Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第34話 謎の空間

 

「さてと、ヒントに書いてあるのはっと」

 

俺はゆりに手渡されたヒントを確認するため封筒から中身を取り出す。

封筒の中には紙が二枚入っておりそこに書かれてあったのは

『天使』

『戸』

といった内容だった。

 

「これを見る限り俺と入江のお札は別々のところにあるみたいだな」

 

そう言いながら、未だに腕にしがみついている入江に目をやる

 

「そ、そうみたいですね…早く探しに行きましょう…」

 

さすがに観念したのか、結構前向きな事を言ってはいるが

足が生まれたての仔馬のようになってるんだが…

 

まぁそれはさておき、俺はもう一度ヒントを読み直す

ヒントにしては随分と手が込んでいる

このヒントに対してヒントが欲しいくらいだ

 

天使と戸か、いったい何を示してるんだ?

ゆりは校内の中にお札があると言っていたから、この学習棟の中の教室のどこかだろうが

 

『あ、あったー!』

『もう時間がないよ、急ごう!!』

 

どうやら先に入った組がお札を見つけたらしい、遠くの教室から声が聞こえてきた

 

周りを見渡すと、未だ探し回っている組も多く、隣の棟にも人影があちこちで見られる

他にも耳をすませば、ここでもないだとかそっちの状況はどうだとか色々な話声が聞こえてくる

 

これなら入江もあまり怖がらなくて済むだろ

 

『ぎゃぁぁあああああ!!!』

『うわぁあああああ!!!』

『コッチ来ないでぇえええ!!!』

 

そう思った矢先、すさまじい叫び声が響いてきた

周りの生徒も唖然とした顔で廊下の先を見ている

 

「……………」(ガタガタ

 

入江も今の悲鳴を聞いて、再び俺の腕にしがみついてしまった

…折角離れてくれたのに

 

まぁいい、今はこの肝試しを楽しもう

まずは適当に思いつくものを片っ端からあたってみるか

 

天使はともかく、戸の方からだな

簡単に思いつくとしたら下駄箱か、教室の扉の事だと思うが

 

ここから近いのは下駄箱だな

 

俺は入江を連れて下駄箱へ向かった

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

結果から言うと外れだった

 

俺と入江の下駄箱を確認したが、どちらも外れで

代りにトラップに襲われた

 

「うぅ、怖かったですぅ…」

 

そのおかげで入江がまた怯えきってしまっている

 

入江の方のトラップはまだマシな方だ

クマのぬいぐるみをお化けっぽく仮装させた物が飛び出してきただけなのだから

 

俺の方はというと

下駄箱を開けた瞬間、首めがけて鎌が飛び出してきたのだ

後ろに飛びのくのがあと少しでも遅かったら頭と体が別々に分かれていたところだった

 

戦線メンバー限定のトラップなのだろうが誰も犠牲者が出ないことを祈る

 

で、今どこにいるのかというと

俺の教室、三年F組だ

 

入江の教室は先に終わらせておいた

三年の教室に向かう前に二年の教室があるからな

一々戻るのは二度手間だろう

 

「う~ん、ここにもないか」

 

俺は教室の扉やロッカーなど、一通り調べたが何も出なかった

 

「ここじゃないとすると、あと思いつくとしたらいつも練習してる空き教室か」

 

「それだと先輩と私、二人とも被っちゃって天使の方のヒントはどうなるんですか?」

 

「それは問題ないと思うぞ、空き教室を一番利用してるのは俺じゃなくて入江だ

 支援班といっても滅多に顔を出さない俺にはあまり関係の無い所だよ」

 

そうですかと、残念そうな顔をする

 

「でもまぁ、入江の方は関係あるから行ってみるか」

 

「そうですね、行きましょうか」

 

俺と入江は教室を後にし、空き教室へ移動し始める

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

おかしい…

 

さっきから廊下を歩いているのだが、一向に階段にたどり着けない

それどころか、誰ともすれ違わないし話し声すら聞こえてこない

 

入江もこの異変に気付いて震えている

 

「ちょっと休むか、まだ時間はあるんだし」

 

俺は近くの教室へ入ろうとするが

 

「あれ、鍵かかってんのか?」

 

仕方なく隣の教室へ入ろうとしても

 

「……こっちもか」

 

仕方がなく教室のドアを破ろうと体当たりするが、ビクともしなかった

まるで扉を模した壁のように

 

ここは二階だったな、なら飛び降りることはできるか

 

そう思い俺は窓を開けようとするが

 

「っ!? フックが動かない、錆びてるわけでもないのに」

 

「あの、先輩…」

 

入江が不安そうな声を出す

 

「仕方がない

 入江、窓割るから少し離れてろ」

 

そう言って、入江を離れさせる

俺は腰の刀を鞘の付いたまま構え、上段から振り下ろす

 

が、しかし

 

ガンッ!!という音と共に、俺は窓から弾き飛ばされ壁に叩き付けられた

 

「先輩!!」

 

入江が心配して近寄ってくる

 

「痛っ!こりゃゆりとギルドが準備したものじゃないな」

 

「…それって、どういう事ですか?」

 

今の攻撃で窓ガラスが割れなかった事である程度の想定はできた

 

つまりここは―――

 

「ここはさっきまで俺達戦線メンバーやNPC生徒がいた夜の学校じゃない

 隔離された空間だ」

 





今回ヒント考えるのに相当苦労しました

燕「全くだ、暗号文のようなヒントならまだしも、漢字が一文字二文字だったからな
  あれだけで普通解けないぞ」

ぶっちゃけ『天使』の方は手を抜きまくったんですけどね

入「いや、リアルの友人にこの問題を出した時に『これだけで教室を当てろとかめんどくせぇな!』とか言ってましたよね」

でも結局解いたんですよね僕の友人は、時間はかかりましたけど
『戸』はともかく『天使』は簡単でしょう

燕「まぁ『戸』に比べたらな」

本来ならさっき燕君の言っていた暗号文のようなヒントを作りたかったのですが
あいにく頭が悪いもので、そんな難解な文は作れませんでした

入「それ自分で言っちゃうんですか…」

燕「まぁそれはともかく、俺と入江が迷い込んだあの空間は何なんだ?」

あの空間に関しては次回わかりますよ
ついでに今回の肝試しも次回で終了予定です

入「ということは原作の方に戻るんですか?」

いえ、もう一話オリジナルをやる予定です

さて、今回はここまでですね

燕「そだな、んじゃしめるか」

入「それでは皆様!」

『また次回もお楽しみに~』

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