Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

40 / 45
はい、今回から原作第五話に入ります
が、今回は燕の過去の話が大半になってますので
本格的な五話突入は次回からとなります

告白シーンは誰にやらせようかと悪だくみ中だったり


第38話 燃える孤児院

肝試しの騒動から早数ヶ月が経った

 

結局あの騒動の後に行われた調査で得るものはなかった

 

入江は寝て以降の記憶がないため、気が付いたら元の世界に戻っていたと伝えておいた

 

そして俺は――

 

「よっと」

 

俺はゴミ箱を持ち上げ、中身を焼却炉へと放り込む

 

俺は目が覚めた後、焼却炉が怖くなると思っていた

 

だがそんなことはなく、これまで通りの業務が可能だった

 

―――焼却炉の火を見ても問題ない、トラウマは火じゃないのか?

 

いや、トラウマは火であっているはずだと、俺は考え直す

 

ここに人が加わると発作が起こると思うからだ

 

そう思うのは、騒動後に見るようになった夢が原因だ

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

俺は大急ぎで孤児院へと向かっていた

 

息が切れ、足が重い

 

雨も降っているため余計に走るのが辛い

 

本来、深夜の真っ暗な森を進むのは危険だろう

 

だが、そんなことを気にしている余裕は俺にはなかった

 

森の奥が赤く輝いている

 

その原因は孤児院が火事を起こしたらしい

 

 

らしいというのは、バイトが終了しこれから帰ろうかと思った矢先、偶々目に入ったテレビニュースで得た情報だからだ

 

それからの俺は気が狂ったかのようにバイト先を飛び出し孤児院へと走り出した

 

「みんな、……みんな!」

 

走っている最中、俺は孤児院のみんなが無事であるよう祈り続けた

 

俺の一番大切な場所、思い出が詰まってるあの場所を

 

そこに住んでいるみんなを失いたくない

 

あそこを失えば、俺はまた一人孤独になってしまう!

 

あんな寂しい思いはもう味わいたくない

 

そう思いながら、俺は孤児院へたどり着いた

 

そこには消防団や多くのマスコミ、態々町から足を運んだであろう野次馬が殺到していた

 

「邪魔だ!どいてくれ!!」

 

俺はその中をかき分け、野次馬の最前列へと出た

 

「――っ!!……みんなは」

 

俺は燃え盛る孤児院に一瞬目を奪われたが、即座に我に返り辺りを見渡す

 

が、孤児院のみんなの姿は見当たらなかった

 

「すみません!孤児院にいたシスターや子供たちは!!?」

 

俺は近くで消火活動をしていた隊員を捕まえ、みんなの行方を聞いた

 

だが、帰ってきた返答は聞きたくないものだった

 

「すまない、我々も孤児院の人たちの姿を見ていないんだ

 どこかに避難してくれている事を願うが

 ……まだこの中にいるのだとしたら」

 

そこから先の言葉はなかった

 

俺はその瞬間、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなった

 

避難していてほしい

無事でいてほしい

 

それだけが頭の中で何度も繰り返されていた

 

俺はフラフラと孤児院へ近づき始める

 

「君っ!なにをしているんだ、危ないから離れて!!」

 

それに気が付いた隊員が俺の体を引き留める

 

「ここは我々に任せなさい!」

 

「………………るか」

 

「え?」

 

俺は隊員を振り払い、叫んだ

 

「任せられるかぁああああ!!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

この数ヶ月、同じ夢ばかりで気が狂いそうだ

 

理不尽な人生を送ったものが、この世界へ迷い込む

 

つまり、あの孤児院にいたみんなはもう…

 

「……考えたくねぇよな、そんなこと」

 

考えたくなくとも考えてしまうことは分かってる

 

だが目をそむけていないと、正気でいられなかった

 

そんなことを考えながら支援班としての業務をこなしていると

 

突然遊佐に声をかけられた

 

「作業中スミマセン月斑さん」

 

「うおっ!ビックリした!

 相変わらず突然現れるよな、遊佐」

 

「ゆりっぺさんからの招集です。至急本部へ向かって下さい」

 

招集ってことは新たなオペレーションが開始されるのか

 

「了解だ

 遊佐、今度からは突然現れないでくれよ?」

 

「善処します」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「そろそろ中間試験の時期よ」

 

本部に全員が集まると、ゆりがそう告げた

 

「中間試験って、俺達には関係ないんじゃないのか?

 授業に出たら消えるんだろ?」

 

「えぇ、ですが天使の猛攻は始まるでしょう

 授業を受けさせるのも大事ですが、テストでいい点を取らせるのも重要ですからね

 天使にとっては」

 

「…マジか」

 

俺の質問に高松が答えてくれた

 

しかしゆりは

 

「今回天使の猛攻は起こらないわよ」

 

「どうしてだ?ゆりっぺ」

 

「今回のテストは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦線メンバー全員に受けてもらうからよ

あ、ガルデモメンバーも含めてね」

 

…………………………

 

『………はぁああああああ!!?』

 

長い沈黙の末、我に返った戦線メンバーが一斉に悲鳴を上げた瞬間だった




はい、原作第五話突入です

燕「ようやくだな」

入「突入といっても、先輩の過去話からのスタートですけどね」

結構燕の過去が見え隠れしてきたと思います

燕「見え隠れしてきたって、まだ何かあるのか?」

音無みたいに直井の催眠術でも思い出せない部分は出てこないのでご心配なく

燕「…まだ何か出てくるのか」

あ、それはともかく肝試し編に出した問題
解けた人っているんですかね?

入「『天使』と『戸』ですね」

割と簡単だと思うんですぐに解けた人多いと思いますが
答え載せてもいいんですけど、できれば正解者が出てからでも遅くはないかなと

燕「どうなんだろうな」

入「こればっかりは自己申告ですからね」

まぁいいです。
とりあえず今回はここまでです

入「それでは皆様!」

『また次回もお楽しみに~』


*20話の内容の一部が本来の設定と異なっていた為、修正しました

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。