FANTASY☆ADVENTURE   作:神爪 勇人

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3話連続更新!


第102話 転生特典の数

 

ブレスの奔流に呑まれ、イケメンは消失した。

 

「イケメンは死すべし」

「いや、死んでないっすよ!」

「!?」

 

防いだ様子も、避けた様子も無かったにも拘らず、ブレスの中から声が聴こえて来た。

その声に、ダメージを受けた様子は全くない。

ブレスの波が徐々に渦巻き、それらが流れて上空へと飛んで行く。

渦の中心には、イケメンがいた。

渦が逆回転し、ブレスを全て自分の外側へと流している。

何の能力だ・・・・・・?

 

「いやぁ、おたく強いっすわマジ。コレは俺も本気で行かないと、ね」

 

イケメンが目を伏せ、数瞬後に目を開く。

すると、目からバチッと一筋の光の様なモノが放たれた。

 

「いくっすよ‼」

 

イケメンが消えた。

 

「いや、後‼」

 

俺の背後に現れたイケメンを、分身体が反応し迎え撃つ。

 

「邪魔ぁっ‼」

 

イケメンの手から光が放たれる。

 

「波動拳‼」

 

拳から放たれた光弾。

だが、そんなモノ効きはしない。

分身体が弾こうとするが、

 

「オオオオォォォォォォッ‼」

 

突如、イケメンから黒いオーラが!?

 

「フン‼」

 

イケメンが腕を振るうと、それに合わせて光弾が曲がり、分身体が反応出来ない絶対死角から攻撃する。

分身体が1体消滅した。

 

「まだまだぁ‼」

 

再び手から光を発する。

だが、今度はサイズがダンチだ!

 

「108式波動拳‼」

 

黒いオーラを纏った極大な光弾が、縦横無尽に動き回り分身体を屠っていく。

 

「チィッ! 訳の分からん技を‼」

 

分身体を其々別れて行動させ、全方位から再び攻撃させる。

 

「「「火竜の―――――」」」

「「「鉄竜の―――――」」」

「「「雷竜の―――――」」」

「「「毒竜の―――――」」」

「「「天竜の―――――」」」

 

「「「「「―――――咆哮ォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ‼‼‼‼」」」」」

 

さっきよりも分身体の数は少ないが、それでも充分驚異的な数のブレス。

今度こそコレで・・・・・・

 

「ハァァァァァァ・・・・・・・」

 

するとまた、イケメンを中心に渦のような力場が発生する。

またブレスを流そうとするのか・・・・・・いや、コレは。

 

「さっきと逆?」

 

さっきの渦は外側に回転していたが、今度は普通の渦。

つまりイケメン自身に流れるような渦が発生していた。

アレだと狙うまでも無く、ブレスが直撃する。

いったい何考えて・・・・・・

 

「ん?」

 

イケメンの身体からオーラが溢れて来る。

何だ? 何をしようと・・・・・・

 

「・・・・・・―――――――――」

 

イケメンの全身を覆っていたオーラが、その右腕一本に集束される。

何かコレ、どっかで観たことある様な・・・・・・?

ブレスが渦に呑まれてイケメンの元へと収束し、流れていき、

 

「ハァッ‼」

 

流れて来たブレスの奔流を、オーラを纏った右腕で殴りつけた。

瞬間、

 

「うおっ!?」

 

ブレスの力が倍化し、拡散して跳ね返って来た。

俺は反射的に避けたが、分身体の大半が今ので消えてしまった。

そして、俺の【解析‐アナリシス‐】がイケメンの解析が終わり、その力が明らかになった。

コレは・・・・・・――――――

 

 

NAME:阿部 浩一郎

CLASS:転生者

属性:中立・中庸

性別:男

年齢:18歳

身長:189㎝

体重:61㎏

武装:刀・銃

 

ステータス

筋力:■■■■■A

耐久:■■■■■A

敏捷:■■■■■A

魔力:■■■■■A

幸運:■■■■■A

能力:■■■■■A

 

