誤字脱字、文脈がつながってない所のご報告していただければ幸いです。
作戦当日、俺はゆりに呼び出され、作戦本部へ出向いていた。
「俺はこれでも忙しいんだが、あと数時間で作戦開始だろ?
やることが色々あるんだけどな」
「そんなに時間はとらせないわ、今回のオペレーションで保険をかけておこうと思っただけよ」
「保険?」
その後俺は、ゆりから天使エリアへの侵入には来なくてよいというのと新たな作戦内容を聞かされ、反発するも無意味に終わり、いつでも実行できるよう準備させられた。
今でも思う、何が何でも反対しておけば良かったと
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――体育館――
1900より開始される今回のオペレーション
それと同時に開催されるガルデモライブの会場である体育館に生徒が集まり始めていたが
「…少ない」
「確かにこれじゃ少なすぎるな」
俺は遊佐と共に舞台袖から客入りの様子を眺めていた。
今の時刻は18時52分、ライブまで十分をきったにもかかわらず、集まった生徒の数は十分の一程度でしかなかった。
しばらく様子を見ていたが、開始まで五分をきった辺りからぞろぞろと生徒たちが集まってきた。
「よし良いぞ、どんどん集まれ」
俺はふと、舞台の方に目をやる。
そこには陽動班の連中がセッティングした機材が綺麗に並べられていた。
……セッティング最中に数多くの殺気を感じたのは気のせいだと思いたい
ガルデモメンバーもすでに待機しており、幕が上がればいつでも演奏可能になっている。
「ん?岩沢、そんなところで何やってんだ?」
「ちょっとコイツに特等席をな」
アンプの陰に隠れていたが、そこには岩沢のアコースティックギターが置かれていた。
「なんでそんなものをステージに?」
「生きていた頃の事を少し思い出してね、どうしても置きたくなったんだ」
岩沢は懐かしむようにギタに目をやり、そう答えた。
――――生きていた頃か
まだ記憶が完全ではない為、少し羨ましい気もする。
ただ記憶がある者から見れば、記憶がないのは幸せらしい
記憶喪失である俺や音無は、早く記憶を取り戻したいところなんだがな
軽く岩沢と会話をしてると遊佐から、作戦開始の合図が出され、俺は急いで舞台袖へ隠れ、体育館の照明を落としステージの幕を上げた。
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ライブの盛り上がりはまずまずといったところで、生徒の数も開始時に比べればかなり増えた方だ。
――――会場に居るユイは少し不満そうだが
いい感じだ、この調子でいけば生徒の数ももっと増えるだろ
俺が悠長に考えていると『Crow Song』がちょうど終わった。
ステージで演奏中のガルデモに目を向けると、岩沢は少し焦ってる様な顔をしていた。
「……杞憂に終わればいいがな」
「なにがです?」
俺のつぶやきが聞こえたらしく隣に居た遊佐が質問してきた。
「いや、なんでもねぇ。ただの独り言さ」
俺は焦った岩沢が失敗しないか不安だった。
そして会場には次の曲『Alchemy』が流れ始め、会場が再び盛り上がりを見せる
。
『無限に生きたい~♪』
焦ってはいるものの、歌っているときにの岩沢の顔は真剣だった。
――――さすがだな、伊達にゲリラライブをやってないって事か
生徒の数もどんどん増えてきている。
盛り上がっている生徒につられて、俺と遊佐もリズムにノッていた。
Alchemyもサビに入り、会場がさらに盛り上がり始めた瞬間
体育館に教師達が押し入ってきた。
そしてその後ろに天使の姿もあった。
「天使、出現しました」
隣では遊佐がゆりに連絡を取っている。
――――さて、俺は念のため準備しておくか
かなり不本意なんだが…
俺は体育館二階にあるPAルームへ向かった。
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PAルームでゆりの用意した「プランB」の準備をしていると、突然音楽が止まり、生徒たちのざわめきが聞こえてきた。
『クッソ!ふざけんなよ!』
『止めてあげて!』
『俺達の為なんだよ!』
『放してやってくれよ!』
『彼女たちの音楽が支えになってるの!』
一人ひとりが声を上げているため何を言っているのか分からないが、ガルデモライブを再開させろみたいなことを言っているんだと思う。
――――やっぱやるしかないのか
俺は少々うんざりしながら、覗き窓から下の様子を窺う
岩沢とひさ子は腕を抑えられ身動きが取れず、入江と関根は近くに教師がたっているだけだ
力の弱い二人はこれで十分と判断されたためだろう
見ていて分かったが、どうやらジャージの教師がリーダー格の様だ
そしてそのジャージ教師はゆっくりと岩沢のアコギの方へ歩いて行き、それを手に取った。
それと同時に
『それに、触るなぁぁああああ!!』という岩沢の叫びが聞こえてきた。
岩沢は腕を掴んでいた教師を振り払い、ジャージ教師へ走り出した。
だがその行為も虚しく、入江と関根を見張っていた教師に再び取り押さえられてしまった。
――――これ以上はもうダメだな
……覚悟を決めてやるしかないのか
俺は覚悟を決め、指定の位置へ就き
セットしておいた曲が流れ始めると同時に
「ライブ妨害なんてくだらねぇ!俺の歌を聴けぇっ!!」
体育館全体に響き渡るよう叫んだ。
――――――――――――――――――――
――天使エリア――
『ライブ妨害なんてくだらねぇ!俺の歌を聴けぇっ!!』
どういう訳か校内放送で月斑君の声が聞こえてきたが、現状から考えるとガルデモメンバーの身動きが取れなくなったのだろう
月斑君がレコーディングすると聞いたときに思いついた作戦だったが、使われる事が無いよう祈っていた。
「なぁこれ、月斑の声だよな」
「言われてみれば確かに、でもなんで歌ってるんだ?」
「あたしがそう頼んだのよ」
日向君と音無君の会話を聞き、そう答えた。
「もしライブが途中で中断されるような事があれば、どうにか足止めしてって」
月斑君に伝えた内容とは少し違うけど、今はそれで十分だと思う。
そんな事よりも月斑君が歌いだしたと言う事はガルデモライブが中断されたと言う事だ
『ライブ妨害なんて――』とも言っていたし、現状はかなりまずいのかもしれない
「月斑君が時間を稼いでいる間に撤収!」
あたし達は侵入の痕跡を消し、天使エリアを後にした。
――――――――――――――――――――
――体育館――
「ライブ妨害なんてくだらねぇ!俺の歌を聴けぇっ!!」
そう叫びながら俺は飛び降り、その勢いのままジャージ教師を蹴り飛ばしてやった。
「岩沢、ギター借りるぜ!」
蹴り飛ばした反動で放り出されたアコギをキャッチし元の位置に戻す、そして岩沢のエレキを手に取った。
「さぁ行くぜ!HOLY LONELY LIGHT!
