現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅第1話から第4話

「ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅・第一部」

 

 

 私は、カステルモール!大国ガリアで、竜騎士団を率いているエリートだ。

 

 だがしかし「男の浪漫本ファンクラブ・変態と言う紳士の集い!」カリスマ上級会員のカステルモール!と敢えて言わせてもらおう!

 

 此方の方が、超エリートなのだ!万を超える会員のトップ3、同志ワルドと双璧を成す紳士だ!

 勿論ナンバー1は、ソウルブラザーであるツアイツ殿である。何時か、彼と肩を並べるだけの漢になるつもりだ!

 今は、我が妖精エルザ殿に会いに行く途中。取り敢えず仕えているイザベラ様を騙くらかし、何とか彼女をモノに……

 

 ゲフンゲフン。

 

 彼女は吸血鬼だそうだ。ツアイツ殿の情報だが、何時も正確にハルケギニア中の事を把握している。

 オッパイで知らぬ事は無い!と、言われたが本当だ。

 きっと、私と彼女の馴れ初めもご存知なのだろう。だが、知らぬ方々の為に我が妖精エルザとの出会いを語ろう。

 

 

 そう、あれは……

 

 

 ガリア南東の片田舎。サビエラ村の近くにて、亜人討伐に向かった時だった。討伐自体は、大した事は無かった。

 空中戦が主体の我が隊に任務が来たのは、イザベラ様は早期解決を望んだ為に私が名乗り出たからだ。

 

 イザベラ様は……

 

 口は悪いし大酒飲みのアル中っぽい困った方だが、国を思う気持ちは評価している。この国の政務に携わる者の中では悪くない方だ。

 残念ながら胸がかなり育っているが、ソウルブラザー好みなので仕方ない。

 イザベラ様もツアイツ殿の事を口では悪く言っているが、皆ツンデレのツンだと理解している。

 

 ツンデレとは、面倒臭いものだ……

 

 その彼女が、早期解決を望んだので機動力の有る我が隊が向かった。我らは風の精鋭。地上とて、戦力は変わらない。

 ただ、相棒の風竜が暇なだけで何の問題も無く解決した。

 しかし日帰りで達成出来る距離でも無く、サビエラ村の近くで野営をしたのだ!

 食料等を手に入れる為にサビエラ村の村長宅に行った所、団長たる私だけでもと泊まる様に勧められた。

 

 イザベラ様は、平民からの無用な搾取を許さない。だから平民は比較的協力的だ。

 

 今回の討伐も、亜人の目撃者が増えたにも係わらず、領主が放置し犠牲者が出てしまった。

 その事を聞いて怒り狂ったイザベラ様が、北花壇騎士団を向かわせようとした所を私が引き受けた。

 

 その事を村長は聞いて感激し……しかも既に我らが解決済みだ!村を上げての歓迎になった訳だ。

 任務中にて酒は辞退したが、たらふく食べて団員達は野営のテントに向かった。

 私も、皆と同じテントで寝るつもりだったが……そこで見てしまったのだ。

 

 私の妖精を……

 

 彼女は孤児らしい。両親はメイジに殺されて、彼女一人が助かったそうだ。

 彼女は最初、両親を殺したメイジと同じ私を警戒していた。

 しかし、私はツアイツ殿の著書を熟読している為に、あらゆるシュチュに対応出来る男!

 当然ツアイツ殿も、傷心の女の子への対応も物語で書かれている……つまりは誠意と優しさだ!

 

 私は彼女の為に、ノーマルバージョンのシンデレラを思い出しながら話した。彼女は、こんな片田舎では物語など無縁だったのだろう。

 最初こそ距離が有ったが、暫くすると同じテーブルに向かい合って座り目を輝かせ話を聞いてくれた。

 高い椅子に座り、足をブラブラさせながら聞き入る姿は何とも愛らしい。

 ここで、ツアイツ殿の著書を参考にして常に持ち歩いている焼き菓子と飴玉をさり気なく勧める。

 

 彼女は私を「お兄ちゃん!」と呼び、わざわざお茶を入れ直してくれて一緒に食べたのだ。

 

 余りに遅くなりすぎて、村長が心配して見に来た時には私のベッドで寝かせた後だった。

 恐縮しエルザを起こそうとした村長を止めてベッドをエルザに譲り、自分のテントで寝る事にした。

 村長とは言え、客室など複数ないのだから……

 

 それに、エルザの寝顔は心のキャンパスに描き写したので問題は無い。

 翌朝、我らが日の出る前に野営地を引き払う準備をしていると、エルザが挨拶に来てくれた。

 

 赤くなりながらお礼を言う彼女は、まさに妖精!

