FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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4話連続更新


第113話 無双

「神威‼」

 

【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】で飛んだ先で起きた大爆発を、すぐさま神威で吸い込む。

 

「何だと‼ 何者かね!?」

 

驚くグリモアハートは取りあえず無視し、俺は仲間の様子を確かめる。

 

「無事か? ミラ、リサーナ」

「祐一・・・・・・」

 

どうやら、怪我を負っているし魔力の消耗も激しいが、動けない程ではない。

これなら彼女達だけでも移動出来るだろう。

 

「祐一?・・・・・・そうか、お前があの『妖精皇帝』か!」

「なんか懐かしい感じがする二つ名だな」

 

最近言われてなかった気がする。

いや、別にそう名乗ってた訳では無いが。

 

「魔人ミラジェーンに続いて妖精皇帝とは・・・・・・お前とも是非手合わせ願いたいのだがね」

「良いぜ」

 

どの道潰すつもりだから、何も問題は無い。

 

「お前等、動けるよな? 少し離れてろ」

「祐一、気を付けて! その人、物凄く強い・・・・・・!」

「おう」

 

このバースト君・・・アズマが強いのは分かってる。

だが、ミラの忠告はおそらく無駄に終わるだろう。

 

「ミラジェーンは随分楽しませてくれた。お前との戦いにも、先程と同じ様な高揚感が味わえることを期待するがね」

「悪いが、お前を楽しませてやる気は無い」

 

さっさと終わらせる。

 

「ハアァァァッ‼‼」

 

スーパーサイヤ人2に変身し、

 

「かぁ・・・めぇ・・・はぁ・・・めぇ・・・・・・」

 

両の掌に気を溜める。

そして――――――

 

「【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】‼‼」

 

――――――アズマの背後を取った。

 

「ッ!?」

 

すぐさま反応して振り返るが、

 

「【大地の叫――――――」

「遅ぇよッ―――――波ァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼‼‼‼」

 

至近距離からのかめはめ波がアズマを襲い、気の奔流に呑まれて島の地を抉り、森の木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされた。

気が小さくなっていくのを感じる。

死んだのかどうかは分からんが、まともに動けまい。

ミラとリサーナは少し離れた所に移動したようで、近くにはいないようだ。

動けるし、魔力が少ないとはいえ全く戦えないって程じゃないし、放って置いても大丈夫か。

 

「次!」

 

俺は【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】で移動する。

 

◆◆◆

 

 

「いでよディンギルの塔‼」

「鬱陶しい‼」

 

転移した先に出現した謎の塔を取りあえず【幻想殺し‐イマジンブレイカー‐】で殴り壊す。

 

「誰だ!?」

「うるせぇ」

 

再び【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】を使い、一瞬でリーゼント眼鏡・・・ラスティローズとの距離を詰める。

 

「螺旋丸ッ‼」

「ッ・・・左手に宿いしは全てを退ける黄金の盾‼」

 

螺旋丸が弾かれた!?

 

「めんどくせぇっ‼」

 

右手の【幻想殺し‐イマジンブレイカー‐】で、黄金の盾を打ち壊す。

 

「馬鹿な!?」

 

驚愕する眼鏡リーゼントを、今度こそぶっ飛ばす。

 

「螺旋丸ッ‼‼」

 

左手で作った螺旋丸を腹に食らわせ、今度こそ敵をぶっ飛ばした。

気絶してるだろう。

たぶん。

 

「よし次!」

 

エルフマンとエバーグリーンが倒れてた気がするが、ま、大丈夫だろう、たぶん。

そして再び【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】。

 

 

◆◆◆

 

 

「お前の身体を貰うぞレオォォォォォォォォォッ‼」

「便利な右手ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼‼」

 

なんかヤギ男の身体から出て来た幽体っぽい奴を【幻想殺し】で殴って消滅させた。

 

「祐一!?」

「悪いレオ、急いでるから後よろしく!」

 

そして【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】。

 

 

◆◆◆

 

 

「敵を殲滅、それが私の任務――――――」

「ああそう良かったねッ‼」

「――――――ガベブンッ!?」

 

なんか転移したら幼女の頭上に出たから、取りあえず脳天踵落とし。

蛙が潰れた様な声が出たが、死んじゃあいないだろう。

幼女を足蹴にしたとか犯罪臭がするが、犯罪者は向こうだ。

何も問題は無い。

 

「・・・・・・お前、何処から来た?」

 

呆気に取られたような顔をしたエルザとジュビアがいた。

 

「そんな細かい事は気にすんな」

「いや、気になるんだが」

「気にすんな」

 

俺が急に現れた事など些細な事だ。

ドランバルドっつーかメストからコピーした【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】は超便利だな。

俺の魔力量ならどこへでも行けそうだ。

 

「取りあえず、そこの幼女は任せたぞ!」

 

まだ煉獄の七眷属は残っている。

後何人だ?

5人倒したから・・・・2人か?

いや、ハデスとか残ってるか。

あー、マジメンドイ。

とっとと【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】‼

 

◆◆◆

 

 

「ウーウェ・・・・・・・」

「くたばれデブがァァァァァァァァァァァァァァッ‼‼‼」

「ウェェェェェェエエエエエエエエエイッ!?!?」

 

なんかデブが地面に横たわっているルーシィをエロい目で観ていたので蹴り飛ばす。

つか、何でルーシィがこんな所で寝てるんだ?

