その鴉天狗は白かった   作:ドスみかん

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第六十五話:少女たちは幻想のままに

 

 

 夕暮れに映える人里の家々。

 連なる建物が地面を黒く染めていく様は、まるで水の入ったタライをひっくり返したかのよう。閉門を告げる鐘が重々しく鳴り響き、それまで開け放たれていた門が締め切られる。これより来たるは(あやかし)の刻、人里の外と内は分離されて昼に生きる者たちは夜へ備えることとなる。

 外堀と外壁で囲まれた集落は、しかしながら低級の妖怪ですら侵入は容易いだろう。このような護りでは、空飛ぶ妖精たちすら塞き止められない。故に人々が無事に夜を乗り越えられる要因は、別にある。

 

 

「旦那様っ、お嬢様が屋敷の何処にもおられません!!」

「心配です、もう日暮れが訪れているというのに………」

 

 

 家人が騒ぎ立てる声で、男は現実へと引き戻される。その手には書き置きとみられる手紙が握られており、男はいつもより更に無表情な顔でソレを見つめていた。

 一向に反応を示さない主人、彼にしては珍しい様子に家人たちが押し黙っていく。たった一枚の紙切れを読むことに、彼がここまで時間を要するはずがないのだ。

 

 

「ーーーもう良い、アイツのことは探さなくていい。それより直に日が暮れてしまう、夕餉(ゆうげ)晩酌(ばんしゃく)の用意を急いでくれ」

「だ、旦那さま!?」

 

 

 手紙を容赦なく破り捨てた男。

 白の混じった頭髪と深いシワの刻まれた顔から伝わってくる感情は何もない。怒りを抱いているのか、呆れているのかも分からない。手紙に書かれている詳細は分からないが、大筋ならば他の者にも察しはつく。自らの娘からの絶縁状、そんなものを叩きつけられて平気な親はいるまい。

 万が一の飛び火を恐れた下女たちは蜘蛛の子を散らすように仕事へ戻り、下働きの小僧共もまた急いで主人の視界から立ち去っていく。

 

 

「……あの馬鹿娘め、これだと野盗に入られたのと変わらんだろう。もう少し手心を加えてくれても良いだろうに」

 

 

 外から吹き込む春風が冷たい。

 もぬけの殻になってしまった一人娘の部屋は、思ってもみないほど広かった。目ぼしき調度品や金目のモノは根こそぎ持ち去られ、どこか寒々しさすら感じられる。

 値の張るモノだけ運び出すとは、よくもまあやってくれたものである。貰えるモノは貰っておく、そのあたりは商人である己の娘ということなのだろうか。

 娘がいなくなったこと気づいたのは、巫女の継承式が終わってからのことだ。いつまでもお行儀良く沈黙している様子に妙なものを感じ、肩に手を置こうと思ったらすり抜けた。やられたと気づいてしまえば、話は早い。自分で自分の頬を思いっきり殴りつけてやれば、半人前の魔女がかけた幻術を解くには十分であった。

 

 

「……魔法と妖怪どもに、娘を取られてしまった。ろくでなしの男のところへ嫁に行かれた気分と、似たようなモノなんだろうな」

「ご愁傷様です、霧雨のご主人」

「何だ、お前も来てたのか?」

 

 

 夕日に延びる影一つ。

 家人たちが去ってしまった場にて、(たたず)む男がもう一人。沈む夕日に染められて、オレンジ色に輝いている銀髪。なかなかに整った顔立ちと男性らしい体格、柔らかな物腰とどこか影のある言動。それらは修行時代に多くの女性を惹きつけたものに間違いなかった。

 恐らくは魔理沙の行方不明に混乱した家の者たちが、わざわざ呼び寄せたのだろう。己の不甲斐なさから何と声を掛けたものかも一旦躊躇ったものの、とりあえずと霧雨の主人は謝罪の言葉を口にすることにした。

 

 

