白い世界にまた来てしまったのだよ」
・・・・・・。
「死んだのかって? そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。君が完全に死ぬ前に、君はこの世界に送られてきたからね。ま、肉体の方はもう使い物にならない位に死んじゃってるから、そっちは棄てて魂だけを如何にか回収したのさ」
・・・・・・。
「勝手に他人の身体棄ててんじゃねぇよって? しょうがないだろう、あのままだと魂は普通に天に召されてしまうんだから。ま、君があのまま死にたかったって言うんなら邪魔しちゃったなぁと思うけど。どうする? 死ぬかい?」
・・・・・・。
「そもそも死んでんだから、生きるもクソも無いって? せっかちだねぇ、君がこのままただ死んで終わる存在なら、私が態々魂を回収なんてする訳がないだろう?」
・・・・・・。
「そうそう、流石に4度目なだけあって察しが良いね。君はまた転生できるよ。ただ、今までと同じ様にはいかないけどね」
・・・・・・?
「まぁ、そう焦るな。ちゃんと説明してあげるからさ。さぁ、では久々の『教えてアモル先生!』のコーナーを始めるよ~!」
・・・・・・。
「まず、君は転生できる。鮫島篤の時と同様、加藤亮二を倒して【神魂欠片‐フラグメント‐】を手に入れたからね」
・・・・・・。
「え? そう言えばあの水晶の力の説明をされてなかたって? やだなぁ、忘れてなんていないぜ。ただコンタクトを取るのがスゲェめんどくさかたってだけさ」
・・・・・・。
「落ち着け、ちゃんと今から説明してやるからさ。まずこの【神魂欠片‐フラグメント‐】が転生者の核だってのは説明したね?・・・・・・え、名前? それは気にすんなよ。大したことじゃない。この欠片には幾つかの力があってね」
『1:死んだら転生する時に使える』
『2:欠片を手に入れると特典を1つ追加できる』
『3:欠片を取り込み、神の座へと近づくことが出来る』
「この3つだ。ただし、1と3は片方しか選べないから、実際は2つだ。つまり、転生したかったら欠片を取り込んじゃあいけないし、取り込んじゃったら転生は出来ないって事さ。君は2つとも手に入れただけで取り込んでないから、後1回は転生できるって事さ」
・・・・・・。
「そうそう、特典は欠片を手に入れたら貰えるから、取り込む必要は無いぜ。だから君は2つの特典を追加できるってことさ。え、もっと早く言えって? 気にするなよ、だって君もう数えるのも億劫になるほどの能力を得てるじゃないか。余程特殊な能力じゃないと、何かと被ると思うぜ?」
・・・・・・。
「はいはい、特典の話は後でな。で、何で今までと同じように転生出来ないかって言うとだ。まず1つ、このまままた再転生しても、君はゼレフには勝てない。また殺されるのがオチだからね。このまま復活しても無駄死にするだけさ」
・・・・・・?
「何でかって? さっき言った欠片の力その3さ。彼は欠片を取り込み、神の座へと近づいている。数々の転生者を狩ってね」
・・・・・・。
「ゼレフは転生者なのかって? 半分はね。ほら、彼って命の重さと戦っている時の穏やかな雰囲気の時と、命の重さを忘れた時の苛烈な雰囲気の時と、2つの雰囲気を持っているだろう? あの命の重さを忘れた時に、憑依転生者の人格が出てくるようだよ。記憶は共有していて、転生者の特典もゼレフは使うことが出来るのさ。ある1つの能力を除いて、ね」
・・・・・・?
「最後に君が消されたあの力だよ。アレだけはゼレフは使えないから、憑依転生者が表に出て来て使ったのさ」
・・・・・・。
「あの力の事だね? それが理由の2つ目でもあるんだけど。あの力は【理想送り‐ワールドリジェクター‐】といって、簡単に言っちゃえば『右手で対象物を異界に強制送還する能力』だ」
・・・・・・。
「そんな能力聞いたことも無いって? まぁ、君が生きてた頃にはまだ出て来てない能力だからねぇ、知らないのも無理はない。あ、その能力が出て来た作品自体は知ってるよ。『とある魔術の禁書目録』さ」
・・・・・・。
「そうそう、君が死んでから出てきた能力さ。ただ、憑依転生者が使った【理想送り‐ワールドリジェクター‐】は効果が少し原作とは異なる。アレは原作だと『右手が作った影を起点に発動し、願望の重複によって現世にすがりながら新たな天地を望むものを同時間軸の余剰領域に追放する能力』なんだけど、彼は『同時間軸の余剰領域』ではなく『異世界にランダムで送還する』という力に変えてるんだ。まぁ、コレはその憑依転生者を転生させた神がやったことなんだけど。追放先が少し違うというだけで、効果と結果はオリジナルと大差ないさ。だって、同時間軸の余剰領域だろうが異世界だろうが、自分達の住んでいる世界とは違う場所へ飛ばす事には変わりないんだし」
・・・・・・。
「それが、俺が転生出来ない2つ目の理由とどう関係があるのかって? それはね、今の君状態さ。何で君、今そんなに魂が消耗してると思う?」
・・・・・・?