 

 周りの団員はツンデレイザベラ派の為にエルザには興味が薄くて良かった。

 クーデレ派を連れてきていれば、大変だっただろう。シャルロット様好きなあいつ等は、ロリ成分が強い。

 

 最後に「お兄ちゃん有難う!また遊びに来てね」と、言ってくれた。

 

 これが、聞きたかったのだ!

 

 ツアイツ殿の著書によれば「ふらぐ?」が立ったので、後は回収をすれば良い。

 

 少し時間をおいてから再び会いに行けば、15禁な展開も望めるとの事。

 

 

 これが、ダイジェスト版のエルザ殿との出会いだ!

 そして、どうしても一目見たいと駄々をこねるワルド殿を伴い、サビエラ村に向かっている。

 

「何だ、カステルモール殿?ニヤニヤが止まらないが?」

 

「ああ……ワルド殿。我が妖精との出会いのダイジェスト版を皆様にお教えしたのだ!」

 

「…………?」

 

「ツアイツ殿に話したら物語として纏めて貰えるだろうか?タイトルは、我が妖精エルザとカステルモール・愛の日記!とかで……」

 

「ツアイツ殿なら可能だと思うが……素直に全て任せた方が名作になると思うぞ」

 

 

 この変態2人。

 

 高速で移動する互いの相棒。風竜とグリフォンに乗って併走しながら、会話している。

 普通なら無理な事も、風を極めし彼らなら可能なのだ!

 多分、詳細は分からないが空気の振動とかに魔法で干渉してると思う。

 ガリアの空を舞う変態2人のエターナルロリータを求める旅は始まったばかり。

 2人の仕えている姫の護衛の仕事が発生するのだが……

 

 そんな事は、二の次だった!

 

 

 

「ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅・第二部」

 

 

 ガリア上空を己の欲望のままに疾駆するカリスマ上級会員の2人!

 

「ワルド殿、見えてきたぞ!あれがサビエラ村だ!」

 

「了解だ!村人を刺激しない様に手前で降りよう」

 

 立派な相棒!風竜とグリフォンを操り手前の平地に下ろす。

 

「「お前達は暫く此処に居てくれ」」

 

 大切な相棒に言い聞かせて徒歩でサビエラ村に向かう……

 

 

 

 サビエラ村

 

 

 

「村長さん、前に亜人を退治して下さった騎士様の大きな風竜を見ただ」

 

「んだ。隣にも大きな鳥が居ただよ」

 

 村人A&Bから報告を受ける。先日、領主様に訴えていた亜人退治をしてくれた騎士様の隊長様が?

 貴族なのに、孫のエルザにお話を聞かせてくれたりベッドを譲ってくれたお優しい方だった。

 

「皆に伝えるんだ!粗相の無いようにな。村の恩人様だ」

 

「「分かっただ。来られたら村長ん所へ案内するだ」」

 

 さて……何のご用だろう?

 

「お爺ちゃん!どうしたの?」

 

 振り向けば、シーツを巻いた孫娘が居た。

 

「エルザや。お前は皮膚が弱い。日に当たるんじゃないぞ。先日お世話になった貴族様が近くに来られたらしい……」

 

「お兄ちゃんが!」

 

「これこれ。貴族様にお兄ちゃんは駄目だぞ」

 

「はーい」

 

 小走りに部屋に戻っていった。ワシが引き取ってからも、余り笑わなかったあの子が、騎士様には懐いている。

 あの子の幸せの為にも、騎士様にお願いした方が良いかのぅ……

 

※村長、その判断は間違っていないが間違っている!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 前に来た、あの騎士。

 

 周りから団長と呼ばれていた。凄い使い手なのは分かっている。

 

 しかし……貴族の癖に、見た目は平民の小娘の私に随分と優しかった。

 

 あんなに優しくされたのは、お爺ちゃん以外には居なかった。

 まるで我が子の様に、甘やかしてくれて……もしかして最近流行の幼女趣味かと思い、眠った振りをして隙を見せた。

 これで襲って来たら死ぬまで血を吸って、グールにするつもりだったのに……自分のベッドに寝かせて、髪を梳いてくれた。

 

 しかもお爺ちゃんが、起こそうとするのを止めて私を寝かせてくれた。こう見えても、人間で言えば既に大人と同じ年月を経ている。

 幼い子に欲情する変態は、掃いて捨てる程見てきた。特に貴族なんて変態性犯罪者ばかりだ。

 

 でも、カルテルモールと名乗った男は、誠実で優しかった。彼なら真実を話しても、私を受け入れてくれるだろうか……

 

 無理かな。私は人の血を啜る化け物と忌み嫌われている、孤独な吸血鬼だから。

 

 

 

 こちらは村の入り口に辿り着いた変態ズ!