「すまない、ウチの娘のことで迷惑をかけてしまった。お前の店からは距離があるというのに、よく駆けつけてくれたものだ」

「構いませんよ。それに魔理沙のことで迷惑を被るのは、これからでしょう。今後の僕は『頼まれていた』通りにしていればいいですね?」

 

 

 男の名は森近霖之助といった。

 つい最近まで、ここ霧雨道具店にて見習い修行をしていた者で形式的には己の弟子に当たる存在である。楕円をした眼鏡の奥から覗く双眸(そうぼう)は金色をしており、わずかに妖気を帯びていた。

 

 

「アイツは私に似て頑固者だ、きっと困ったことが起きても私を頼って来ることはない。だから、その時はお前が力になってやって欲しい」

「言われずとも、そうさせていただきますよ。しかし、思ったより家を出るのが早かったじゃないですか。喧嘩でもしましたか?」

「そんなものは日常茶飯事だ、決め手になったとは思えんな」

 

 

 まだ十にも届かぬ幼子(おさなご)

 独り立ちするのは、まだ数年後かと思っていたところへ今回の出来事は霖之助にとっても寝耳に水だった。おかげで店に鍵をかけてくるのを忘れてしまったので、今頃は妖精たちにイタズラ大作戦を敢行されているかもしれない。

 

 

「まあ、いつの日か来ると分かっていたことだ。星は夜でこそ輝ける、私のように昼の生き方しか知らぬ男が父親では退屈だろう」

「心中お察しします」

「それは私のか、それとも魔理沙の心のことか?」

「どちらもですよ。人間の視点ならば貴方の親心を好ましいと思いますし、妖怪ならば魔理沙の選択を非難する気にはならない。なにせご存知のとおり僕は半妖ですからね、師匠」

 

 

 知的な光が眼鏡の奥で輝いていた。

 平坦ながらも落ち着いた声は、なだらかな丘を流れる清流を思わせる。見た目は人間の青年だが、その身体には妖怪の血が半分宿っている半人半妖。

 だからだろう、この男は閻魔を除けば誰よりも中立で冷静な視点を持っている。この男を独り立ちさせるのは、もう少し後にすれば良かったかもしれない。そうすれば、きっと魔理沙はーーー。

 ぱたぱたと廊下を向かってくる足音が聞こえてきたのは、そんなことを考えていた時だった。

 

 

「どうやら夕餉の支度ができたらしい。もし暇なら晩酌まで付き合ってくれないか?」

「せっかくのお誘いなのですが、個人的にヤケ酒は好みませんね」

「ヤケ酒をするのは私だけで、お前はタダ酒を愉しめば良いだろう」

「くくっ、流石は口がお達者だ。それなら是非、ご一緒させてください。今宵は『星』が綺麗な夜になりそうですから、酒をお供にして眺めたいと思っていたところです」

 

 

 さてはそれが狙いで駆けつけたのか。

 ジロリと睨めつけるが、当の本人は知らぬ顔である。軽く頭を小突いてやろうかと思ったが、痛がるフリをするだけなので止めた。これからも魔理沙の現況報告として、度々訪れてくることだろう。どうやら娘が独り立ちしてからも、悩みの種が尽きることは無いようだ。

 肩を落としつつ、霧雨の主人は小さく口元を緩ませる。夕日はまもなく燃え尽きる、茜色をした空は男の横顔を照らしつつ輝いていた。

 

 

◇◇◇

 

 

「いよーしっ、今日からここが私の仮住まいだ!」

 

 

 同時刻、とある森の小屋にて。

 父親たちの心配は露知らず、魔理沙は実家から持ち込んだ品々をぶち撒けていた。この時のために貯め込んでいた魔石や魔法薬、父親から貰った装飾品。いざという時は売り払えば、それなりの値段にはなると豪語するモノばかりだ。基本的に浪費家な自分である、金銭の蓄えはあまり多くないのだ。

 

 

「どうせなら親父みたく店をやるのも悪くないな。霧雨道具店、魔理沙よろず屋……よし、霧雨魔法店にしよう」

 

