Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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前回は誠に申しわけありませんでした!


特01話 球技大会(入江視点

 

このお話は球技大会当日より少し前の、私が月斑先輩に野球チームのメンバーに誘われたあたりのお話です。

 

 

「ちょっとしおりん、一体どこへ向ってるの?」

 

さっき月斑先輩達にメンバーに誘われたのにしおりんはソレを断り、私を連れて何処かへ移動中です。

 

「いいからいいから♪」

 

このやり取りも何回したことか…

 

そしてしおりんに連れられてやってきたのは

 

「…ここって、被服室?」

 

「おじゃましまーす!」

 

しおりんは遠慮なく扉をあけて入っていってしまった。

それに続き、私も被服室(手芸部部室)に入る。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「―――っと言うわけなので、チアガールの服を作っては頂けませんか?」

 

「まかせてください!」

「とびっきり可愛いものを作らせていただきます!」

「ガルデモのためとあらば!」

 

しおりんが大まかに説明をし、被服部の方にチアガールのコスチュームを作らせるようだけど

これってもしかして……

 

「ね、ねぇしおりん、もしかして今頼んだ服って」

 

被服室を後にした私がしおりんにある疑問を聞いてみた。

 

「……私達が着るわけじゃ…ないよね?」

 

「何言ってんのさみゆきち、私達が着るに決まってるじゃん」

 

「ええぇー!なんか嫌な予感はしてたけど、やっぱり着るの!?」

 

予想はしてたけどやっぱり嫌だよ!

 

「みゆきちは、いつも私達の為に働いてる先輩を応援してあげようという、優しい気持ちは無いのかい?」

 

「それこそメンバーになった方が良かったんじゃないの!?」

 

「じゃあみゆきちは、野球で活躍できるというんだね」

 

「え、えぇ~っと」

 

……たぶんバット振ってもボールにかする程度だと思う。

 

「やっぱり応援の方じゃないと駄目じゃないか」

 

「うぅ…」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「…はぁ~」

 

結局着るという流れになってしまった。

 

「アレ着て応援だなんて、恥ずかしいよぉ」

 

「何が恥ずかしいんだ?」

 

「うわぁあああああ!!」

 

「うおっ!何もそんなに驚かなくても良いだろ」

 

いや無理ですよ!だって今悩んでる原因の一部ですもん!

…なんて言えるわけが無い

 

声で誰かは分かってるけど、とりあえず落ち着いたから後ろを振り向き

月斑先輩がそこにいるのを確認した。

 

「だ、だって、急に話しかけられたので」

 

「それは悪かったな。

 で、何か悩んでるみたいだけど」

 

「いえいえいえ、お気になさらずに

 相談できる内容じゃありませんし…(ボソッ」

 

「ん?後ろの方、何言ったのか聞き取れなかったんだが」

 

「あ、いや、お気になさらず」

 

「そうか?」

 

月斑先輩はきょとんとした表情をしてそう言った。

心配してくれるのは嬉しいけど、相談できないし

たとえ出来たとしても恥ずかしいよ!

 

「まぁいいか、じゃあ俺は行くな。

 まだ雑務も残ってるし、またな」

 

「あ、はい、また」

 

月斑先輩はそのまま学習棟の中へ消えていった。

 

「……はぁ、ホントどうしよう」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

   ――球技大会当日

 

「みゆきちー!やっと衣装届いたぞ!」

 

「…出来ちゃったんだね」

 

間に合わなければいいなと思ってたのに

 

現在グラウンドでは球技大会決勝が行われている。

 

「で、何でアタシがここに居るんだ?」

 

「いやだなーひさ子先輩、普段お世話になってる月斑先輩ががんばってるんですよ?

