詳しいことは活動報告に後ほど上げさせていただきます。
また、今月は忙しいのが続いているので、落ち着くのは翌月からでしょうか。
それでもまだ、ちまちまと暇を見ては書き連ねております。
原作も完結の道筋がみえてきたことで、モチベが戻ってまいりました。
がんばりますので、皆様におかれましては、今後ともどうぞ、よろしくお願いします。
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双子月が宵闇を青と赤に彩る夜。
夕暮れ時を以って王都を出発し、日が沈み切る頃に学院へと舞い戻っていたルイズとステラは、既に学園の自室に戻っていた。
ルイズはネグリジェに着替えて、何を考えているのかゴロゴロとベッドの上で忙しなく悶えており、その床では、ステラが買ったばかりの剣の手入れに勤しんでいる。
「うひゃひゃ! おい、こら、相棒! やめぅひゃひゃひゃ!」
「デルフ、ちょっとうるさい」
「つったってな相棒! こんなの、人間様が受けたら笑い死にしちまうよ! 俺ぁ剣だけどな!」
「頑固すぎる錆が悪い」
「仕方ねぇさな。うへぇへっへ! 俺っち、長生きだからよ」
「多分、私のほうが長生きだよ」
「すげぇな相棒。俺っちより長生きとか、人間やめてるぜヒャヒャヒャヒャ!」
ステラがごしごしと、トライクに仕舞ってあったサビ取りの液体と、これまたどこかかから調達したウェスでもって、一振りの剣を磨きぬいている。
その度に、磨かれている魔剣―――デルフリンガーは、なにがどうくすぐったいのかはわからないが、鍔をカチカチ鳴らしながら笑い声を上げていた。
普段ならば、やかましいと怒鳴りつけてくるルイズであるが、今はどういうことか、ベッドの上でひたすらゴロゴロ転がりまわってるので静かだ。
故に、ステラは遠慮なく盛大に、今日中にこの錆だらけの魔剣を磨き上げてやると息巻いていた。
だが、不思議なことに、どれだけ磨こうともデルフリンガーに付いた錆は、欠片たりとも落ちる気配がない。
かれこれ一時間近くもの間、あれやこれやと手を変え品を変え、その脳内に詰まった先進的知識を駆使しているステラであったが、最終兵器である酸化鉄分解酵素含有溶液――トライクの整備グッズの一つ――を用いても効果が無いとわかり、匙を投げることになった。
「……普通の錆じゃないみたい。なんだろう、これ」
「はぁ……はぁ……俺っち、随分長生きしてきたけどよ、まさか笑い疲れるなんて体験をするたぁ、思いもしなかったぜ」
心なしか刀身がぐんにょりしているように見えるデルフリンガーを持ち上げて、矯めつ眇めつ観察するステラ。
言葉通り、その刀身は、隈無く赤銅色の錆に覆われており、とてもではないが刃物として役立つようには見えない。
これではせいぜい鈍器として扱うのが精一杯だ。物を切ろうなどとは間違っても考えられない。
とはいえ、ステラの【技】を持ってすれば、それすらもどうにかなってしまうのだが――――つまり、切ろうと思えば切れるし、その際には切るという攻撃性よりも、切った後の傷による感染症で大変なダメージを与える魔剣ともなりうる。
無論、あえてそれを狙ってデルフを振るうつもりはないのだが。
そこまで思索を巡らし、同時にコレ以上の手入れは無駄だろうと結論づけたステラは、次いで、不気味なほどに―――というより、不気味そのものなのだが―――静かな主へと、ようやく意識を向けた。
ベッドの上のルイズを見れば、枕を抱きかかえたまま、ごろりと寝転がって窓を眺めている。
「ルイズ、どうしたの?」
「うひゃぁっ!? い、いい、いきなりなにすんのよッ!!」
怒鳴り声とほとんど同時に、数発もの小気味良い乱打音が室内に響き渡る。