 

 ちなみに食料や寝具の類いは一つも持ってきていない、持って来る必要が無かったからだ。ここに来れば多少の蓄えがあることは分かっていたし、むしろ実家から持ち出せる荷物を増やすにはコレが正解だった。雨風を凌げて、家賃は要らず、食事も自炊可能。我ながら良い物件を見つけておいたものだと、魔理沙は満足そうに頷いた。

 

 

「くっくっくっ、しばらく家主は戻らないだろうからな。住まなくなった家は荒れやすいというし、ここは私が住んで管理してやろうじゃないか!」

 

 

 傷んだ畳へと寝転がる魔理沙。

 初めての冒険に出たような表情は、年頃の少女そのものだ。仰向けになると目についたのは、何度も雨漏りを修理した天井。ごろりと身体を横に向けると、可笑しな虹色の染みがへばりついた壁がある。どれも見知ったものである。それが何故か面白くて、小さく噴き出してから魔理沙は起き上がった。

 

 

「そういや、私が魔法を暴発させて付けた汚れだったなぁ。あの時は流石に怒られたっけ」

 

 

 部屋を歩き回ってみると思った通り、食料は置きっぱなしだった。味噌や米、そして乾燥させた川魚やら野菜が丁寧に保存されている。これだけあれば、ここでの生活に馴れるまでの数日間は腹の心配をする必要はなさそうだ。その間に暮らしの基盤を整えるとしよう。

 他にも何かないかと、書棚を漁ってみるが出てきたのは紙とインクぐらい。やはりというか、金目のモノは一つもありはしない。何度も注ぎ足されて、すっかりラベルの取れたインク瓶を手にする。かつての家主らしい香りを残した品々に、じんわりと胸の奥が暖かくなる気がした。

 

 

「しばらく世話になるぜ、刑香」

 

 

 ここは、あの白い天狗少女が住居にしていた神社である。インクと森の匂いが混ざった部屋は持ち主がいた頃と何も変わっていない。綺麗に折り畳まれた布団からはお日様の香りが漂っていた。まだ刑香が去って日の浅いこともあるのだが、今にも玄関から帰ってきそうな気配がある。

 しかし、あの鴉天狗が帰って来ないだろうことも魔理沙には分かっていた。

 

 

「寝床はあるし、食料も一週間分くらいの備蓄はありそうだな。勝手にいただくことになるけど刑香のことだし、とやかく言ってくることも無いだろ」

 

 

 言い訳はこんなところで完了だ。

 いずれ駄目になるモノなら、少しと言わずに丸ごと頂いてしまっても文句はないだろう。部屋の天井をぶち抜かれても許してくれるようなお人好しが、こんな程度で怒るとも思えない。恐らくは大丈夫だという結論に落ち着いた。

 赤く塗られた空が紫色に染まり、やがて周囲から光が消えていく。もうじきに日が沈むだろう、そして人の時間は終わりを告げるのだ。実家から持ち出したランプを魔法で灯しながら、幼い少女は小さく身震いをした。

 

 

「……まさか妖怪が襲って来ることはないと思いたいが、念のために用心くらいはしないとな」

 

 

 爪の先で散った火花。

 ランプに炎を点けるくらいなら、今の自分にも容易い。しかし妖怪避けの備えはどうだろうと不安がよぎる。刑香が地底に旅立っていた頃、霊夢と一緒にここで一晩を明かしたことはある。

 しかし独りで過ごしたことはないのだ。暗い風に煽られて、木々のざわめく音が妙にうるさい。ガラス越しの灯火は水面を泳ぐ魚の背中のように、ゆらゆらとした光で魔理沙の心を揺らしている。

 心臓はゆっくりと鼓動を速め、汗が背中から滴り落ちた。大丈夫なはずだという自信が、正体不明の恐怖に蝕まれていく。

 

 

