Angel Beats! 星屑の記憶   作:刻焔

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第10話 とんだハプニング前編

 

――パァン、パパァン!!

 

天上学園付近にある川原で、銃声が鳴り響いていた。

ただしそれは戦闘中ではなく、俺と音無が射撃訓練を行っているからだ。

 

「どうだ音無、当たるか?」

 

「俺は十発中八発ってところだな」

 

それを聞いた俺は肩を落とし、ため息をついた。

 

「マジか、俺は十発中三発なんだが」

 

俺と音無が射撃訓練を始めて数日、成果は天と地ほどの差が出ていた。

 

――――なぜだ、なぜ俺はこんなにも射撃が苦手なんだ

 

「お、おい月斑、なにもそんなに落ち込まなくても」

 

音無が励ましているようだが、上手い奴が下手な奴に対する言葉は全て逆効果だ。

 

「うるせぇ、…っとすまない、今日の練習はここまでだな」

 

「あ、時間か。何時も付き合ってもらって悪いな」

 

「いや、俺も上手くなりたいしいいよ」

 

燕は「またあとでな」っとだけ伝え、その場を後にした。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

支援班の仕事中、燕は考え事をしていて仕事に集中できていなかった。

 

――――くっそう、必ず上手くなって見返してやる。

 

「………輩、……む…先………」

 

――――しかし、俺は射撃のセンスゼロ、ここから上達するには

 

「つ………!月……輩!聞い………だ……!」

 

――――あぁクソ、いい案が出てこねぇ、いっそのこと近接戦でも極めるか?

 

「聞いてください月斑先輩!!」

 

突然聞こえてきた大声と共に、俺の意識は思考世界から戻ってきた。

それと同時に俺の背中に衝撃が走った。

 

「え?ちょっ!うわぁあああ!」

 

俺は棚の上に書類が詰まった段ボールを載せようとしていた所で考え事に没頭していた為

中途半端な格好になっていた。

 

「へ?きゃぁあああ!」

 

そんな状況下で背中に衝撃を食らえば当然バランスが崩れるわけで

燕が支えていた中途半端な段ボールは、燕の手をすり抜け

燕と声をかけてきた人物へ向かって落ちてきた。

 

「ぐっ!」

 

燕は落ちてきた段ボールを顔面で受け止め、その勢いのまま後ろへと倒れた。

 

「きゃう!」

 

倒れた瞬間何かを巻き込んだ気がするが、燕の意識はそこで途切れた。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「う、…あれ、俺なんで寝てたんだ?」

 

気が付くと、教室の天井が見えた。

 

「さてっと、今の状況は――――って身体が重い、なぜ……」

 

俺は自分の状況を見ようと、頭だけ起こし自分の身体を見ると

 

「……ぅん」

 

紫髪のロングヘアーが目に入ってきた。

 

「……えっと、なんで俺は入江と寝てるんだ?しかも俺の上で」

 

燕は思考を全力で回し、寝る前のことを思い出す。

 

――――たしか俺は支援班の仕事でこの教室に来てたよな、そこで段ボールの整理を

  って、段ボールの中身がぶちまけられてるし

 

燕は教室の周りを見渡し、状況を再度確認した。

 

片付けられている段ボールと、未だ手付かずの段ボールの山、中身が散乱して空っぽになった段ボール

俺の上で寝ている入江、その下敷きになっている俺、そしてそんな俺たちを見ている遊佐

 

「……は?おい遊佐、何時からそこに居た」

 

「……お二人が縺れ合って気絶した所からです」

 

――――俺と入江が縺れ合って気絶した?

  俺は一人で仕事をしていた筈なんだが

 

「悪い、もっと詳しく説明してくれないか?」

 

「月斑さんが段ボールを棚に載せようとしていた所を、入江さんに後ろから声をかけられそれに驚き手を滑らし、段ボールは月斑さんの顔面に直撃。そのまま倒れてしまいました」

 

「了解、多分分かった。つか思い出した」

 

――――確か段ボールを載せようとしたところで考えに没頭したんだよな

  それで急に声をかけられたもんだから驚いて、手を滑らせた

  …………そこまでは覚えてるんだけどなぁ

 

いくら考えても、入江と縺れ合って倒れた記憶がなかった。

 

「……ん、あれ?ここどこ?」

 

「あ、起きたか入江」

 

「へ?」

 

気が付いた入江は、先程の燕同様に状況を把握しようと辺りをキョロキョロし始めると

突然顔を真っ赤にし始め

 

「ふぁああああああああ!」

 

めちゃくちゃ叫びながら俺の胸に顔を埋めた。

 

「……だから、どいてくれって」

 

その後しばらく遊佐に見守られながら、そんな状況が続いた。





今回のゲストは入江ちゃんでーsパァン!

燕「ろくに登場してないじゃないか!」

入「そうですよ、折角登場できると思って張り切ってたのに!」

まさか射撃苦手な燕君が一発で眉間を打ち抜くとは
前後編で構成してるんですから勘弁してください

燕「そうだよ、なんで前後編になってるんだよ」

いやぁ、ちょっと訳ありというか何と言うか
今回のノルマまで達しなかったんでこういった形に

入「まとめようとは思わなかったんですか?」

最初はそう思った。だけど書いてるうちにこれ入れた方がいいんじゃね?っていう
ストーリーを思いついたもので
あとは急に文章が長くなるのもどうかなぁ~って

燕「まぁ確かにいつもより長くなると違和感あるしな」

入「って事は、次回も私回?」

そういうことになりますね

燕「いや、今回の話は入江回だったのか?遊佐ともいつ自己紹介したんだよ」

そこは語られなかった話の中に(要はご都合主義

燕「まぁいい、そんなことより今更だが俺のキャラ設定ってどうなってるんだ?」

入「岩沢さんと同学年って事や、銀髪っていうのは読んでたらわかることだけど
  それ以外の情報は特にないよね」

それに関しては第11話を投稿した後にキャラ設定を投稿予定ですので、そちらをお待ちください

燕「そんじゃ今回はこの辺りまでだな」

それでは皆様『次回もお楽しみに~』

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