いきなり背後から抱きつかれた上、首を甘噛みされたルイズは、下手人たる背後の使い魔に、割と本気の怒りをぶつけた。具体的には、どこぞに隠していたハリセンを神業じみた速度で取り出し、ステラの頭を乱打したのだ。
本人なりには、元気付けるためのスキンシップのつもりだったのに、返ってきたのは激しい拒絶。これにはステラもショックを隠し切れない。
はたかれた頭を抱えながら、言葉無く、それでいて涙目になるという感情表現でもって、その傷心を訴えるステラ。
ルイズはそれを直視してしまい、ややばつが悪そうな顔をしてそっぽを向いた。そして、再び枕を抱えてごろりと横になる。
その思考のうちにあるのは、今さっきすげなくあしらった己の使い魔のことである。
今日見せてもらい、また乗せてもらった小竜――――トライクの存在によって、ルイズの中にあるステラという少女が、わからなくなってしまったからだ。
言い換えれば、それは不安なのだろう。
思えば、ルイズはステラという少女の事を、知っているようで知らない。ぼんやりとした輪郭がその手の中にあっても、それはいわば、表面的な部分だけで、ふれれば弾けて消える泡のように、実態は曖昧だ。
対象の理解度で言えば、隣国の王子が眉目秀麗の才色兼備なお伽噺にあるような御方だと噂に聞いて、実際に一目見ただけ――――それと、大して変わらない。
輪郭も、その姿也もわかる。だが、それには"身"が伴っていないのだ。"ステラ"という少女の皮だけを持ち、ではその中身がどんなものなのか問われても、ルイズは首を傾げるほかないのである。
当然の事だ。
まだ出会って一年どころか半年も経っていない、たった一ヶ月足らずで全てを知るなど無理極まりない。
故に、ここに至って思い出したのは、召喚したその日にステラの口から聞いた物語。少しでもステラの事を知ろうとするが故の、無意識の回想。
荒唐無稽で、どんな物語も青臭く思えるような、とんでもない設定盛りだくさんの法螺話。そう、思っていた。
一体誰が信じるというのか。
ルイズが見る窓の先、双月の浮かぶ紺碧の夜空の向こう―――星の海の向こうからやってきたという存在との、最終戦争。
鏖殺される人類。
目覚めた時にはたった十二人。
そして、最後の生き残り。
どれも考えられない話だ。
だが、その疑念は、あのトライクの存在によって揺らいでいる。もしかしたら、と。
だからわからなくなった。盛りに盛られた与太話なのか。はたまた、真実であるのか。
そして仮に、真実であるとしたら、あの娘は、いったいどれだけの……。
わからない。なにもかも、全部が全部、わからなくなってきた。
ウソを吐くような子じゃない。それはわかっている。結局のところ、狭量な自分があの子の価値観を理解しきれないだけなのだとも、理解している。
ルイズは聡明な子だ。
時には激しい思い込みや若さゆえの暴走があるとはいえ、物事を端的に捉えたり、客観的に自分を評価できるくらいには、己の分を弁えている。
でも、だからといって、これまで培ってきた価値観から根本的に外れたものを、瞬時に理解することも、受け入れることも、簡単なことではない。
それでも、努力しなければいけない。ルイズが信じる理想の"貴族"は、きっとそうすると思うからだ。
……実のところ、ルイズのようにわからないなりにも"未知"を受け入れようと努力する人間自体、このハルケギニアでは珍しい存在だ。
たいていの貴族は、何処の国であっても己の地位と権益を守ることに腐心し、大きな変化というものを嫌う。ましてやそれが、自分の常識の埒外にあるとなれば尚更のこと。そういう意味では、ステラがルイズに召喚されたことは、この上ない幸運であったといえるだろう。
そして、ルイズはそれら典型的な貴族でありながらも、その境遇からくる人格形成によって、半々の性質を持つ貴族として育っている。
