Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第12話 降下作戦開始

 

何やら報告があるとの事で、戦線主力メンバーが本部へと集められていた。

 

「武器庫からの報告です。弾薬の備蓄が残りわずかだそうです。次天使と一戦交える前に補充しておく必要があるかと」

 

「新入りも入った事だし、新しい銃もいるかもね」

 

高松が主な報告内容を述べた後、大山が補足する。

 

「そうね、分かったわ。本日のオペレーションは『ギルド降下作戦』といきましょう」

 

――――降下作戦。この世界に乗り物なんてものはない、一体どこに降下するんだ?

 

燕は独自にこの世界の事を仕事の合間に調べており、駐車場はあるものの一切車やバイクといった一般的な乗り物が存在しないことを知っている。

 

「どうした音無」

 

隣で日向が音無に声をかけるのが耳に入ってきたのでそちらに耳を傾けてみる。

 

「いや、高いのは得意じゃないっつぅか――」

 

「何言ってんのよ。空から降下じゃないわ、ここから地下へ降下するのよ」

 

「あぁなんだ地下かぁ――って地下ぁ!?」

 

音無の言葉にゆりが訂正を入れ、それにノリツッコミを入れる音無

 

――――おぉ、見事なノリツッコミだな

 

それに構わずゆりは話を続ける。

 

「あたし達はギルドと呼んでる、地下の奥深くよ。そこでは、仲間達が武器を造ってるの」

 

「地下で武器が造られてたのか」

 

「僕達と違って、武器に詳しい人たちが集まってるんだ」

 

燕のつぶやきに大山が説明してくれる。

 

「へぇ~銃以外にも何か造ってるのか?」

 

「さぁそこまでは分からないよ」

 

流石に大山でもそれ以上の事は知らないみたいだった。

 

音無とゆりの会話はその間にも進んでいたらしく、ちょうどギルドへ連絡を入れるところだった。

 

『へぇ~い』

 

「あたしだ。今夜そちらに向かう、トラップの解除を頼む」

 

『了解、今晩だな待ってるぜ』

 

それだけの短いやり取りで連絡は終了した。

 

「よし。今回は、このメンバーで行きましょ」

 

ゆりは室内を見渡しながらそう言った。

 

「あれ、ねぇ野田君は良いの?」

 

「あのバカはどうせまた単独行動してんでろ」

 

「All right let's go. 」

 

どうやら野田は不参加のようだった。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――――体育館――――

 

「せーの!」

 

松下五段の掛け声と共にステージ下の椅子や器具を収納している台車が引っ張り出される。

 

その中にあったのは床に取り付けられた扉だった。

 

「よーし行くかぁ」

 

藤巻・椎名、続いてゆりがステージ下の空間へと潜って行き、それに続いて他のメンバーも入っていく

 

「ほら、突っ立ってないで行くぜ」

 

「この中にか?」

 

後ろで音無と日向が会話をしているがそれに構わず、燕は梯子を下りて行く

 

「ギルドに入るのも久しぶりだね」

 

梯子を下りた先で大山が感想を述べていた。

 

「滅多に来ないのか?」

 

「えぇ、ここへ来るのは今回みたいに弾薬が無くなる前くらいね」

 

「おい、誰かいるぜ」

 

藤巻が誰かの存在に気づいたらしく、持っていたライトをそちらへ向ける。

そこに居たのは

 

「…フッ」

 

「うわぁ~バカがいた」

 

ハルバートを構えた野田(バカ)がカッコつけて立っていた。

 

「音無と月斑と言ったか、俺は貴様らをまだ認めていない」

 

ハルバートの先を燕と音無の二人に向けそんなことを言ってきた。

 

燕が呆れている後ろでは

「わざわざこんな所で待ち構えてる意味が分からないよな」

「野田君はシチュエーションを重要視するみたいだよ」

「意味不明ね」

 

燕同様に戦線メンバーも呆れている様子だった。

 

「別に認められたくない」

「俺より弱い奴に認められる筋合いは無いな」

 

俺と音無は野田に挑発するようなセリフを同時に吐いた。

 

「貴様ら、百回では物足りん。千回殺して――ったはぁああ!」

 

ハルバートを両手で握り、こちらへ歩み寄ってきた野田だったが

突然横から巨大なハンマーが飛んで来た為、セリフを中断され、その身はハンマーに吹き飛ばされ

壁の方へ飛んでいく姿を、戦線メンバーは呆れ顔で見る事しかできなかった。

 

野田の身体は壁に打ち付けられるだけでなく、巨大なハンマーで叩かれ、崩れていく瓦礫と共に地面へと落ちて行った。

 

「臨戦体制っ!」

 

野田の事などお構いなしに、ゆりの掛け声と共に全員が銃を構え配置についた。

 

「トラップが解除されてねぇのか!」

 

――――おかしい、ゆりはちゃんとギルドに連絡していた。なのにトラップが解除されてないなんて

  考えられるとすれば、連絡を受けた隊員が解除を忘れたか、あるいは

 

燕がそこまで考えると同時に「天使が現れたのよ」っとゆりが断言した。

 

「この中にか」

「Just wild heaven.」

「不覚」

 

「ギルドの連中は、俺たちが来る事を知っててこんな真似をするのか」

 

その質問に対して燕が答える。

 

「おい音無、そんな質問は無駄だぜ」

 

「なぜだ」

 

「月斑君は理解しているようですが、あなたはまだ分かっていないようですね」

 

高松が割って入ってきたので、燕は黙り込む

 

「何があろうと私達は死ぬ訳じゃない。死ぬ痛みは味わいますが」

 

「そういう事だ」

 

「それが嫌なんだが…」

 

どうやら音無は、もう死ぬ痛みはこりごりのようだ。

 

「しかしギルドの所在がバレ陥落すれば、銃弾の補充などが失くなります。それでそうやって天使と戦うというのです?」

 

高松の言葉に音無が反論できないでいる中、話は進んでいた。

 

「ギルドの判断は正しい」

 

「天使を追うか?」

 

「トラップが解除されてねぇ中をかよ」

 

「天使はそのトラップで何とかなるだろ?戻ろうぜ」

 

日向の意見に音無は反対のようだが、燕はそうじゃなかった。

 

「何とかなるって言っても、掛からなかったらどうするんだよ」

 

「月斑君の言う通りね。掛かったとしても、それは一時的な足止めにしかならない

 ……追うわ、進軍よ!」

 

ゆりは進軍命令を出した。

そして燕はこの時知る由もなかった。この先に待ち構える恐ろしいトラップの数々を

 





初の2000文字超え!!

燕「うれしそうだな作者」

いやぁこのまま最後まで書けるんじゃないかと思いましたよ。

入「ついに原作第二話に突入ですね」

燕「ところで入江はこんなところで何してる?」

入江ちゃんはまたしばらく登場できないので、ゲストじゃなくあとがきコーナーの正式メンバーにしてしまおうかと

入「という訳なので、皆さんどうぞよろしく」

燕「このペースだと原作第三話まで3.4話は使いそうだからな」

入「え、そんなに先になるんですか?私の出番」

すみません、ホントすみません!
一話が短いからこんなことに

燕「あ~あ、作者が泣きながら謝り始めちまった。
  今回はこの辺で終わりだな」

入「そうですね。それでは皆さん!」

燕&入『また次回もお楽しみに~』



あ、今度ちょっとしたアンケートを取りたいと思っております。
内容に関しては次々回あたりのあとがきコーナーにて

*TKのセリフはAB!まとめWikiを参照にしています。

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