「いや、ゼレフの攻撃はあくまで肉体に与えたモノだよ。魂は関係ない。最後の【理想送り‐ワールドリジェクター‐】を除いてね。君が異世界に飛ばされた時に如何にか魂は回収したんだけど、その魂がバラバラに散らばっちゃったのさ。今の君は、魂を僅かにしか残していない。まぁ、器は君だから、君がオリジナルなのは間違いないんだけど、簡単に言っちゃえば分裂しちゃったんだよね、君」
・・・・・・。
「元に戻るのかって? まぁ、時間が経てば回復するよ。相当に時間が掛かるけど、この空間内では外界との時間の流れは無関係だから、何千年経とうと元の世界の時間に帰れるさ」
・・・・・・。
「飛ばされて散らばった魂は、君の人格は宿ってるけど、記憶は殆ど無いし、能力も引き継いではいないし、欠片も無いただの魂さ。まぁ、今まで戦い抜いて来ただけあって、強い個体として転生してるだろうけど」
・・・・・・。
「どうすればいいか? 別に何もしなくてもいいよ。魂が同じで人格が同じでも、別人だからね。ただ、それでも同じ魂だ。もしその君から分かれた魂が転生先で死んだら、ちゃんと回収してくるよ。ま、それが目的でもあるしね」
・・・・・・・?
「その別れた魂が経験したことは、君に戻した時フィードバックされる。つまり、別れた魂が強くなればなるほど、君に戻した時、君は更に強くなれるという事さ」
・・・・・・。
「そう、君は回復を待つだけでいい。君から分かれた魂が強くなってくれれば、君は必然的に強くなる。あの憑依転生者を倒すには、今の所それが一番ベストだと思うぜ?」
・・・・・・。
「今直ぐ転生しても勝てないのかって? 無理だぜ。アレは今まで何人もの転生者を屠ってる。欠片を幾つも取り込み、歴代の転生者の中でも最強と言ってもいい程の強さを得ている。彼を倒したいのなら、君も強くならなきゃいけない」
・・・・・・。
「他の転生者は大丈夫なのかって? 絶対とは言い切れないけど、たぶん大丈夫だと思うぜ。少なくとも、ゼレフ本人が他の転生者を狙ったりは、今の所ないと思う」
・・・・・・。
「転生者をただ狩ればいいって訳じゃ無いのさ。転生者が他の転生者を倒せば倒すほど【神魂欠片‐フラグメント‐】の質は上がっていく。今の所、君以外は他の転生者を倒したりしていないみたいだから、狙ってもあまり旨味が無いのさ。もっと上質な【神魂欠片‐フラグメント‐】になってから狩った方が、取り込んだ時のパワーアップの上昇率が上がるからね。少なくとも、最低でも1人以上倒さない限り狙われる事は無いと思うぜ。ま、以前話した転生者殺しが出てくる可能性はあるけどね」
・・・・・・。
「他人の心配かい? まぁ、大丈夫とは言い切れないけど、それでもアイツ等だって転生者なんだぜ? そう簡単には死なないさ。今は、君は君だけの事を考えた方がいい。コレからどうするのかだ」
・・・・・・。
「回復を待つ? それは結構。なら、後は完全に回復するまで待って、加藤亮二から得た【神魂欠片‐フラグメント‐】で再びフェアリーテイルの世界へ転生するだけだ」
・・・・・・。
「ああ、2つの特典もあったね。何にするんだい? 別に時間はたっぷりあるんだ。直ぐに決める必要は無いけど―――――――――――」
転生者は待つ、再び転生出来る時を。
そして誓う。
必ずゼレフを・・・・・・あの憑依転生者を倒すと。
だが、この時まだ、転生者は気づいていなかった。
そもそも、何故ゼレフが自分を狩りに来たのかを。
そして、転生というものを、何故神々が行っているのかを―――――――。
To Be Next Stage...
.
取りあえずだけど、完・結!
コレを書き始めたのが、もう3年近く前という現実に背筋が凍ります。
3年近くも続くとは思わなかったぜ。
最初コレ書いてた時、携帯小説サイトが詰まった時の息抜きに書いてたって言うのに、何時の間にかこっちがメインになり、携帯サイトの方が更新停止状態に・・・・・・。
パソコンで書き始めて思ったんだが、このハーメルンはともかく、あの携帯小説サイト凄く書きにくい。
よく今まで携帯で書いてたなって思うわ。
今はもう難しい。
また3時間くらいかけて書いた話が、ブラウザが落ちて消えてしまうなんて恐怖を味わうことになるかもしれないからね。
でも、どうにかしたいな・・・・・・。
ただでさえ、小説家になろうでも書き始めて更新出来ないというのに。
さて、取りあえずですが、フェアリーテイルは一旦ここで終わります。
続きは第2部で~なんですが、他の小説の更新速度を上げたいと思っています。
ただ問題が出て来た。
このフェアリーテイルの最終話が、ちょっと最初に予定したやり方とは違った終わり方になってしまったせいで、他の小説に矛盾した設定が出て来てしまった事です。
つー訳でアレだよ(ウルップ風)、ちょっと書き直すわ。
流石に70話以上書いたソードアートは直せないので、もうあのまま続けますが、あまり話数が多くないモノは書き直そうと思います。
デジモンはちょこっと直す程度で済みそうなんで、あれもそのままにします。
いやー、やっぱ完結させないで書き始めるもんじゃないよね。
という訳で――――――待て、しかして希望せよ。
あのイベントだけで2週間は辛い。
他の復刻イベはよ。