今日自分が見たものと、既に聞いたお伽噺と。果たしてそれらを、どう受け入れ、理解するべきなのか。
―――――貴族たるもの、その使い魔は己の半身と知れ。故に、使い魔はその主の鏡たらん。
そう教わったからこそ、ルイズの葛藤は終わらない。半身を受け入れたくとも、身に馴染まない大きな違和感は、ともすれば胃を締め付けるような痛みすら伴っていた。
「ルイズ」
深みに陥りそうであった思索を打ち切ったのは、唐突にかけられた声と、お腹に回された手であった。
気がつけば、いつの間にやら立ち直ったステラに、おもいっきり抱きつかれていた。
主の気も知らず、妙に甘えたような声を出す使い魔の姿に、ルイズは呆れたような声音で疑問を投げかける。
「……さっきからなんなのよ」
「無視されたから抗議」
「抗議って……」
ルイズの背中にグリグリと、まるで甘える猫のような仕草で頭を擦り付けるステラ。
ぎゅっと、お腹に回された手に力がはいるのがわかる。ちょっと息苦しい。
仕方なく背後を振り返ると、微妙にふくれっ面になったステラと目が合った。
途端、ルイズは急に、今まで自分が真剣に思い悩んでいたことがバカらしくなって、思わず吹き出してしまった。
「もう、なによその顔。ちょっと考え事してただけでしょ」
「無視ってよくないよ」
「してないわよ」
「怒ってる?」
「なんで?」
「難しい顔してる」
「……考え事。大したことじゃないわ」
ちょっとだけ、言葉尻が濁る。
その真意を理解したのか、はたまた何か思うところがあったのか。ステラはじっ、とルイズを見つめる。
とっさに目をそらしたのが失敗だったと気付いたのは、ステラが何かを決意したような顔をした時だった。
「ねぇ、ルイズ。散歩に行こうよ」
「……アンタね、今何時だと思ってるの」
呆れを隠さず、少しだけ身を起こして、目を細めるようにして睨む。
だが、ステラはそれを受けてもなお、固そうな意思を込めた目で見返してきた。
気圧された、とまでは言わない。だが、その中にある何かを感じてたじろいだのは事実だった。
そんなルイズの心の機微を悟ったのか、ステラは唐突に表情をゆるめ、薄い笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「地球だとね」
「……アンタの故郷だっけ?」朧げながらも、以前聞いた身の上話から、その事を思い出すルイズ。ステラは一度小さく頷く。
「うん。そこにも、昔は月があったんだ。一つだけ」
「……」
少し、感傷に浸るかのような物言いに、ルイズはマンティコアの尾を踏みつけた時のような気分になった。あの時は散々泣きわめく羽目になるわ母に折檻されるわと最悪な思い出である。
同時に、己の不用意な発言を恥じ、後悔する。それでも、傾ける耳を逸らさなかったのは――――決して義務感からきたものではない。
「でも、戦争の所為で粉々に砕けちゃった」
そして、さらりとこぼれたその言葉に、ルイズは文字通りに絶句した。
恐る恐る、背後の窓の向こう、半分ずつ重なり合う双子月を見やる。ステラもまた、それに釣られるようにしてルイズの視線を追う。
主従揃って静かに、窓の外に浮かぶ青と赤の光に、暫し魅入った。
紺碧の夜空に君臨する、青と赤の双子月。
昼の太陽が豊穣と命の輝きであるならば、宵闇を照らす月は慈愛と眠りの輝きだ。
その月が砕かれる。一体、どのような魔法が――――いや、戦争だったというのか。
ルイズには想像もつかない。あの慈しみに満ちた光が失われた、夜の世界など。
そして、彼女の話を信じるならば。
この少女は――――ステラは、そんな薄闇と天涯孤独の中、とても長い時を生きてきたという。
果たしてそれは、いったいどれほど恐ろしい事なのか。
