見栄をはって嘘を吐いたことを。
NO 指令
YES 司令
今後も気をつけたいと思います。
NO 渋いサングラス
YES 弱メンタルサングラス
今後もこんな人です。
短いですが、始まるでゲス。
+サイドアウト+
新潟港付近に突如現れたエヴァンゲリオン3号機は先刻を持って第十三使徒と改められ、ロンドベル別働隊ゴラオンは特務機関命令を受け、搭乗するエヴァ二機による迎撃を遂行する事になった。
夕暮れをバックに所々変わり果てたエヴァ三号機が前進してくる。それに対してオフェンスを受け持つエヴァ弐号機がもうすぐ戦闘領域に突入、ディフェンスを受け持つエヴァ初号機は遥か後方に待機していた。
初号機パイロット碇シンジは自身の内にとてつもない怒りを宿していた。自分が次の任務でゴラオンに搭乗した直後に連絡が、正確には命令が行方不明だった己の父から下されたのだ。当然、反発心が沸くものの状況がそれを許してくれなかった。
自分たちと同じエヴァ3号機の撃墜命令、それを聞いて初めに思ったのはパイロットの安否だった。次に同行していたはずのミサトとリツコの安否。最後にパイロットの救出が出来るか否かだ。
彼に戦わないという選択肢は無かった。取り敢えず、父に対しての怒りに蓋をして、いかにしてまだ生存しているパイロットを安全に取り出すことができるか、遥か先で対峙する弐号機を見ながら思考する。
『これより救出を開始する。いいこと、馬鹿シンジの役目は無いわよ!!』
アスカからの通信が戦闘開始の合図となった。
ライフルの銃撃音とバズーカの爆音が響き渡る中、通信からアスカの雄叫びが木霊する。
『なめるんじゃ、ないわよぉぉ!!』
ロンドベルで共に戦ってきた仲間の活躍にシンジのポテンシャルも上がる。
『オラ、オラ、どぐされ使徒がぁぁぁ』
最近、アスカは日本の任旧映画にはまっていたからな、とシンジは苦笑する。
『このタマがぁ、いい加減死にさらせやぁぁぁぁ』
アスカは本当に助ける気があるのだろうか、シンジはまだ知らぬパイロットが心配になってきた。それでも、アスカ宣言したのならやる奴だと知っているからアスカ自身は心配していない。
今だ、戦闘音はこの区域まで響き渡る。シンジはもしかしたら自分の出番は本当に無いのかもしれないと思った時、その声は通信越しに聞こえた。
『なんですっとぇ!! 腕が伸びるなんて反則じゃないの!! きゃあああああああ』
「アスカ!!」
つんざく様な悲鳴にアスカの名前を叫ぶも通信からアスカの声が聞こえることは無かった。聞こえてきたのはゴラオンでオペレーターをしている伊吹マヤからの弐号機沈黙という無情な報告だった。
「ごめん、アスカ……フラグだったみたいだ」
自分があんな事を思わなければ、そう後悔しているとネルフ本部から通信が入った。
『……シンジ、あれと戦え』
憎き父親の声に蓋をしていた怒りが僅かに漏れてくる。
「言われなくても、パイロットを救出するよ」
『誰が救出と言った。あれの破壊が最優先だ』
「僕にとってはどちらも同じだよ」
『シンジ!!』
「それより父さん、僕のメッセージは理解してくれたかな?」
『………』
「その様子だと考えあぐねている様だね。酷く単純なのに」
『お前は実の父親を殺すというのか?』
「違うよ」
『………ほっ』
「四分の三殺しだよ」
『殆ど殺しているようなものだ!! お前はそんなに私が憎いのか!!』
「ふっ」
思わずシンジが鼻で笑うと通信からでも分かるくらいゲンドウが絶句していた。そうこうしているうちにすぐ目の前にはエヴァ三号機が迫ってきた。
『……許さん。親を馬鹿にして……お前には行動すらさせてやらん!!』
通信から恨みがましい声が聞こえた直後、起動停止音が操縦席から聞こえ、明かりが消えた。
次の瞬間、操縦席が赤い光に包まれると初号機の咆哮が付近に響き渡った。
「なっ!! 父さん!! 何をしたの!?」
暴走したような状態の初号機が狙いを定めたかのように深く腰を据える。
『命令は破壊だ。お前はそこでダミープラグの威力を垣間見るが言い』
ゲンドウの無慈悲な宣告のもと、初号機は普段の動きとは違う獣のような動きで3号機に眼前に飛び込むと、張られたATフィールドをいとも簡単に崩壊させ、右手を引き千切り、次いで左足をもぎ取った。
鮮血が噴出して荒れ狂う初号機を染める。その姿を見てシンジの顔が恐怖に歪む。
「何だよ、これ……こんな!! パイロットを殺しちゃうよ!!」
慈悲など獣になく、振り下ろされる拳、肉の潰れる音、何度も宙を舞う血しぶき、それが何度も繰り返される。まさに一方的な暴力にシンジは悲痛な叫び声をあげる。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!! 止めてよ、父さん!! パイロットが!! パイロットが!!」
背後に回った初号機が無理やりエントリープラグを引っこ抜いてその手に乗せた。
「ああああああああ、駄目だ!! それだけは止めて!! 止めてよ!!」
シンジが望まなくとも勝手に下される行動、もう止められない自身は誰かに託すしかない。いないと理解しながらも心の底で思い浮かべた人物に助けを求めた。
「助けて、レイさん!!」
初号機の手が閉じられていく刹那、
『任せて』
『任せろ!!』
一人は会いたくて仕方が無かったものの声、もう一人の声は知らないけれど、何故だかとても心強くさせてくれる声が通信から響いた。
次回 ゲッター線 心のむこうに
次回もサービス、サービス……お話も後半に差し掛かってまいりました。既にラストまでは頭の中で出来ています。字におこせるかどうかは別にして……別にして。
今後も皆様が少し笑える話を作れれば幸いです。