 

 

「ワルド殿、ここがサビエラ村です。ああ、村長は元気かな?」

 

 

 ワルド殿と、近くに居た村人に話し掛ける。

 

 

 村人A「ここはガリアの南東サビエラ村です」

 

 

 村人B「村長の家はこの道を真っ直ぐです」

 

 

「いや、村長とエルザは元気かな?」

 

 

 村人A「ここはガリアの南東サビエラ村です」

 

 

 村人B「村長の家はこの道を真っ直ぐです」

 

 同じ言葉を繰り返す村人A&B

 

「……来た来たぁ!電波がビビっと来たー……RPG仕様だそうだ?カステルモール殿、先に進もう!」

 

 不思議な言葉を紡ぐワルド殿を不信な目で見たが、彼はスタスタと村の中に入っていく。

 

 村人A「ここはガリアの南東サビエラ村です」

 

「もう分かったから……」

 

 ワルド殿の後を慌てて追いかける。村のほぼ中心に村長の家は有る。

 

「村長、居るか?近くに来たので寄ったのだが……」

 

「お兄ちゃーん!」

 

 エルザが駆け寄って来て、飛び付いてくれた。幼女は温かいな……それにプニプニだ!

 

「エルザ!久し振りだね。でもレディがはしたないぞ……」

 

 彼女を抱き止め、背中をポンポンと軽く叩く。序でに彼女の首筋の匂いをくんかくんか嗅ぐ。

 

 んーデリシャス!

 

「エルザ、寂しかったんだもん。お兄ちゃん、此方の方は誰かなぁ?」

 

 指をくわえんばかりに凝視するワルド殿。

 

「私は、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドと申します。ワルドで良いですよ。リトルレディ」

 

 いきなり正式な作法で挨拶をしやがった!エルザもビックリして、私から飛び降りる。嗚呼……幼女の温かい体温が離れてしまった。

 

「ワルドお兄ちゃん?」

 

「お兄ちゃん……それで構わないよ。私には年の離れた……いや、もう居ないんだ彼女は(巨乳となりツアイツ殿と婚約中だし、要らないし)……」

 

「そうなの?なら私がお兄ちゃんて呼んであげるー」

 

 こらワルド殿!それは、ミス・ルイズの事だろ?

 

「ああ騎士様、お久し振りで御座います。エルザや、粗相をしては駄目だぞ。こちらの貴族様は?」

 

 ワルド殿を見て驚いている。

 

「彼は私の友人です。近くに用が有って済ませて来たところだ」

 

「何もない所ですが、中に入って下さい。エルザ、お茶を煎れておくれ」

 

「はーい」

 

 トテトテと台所に走って行く幼女を見守る2人!ここで、上級の変態スキル、アイコンタクト発動!

 

 

「カステルモール殿、エルザ殿にエロい事ばかりしてますぞ!」

 

「良いんだ!お兄ちゃんだから……ワルド殿こそ自重したまえ!何が既に居ない、だ!ミス・ルイズの事だろ?」

 

「失ったのは確かだ!」

 

「嘘つけ!要らないって聞こえたぞ」

 

「お兄ちゃん達早くー!」

 

「「直ぐ行くから」」

 

「兎に角、ワルド殿は自重してくれ!シャルロット様の事を応援する約束だろ?」

 

「嗚呼……タバサ殿には無い魅力なんだが……お兄ちゃん、か。羨ましい」

 

「分かっているよな?ワ・ル・ド・殿?」

 

 2人は協定を結んでいた。互いの妖精には、手を出さない事。互いに協力する事。

 そして、カステルモールの思いは本物だ!チッパイ・ロリ好き・妹属性の三連発だ。

 

 しかし、実年齢はカステルモールよりお姉ちゃんなのだが……見た目重視の合法ロリなので気にもしなかった。

 

 そもそも人間じゃないから……

 

 

 

「ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅・第三部」

 

 

 まったりと村長宅でお茶を飲む。お茶請けは砂糖漬けのフルーツ。これも私が用意した。

 何時の時代もスィーツとは女心を鷲掴みする物だ!

