Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第27話 メンバー集めPart.1

 

「えぇっ!高松のチームに入っちゃったの!?」

 

「うん」

 

     ――学園大食堂――

 

日向が真っ先に向かった相手はひさ子だった。

確かにひさ子は運動も出来るし体力もあるから戦力には申し分ないだろう

だがすでに高松に先を越されてしまっていたようだ。

 

「分けわかんねぇぜ!何で待っててくんねぇの!?」

 

「あんたの誘いを待ってるほうが、分けわかんないわよ」

 

ひさ子は呆れ気味に答えた。

まぁ当たり前の反応だろうなと俺は思った

今までガルデモの仕事をしていたが、日向がひさ子に話しかけに来たことはない

戦線メンバーの人物関係がどうなってるのかは知らないが、それほど仲が良いよいう訳でもなさそうだ。

 

「それにアンタより高松のほうがマシでしょ、月斑も日向より高松のチームに来ない?

 アンタの運動神経は武器になりそうだし」

 

おっと、日向の誘いを断って俺を勧誘しにきたか

ここで高松のチームに寝返るのも面白そうだが、さすがに日向に申し訳ないのでやめておこう

 

「いや、止めとくよ。先に日向に誘われたしな」

 

「そっ、じゃあ仕方ないわね」

 

そう言ってひさ子は食堂を出て行った。

 

「はぁ、アイツ運動神経抜群なのに」

 

「すばらしい人望だな」

 

まったく同感である。

これでは先が思いやられるぞ

 

「仕方がない、ちっとばっかし卑怯だがリーダー格の松下五段をメンバーに誘おう」

 

「もう取られてるだろ」

 

「俺もそう思うぞ、今のやり取り見てたらそんな気しかしない」

 

「アイツは待っててくれてるよ。なんつーかマブダチなんだ

 ハッハハ、照れるなぁ」

 

どこにそんな根拠があるのか、ドヤ顔でそう言ってきた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「あぁ、それなら竹山のチームに入ったぞ」

 

「はぁあああ!?」

 

     ――体育館 裏――

 

うん、まぁ予想してたことだな

 

「断る理由もなかったし、なっ!」

 

「ちょっと待てぇええ」

 

「ん?」

 

松下五段に裏切られた?のが余程予想外だったのか、日向が慌てふためいている。

……これは見てて面白いな

 

「何故だ!お前だけは信じてたのに!」

 

「いやぁ、この先肉うどんが当たった場合は全てまわしてくれるって言うから」

 

「…に、肉?」

 

……食い物で釣られたのか松下五段!それはそれでどうなんだ!?

見ろ、日向が固まってるじゃないか!

 

「…さっきコイツ『マブダチなんだ、照れるなハハッ』って言ってたぞ」

 

「バラすなよぅ!」

 

期待させた腹いせのつもりか、音無がさっき日向が口にしたセリフを暴露していた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「くっそぉぅ、次はTKだ!TK頼むぜぇ」

 

二連続でスカッたせいで少し苛立っているな

てかTKってイニシャルだよな、何で本名じゃなくてイニシャルで呼んでるんだ?

 

「なあ、何故みんなTKって呼ぶんだ?」

 

いいタイミングで、俺が気になっていたことを音無が聞いてくれた。

 

「本人がTKっつうんだよ。本名は誰もしらねぇ謎だらけな奴だ

 だが俺もアイツの事は信用してる!」

 

日向はそう断言しているが、俺は信用できなかった。

何故かって?だって今目の前で高松とTKが握手してるし

 

「ガッテム!!」

 

あまりのショックで日向がTK化してしまった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「くぅぅううう」

 

     ――教員棟 裏――

 

「あ、なぁそういや種目とか聞いてないんだけど」

 

日向が唸り声を上げていると思い出したかのように音無が質問してきた。

 

「野球だよ」

 

「するとメンバーは後六人、無理じゃね?」

 

「うっ……」

 

音無が痛いところを突いてきた。

 

その直後、お困りのようですな~っとどこかのRPGでも連想させる言葉をかけられ

声のしたほうを見るとユイが立っていた。

 

「お、ユイじゃないか」

 

「なんだ。悶絶パフォーマンスのデスメタルボーカルか」

 

「んなパフォーマンスするキャラに見えるか!」

 

「見えるよ十分。で?何の用だよ」

 

「メンバー足りないんでしょ?私、戦力になるよ~」

 

「戦力?…いや待てよ?」

 

手を口元へ持っていき、何かを考え始める日向

これはロクでもない事考えてやがるな

そして何か閃いたようで「当たり屋か!よっし採用!!」とユイに笑顔を向けて言っていた。

 

「お前の脳みそ、とろけて鼻からこぼれ落ちてんじゃねえのか!?」

 

「ぐはぁっ!?」

 

ユイの回し蹴りをまともに喰らい地に伏せる日向

これは日向が悪いな

 

「おま、俺先輩だかんな!」

 

「おお~と、先輩のお脳みそおとろけになって、お鼻からおこぼれになっておいででは?」

 

「なるかぁ!!」

 

悶絶する日向に、ユイは敬語っぽく言いながら手刀を落とす。

それにキレた日向はユイを思いっきり蹴り飛ばしやがった。

 

「先輩、痛いです…」

 

「俺だって痛ぇよ!」

 

「でも、運動神経は良さそうだなぁ」

 

「だな、ユイの運動神経は普通に戦力になりそうだ」

 

外野で見ていた俺と音無は、ユイの運動神経の良さを評価したが日向は

 

「音無と月斑もなに言ってんだよ!こんな頭のネジの飛んだ奴の仲間だなんて思われたくねえぜ」

 

「痛いです…」

 

日向だけはユイをメンバーに誘うのは反対のようだった。

 

「そんなこと言っても目つけてた連中、断られまくってるじゃないか」

 

「うっ……」

 

どうやら図星のようで日向は何もいえなくなってしまった。

 

「そうそう!見てましたよ。なので、ユイにゃんが加勢しにやってきたわけです」

 

痛いですと涙を流していたユイが復活した。

てかコイツ見てたのかよ、ストーカーか?

日向も癪に障るところがあったのかユイを睨み付けて、もういっぺん言ってみろとユイに促し

 

「ユイにゃん♪」

 

と、ユイが可愛げなポーズをつけながらもう一度言ってきたが

日向はユイにゃんじゃないところが気に―――

 

「そういうのが一番ムカつくんだよ!」

 

「気になったのそこかよ!!」

 

苦しんでいるユイの悲鳴と俺のツッコミが辺りに響いている中

音無だけが冷静に

 

「とっとと行くぞ~」

 

先を促していた。

 

はぁ、今からでも高松のチームに移籍しようかな…





お気に入り登録者数100人ありがとうございます!

燕「こんな駄文なのに、読んでくれてありがとな!」

入「今後も不定期ではありますが、応援よろしくお願いします!」

さぁ感謝の言葉を伝えたところで次回の話をしようか

燕「次回つっても、メンバー集めの続きだろ?そんなに話すことなんてあったか?」

次回はチーム結成まで書きますが、入江ちゃんとの絡みも入れますからね

入「え?私次回登場するんですか?」

燕「本人が知らないって…」

前回頑張ってもらうって言いましたよね。それに関することです。
ただ入江ちゃんとの絡みを追加する分メンバー勧誘シーンを多少削る予定なのでそこはご了承ください。

燕「なんで削る必要があるんだよ」

まぁまぁ細かいことは良いじゃないですか!
てなわけで今回はここまでです。

入「それじゃあ閉めますね。それでは皆様!」

『また次回もお楽しみに~』

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