・・・・・・ああ、そうか。

確かカナに眠らされてたんだっけ?

 

「おい、起きろルーシィ」

 

ぺちぺちと頬を叩く。

・・・・・・起きないな。

 

「えーと・・・・・・ああ、あったあった」

 

ぶっ飛ばして気絶しているデブの懐?を漁り、探し物を見つける。

頭に『呪』と書かれた人形・・・・・・ノーロさん人形だ。

気絶してると思うけど、もう一度思いっきりデブを蹴り飛ばす。

サッカーボールの様に何処かへ飛んで行った。

アイツはアレでいいだろう。

ルーシィの元へ戻り、髪の毛を一本頂戴する。

そしてその髪の毛を、ノーロさんの頭部に付ける。

そして人形を動かすと、

 

「ほいっ」

 

人形の動きと、ルーシィの動きがシンクロした。

コレは超強力な呪殺魔法【丑の刻参り】。

人形に対象者の髪の毛を付けなければならないという制約があるが、その分効果は絶大。

人形と対象者をシンクロさせ、自在に操ることが出来るのだ。

 

「例えばこんな風に!」

 

アイーンとかやらせてみたり。

そんなの関係ねぇ!とか、ふなっしーとか、コマネチとか、命とか、だっちゅーのとか、イナバウアーとかやらせてみる。

・・・・・・うん、この辺にしておこう。

俺の年齢がバレるかもしれない。

 

「ぅ・・・ぅうん・・・・・・?」

 

あ、ルーシィが目を覚ましたようだ。

 

「ちょっとだけよ~っと」

「え、ちょっ、何!? 何コレ!?」

 

ピラッと服の胸元をずらし、スカートの裾を捲り上げる動きをしているルーシィ。

うーん、中々にエロい。

 

「おいおい、何やってんだルーシィ?」

「私じゃない! 身体が勝手に!!?」

 

更にはこうやって・・・・・・。

 

「おおっと、こんな所でM字開脚とか痴女だなお前」

「イィヤァァァアアアアアアアッ!?!?」

 

パンツが丸出しである。

どうやら今日のルーシィは白らしい。

 

「レースは可愛いと思うけど純白は狙い過ぎだと思うぜ。10点満点中5点かなぁ~」

「大きなお世話よ‼ てか、何なのよコレェェェェェェェェェッ!?」

 

更にはこう、服とパンツを徐々にずらして~。

 

「うむ。この乳首とマ●●がギリギリで見えない感じがエロいな!」

「アンタその人形‼ 絶対手に持ってるその人形が原因でしょッ!?」

 

チッ、鋭いな。

 

「七眷属って奴が島に侵入して来てるのに、こんな事してる場合じゃ無いでしょッ!?」

「それもそうだ」

 

ま、その七眷属も後1人なんだが。

 

「こんな所でルーシィで遊んでる場合じゃ無かったな」

「何か腹立つんだけど!?」

 

仕方なしにノーロさんを解除しておこう。

髪の毛を引っこ抜けば呪いは解ける。

ま、人形と髪の毛は貰っていくが。

 

「そうだ、カナは!?」

「カナなら大丈夫だ」

 

今頃はメイビスの墓の前だろう。

 

「んなことより、ルーシィは簡易ベースに行け。たぶん皆そこに集まるだろうから」

「・・・・・・って、祐一は?」

「俺は最後の七眷属を潰しに行く」

「え、最後?」

 

寝てただけで体力も魔力も問題無いルーシィは1人でも大丈夫だろう。

もう敵は少ないし、遭遇する事もないはずだ。

俺はルーシィを置いて【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】。

 

 

◆◆◆

 

 

「後はウルティアだけなんだが・・・・・・」

 

俺は転移した先での攻防を見る。

ナツがウルティアと戦っていた。

ウェンディに治して貰ったばっかだっつーのに、元気な奴だな。

 

「ナツー、加勢してやろうか?」

「いらねぇよ‼」

 

俺が現れたことに匂いで気づいていたのか、特に驚く様子は無かった。

あー、どうしよっかなぁ・・・・ナツに任せてもいいけど時間かかりそうだしなぁ。

 

「・・・・・・うん?」

「祐一、ナツ・・・・・・!?」

 

グレイまでやって来た。

そういや、原作だとウルティアは最後にグレイが倒すんだっけ。

 

「よし、グレイ。此処は任せた」

「は? おい、どういう事だ!?」

「グリモアハートの七眷属はアイツで最後だ。お前の師匠の娘だから、色々話し付けて来いよ」

「はぁっ!?」

 

絶対喧嘩するだろうけど、最悪の場合2人で戦うだろうから問題ないだろう。

気になるのは、この場にゼレフがいない事だ。

確か原作だとウルティアがゼレフを運んでいた筈だが?

あー、後ブルーノートって奴がいたんだっけ。

ま、ギルダーツ達が戻って来た気配を感じるから、アイツ等に任せとけばいいか。

ハデスことプレヒトは、たぶん本拠地から動かないだろうし、もう邪魔出来るやつはいないと見ていいか。

 

「後はアイツだけだ!」

 

【瞬間移動‐ダイレクトライン‐】で、俺はようやく目的の人物を追える。

原作キャラのラスボス的立ち位置にいる存在。

 

黒魔導士 ゼレフ

 

.


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