『天狼島簡易ベース』
試験が終了し、俺は他の試験官と脱落組と共に一服していた。
二次試験は、初代ギルドマスター･･･メイビス・ヴァーミリオンの墓を探す事。
俺等試験官の出番は、一次試験で終了だ。
だから此処で試験が終わるまで暇を潰しているのだ。
試験官のギルダーツと、脱落したフリードとビッグスローは先にギルドへ帰るそうだ。
待ってるのが嫌なんだろうな。
他の皆は試験を見届けるようだが、俺が居残っているのは違う理由だ。
ここが戦いのステージだからな。
何が起きるのか分からないし、様子は見た方がいいだろう。
そんな事を考えながら、俺はエルザ達の会話に耳を傾ける。
「エルフマンとエバーグリーンが、結婚‼⁉」
「･･････で、動揺した私に一撃食らわしてくれたの」
「ちょっと待て‼ 式は何時だ！？ てゆーか、奴らいつの間にそんな関係に‼」
「ううん･･････たぶん、私を動揺させるための作戦ね。私もまだまだだな～」
「本当に作戦なのか！？」
「流石にあの２人が･･････それは無いと思うなぁ」
未来を知ってる俺としては、意外と良い雰囲気だという事を知っている。
ま、意外だとは思ったが、意外とそうでもなかった気がしないでもない。
アレ？ どっちだろ。
ま、どっちでもいいが。
「だってあの２人が結婚して子供が出来たら･･････」
想像してみる。
･･････････････････うん、ないわ。
ミラも同じ想像をしたのか、顔を手で覆い震えていた。
アレは泣いてんのか？ 笑ってんのか？ 分からん。
「泣くなミラ。考えようによっては可愛いぞ」
「それってつまり考えないとブサイクってことだろ」
ホント、どうなんのかねぇ。
タルタロス篇までしか知らない俺には、どうなるのか想像もつかん。
マジでイメージ通りの子供が生まれたら、エルフマン達には悪いがドン引きするかもしれん。
ま、そもそも本当にくっ付くのかどうかわからんが。
◆◆◆
空を見やると、赤い信号弾が打ち上げられていた。
アレは、エルザだな。
先程、ウェンディの姿が見えないのを気にしたエルザが島へ探しに出た。
一応原作の流れを組むために、ジュビアにもエルザと一緒にウェンディを探す様に指示した。
原作通りならたぶん、負傷したガジルとレビィを見つけたのだろう。
あの赤い信号弾は、敵が襲撃してきた際に使うものだ。
簡易ベースに残っていた俺はミラ、リサーナと別れて行動する。
少し気になる事がある。
２人なら、たぶん原作通りに動いてくれるだろう。
俺は、原作外の相手をしなければならない。
いや、本当に原作外なのか？
さっき感じた気配、転生者と同じ気配を感じたが、何かが違う。
以前ニルヴァーナ編で戦った加藤亮二に近い。
･･････憑依転生者なのか？
◆◆◆
島の状況を白眼で観察しながら、俺は目的の人物を探し、追いかける。
ジジイがハデスに敗れ、ナツ達がボサボサ頭と戦い、グレイ達がヤギと遭遇し、エルザとジュビアがメルディと遭遇、エルフマンとエバーグリーンがリーゼント眼鏡と遭遇、ミラとリサーナがバースト君と遭遇。
本格的にグリモアハートとの戦闘が始まり出した。
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