「……あんなに綺麗だなんて、知らなかったな」
訳も分からず、ルイズは己の涙腺が緩むのを感じた。
同情なのかもしれない。聞いた話が一から十まで事実であるならば、ステラの境遇は哀れと悲壮そのものだ。とても、自分如きが憐れむことができるような、生易しい人生ではない。
だから、というわけではない。ただ、これ以上こんな辛気臭い話を聞きたくない。そう、思ったから―――月の輝きに感動している、己の使い魔に付き合ってあげるのも、主人の務めだと思ったからだ。
「……着替え、取って」
「――――うんっ」
仕方ない。
そう、本当に仕方のない、世話の焼ける使い魔なんだから。
ぶすっと、わざとらしく頬を膨らませたりなんかして、ルイズはその心の内で言い訳をする。
満面の笑みを浮かべ、喜色を隠そうともしない使い魔の後姿を、しっかりとその視界の端に収めながら。
★
空をとぶための魔法に、"フライ"なるものがある。
風の系統に属する魔法の筆頭で、多くのメイジが系統魔法の基礎中の基礎として習うものの一つだ。
その本質は文字通り、空を飛び、飛行することにある。
同一系統の似たような魔法に"レビテーション"があるが、両者の違いは詠唱に用いる"術式"、そして"対象を直接移動させるか否か"にある。ただまぁ、この場ではそれはひとまず置いておこう。
そんな思考に耽るルイズは今、満点の星空と双子の月に淡く照らされながら、なぶるような風の中を泳いでいた。
耳をつんざくような、甲高い吸気音。
同時に、はためく髪とぶつかる風が奏でる風切り音。
"フライ"なんぞメではない。
己の特性/爆発魔法のせいでついぞ叶うことはないだろうと、心の中で密かに諦めていた経験の只中にありながら、ルイズはしかし、今はその感動を味わうような心の余裕を保てずにいた。
「よっ、と」
軽い調子の掛け声は、今現在ルイズをお姫様抱っこしている使い魔―――ステラのものだ。
流れるように過ぎ去っていった景色が急激に止まり、暴力のような風の海が緩やかな凪へと移る。
ここにきてようやく、あえぐように空気を貪り、知らずと緊張と驚愕でしばらく息を止めていたことをようやく思い知るルイズ。
ステラとルイズは今、空を飛んでいた。
散歩に出よう、と誘われて外に出たら、空を飛んでいたのだ。
無論、ルイズの魔法ではない。いまだにどんな魔法も爆発してしまうのだから、当然だろう。
ではなぜか。
「うん、調子いい。整備してなかったけど、大丈夫みたい」
「ッ……」
初体験に次ぐ初体験で、もはや絶句するしか無いルイズは、必死に己の使い魔にしがみつくほかなかった。
ちらりと抱きついているステラの背後を見やれば、そこには竜の吐くブレスのような青い噴炎が、まるでステラの尻尾のように吹き上がっている。
もっと詳しく言うなら、ステラの腰から繋がる鋼の翼と、その背部から噴き出る蒼炎の尾があった。
黒き鋼の翼――――それは、ステラが召喚された当時、その身に纏っていたモノだ。
最初は眉唾だと思っていた。
散歩に行こうと決めてから、ステラが突然ガチャガチャと何かの準備を始めた時のことだ。
召喚したその日、あの召喚の現場を離れて直ぐ、大事にルイズの部屋の片隅に置かれていた鋼の翼を纏うステラを見て、冗談まじりに「なにそれ、空でも飛ぶつもり?」と、ルイズは半ばバカにした口調で問いかけたのである。
きょとんと首を傾げながら「そうだけど?」と返された時には、もはやため息しか出なかった記憶が恨めしい。
なにせ、ご覧の有様だ。
だって、こんな鉄の羽で空を飛ぶなんて、ソレこそコルベールの妄言と同類ではないか。
だというのに、そんなルイズの愚かしい思い込みは、あっけなく砕け散ることになった。
言い換えるなら、それはカルチャーショックとも言うのだろう。
