現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

58 / 111
第144話から第146話

第144話

 

 

 お留守番ルイズ!

 

 

 両親がトリスタニアに行ってしまい広大な屋敷に1人きりとなってしまった。

 エレオノールねえ様は、アカデミー。カトレアねえ様は、自分の領地に。

 

「暇だわ……」

 

 デザートのクックベリーパイをフォークでつつきながら、ポツリと零す。

 両親から、ツアイツの怪我の話は聞いた。相変わらず、色々忙しい婚約者の事を思う。

 

「ツアイツがウチから出て行って一週間も経っていないのに……なんで私暇なのー?」

 

 今月末には学院で会えるのだが、広大なヴァリエール領に1人きりでは退屈で仕方がない。

 

「でもお母様から、自分達が戻るまでは屋敷から出ては駄目だと言われているし……」

 

 フォークで突き過ぎて、クックベリーパイは既に原型を留めていない。

 

「ツアイツ風に言えば、ニート満喫中なんだけど……」

 

 御馳走様と言いながら、自室に歩いて行く。ボーっと庭に設えた東屋に行き椅子に座る。

 

「暇、暇なの……そうだわ!屋敷から出れないなら、屋敷に呼べば良いのよ」

 

 早速、親友のキュルケ・モンモン・タバサ……は、ガリアに戻ってるらしいけど、鷹便なら届くのかしら?

 イザベラ姫と仲直りしたって言っていたから、プチトロア宛で送れば良いかな?検閲されても問題無い内容なら平気でしょ!

 スラスラと手紙を認(したた)め鷹達に括り付ける。

 

「あなた達、頑張ってね!」

 

 瞬く間に視界から消えてゆく鷹達を見ながら、早く親友達と遊びたいと思う。そして、これはツアイツ宛よ。先程の三通より分厚い手紙を鷹に括り付ける。

 気のせいか、鷹も積載量を越えてますよレディ?な、目線を送るがスルーされてしまった!

 

「さぁ旦那様の所に!返事を必ず貰って来なさい」

 

 ヨタヨタしながら飛び立つ鷹……彼はこの手紙を無事に届けるが、ツアイツはガリアに発った後だった。

 息も絶え絶えだったので、受け取ったテファが双子山に挟みナデナデしたら元気に回復し、ハーナウ家に居座っている。

 

 何たって返事を貰わねば帰れないのだから!

 

 

 お留守番キュルケ

 

 

 お父様が急にハーナウ家に呼び出されて行った。

 詳しい内容は分からなかったが、何やら「またか?あのアホ姫が!」とか言っていたから、多分アンリエッタ姫が何かやらかしたから調整が必要なのだろう……

 

「旦那様も大変ね。普通なら他の女の事でワタワタするなんて、お仕置き物だけど……私は出来た妻だから、何も言わないわ」

 

 自室で寛ぐ若奥様はのんびりとしていた。

 

「しかし、暇ねぇ……」

 

 対外的にハーナウ家との婚姻を知らせてない為か、ツェルプストー夫人が嫡男を妊娠中の為だろうか?彼女を舞踏会等に招待する貴族が増えた。

 お父様も付き合い的に断れない相手には、行く様に言われているが、他のはキュルケの意思に任されている。

 とある夜以降、急激に色気を増した彼女は大人気だ!

 

「暇だからお呼ばれしようにも、同世代の子弟の紹介ばかりだから嫌なのよね。ウザいしエロい目で見るし……」

 

 机の上に、幾つもの招待状が有るのだが……火の魔法で跡形も無く燃やしてしまった。どうやら全て、不参加の様だ。

 

 

 お出掛けツアイツ

 

 

 イザベラ姫とウェールズ皇太子に手紙を認(したた)める。どちらも王族。いきなり訪問など失礼に当たるだろう。

 ガリア王国の方は、カステルモール殿が同行してくれてるのでなんとかなるか。

 しかし、戦時中のアルビオン王国はそうはいかない。最悪の場合、拘束されたりする心配も有るからね。

 

「ツアイツ殿、準備は宜しいか?」

 

 カステルモール殿が部屋まで迎えに来てくれた。エルザも一緒だ。

 

