いったい、どのくらいの時間戦い続けただろうか?
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ちょこまか逃げやがって・・・・・・!」
「ぜぇ・・・はぁ・・・い、いや、あの・・・・・・」
「何だ、遺言か?」
「違うっすよ!? アレっすよアレ‼」
「ああ?」
クソイケメンがアレアレうるせぇから、指さす方を視てみる。
イケメンが指差す方向。
そこには、
「ダメだ‼ ぶつかるぞ‼」
「うあっ」
「こらえろォォォォ‼」
「おおおおおおおお‼」
「うあああああああ‼」
「止めてやる‼ 身体が砕けようが魂だけで止めてやるぁアアアアア‼‼」
ナツ達がエクスタリアにぶつかりそうな、ラクリマが置かれた浮遊島を全力で止めていた。
・・・・・・足元を見ると、何時の間にか浮遊島がこの場から消えていた。
竜鎖砲が何時の間にか撃ち込まれたんだろう。
今度はエクスタリアから無数のエクシード達が翼を光らせて空を飛びナツ達に加勢し、みんなで迫る浮遊島を押し返そうと奮戦していた。
「ほら、おたくのお仲間がみんな必死に頑張ってるっすよ。おたくも向こうに行って加勢した方が良いんじゃ・・・・・・」
「・・・・・・確かにな」
みんな必死になって島の追突を止めようと奮戦している。
原作だと上手く止められるが、転生者という俺達イレギュラーが存在している限り、必ず上手くいくとは限らない。
「・・・・・・チッ、仕方ねぇ、諦めるか」
「まぁ、俺の立場上止めなきゃなんでしょうけど、今回は見逃すっすよ。俺も命が惜しいんで」
「ああ」
こうなっては仕方がない。
「仲間に加勢すんのを諦める」
「・・・・・・ゑ?」
「だから続きと行こうか!」
「なんでそうなるんすか!?」
「うるせぇっ! 俺にとっちゃ仲間助けるよりイケメンぶっ潰す方が大事なんじゃああぁぁぁぁぁぁーッ‼‼」
「おたくクズ過ぎだろおおぉぉぉぉぉーッ‼‼」
そして俺達の戦いは続く。
◆◆◆
「フハハハハハハッ‼‼‼ 王の力に不可能は無い‼‼ 王の力は絶対なのだあぁぁぁ‼‼‼」
拡声器の様な物を通していると思わしき声が、辺りに響く。
見ると、鋼鉄製っぽい巨大メカドラゴンが君臨していた。
「ほ、ほら、何かうちの陛下がなんかヤバ気なモン出してきたっすよ! コレもう、おたく俺と闘ってる場合じゃ無いっすよねぇ!?」
「そんなの関係ねええぇぇぇぇぇぇーっ‼‼」
「もう嫌なんすけどこの人おおぉぉぉぉぉーっ!?」
俺達の戦いはまだまだ続く。
「仲間見捨てて俺と闘うとか正気っすかアンタ!?」
「俺は仲間を見捨てていない! 俺が加勢しないのは、仲間を信じてるからだ‼ だから俺は安心してお前をぶっ潰す‼‼」
「無理に俺狙う理由無いじゃないっすか‼」
「うるせええぇぇぇーっ‼ イケメンが気に食わねぇんだよおおぉぉぉぉぉーっ‼‼‼」
「それが本音じゃねぇかああぁぁぁぁぁーっ‼‼‼」
本音で喋って何が悪いかッ‼
◆◆◆
「ちょっ、浮遊島が次々と落ちていくんすけど‼ コレもう、この世界から魔力が消え始めてるって事っすよね!?」
「だから何だ!?」
「それもうこっちの世界完全にアウトじゃないっすか! こうしちゃいられない! 直ぐにハニーの所に行かないと・・・・・・‼」
「ああ!?」
「俺のハニーっすよ! このままだと心配で、俺は・・・・・・」
「ハニー・・・・・テメェの女か」
「そうっす」
「・・・・・・・・・・」
そうか、コイツの大事な女か。
「死ね」
「何故!?」
「イケメンがムカつくからじゃああぁぁぁぁぁーっ‼‼」
「僻みはみっともないっす‼」
「うるせぇ面だけでモテやがって! コッチは能力使ったりしてんだぞ‼ 普通面の気持ちがテメェに分かんのかああぁぁぁぁぁーっ!?」
「自分の面を普通に持ってくるあたり必死っすね!」
「ああ!? やんのかゴラアアァァァァァァーッ‼‼」
「やりたくなくてもやってくんでしょうがクソがああぁぁぁぁぁーっ‼‼」
俺達の戦いは終わらない。
「俺達の戦いはこれからだああぁぁぁぁぁぁーっ‼‼‼」
「もういい加減終わって欲しいっす‼‼」
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