神様転生の特典

『超人的な身体能力』

そのままの意味。

『六幻』

白木造りの日本刀のイノセンス。

『天性の戦闘勘』

そのままの意味。

『断罪者‐ジャッジメント‐』

圧倒的な威力を誇る、銃タイプのイノセンス。

『ゾーン強制開放』

自分のポテンシャルを100%発揮出来る状態―――ゾーンに自分の意思で自在に入れる。

『視線誘導‐ミスディレクション‐』

相手の視界から外れ、意識からも外れる。

対象から認識されづらくなる。

『騎士は徒手にて死せず‐ナイト・オブ・オーナー‐』

手にした武器に自らの宝具として属性を与え、駆使する。

どんな武器、兵器であろうとも手にした時点で自身の支配下に置かれる。

『縮地』

瞬間移動術。宙を蹴り、空中でも移動できる。

『無我の境地』

我が心、既に空なり、空なるが故に無。経験した術技を再現する。

自分の才能に適性の無いモノまでは再現出来ない。

無我の奥にある3つの扉を開けることも出来る。

『五感剥奪‐イップス‐』

相手の五感を不能にする。

『風林火山陰雷』

疾きこと風の如く、静かなる事林の如く、侵略すること火の如く、動かざること山の如く、知り難き陰の如く、動くこと雷帝の如しの6つのスタイル、6つの技を使う。

『猛獣のオーラ』

内に秘めた野獣性を開放する。

野性を縛る理性は要らねぇ的な。

『眼力‐インサイト‐』

相手の弱点を見極める。

そこから派生して【氷の世界】や【阿部王国】も使える。

『幻有夢現』

有るはずの無い動きを追わせる。

『スーパースイートスポット』

力を一点に集中させて光を発する異次元の力。

『精神の暗殺者‐メンタルアサシン‐』

一睨みするだけで、相手に精神的重圧を与える。

『鏡像』

相手の技や能力を跳ね返す。

『同調‐シンクロ‐』

相棒を信頼し、パートナーの動きや思考、息遣いまでもが手に取るように分かる。

パートナーもシンクロを使えると、連携の精度が格段に増す。

『阿部の領域‐テリトリー‐』

自身が前に居る時、後ろにいる仲間に指示を出す。

周囲の空間を把握し、戦場を支配する。

『阿部ゾーン』

相手の攻撃を自身に誘導する。

『阿部ファントム』

相手の攻撃を自身から外す。

『波動拳』

渾身の力を持って相手に闘気を放つ。

108式まである。

『黒いオーラ』

遠距離攻撃を途中で曲げる。

『カウンター』

相手や周囲の環境を利用して攻撃する返し技。

燕返し・羆落とし・白鯨・蜉蝣包み・鳳凰返し・麒麟落とし・白龍・百腕巨人の門番・星花火。

『心の瞳‐クローズドアイ‐』

心の眼で視る。

『分身ステップ』

残像を生み出す。

『スネイク』

カーブを描く闘気を放つ。

『レーザービーム』

超速の闘気を放つ。

『幻影‐イリュージョン‐』

あらゆる人物に成りきる。

『悪魔‐デビル‐化』

全身の血を沸騰させて身体能力の限界を超える。

『スポット』

相手の腕を麻痺させる。

『ブラックホール』

空間を削って相手の攻撃を止める。

『舞空術』

空を飛ぶ。

etc....

 

 

「――――いや多すぎるわ‼」

 

堪らず叫ぶ。

何だこの転生特典の数は!?

1つ1つはそこまで強力じゃないが、この数は多すぎる。

てか、

 

「なんかテニス技多すぎね!? お前来る世界間違ってんだろ‼」

「いやー、俺もそう思うっす。何かコレ、スポーツの世界で使う技とか神様に言われたんすけど・・・・・」

「何でそんなもん選んだ!?」

「いや、だから神様が決めたんすよ。『特典何が良い?』って聞いて来たから、『何でもいいから兎に角沢山』って」

「何でも過ぎだし、沢山過ぎだろ‼」

「『沢山にするのはいいけど、そこまで強力じゃないよ』と聞かされてたんすけど、意外といけるもんっすね」

 

この世界ではな。

アースランドで生きていけるかどうかは凄まじく微妙だが。

 

「まぁ、俺としてはスポーツの世界に行ってこの力で女子にキャーキャー言われたかったっすね。今でもワリとキャーキャー言われるッスけど」

 

・・・・・・・・イッラァァっと来るな。

 

「そうか、そんなにスポーツの世界へいきたかったか」

「勿論っす! 俺って普通にイケメンだからこんな力無くてもキャーキャー言われるけど、やっぱ力は有った方が良いっすね‼」

「OK、なら俺がお前を『テニプリ』なり『黒バス』なり『ハイキュー』なりに行かせてやるよ」

「マジで!? そんなこと出来るんすか!?」

「ああ」

 

俺は腕ごと肩をグルグル回す。

 

「方法は簡単、俺がお前を殴り殺す」

「・・・・・・ゑ?」

「運が良ければ、次はお望みのスポーツ世界に行けるかもな」

「え、いや、それはちょっと・・・・・・」

「いやいや遠慮するな。行かせてやるって言ってんだから、とっとと逝けやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼‼‼」

「『いく』の言葉になんか不穏な響きがあるんすけどおおぉぉぉーっ!?」

 

 

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