「ツアイツお兄ちゃん、早く行こうよ!」

 

 エルザ殿は、カステルモール殿の背中に貼り付いている。夫婦?いや親子として周りは見るだろうな……

 

「ええ。この鷹便を放てば完了ですから。さぁお行き……」

 

 クェ!と一鳴きして、力強く飛び立つ鷹達。

 

「イザベラ姫にですか?」

 

「ええ、先に知らせておいた方が良いかなと。それと、アルビオン王国に一報を入れておかないと……」

 

「相変わらず、気を配ってますな」

 

 これが、人間関係を円滑にするんですよ!と、話しながら庭に出る。そこには、見事な風竜と火竜達が羽を休めていた。

 

 一際大きい風竜に近づく。

 

「ブリュンヒルデ、久し振り!」

 

 ポンポンと首の付け根を叩くと、顔を擦り付けてくれる。しかし、顔と言っても子供の体位有る訳だから尻餅をついてしまう。

 ベロベロを追撃で舐めてくれるのだが……

 

「ちょ、待って……舌がザラザラでくすぐったいから……てか、カステルモール殿止めて下さい」

 

「ツアイツ殿は、相棒に気に入られたんですよ。普段は気難しいのですが……ほら、ツアイツ殿が困っているぞ」

 

 やっとじゃれるのを止めてくれた。

 

「行きは空中船だったのではないのですか?」

 

 ウチの高速船を要らないと言ったけど、まさか風竜だけでは長旅だよ?

 

「国境に船を待たせてます。大型ですから、竜達も乗せられます。プチトロアに近づいたら、相棒に乗って先に送りますから」

 

 なる程、空中空母で来てるのか……

 

「では、行きましょう!ガリアへ」

 

 ブリュンヒルデが、長い首を使い器用に僕を背中に乗せる。その後ろにカステルモール殿が、フライで飛び乗る。

 気がつけば、両親とメイドズが並んで見送り?

 

「ツアイツよ。くれぐれも、イザベラ姫と変な約束はするんじゃないぞ!」

 

「ツアイツ……テファさん達を悲しませる事をするなら、お仕置きですよ!」

 

 父上、母上……僕って、節操無しで信用がないのですか?

 

「全く不要な心配です!そんなつもりは有りませんから」

 

 無言のメイドズの視線も痛い……

 

「お土産買ってきますから!心配しないでね。ではブリュンヒルデ、お願い」

 

 ポンっと首を叩くと、一声嘶いて大空へ飛び立つ。

 

「ちちうえー!テファ達には、今日行くって言ってませんからー!宜しく伝えてくださーい」

 

 反対されそうな彼女等は、今はお出掛け中だ!説明を父上に託して、イザベラ様の下へ。もう、父上達は胡麻粒みたいに小さく見えるぞ!

 

「お前ら、気合いは十分かー?イザベラ様の下に、ソウルブラザーを送り届けるぞー!」

 

「「「ヒャッハー!ようこそ、ツアイツ殿。ガリアで花嫁が待ってますぜー!」」」

 

「ちょ?おま、おっおーい?」

 

 ブリュンヒルデの力強い羽ばたきに、振り落とされない様に、彼女の首に掴まって体制を整える。

 

「カステルモール殿?何を言ってるのですか?」

 

「いや、イザベラ姫はツアイツ殿にベタぼれでして。私達は、イザベラ姫の婿はツアイツ殿以外認めませんから。

良く本人達で話し合って下さい!では、飛ばしますからしっかり掴まって下さい」

 

「「「ヒャッハー!花婿ゲットだぜー」」」

 

「待たんか、オマエらぁー!」

 

 ツアイツが育て上げたイザベラ隊の忠誠心は、アルビオン大陸よりも高かった。

 そして、皆のアイドルとして他の誰かに取られるよりは、ツアイツとくっ付いて彼がガリアに来る方が良いと思っていた。

 

 

 

第145話

 

 

 ハーナウ家に雇われたメンヌヴィル改めてラウラさん。今日も、ハーナウ家諜報部の荒事担当として働いています。

 

「ひゃははははぁ!燃えろ、燃えちまえー!くっくっく……ひゃーはっはー!この匂いが、堪えられないんだぁ」

 