 

「カステルモールお兄ちゃん!この果物、凄い甘いよ」

 

 両手に柑橘系のフルーツを持ち、口と手をベタベタにしたエルザが嬉しそうに食べている。

 

「エルザ、口の周りを拭きなさい。ほら、んーして」

 

 布で口の周りを拭いてやる……この布は、独りになった時に別の用途が有る。具体的には、しゃぶる……

 ふと、エルザから視線を逸らすと、目を細めている村長と血涙を流すワルド殿が居た。

 

「騎士様……エルザは、実は私の本当の孫娘ではないのです。孤児でして、身寄りの無い可哀想な子供……」

 

「村長。エルザは、可哀想ではないですぞ。あなたの愛情を一身に受けている。彼女は幸せですよ。そうだろエルザ?」

 

「カステルモールお兄ちゃん……うん。エルザ幸せだよ」

 

「騎士様……なんて方なんだ」

 

 ふっ……男の浪漫本応用編!身内は誉めろ。同情じゃない優しさを見せ付けろ!そして、身内は味方に付けろ!

 これが、ソウルブラザーから学んだテクニック!

 

「村長は、私にエルザの後見人になって欲しい。違いますかな?」

 

 村長とエルザは真剣だ。この流れなら、マイ・フェア・レディ18禁バージョンを実践出来るぞ!

 

「私も年ですし、長くはありません。エルザには、信頼のおける方に引き取って欲しいのです」

 

「カステルモールお兄ちゃん……」

 

 ヨッシャー!駄目押しだー!決定はエルザにさせる。これが、極意ですよね?ツアイツ殿。

 

「エルザ、君が決めるんだ。私と共に歩むと望むなら、希望に応えよう!」

 

 エルザの目を見て問いかける。ここで、子供扱いはタブーだ。対等な相手として接するのだ!

 

「エルザ、お兄ちゃんの所に行きたい!」

 

 よっしゃー!エターナルロリータ、ゲットだぜー!見渡せば、村長は涙ぐみワルド殿は居なかった。外で破壊音が聞こえる……アヤツ、良く我慢出来たものだ。

 

 膝の上に飛び乗ったエルザの頭を撫でながら……思わずマイサンが力強い息吹きを始めてしまったので、慌てて精神力で平静を保つ。

 一瞬、ナニに触れたエルザが妖しい目をした!これは、気付かれたか?彼女は吸血鬼……演技でない彼女とも、話さなければならないだろう。

 今は、幼女の重みと温かさを堪能しようか……

 

「あの……騎士様、お連れの騎士様を止めて下さい。村の地形が変わります」

 

 破壊活動に勤しむワルド殿を見て、連れてこなければ良かったと思う。何しに来たんだ同志よ?

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 あのワルドとか言う男……何なの?あの纏わり付く視線や言動、意味不明な行動。普通じゃないんだけど。

 最後はカステルモールお兄ちゃんが実力で黙らせたけど、双方の実力を垣間見た。

 

 私では敵わない……それにカステルモールお兄ちゃん。一瞬だけど私に欲情してた……

 

 精神力で抑え付けたけど、○○○(ピー!)が力強くなったのが私には分かった。

 でも、幼子の様に思われるよりは女性として想われたくもある……実際、私だって実年齢で言えば大人だ。

 そろそろ番(つがい)が欲しいのだけど……

 

「エルザ……女性が、こんな夜分に出歩いては駄目だよ」

 

 気配が分からなかったわ!

 

「カステルモールお兄ちゃん!私、お日様を浴びると皮膚が痛くなるから……月明かりが好きなの」

 

 カステルモールお兄ちゃんが黙って隣に腰を下ろす。私達は、昼間の破壊活動の跡地に出来た小山に寄りかかる様に並んで座る。

 

「エルザ……私は君の正体をある人から教えて貰った」

 

「…………やっぱりね」

 

 ああ……この平穏も此処までなの。

 

「それで?ガリアの騎士様は、私をどうするの?」

 

 最悪攻撃される事を想定し、体を直ぐに動かせる様に身構える。

 

「出来れば妻になって欲しいのだ」

 

「無傷で倒せると思わないでよね……はぁ?」

 

 つま?ツマ?妻?

 

「……あの、私吸血鬼だよ?」

 

 何言ってるの?

 

「そうだ!君の成長は緩慢だろう……私が老いるのは早い。でも君は……私が死ぬまでそのままだろう。それが良いのだ!」

 

 こっコイツは……人間としての本質がロリなのね!死ぬまでって、其処まで幼女好きなの?