 応援してあげても良いじゃないですか」

 

「いや、まぁ世話にはなってるけどさあ」

 

ひさ子先輩はかなり嫌がってる様子だ

私もできれば着たくないんだけど…

 

「…わかったよ。応援すればいいんだろ?」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

あぁ、あのひさ子先輩がしおりんに言い負かされちゃった。

 

「では早速これ着てグラウンドへ行きましょう!」

 

一人だけなんでこんなにやる気があるんだろう…

 

そしてその勢いのままグラウンドまで来てしまった。

 

「あ~いたいた!月斑せんぱーい!」

 

月斑先輩を見つけたしおりんが大声で叫び、驚いた表情で月斑先輩がこちらを向いてきた。

 

「ここまで来て言うのもなんだけどさぁ

 ホントにこの格好で応援するのかよ」

 

ひさ子先輩がぼやいているが、私は周りからの視線が気になって仕方ないよぅ

 

「は、恥ずかしいよぉ~」

 

「二人とももっとテンションあげないとダメっすよー

 ほら、日向チームファイトォー!!」

 

もうここまできたら後には引けないと思って、バッターボックスにいる月斑先輩を応援しようと前を向くと

なにやら引きつった顔で月斑先輩がコッチを見ていた。

 

なに?何でそんな顔してるんですか!?

着かたになにか問題でもあるんですか!?

 

急に不安になって、私はひさ子先輩の後ろに隠れてしまった。

 

「ちょっ、どうしたんだ入江!?」

 

驚いたひさ子先輩が何か言ってきているが、今はそれどころじゃない

なに?どこがおかしいの!?

 

おかしなところが無いか念入りに調べたけど、特に何もなかった。

 

あの表情は一体なんだったのだろう?

 

そんなことをしている間に、月斑先輩が追い詰められていた。

 

「月斑、打てよー!」

 

「せんぱーい、頑張ってくださーい!」

 

「わたし達がついてますよー!」

 

ピッチャーが大きく振りかぶりボールを投げる。

 

『クッソ!』

 

月斑先輩の打球はピッチャーゴロになってしまい

慌てながらも月斑先輩はバットを投げて走り出した。

 

月斑先輩が一塁に飛び込むのと同時にファーストのグローブにボールが収まった。

 

「……アウトッ!!」

 

審判の判定はアウトだった。

 

「あぁ~」

 

「今のはおしかったなぁ」

 

アウトになった月斑先輩を見て、しおりんとひさ子先輩が露骨に残念そうな声を上げる。

私はアウトになった事よりも、月斑先輩のかっこいい姿が見れなくて残念だよ」

 

「ねぇしおりん、私の後ろに立って何を言っているのかな?」

 

「いやあ、みゆきちの心の声の代弁を」

 

「私そんな事思ってないから!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「試合残念でしたね」

 

「まぁ仕方ないさ、あのまま続けても勝てるとは思えないからな」

 

私は今、月斑先輩と屋上に居る。

球技大会が終わったあと、偶然先輩に会い

屋上でのんびりするという先輩に便乗させてもらった。

 

「にしても、今日はびっくりしたよ。

 まさかみんながチアガールのコスで応援に来るなんてさ」

 

月斑先輩はいたずら的な笑みを浮かべ、そう言ってきた。

 

「そのことは忘れてください!すっごく恥ずかしかったんですからぁ!」

 

「でも結構似合ってて可愛かったぞ」

 

「ふぇっ!?」

 

突然の言葉に頭が真っ白になってしまった。

 

「ん?どうした、そんなに震えて」

 

「…あ」

 

ここから先は、何をしたのかまったく覚えていない

 

「あ?」

 

「あぁぁぁあああああああ!!」

 

「ちょっ!?いだだだだだだだ!!どっから取り出したんだそのスティック!

 てかCrowSongのリズムで殴るな!!

 っあ、やばい、意識が……」

 

私が気が付いた時には、月斑先輩がボロボロになって気絶していた。





主人公視点なら結構楽に書けるけど、既存のキャラ視点って案外難しいものだなと実感した回でした!

入「最後なんてオチを付けてくれてるんですかぁー!」

いやだって、私そんなにラブコメ系書いた事ありませんし
これでもがんばった方なんです!

入「開き直らないで下さい!」

まぁあのラストのオチもちょっとキャラコメであったネタを使いたいなーと思ってしまったのが原因なんで
そこは素直に申し訳なかったです。

ちなみにラストのシーンで私の頭の中でキスシーンが構成されてたときもありました。

入「キ、キス!?」

色々早すぎる展開になってしまうんで没にしたんですけどね

入「で、ですよね!早すぎますよね!」

なんかあせってません?

入「気のせいです!
  じゃあ今回はこの辺で終わりましょう!」

ま、まぁ丁度良い感じなんでいいですけど

入「それでは皆様!」

『また次回もお楽しみに~』



次回からは前回もお伝えした通り、オリジナルの夏休み編となります!

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