目が覚めるとそこは、見知らぬ教室だった。
「あれ、どこだここ」
辺りを見渡すと多くの机や椅子が並んでおり、人は誰もいなかった。
別方向を見ると窓があり、空は日が落ち星が煌めいていた。
「夜か、そりゃ誰もいねぇか」
俺は席を立ち、教室を出ようとして疑問を感じた。
――――そういや俺、なんで教室で寝てたんだ?
思考を巡らし思い出そうとするが、寝る前の記憶が一切思い出せないでいた。
――――なんで思い出せないんだ
「まぁいい、帰るか」
俺は止まっていた足を再び動かし始める
が、またすぐに止める事になった。
「……どこへ?」
いくら考えても答えなどでなかった。
――――あれ、どうしてだ、自分の家がどこにあるかわからない、この学校の名前も、地域の名前すら出てこないなんて
なにか、なにか覚えていることは
全力で何かを思い出そうとして、一つだけようやく思い出せた事があった
「月斑 燕、俺の名前だけか」
自分が記憶喪失だと悟り、悔しさゆえかその場に膝をついて涙を流し始めた。
「くそ、くそ!なんで記憶がないんだ!なんで無くしちまったんだ!!」
何度も床を殴りつけ、暴れまわった。
それこそ拳から血が流れるまでに
そんな中、胸ポケットから一冊の手帳が滑り落ちた。
俺はその手帳を手に取り、ページをめくる。
特にメモは書かれておらず、新品そのものだった。
そして最後のページに
「天上学園・月斑 燕・三年F組・寮 2024号室」
――――俺は学生寮で暮らしてたのか、ならひとまず寮へ行ってみるべきだな
俺は外を目指し、走り出した。
寮の部屋に行けば記憶の手掛かりがあるかもしれない、そんな希望を抱きながら
――――――――――――――――――――
どうにか学生寮に辿り着く事ができた俺を待っていたのは、絶望だった。
部屋は二人部屋のようだが、住んでいるのは俺一人だけらしい
それをいいことに、部屋のあちこちをひっくり返すようにあさるが、手掛かりとなる物は何一つ出てくる事はなかった。
「……手掛かりどころか、自分の部屋に何もないなんて」
この時の俺は、すべてに絶望し、孤独な部屋の中で一人、立ち尽くしていた
――――――――――――――――――――
一方その頃
赤い髪をした少年が、燕と同じように目を覚ましていた。
「……ここは、どこだ?」
燕とこの少年は違う点がいくつも見られた。
一つ目は、屋外で目覚めたこと
二つ目は、そばに人が居たこと
三つ目は、ここが死後の世界だと告げられたこと
四つ目は、死ぬことができないという体験をしたことだった
胸を一突きされた少年は、重力に逆らうことなく
その場に倒れ、ピクリとも動かなかった。
――――――――――――――――――――
どれくらいの時間がたったのだろうか
俺は考えるのを止め、ベットに倒れこんだ。
――――そうだよ、これはきっと夢だ。
朝起きたら何もかも思い出してる。
思い出せないのは、思う出す必要がないからだ、これは夢だからな。
現実から目をそむけ、暗い部屋の中で一人、眠りについた。
さぁ始まりました。始まってしまいました。
燕「始まったはいいけど、良いのか?こんな見切り発車で」
それを言うな!不定期更新のタグはついてるから多分問題ないはずだ!
燕「失踪だけはするなよ」
はい、失踪だけはしないよう頑張りたいと思います。
それでは皆様、感想・アドバイス等がございましたら、どうぞご遠慮なくお願いします。