 

「そっ其処まで幼女が好きなの?」

 

「…………」

 

 何よ黙り込んで。やっぱりコイツも幼女趣味の変態か……

 

「エルザ……私は君を1人の女性として接してきた。子供扱いもせずに」

 

「うん」

 

「私は幼女が好きなのでは無い!ちっちゃい容姿の女の子が大好きなのだ」

 

「はぁ?何ソレ?エルザ分かんないよ?」

 

「聞いてくれ。昔、私は恋をした……たまに見掛けるダケの妙齢の美女だった」

 

「幼女好きじゃないの?」

 

「しかし……彼女は、彼だったのだ!何と上司が女装してたのだ!あのホモの女装癖の腐れ外道め。男の純情を粉々にしゃがって」

 

「えっと……ご愁傷様なのかな?」

 

「それからだ!私は女性そのものが恐ろしくなったのだ……」

 

 えっと、好きな人は上司の女装のホモだった……そして女性不信になった?どうしよう……黙り込んでしまったけど。

 

「その時、私に、私の将来に光を……夢と希望を与えてくれた恩人が現れたのだ!

彼の紡ぎ出す価値観は、私の悩みを押し流し、幼い容姿の女の子の素晴らしさを教えてくれた。

私が求めるのは幼女の様に本当に子供ではない。あくまでも見た目だ!」

 

「その人って……筋金入りのペドね?」

 

 呆れた!そんな酷い変態に感化されたなんて……

 

「いや、ソウルブラザーは巨乳派教祖のオッパイ大好きなお方だよ」

 

「…………いや、それは可笑しいよ?何で巨乳好きがちっちゃい容姿の女の子の素晴らしさを語れるの?」

 

「彼は……ツアイツ殿は、このハルケギニアに君臨する性の伝道師!我らの導き手なのだよ。今度紹介しよう。君に会いたがっていたよ」

 

 そんな優しい目で見られても……ハルケギニア一番の変態性欲者には、会いたくないよ私。

 

「エルザ!私と結婚してくれ!」

 

「キャっ……」

 

 そんな、しっかり抱き締めないで。

 

「駄目だって!ちょっと待ってくれなきゃ。お兄ちゃん駄目だって……あん!そこは、まだ駄目だって……」

 

 

 カステルモールは、エルザを抱き締めて首筋の匂いを嗅ぎながら背中と……脇腹を撫でていた!

 端から見れば、どう見ても幼女にイタズラする変態だ……

 

 

 

 

 次話、完結編に続く!

 

 

 

 

「中途半端で終わらすなー!責任者を呼べー!」

 

 

 

「ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅・第四部完結編!」

 

 

 

 星降る様な満天の星空の下、カステルモールとエルザは現在……抱き合っている!

 しかし体格の差故に、カステルモールの膝の上にエルザが跨い乗り、首に手を回すダッコチャンみたいな感じだ!

 

「カステルモールお兄ちゃん……強引だよ!私、見た目通りの華奢な女の子なのに、酷いよ」

 

 艶々なエルザが甘える!

 

「いや……大分吸われたぞ。その分の元は取れたが……」

 

 こちらはゲッソリだ!そして、良い子には理解出来ない不思議な空間と会話が続いている。

 

「それで、そのソウルブラザーには何時会いに行くの?」

 

「そうだな……一度イザベラ様の様子を見てからだな。彼は今、祖国ゲルマニアに向かっている頃だろう」

 

「ふーん。イザベラ様ってこの国の王女様でしょ?カステルモールお兄ちゃんって偉いんだね。それにゲルマニアかぁ……エルザ、行った事ないよ」

 

「うむ……しかし副長以下の団員もイザベラ隊を結成し育ってきたからな。そろそろ、お役御免でも良い時期かな。それにこれからは、一カ所に留まる生活は出来ないからな……」

 

「ごめんね。私のせいで……」

 

 エルザは下を向いてしまった。小さな肩が震えているので、そっと抱き寄せる。

 

「良いんだ。ゲルマニアのソウルブラザーの下に身を寄せるのも有りだな……彼なら良いアイデアを授けてくれるだろう」

 

 パッと見上げるエルザの顔には希望が伺える。

 

「ふーん。凄い信頼してるんだね。そのソウルブラザーさんを……」

 

「そうだね。ちょっと前は、ガリアと言う国にも仕事にも愛着が有ったが……後任が育ったなら、職を辞して自由に生きるのも良いかな」

 

「うん!死ぬまで離さないから……勿論、死んでも離さないけどね」

 

 ギュッとカステルモールに抱き付く!