「だぁーっ、やめだやめだ! そもそも一日くらい眠らなくても死にやしないっての。こうなったら、誰にも咎められないで魔法の研究を一晩中してやるぜ!!」

 

 

 結論として、魔理沙の心配は杞憂に終わることとなる。そもそも他の妖怪たちが、かつて天狗のいた住居に踏み入るわけがなかったのだ。単体での戦闘力は言うまでもなく、手を出せば確実に他の天狗からも敵対行動を取られる。八雲紫のような存在ならばいざ知らず、並の妖怪や人間が天狗から狙われて生き残る術はない。それは意図せずして、刑香が残した天狗の加護であった。

 しかも今夜に限り、少女を妖怪の脅威から遠ざける要因はもう一つある。

 

 

「ーーー何だ、この気配?」

 

 

 ぴたりと動きを止める魔法使い。

 伝わってきたのは花火の開くような音と、鼓膜の表面だけを震わせる柔らかな波。集中しなければ感知できないほど幽かな妖気が、遠い空から流れてきていた。恐らくは妖怪同士の縄張り争い、距離から察するに自分には関係なさそうな戦いである。なので初めは無視を決め込もうとしたのだが、魔理沙は次第に耳を傾けていく。

 

 

「妙だな、どうして決着しないんだ。妖怪にしろ人間にしろ、こんなに長々と戦うわけが…………ちょっと待てっ、まさか!?」

 

 

 ドクンと心臓が脈動した。

 今日、行われていた継承の儀を思い出したからだ。霊夢が何のために妖怪を招いてまで儀を行ったのか。いや、そもそも計画したのは八雲紫だと言っていたような気もするが今は置いておこう。重要なのは、あの瞬間から幻想郷に『とある変化』がもたらされたということだ。 

 脱ぎ捨てていた魔女帽を拾い上げ、慌てるようにして魔理沙は駆け出した。少々乱暴に靴を履きつつ、最後は踏みつけるようにして足を通した。そうして外へ転がり出た白黒の魔法使いは、そのまま箒に跨って空へと飛翔する。

 

 

「アレは妖怪の山の周辺あたりか。近づきすぎると天狗から目をつけられちまうな……いや、戦っているのが『アイツ』なら問題ないか?」

 

 

 耳元を吹き抜ける宵の風。

 まだ距離があるので、聞こえるのは風の吐息ばかりだ。足元に広がっていた森はすでに無く、箒は平地を飛んでいる。もう少しだ、もう少しで見えるはずだと弾む胸を抑えつける。速く速くと急かすように柄の部分を踵で叩いてやると、心無しか速度が上がったような気がした。

 

 白黒の魔法使いを祝福するかのように空は輝きを増していく。星降る幻想郷の屋根、微笑みを絶やさない月から注がれる魔力が周囲を淡く照らしていた。

 

 

「ーーーーそういうお祭りは、この私を誘ってからにするべきだぜ!!」

 

 

 赤い輝きと空色の光が交差する華の乱舞、幻想郷で初めての本格的な『決闘』。それを未来の妖怪退治屋が目撃するのは数十秒後のこと。

 

 

◇◇◇

 

 

 ーーーその夜のことを、幻想郷の住人たちは忘れないでしょう。

 

 

 春空の映る湖面のような静寂(せいじゃく)、そして丁寧に何度も塗り直したかのように澄み渡る闇の(とばり)。ぽっかりと穴が空いたような星々のスキマ、宙を舞う煌めく月光がどこまでも流れ落ちていく。それは、とても晴れやかな夜だった。

 

 星々は語り合うように瞬き、月がそんな彼女らを見守っている。涼やかになびくのは名も無き草花で、寝静まる木々は艷やかに葉を濡らす。空も地上も幻想(ゆめ)に浸っては穏やかな吐息を繰り返す、そこにはやはり静寂以外の言葉は似合わない。

 

 

「そんな夜だからこそ、幻想郷を大きく変えるには相応しい時間となるでしょう」

 

 