 ツアイツ暗殺にハーナウ領にやって来るレコンキスタの刺客達を片っ端から処理していく。

 最後の1人を燃やし尽くして満足したのか、やっと狂気の笑みを収めた……

 

「ラウラ殿、お疲れ様です。他に逃げ出した連中も全て処理しました」

 

 ハーナウ家諜報部の連中が、ラウラの下に集まってくる。

 

「流石は、非公開だが賞金一万エキュー……懲りない連中だ」

 

「ツアイツ様はもう居ないのにな。しかしツアイツ様にはこれまで通り秘密だ」

 

 なんとまぁ、お人好しな一団だな。

 

「坊ちゃんも恵まれているねぇ……しかし俺みたいな狂人を雇うなんて酔狂だな。あんた等だって嫌だろう?俺なんかと行動を共にしてはよ?」

 

 何だ?顔を見回して……

 

「別に、ツアイツ様が認めたなら我々にはそれで良いのです」

 

「そうですな。元々我々も似たような存在ですから。ツアイツ様に惹かれ集まった不器用な連中ですよ」

 

 はははっ!って笑い合ってるが、俺が元は白炎のメンヌヴィルだって知ったら驚くだろうな……それとも、気にしないのかね?

 あの坊ちゃんの周りには、変わった連中ばかりで退屈しないぜ。まぁ雇われた分の仕事をこなすさ。

 

「では、屋敷に戻りますか?」

 

 ラウラさんは、上手くやっているようだ……

 

 

 

 プチトロア、イザベラ執務室。

 

 

 午後の日差しが眩しい中、イザベラはボーっと椅子に座っている。

 

「イザベラ、平気?」

 

 シャルロットが、心配そうにイザベラの顔を覗き込む……

 

「ああ……エレーヌ、平気だよ。私は平気だ……普段通りにね」

 

 どうみてもやる気が無い。しかし、本人のやる気は兎も角、仕事は毎日溜る訳だから……

 

「タバサ殿、イザベラ様に構ってないで仕事して下さい!何で私まで巻き込まれているんですか?私、一介の北花壇騎士団なのに……」

 

 ブツブツと文句を言うが、目線は机の上の書類から外さないジャネット。

 

「……もうヤダ。分からないから……」

 

「ゴタゴタ言わずにサッサとやれー!今日は夕食までには帰りたいんですよ」

 

「……無理かも」

 

 美少女2人の言い合いにも何の反応も示さないイザベラ……扉を叩く音にも、ジャネットはぞんざいに答える。

 

「入ってるよー!」

 

「失礼します」

 

 ジャネットのボケは、メイドにスルーされた……

 

「イザベラ様宛てに、ツアイツ様よりお手紙が届いておりま……きゃ?」

 

「何だって?渡しな、早くしなって」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 ツアイツから手紙?何だい、平気だったのかい?全く心配なんてしてないけど、一応気になってたからね……どれどれ、読むかね。

 

「お前らは部屋から出ていきな!」

 

「……ケチ」

 

「私も気になります」

 

 五月蝿い女達だね。ゆっくり読めないだろ。

 

「良いから出ていきな!内容は後で教えてやるから。ほら早くしな……」

 

 2人を追い出して、手紙の封を切る。一枚だけかい……

 

『イザベラ様カステルモール団長より、私の怪我を心配して頂いてると知り嬉しく思っています』

 

 何だい、この堅苦しい書き方は……カステルモールも適当言いやがって。勘違いするんじゃないよ。私は別に心配なんてしてないからね。

 

『先日まで意識はなかったのですが、彼が来てくれた日に回復しました。

流石に白炎のメンヌヴィルだけあり、倒したのですが左腕と左半身に酷い火傷を負ってしまいました。しかしもう大丈夫です』

 

 なっ狂人メンヌヴィルを倒したって?何だい。私には、上に立つ者には魔法は要らないとか言っておいて……自分は相当な手練れなんじゃないか。

 そうか……アイツはそんなに強いのかい。なら、私の護衛とか頼んでも平気かな?イザベラ隊隊長とか……

 

『取り急ぎ、無事を知らせようと筆を取った次第です。これから、カステルモール団長と共にイザベラ様に会いに行きます。

詳しい話はその時に。少し相談も有りますので、宜しくお願いします』

 

 全く、無事で良かったよ。これで、アイツが育ててしまった変態共の責任を取らす事が出来るね。

 

 ふふふっ!どうしてやろうかな……もう直ぐ、会いに来てくれる?

