「――――って事を今さっきまでやってました」
ゴスッ‼っと殴られた。
「何すんだよ?」
「何すんだよじゃねぇよっ‼」
「お前俺等が必死に戦ったりしている時に何してんだ!?」
俺の行動に不満を持ったナツに殴られ、グレイも一緒に文句を言う。
まったく、俺1人いないだけで何が不満だというのだろうか?
「コレでも敵の隊長を足止めしてたんだぜ?」
「足止めっつーか、テメェが私怨で戦ってただけだろ」
「む?」
「聞こえてたんだぜ、テメェとあのイケメンの会話」
ギヒッと嫌な笑いをするガジルに俺は「そういや近くにいた」と思い出す。
途中からいなかったけど、ラクリマとエクスタリアの激突を止めるまでは、直ぐ傍でパンサーリリーと戦ってたな。
「・・・・・・・・」
降りしきる雨の中、アースランドに帰って来た俺達。
エドラスのアニマによって、魔力を持つ者全てがこのアースランドに送られて、俺達は帰ってこれたのだ。
俺は、アースランドに帰って来る瞬間を思い出す。
◆◆◆
「俺は再びエドラスに戻って来る! イケメンを殺しに戻って来る‼ たとえ俺様が消えようとも、第2第3のイケメン撲殺の使徒が必ず貴様を抹殺するだろう‼ 覚えとけクソがあああぁぁぁぁぁぁーっ‼‼‼」
「もう二度とくんじゃねえええぇぇぇぇぇぇぇぇーっ‼‼‼」
◆◆◆
・・・・・・別に思い出す必要ないな。
最初は真面目にみんなの捜索とかやってたけど、あのイケメンのせいで全てがどうでもよくなった。
ま、あのクソイケメンが普通に転生者やってて危険が無いと思ったからなんだろうが。
まぁ、兎に角全てはあのイケメンが悪い。
俺の活躍が無いのはイケメンのせいだ。
まったく面だけで全てを持って行きやがって。
僕は悪くない。
全部イケメンが悪いんだ。
「世界中からイケメンが消えればいいのに・・・・・・」
「・・・・・・アンタ、エドラスで何があったの?」
ルーシィの引き気味な問いに俺はノーコメを通す。
ヒビキ達とはまた違う感じのイケメンだったからなぁ・・・・なんか鼻に付くんだよ、アイツ。
転生特典も使わずイケメンとか、もうホント死ねばいいのにアイツ。
消える直前に街の方へぶっ飛ばしてアイツが飛んで行ったら、街の女子たちにキャーキャー言われやがるしな。
もう1回言う、ホント死ねばいいのに。
「祐一」
「あ?」
「みんなもう行っちまったぞ」
「ん?」
レッドに声を掛けられて、俺の意識は現実に戻る。
さっきまで此処に居たエクシード達がいなくなってた。
・・・・・・俺がイケメンに呪いを吐いている間に、新居地目指して旅立ったようだ。
「そーいや、レッド」
「うん?」
「お前の親ってどんなだ?」
「・・・・・・さぁ? そういや会った事ねぇぞ」
あの去って行った一団にいるのだろうか?
レッド本人はそこまで気にしてないようだが、気が向いたら探してみるか。
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