 

「ははは……お手柔らかに頼むよ」

 

 人と比べれば永い寿命を持つ彼女にとって、吸血鬼と言う種の違いと見た目を乗り越えてくれたカステルモールは、もう既に大切な番(つがい)だった。

 見た目の成長しない自分の為に、大国の騎士団長の地位まで捨ててくれると言っているのだ。彼を信じ、ついて行こう!

 

 もしも、裏切られたら……その時は彼の血を死ぬまで啜り、グールにして一緒に暮らそう。

 やっと安らぎを手にいれられたから、この安らぎを奪う者は許さない……

 

 

 

 

 翌朝、食卓にて……

 

 質素ながらも、村長が出来うる限りのお持て成しの料理がならんでいる。既に、ワルド殿は凄い勢いで食べ始めている。

 昨夜の件を報告してから、彼はヤサグレている。少し大人気ないぞ、同志よ……

 

「お爺ちゃん、私カステルモールお兄ちゃんと一緒にリュティスへ行くよ!」

 

 突然のエルザの宣言に、村長は思わず食器を落としてしまう。木製の皿がカラカラと音を立てている。まるで村長の心の動揺の様に……

 

「騎士様……本当に宜しいのですか?」

 

 なるべく落ち着いて威厳の有る様に話す。まさか、妻に迎える等と正直には言えないから……

 

「構わない。引き取るなら、早い方が良いだろう。子供故に順応も早いだろうし、外の世界を見るのも良い経験になるだろう」

 

 村長は、何か寂しそうな嬉しそうな顔になり

 

「分かりました。エルザ、騎士様に迷惑をかけない様にするんだよ」

 

「うん!でもエルザ、子供じゃないもん」

 

「そうだな。でもリュティスに行ったら、レディとしての教育もしなければ駄目だぞ!」

 

「エルザ、立派なレディになれるもん」

 

 何とも、ほのぼのしている空間にワルド殿の呟きが虚しく響く……

 

「同志カステルモール……自分だけハッピーエンドを迎えおって。何がレディの教育だ!

マイフェアレディを実践する気だな。私も帰ったら、男の浪漫本を読んで勉強だ!

今の私に足りない物……何が足りないのですか?ツアイツ殿、教えて下さい……」

 

 ここに、見た目歳の差カップルが元保護者に内緒で生まれた!

 

 エターナルロリータ。

 

チッパイ帝国に、サムエルの元に行けば……幸せと安全は保証されるだろう。

 しかし、付随する義務にはチッパイ巫女としてツアイツにプロデュースされるかも知れないが……

 

 妹萌え!

 

 お兄ちゃんっ子!

 

 実はまだ公開出来ないが、妹キャラの候補は2人居る。どちらの人気がより高まるかは、誰も知らない……

 サビエラ村を跡にする風竜に乗っている時に、一つの騒動が有った。エルザは日の光に弱い。

 だからカステルモールは彼女をマントで包んだ!

 

 そう!

 

 例の男の浪漫本ファンクラブの特典マント!上級会員のみに与えられる、大きなお友達の垂涎の逸品だが……

 エルザは見てしまった!そこに自分の刺繍が施されている事を。

 まだ身も知らぬ自分を正確に刺繍出来るソウルブラザーとは……本当に信用出来る人物なのか?

 

 しかも、ボンテージなプリンセスバージョンだよ?何かな?

 

 もしかして、カステルモールお兄ちゃんって……ソッチ系の性癖なのかな?

 夕べは優しいけど力強いノーマルプレイだったのに……お兄ちゃんに喜んで貰う為に頑張って勉強しなきゃ!

 

 激しく勘違いした、ロリッ子バンパイア爆誕!

 

 カステルモールの調教の日々は近いのか?

 マイフェアレディに憧れた彼が、彼女を好みの女性に育てるのでは無く、彼女にM男として調教される事になるとは……

 後ろから抱き締めて悦に入ってるカステルモールは、気が付かなかったとしても……まぁ仕方ないだろう。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 指をくわえながら、併走するブリュンヒルデにのるカステルモールとエルザを見る。

 

 何で羨ましい、妬ましい!

 

 今回は、良い所が一つも無かった……理想のエターナルロリータを目の前にして、何にも無かったなんて。

 

 しかし!

 

 今回、手伝った?からには同志カステルモールには、私とタバサ殿の仲を取り持って貰うぞ!

 


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