 

「もう直ぐ来るだってー?メイド、おいメイドは居るかい?呼んだら早く来な。どうしよう。

ああ、これからツアイツが来るんだ!何を着れば……いや、風呂だよ風呂の準備をしな」

 

 急に元気になったイザベラ姫に、指示を出されたメイド達がワタワタと準備を始める。

 

「おい!ドレスだけど、全部並べな。アイツから贈られたやつだよ。何だい、来るなら早く報せなよ。女には支度って物が有るんだからさ」

 

「イザベラ様、湯浴みの準備が整いました」

 

「外の2人を呼んでくれ!ああ、居たのかい。ツアイツは無事だったね。全く心配はしてなかったけどね。これから来るそうだ。

私は支度するから、溜まった仕事は終わらせておいてくれよ。じゃ頼んだよ」

 

 一方的に頼んで執務室を後にする。

 

「「ちょ無理だってー!」」

 

 2人の文句はスルーだよ。悪いが、準備しないといけないからね。

 アイツが心配しないように、私は普段の調子を取り戻さないといけないんだよ。カステルモールが要らん事を吹き込んでいたら大変だ!

 

 私は、落ち込んでなどいないのだから……でもガリアまで、わざわざ来てくれるなら……おっお礼位は、言ってやっても良いかね?

 

 急遽に用意させた湯船に浸かりながら考える。

 

「イザベラ様、此方へ」

 

 メイド達が、体を洗う準備を整え終えた。

 

「念入りに頼むよ」

 

 3人掛かりで肌の手入れをしてもらう。

 

「姫様、楽しみですわね。ツアイツ様がいらっしゃるのが」

 

「姫様、良かったですわね。ツアイツ様がご無事で」

 

「美しい姫様を見たら、ツアイツ様が喜びますわ」

 

 3人掛かりで誉められて、真っ赤になって俯いてしまう。

 

「兎に角、綺麗にしてくれよ……アイツに会っても恥ずかしく無いようにさ」

 

 デレ期を迎えたイザベラだった。

 

 

 

 残業組、美少女2人……

 

「ねえ?鷹便で手紙が来たって事はさ。ツアイツ様が来るの……早くても明後日以降じゃないかな?」

 

「……イザベラがあんなに喜んでる。それは言えない」

 

「「取り敢えず、今日は帰れないか」」

 

書類の山に埋もれて四苦八苦しているが、イザベラが元気になって良かったと思っている2人だった。

 

 

 

第146話

 

 

 ガリア王国の第一王位継承者にして、国民的アイドルであるイザベラ姫は朝からそわそわしていた。結局、昨日ツアイツは来なかった。

 

「考えてみれば、先に鷹便で報せたんだ。鷹と空中船の速度差を考えれば明日以降か……」

 

 1人政務室で筆を走らせる。結局、ジャネットとタバサが代わりに仕事をしてくれたが、一通りチェックをしなければならず……朝から机に向かい仕事中だ。

 彼女等の頑張りには感謝しているが、間違いも多い。これは、二〜三日遡ってチェックしないといけないかな?

 

 ジャネットとタバサは今日は居ない。

 

 感謝の意味と、ツアイツと会う所を見られたくない気持ちで休みを言い渡した!それと、竜騎士団にさり気なく見張る様にも言い付けである。

 もしもお父様にバレると、彼の立場が微妙になるからだ。やる気を出せば、色々と気配りも出来る。

 

 流石はイザベラ姫と言う所か……

 

「しかし……あれだね。午後一で又風呂に入って着替えておくかね……もしも今日、来るかも知れないし……」

 

 デレ期は順調みたいだ。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 ガリアの民間で最大級の空中船だ。広い船内倉庫には風竜や火竜が寛ぎ、イザベラ隊の面々も自由な一時を過ごしている。