己の知らぬ常識に身を浸し、分を弁え、井戸の外の世界を知る。世界ががらりと変わって見えるというのは、この場合比喩ではない。
事実、ルイズが今見る景色も、体験も、そしてその心臓が奏でる激しい鼓動も、これまでただ一度として経験したことのない"感動"だったのだから。
「どう? 空、飛べたでしょ」
「――――」
月に一番近い場所。
正確には雲を超えた先、気のせいでもなく息苦しい、コートがなければ凍えていたであろう未知の領域で、二人の少女は青い噴炎をなびかせながら遊泳する。
ゆっくりと大きく弧を描きながら、二人の主従は言葉なく、青々と、赤々と輝く双子月と、その周囲で踊る星の海に目を奪われる。
ステラは、胸が詰まる思いだった。溢れそうなもので胸がいっぱいになって、なぜだか無性に笑いたくなった。
ルイズは、胸に支えていた何かが外れたような気がした。寒々しい空気を吸い込んでも、じんわりと暖かかった。
二人は、互いに別のことを考え、そして同じ考えに行きつく。
言葉にはしない。
ただ、ゆっくりと。
お互いに顔を見合わせ。
そして、蕩けるような、月の輝きを思わせる微笑みを見せ合う。
ルイズを抱く手に力がこもる。
ステラの首に回された手に、力がこもる。
小さな主従の夜の散歩は、それからもしばらく続き、ルイズのくしゃみによって終りを迎える。
寮塔へと戻る頃、二人はどちらからともなく、互いのその小さな手を、しっかりと繋ぎ合うのだった。
★
夜。
黒い帳が青と赤にあでやかに染め上げられた静謐な時間。
部屋の中央、大きなベッドの上では、一組の主従がすやすやと眠っている。
帰ってきたときのまま、お互いに手を握り合いながら。
人にあらざる身であるが故、何があったか、どんな変化が起きたのか、"彼"には知る由もない。
が、それでも。
「やれやれ、今回のご主人様は、えれーヤッコだ」
かちゃかちゃと、その口代わりの鍔が鳴る。
人が発する声とは違う、金属音を含む独特な発声は、染み入るように夜の部屋の隅々へと染み渡った。
その身を錆付かせ、もはや朽ちるのを待つばかりとなって幾星霜。まさか、こんな諦めが入った時に、こんな面白い使い手に出会えるとは。
長き"剣"生を生きた彼であっても、予想だにしなかったことだ。
彼は独り静かに思う。この度彼の使い手となった、黒髪の少女のことを。
……いや、果たして少女と呼べるのか。
人で在らざるがゆえに。その身の上から、己を握る者の本質を看破し得る特性ゆえに。
彼は薄っすらと、少女の奥底の"異様"に気づいていた。
かつて、幾度も連れ添い、見てきた"神の左手"の担い手の中でも、今回の担い手はあらゆる意味で群を抜いている。
果たしてそれが、"継承者"にとって吉と出るか凶とでるか――――彼にはあまり興味がない。
あくまで、彼は武器なのだ。剣なのだ。手にとって振るい、武力を体現するための部品に過ぎない。
そういう意味で、此度の担い手には大いに期待している。
一体、どのように自分を使ってくれるのか。果ては、どの領域にまで辿り着くのか。
「楽しみすぎて、ちっとも眠れやしねぇや」
俺様、剣だけどな!
楽しげな鍔鳴りが、ほんのひと時宵闇の静寂を掻き乱す。
己の存在意義に餓えていた一振りの剣は、今か今かと、己の出番を待つのであった。
蛇足ですが。
後半、お空の遊泳中にルイズがぜんぜんしゃべっていないのは、その環境ゆえです。
すくなくとも、何の訓練もしていない一般人が雲の上で地上と同じように振舞うのは無理があるでしょう。
いうまでもなく、ステラはそこまで頭が回っておらず、ルイズはまたわけのわからない反骨心でそれを表に出さないようにしていましたが。
ルイズの意地っ張りもといかわいらしい面を少しでも紹介したく。
それでは、また次のお話で。