アァァァァァァァァァォッ!!」
突然の一人ライブで来場は静まり返っていたが、次第にガルデモライブの時のような熱気がよみがえり始めた。
「先生大丈夫ですか」
蹴り飛ばされた教師の元へ、ガルデモメンバーを拘束していた教師たちが集まって行く
「このっ、教師を蹴り飛ばすとはどういう事だ貴様!」
ジャージ教師は胸ぐらを掴もうと手を伸ばしたが、俺はそれを起用に避け歌い続ける。
「目が眩みそうな♪」
俺は次々と取り押さえようと向かってくる教師たちを躱し歌い続ける。
俺がここで失敗すれば、何のために出てきたのか分からなくなってしまう
幸い天使はまだ体育館の入り口付近でこちらを見ている。
――――そうだ、そのまま立ち止まってろ
俺の歌が終わるまで!
歌い始めた時よりも本気で歌う
その本気さが伝わったのか、ついにまばらだった歓声も全体から聞こえてくる。
「HEAVY LONELY NIGHT 闇の中から答を~♪
見つけ出せ!♪」
俺が歌っている間に、陽動班の連中が大急ぎで機材を片付けている。
教師たちもそれに気付いてはいるが、俺が邪魔に入ったりしているので
なかなか陽動班の方へ手を付けられずにいる。
――――早く、もっと早く撤退してくれ
歌いながら教師たちの猛攻を避け、陽動班の方へ向かおうとする教師の足止めをしている俺の身体はかなり限界に来ていた。
実際、陽動班の方は諦めてもよかったのかもしれない
だがここで楽器を没収されてしまうと、後のオペレーションに影響が出てしまう
それを危惧したゆりがこのプランを提案した。
そして俺は、渋々ながらもそれに答えた。
答えたからには必ずやり遂げる。
そんなことを考えているとHOLY LONELY LIGHTを弾き終わり、次の曲が流れ始めた。
「POWER TO THE DREAM~♪」
その後も俺は必死に歌った、歌い続けた。
陽動班の作業も完了し、ガルデモメンバーも陽動班と共に撤退済みだ
今体育館に居る戦線メンバーは俺を除けば、観客に紛れているユイと、いつでも撤退可能な位置まで移動しゆりと連絡を取っている遊佐くらいだろう
――――あとは、どうやって俺も撤退するか考えないとな
俺は今までガルデモの代わりにライブを継続させる事しか考えていなかった為、自分の撤退の事をすっかり忘れていた。
今もなお、教師の猛攻を避けながら歌うというパフォーマンスを繰り広げ、会場も盛り上がっている。
この状況で逃げ出すのも無理な話だろう
そう、予想外な事が起きない限り
「月斑君、伏せなさい!」
無意識にその声に反応し、地面に伏せる。
直後、体育館内に閃光音響手榴弾が投げ込まれ、生徒や教師が混乱する。
「こっちよ!」
俺も閃光音響手榴弾の影響を受け怯んでいたが、手を引っ張られ逆らうことなくそれに付いて行った。
燕「疲れた……」
入「お疲れ様です月斑先輩」
収録お疲れ燕君
燕「なんで俺がライブする羽目になるんだ」
折角レコーディングしたんですから、劇中で使わないでどうするんですか
燕「あのままテストとして終了しても問題なかっただろ」
入「それだとタグ詐欺になったりしませんか?」
燕「別にライブするとは書いてないから詐欺ではないと思うぞ。劇中でもところどころ使ってるわけだし」
まぁメタイ話はこの辺にして、次回は後日談になりますね。
入「今回だけでライブ終わっちゃいましたしね」
燕「後日談って、例のアレか」
そうです。
入「ちょっと寂しいですけどね」
まぁまぁ、そうでもしないと話の流れ的に問題が出てきますから
燕「仕方がないか」
それじゃそろそろ締めますか
入「は~い、それでは皆様!」
『また次回もお楽しみに~』