 ツアイツは、船医の手により火傷の治療を受けていた。自分でも出来るのだが、好意からなので素直に治療されている。

 

「ツアイツお兄ちゃんも、結構鍛えられた体だね!美味しそうだよ」

 

 何故かエルザも居る……

 

「取り敢えず、エロガキ出て行け?それとも、もっと肉体を見せ付ける方が良い?」

 

 等と冗談の遣り取りをする。

 

「ツアイツ様、終わりましたが安静にお願いします」

 

 そう言って船医は部屋から出て行った。

 

「ツアイツお兄ちゃんと少しお話したい!」

 

 エルザは真剣な、しかし不純な感じの目をしている。

 

「そう言えば、2人きりで話すのは初めてだね。良いよ、何が聞きたいのかな?」

 

 僕はベッドに腰掛けているが、彼女は正面に備え付けの椅子を移動してきて向かい合って座る。

 

「何故、ツアイツお兄ちゃんは私が吸血鬼だと知っていたのかな?」

 

 そう言えば、その辺の説明はしてなかったか……

 

「僕には、色々な情報網を持っている。父上の、ハーナウ家の諜報団の他に自分の教団の連中や……ヴァリエール公爵達の密偵とも顔見知りなんだよ」

 

「やっぱ教団って、お兄ちゃんの手足なんだね?」

 

 本当は原作知識有りなんだけど、そんな事は言われても信じないだろう……

 

「他にも何人か、吸血鬼の疑いの有る連中の情報も有るよ……日の光を嫌う君達の行動は目立つからね」

 

 そう言って、烈風の騎士姫に出て来た吸血鬼の件を臭わせる。彼女は自分以外の情報を持っている事に驚いたみたいだ!

 

「カステルモールお兄ちゃんが、あれだけ信頼していなかったら……貴方を危険と判断して殺しちゃうよ、普通は」

 

 牙を見せながら妖艶に笑う彼女を見て……

 

「ぷっ……カステルモール殿の背中に張り付いてる姿を知ってるのに……脅しても可愛いだけだよ?」

 

 彼女の望みは平穏。そして今、それを掴んでいる。そんな幸せを壊す事はしないだろう……

 

「ぶー!全然驚かないし、怖がらないね。エルザ、ツマらないよ」

 

 直ぐに表情を変えて、本当に退屈な幼女の様に足をブラブラと揺する。

 

「悪い様にはしないよ。僕は君とカステルモール殿に幸せになって欲しい。協力はするから」

 

 そう言って笑いかける……

 

「じゃ本題だよ!カステルモールお兄ちゃんのマントにさ。

エルザの刺繍が有るけど、アレって大人の趣味の方の女王様だよね?お兄ちゃんってさ……

そっち系の趣味なのかな?エルザ、頑張って言葉責めとか学んだ方が喜ぶのかなぁ……」

 

 純粋故に、彼の性癖を誤解しているのか?それとも、このまま突っ走った方が面白い?

 

「いや……カステルモール殿からは、そんな性癖とは聞いていないけど?普段の夜の夫婦生活はどうなの?」

 

 見た目幼女相手にエロ談話?

 

「普段は、ノーマルだよ。それに寝室以外では最近はシナいかな……でも強引な所もあるし、エルザが壊れちゃうかも」

 

 最近は?危険なキーワードを聞いたような……

 

「それは当人同士で良く話し合わないと駄目だよ。思い込みで性癖を決め付けるのは危険だから」

 

 これも注意しておくか。

 

「それと……野外プレイは人に見られる可能性も有るから程々にって言うか、気を付けて下さい。人の噂を消すのは大変だからね」

 

 変態幼女性欲者になっちゃいますよ!カステルモール殿が……

 

「あとね。サムエルおじちゃんがね。フィギュア?のモデルをやってくれって頼まれたんだ。あと教団のお手伝い」

 

「ふーん。それで、どうするの?」

 

 エルザは笑って「楽しそうだし、これから助けて貰う恩返しになるかな?」と言ったが……

 

 父上……幼女に何を要求してるのですか?僕も幾つかのフィギュアのポーズを思い付きましたよ!