 目玉の浮かぶ空間に腰掛けた美しい賢者は、いつも通りに怪しげな笑みを浮かべていた。そして手に持った優美な扇子をおもむろに広げると、その紫水晶に輝く瞳で軽やかに空を見渡していく。何かを探すように宙を探っていた視線はやがて目的のモノを見つけたようで、満足げに細められる。

 闇夜に包まれる妖怪の山から、風に乗って聞こえてくる風切り音が二つ。

 

 

「さあ、任せましたわよ。旧きを護るために新しい風を、そして新しきを招くために旧き者が風を導かなければならない。その役目を、此度ばかりは貴女たちに託しましょう」

 

 

 開幕を告げるように八雲紫は言の葉を紡ぎ出す。

 するとその声を聞き届けたかのように、一対の閃光は絡み合うように飛翔する。そしてギリギリ地上から視認可能な高度まで上昇すると、花が開くように相手とは逆方向へと空を滑っていく。二つの影は十分な距離を取ったあたりで減速し、そのまま対空する。

 全ては暗い闇の中でのことである、ここまでの出来事は一人の見物人以外に悟られることはなかった。忍んでいるわけではない、ただ下準備を知らせる必要が無かっただけだ。地上にいる者たち、天上にいる者たちには、これから始まる饗宴だけを楽しんでもらえればそれでいい。

 翼を雄々しく広げた少女たちは頷き合い、そしていよいよ『宣言』を交わす。

 

 

「お互いに『枚数』は五、分かっているとは思うけど手加減無しで行くわよ」

「それなら私も今回ばっかりは、手を抜いてあげませんよ。先手は譲ってあげます、だから遠慮なく来なさいっ!」

「言われずとも、そのつもりだから安心しなさいよ……まずはこれでいきましょうか、風符『風神一扇』!」

 

 

 幻想郷の空の真ん中、見渡す限りの星空のステージ。

 その暗くも美しいキャンパスを彩るように『鮮やかな光』が現れたのはその瞬間だった。天上にそびえる星々さえ上回り、夜空に咲いた輝かしき大輪の花。その煌めきに導かれて、夢現に沈んでいた住人たちは一人また一人と夢の世界から目覚めて空を見上げていく。

 

 紅魔館のバルコニーでは、吸血鬼の主と親友の大魔法使いがワインを傾けていた。

 白玉楼の縁側では、亡霊の姫君と半霊の従者が空を映したスキマを覗き込んでいた。

 迷いの竹林では、不老不死の者たちが薬師の作った望遠鏡というモノを掲げていた。

 妖怪の山では、待ちかねたと嬉しげに騒ぎ立てる者、苦々しい顔をする者が記念の酒宴を行っていた。

 そして人里では人々が子供のように楽しげな眼差しで、二羽の妖怪たちの姿を眺めている。 

 

 

 それは空を目一杯使った真剣な『御遊び』。煌めく青い光は流れ星のように、弾ける赤は花火のごとく。鴉天狗の少女たちは悠々とそれらを掻い潜り、またお互いに弾幕を放っていく。それは見る者を楽しくさせるような、誘っているような、楽しげな『闘い』だった。

 美しさに意味を、相手を傷つけるよりも魅せることに重点を。かつて命懸けであった決闘を『美しさを競う闘い』へと変化させるという、これからの時代に相応しい新たなルールがそこにある。

 

 

「考えてみれば、あの夜が全ての始まりだったのかもね」

 

 

 後に博麗の巫女は語る。

 スペルカードルールが地上はおろか、地底や天界にまで広がったのはこの夜が境だったのだろうと。変わり者の人間と妖怪たちが同じ場所で盃を片手に騒ぎ合う。一昔前では有り得ない、そんな間抜けながらも心地良い酒宴の最中。幾つ目かも分からない異変を解決した博麗の巫女は、夜空を見上げて静かに微笑んでいた。

 

 

 そんな少女たちの未来へと繋がる、これは幻想郷のプロローグ。

 

 

 


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