 

「では、フィギュアのモデルをして貰おうかな……行くよ。キタキタキター!ロリっ子バンパイア爆誕!」

 

 彼女を模したミニゴーレムを二体作成する。

 

 一体目は、ゴスロリエルザ。

 

 二体目は、着物の振袖姿にしてみた。

 

 振袖は、微妙に造形がイマイチだが仕方ないだろう。着物のイメージが曖昧だからだ。これは要勉強だな。

 振袖バージョンは、貧乳美女・美少女に似合いそうだ。ミニゴーレムを操り、色々なポーズを取らせて見る。

 

 これは売れる!

 

「エルザ、この人形売って良いかな?勿論、売上の何割かは渡すからさ……」

 

 ツアイツは、新しいモデルの確保に成功!テファ、ガリア姉妹、メイドズ・ツェルプストー三人娘に続き、ロリっ子を確保した。

 

「ふっふっふ……レコンキスタが一段落したら、新作コレクションを発表だね。忙しくなるなぁ……」

 

 商魂逞しいツアイツだった。

 

「エルザ、モデルの件頼まれたのは失敗だったかも……」

 

 後悔先に立たず……ツアイツの奇態を見て、早まったかな?と心配になるエルザだった!

 

 

 

 

 

 ハーナウ家のツアイツ専属メイドのエーファ・ナディーネ・ルーツイア・シエスタ・ソフィアの5人。

 それと、何故かテファとシェフィールドさんが参加したお茶会形式のお話です。

 

 

 帝政ゲルマニアのハーナウ家。

 

 そこには、普通とは少し違う漢達の棲むお屋敷が有りました。

 幼い頃から、次期領主に仕えているメイド達。エーファ・ナディーネ・ルーツイア……途中からスカウトされたシエスタ。

 学院専属メイドとして押し掛けたソフィア。それと若奥様のテファと、自称義姉のシェフィールド。

 

 意外とバラバラな経緯の7人だが、実は仲が良く定期的なお茶会と言う情報交換を行っている。

 

 

 エーファ

 

「では、第○○○回ツアイツ様情報交換定例会を開催します。議長は私、筆頭巨乳メイド長で有りツアイツ様の初めてを頂きましたエーファが務めさせて頂きます」

 

 

 ナディーネ

 

「先輩、毎回その台詞ですよね。ツアイツ様に巨乳の良さを教えたのは私ですよ。

今の巨乳派教祖たるツアイツ様の礎を築いたのは私です。ツアイツ様の初めての性癖を形作ったのは私です」

 

 ナディーネもエーファに負けてはいない。このメンバーの中では、最古参の2人だ。

 

 

 ルーツイア

 

「しかし、常に護衛として共に居た時間が一番長いのは私だ。それにツアイツ様と野外プレイが一番多いのも……彼の性癖の幅を広めたのは私の筈だが?」

 

 この発言に、皆さんドン引きだ……

 

 

 シエスタ

 

「でも先輩方は、勤め先のハーナウ家にツアイツ様が居たのですよね?

私の場合は、ツアイツ様が自らタルブ村にお越しになり名指しで私をメイドにと望まれたのです。真の意味での専属メイドは私だけですよ」

 

 シエスタ……既に黒化を始めている。

 

 

 先輩メイドズ3人

 

「「「黙りなさい!」」」

 

 お茶会は既に波乱含みだ!

 

 

 ソフィア

 

「でも結局皆さんは雇用者と非雇用者の関係。私はツアイツ様に買われた女……つまり全てが、ツアイツ様の物なんです。重ねた年代よりも、重たい関係ですよ」

 

 

 テファ

 

「性癖?買われた?旦那様……一体このメイドハーレムは何なのですか?

しっしかし……私が一番オッパイが大きいです!このコンプレックスの塊を旦那様は何より愛して下さいます」

 

 ブルンっとIカップ99センチの凶器を揺すりながら宣言する。

 

「「「「「あははは!若奥様も言いますね?でも大差ないですよ」」」」」

 

 そう!ツアイツの夢のメイド達は皆さんご立派オッパイ。

 原作でサイトに胸革命と言わしめた彼女でも、この中では突き抜けた存在感は無い……恐るべしオッパイ屋敷。

 

 

 シェフィールド

 

「ふーん。ツアイツ様って、そこらの王族よりずっと立派な性活環境ね……ちょっと驚いたわ」

 

 

 基本的に義弟としてツアイツを捉え、3PとしてならツアイツともニャンニャンOKなシェフィールドさんは余裕の表情だ。

 ジョゼフ王から使い魔として召喚されて暗躍していた時は腫れ物扱い。

 

 当然、同性とのお茶会など有る訳が無く今回が初めての参加になる。

 

 

 シェフィールド

 

「ツアイツの幼い頃の話を聞きたいわね」

 

 

 テファ

 

「それは私も聞きたいです」

 

 出会ってまだ半年に満たない2人が、メイドズにお願いする。

 

 

 エーファ

 

「ツアイツ様の子供の頃ですか……ツアイツ様は、サムエル様がアデーレ様と宜しくする時に邪魔と言う理由で我々が一緒に寝る事になったのです」

 

 

 ナディーネ

 

「大体3歳位からです。今は頼りになるしっかりした御主人様ですが……当時は、1人では眠れない恐がりさんでした」

 

 何かを思い出す様に遠い目をする2人……

 

 

 エーファ

 

「当時はお屋敷の中は貧乳派閥の方が強く、棲み分け論も定着していませんでした。胸の大きい私達には肩身が狭い環境でしたよ」

 

 

 ナディーネ

 

「だから私達は、次期当主のツアイツ様を巨乳大好きにする為に添い寝をして胸の谷間が安心感を与える事を教え込んだの」

 

 遂に明かされたツアイツ巨乳のルーツ!皆さん、これにはビックリだ!

 

 

 ルーツイア

 

「私がお屋敷に奉公に来たのは、もう少し成長なされた時だったな。もう大人びていたが、ほんの少し前はそんなに可愛い時が有ったのか」

 

 しみじみと言う。

 

 

 シエスタ

 

「私の為に、わざわざタルブ村まで足を運んでくれた時は既に一人前の扱いでしたね。そうなんですか?ツアイツ様が子供らしかったのは五歳までなの?」

 

 転生して記憶が蘇った時は少なからず疑問をもたれていたのだ……

 

 

 ソフィア

 

「何か子供らしい事って有ったのですか?今からでは想像がつかないんですが?」

 

 

 エーファ

 

「そうですね……添い寝の時に、専用下着を着ると大層喜ばれましたよ」

 

 

 テファ

 

「専用下着とは?」

 

 

 ナディーネ

 

「私が考案した、肌触りの良い木地を使った夜着です。これを着てツアイツ様と添い寝をすると感触が良いらしく、ずっと抱き付いて離れなかったわ」

 

 

 ゴクリ……子供時代の添い寝経験が無いシエスタ・ソフィア・シェフィールドさんは興味深々だ!

 

 

 シェフィールド

 

「その専用下着って、今はどうしてるの?」

 

 代表で彼女が、そんなに興味は無いけど?的な感じで聞いてみる。

 

 

 ルーツイア

 

「あのセクシー過ぎるペティコートだな。ツアイツ様以外には同性でも見せるのが恥ずかしくて、ツアイツ様の部屋で着替えたな」

 

 ルーツイアの生着替えショー告白にビックリだ!

 

 

 テファ

 

「そっそそそ、そんな恥ずかしい事をルーツイアさんはしていたの?旦那様の前で着替えるなんて恥ずかしい」

 

 もう既に真っ赤になっている。

 

 

 ソフィア

 

「でもテファ様。ツアイツ様って衣装や小道具に凝りますよ。テファ様も馴れていただかないと……今度、採寸して新調しましょう」

 

 ソフィアの切り札はネコミミと尻尾、それにホワイトセーラー服だ!

 

 

 テファ

 

「きゅう……」

 

 

 シェフィールド

 

「あらあら……テファには刺激が強かったかしら?この中では、一番ウブですものね」

 

 

 1人の男性を巡ってのガールズトーク。それはキャイキャイと恋愛方面が多いのだが……純粋培養のテファには、刺激が強かった。

 

「だっ旦那様の為ですから、私も……その衣装着ます!」

 

 巨乳女神である現人神テファがコスプレ!一体どんな素敵衣装になるのやら……

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。