現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第10話から第11話

第10話

 

 そしてヴァリエール一家とのご対面

 

 食事の前に豪華な応接室に通され紅茶を優雅に頂く。

 給仕のメイド達は例の写本を実施したのか皆平均D85以上の戦闘力を備えている、ちらほらEも居るな。

 そして来客のメンバーの中で一番格下の僕が一番礼を尽くされた丁寧な接待を受けている……何故かな?

 

 ヴァリエール公爵が自慢げに自分の家のメイドを自慢している、厳ついイメージが崩れますよ。

 

「どうだ我が家のメイド達は。君のおかげで皆巨乳だろう?」

 

「教祖さまのおかげで女性としての自信を取り戻せました、有難う御座います」とニッコリ話しかけてくれた。

 

 本来なら貴族間の会話に口を挟むのは不敬だがヴァリエール公爵が鷹揚に頷いている、良いのか?

 

「君の教えと写本を元に励んだ者達は20人を越える。皆君を崇めているよ」と爆弾発言!

 

「是非直接教えを賜りたいと思いますのでお願いします」

 

 メイドさん達に拝む様にと懇願された、こんな事が世間に広まれば異端問題だ!

 

 雇用者のヴァリエール公爵もただでは済まない筈なのに呑気にお茶など飲んでいる。

 

「流石に教祖とかまずいのでやめて下さい」

 

 僕はヴァリエール公爵に文句を言ったがもう一つ爆弾を投下してくれた。

 

「実はカリーヌから彼女達は教祖と共に居るべきだと言われてね。残念だが全員引き取ってくれ、反論はカリーヌに直接頼む」

 

 烈風のカリン、実は根に持ってたのか?しかも教祖認定ですか?異端審問に掛ける気ですか?

 こんな前振りの後に会わねばならんのか彼女らに……

 

「父上体調が優れないので先にタルブ村に向かってよいですか?」

 

 父上の方を向くとそこには貧乳神を崇める修羅がいた。

 

 ヤベー父上我を忘れてる?父上は僕の両肩をガッシリ掴み……鎖骨がギシギシいってます……

 

「貴様異教徒だな。布教はしないと約束したよな。巨乳教を広めたくば乳を……いやこの父を倒してからにしろ。決闘だ!」

 

 父上ガコワレタヨー?

 

 他家で騒いで親子で決闘騒ぎ……穏便に済ます為、スクエアの力を持って父上をゴーレムの腕だけ錬金して握り気絶させた。

 

「すみません。家庭内の問題なので許してあげて下さい」

 

 家庭の問題にして頭を下げた。

 

「ツアイツ……君、スクエアに届いているよね?」

 

 ヴァリエール公爵に聞かれたが隠す必要もないので先日なれたと報告し面倒臭いので御内密にとお願いした。

 

「君は色々面白いな」

 

 としみじみ呟かれてしまった、これ以上目立ちたくはないんですよ。

 

「メイド達の受入れについては了解です。早急に手配しますが彼女らは納得しているのですか?」

 

 彼女達は仕える先が、国も変わるのに既に覚悟完了状態だそうです。

 問題は母上とナディーネ達の説得どうしようか……シエスタも連れて行くのに、結構ヤバクネ?

 

「メイド達は後で紹介させるので家族を紹介していいかな?」

 

 ヴァリエール公爵は既に自分の手を離れた様な感じでのたまった。そして烈風のカリンを筆頭にヴァリエールの女性陣が入ってくる。

 

 まず烈風のカリンことヴァリエール夫人……おっかない人だな、オーラが違うよ。胸は残念デスネ。

 

 次に長女のエレオノール……やり手お局様だね、性格キツそう。胸はこちらも残念デスネ。

 

 そして次女のカトレア……GJ神様、お淑やか天然お姉さん。胸は神様有難うデスネー!。

 

 最後に三女のルイズ……アレ?結構胸が有るよ?平均より大きいよね?原作と違いチッパイじゃないよ?アレレ?

 

 そうか!

 

 彼女は小説でも努力家だった。まさか3年間あのプログラムを実施していたのか?そして各自の自己紹介が始まった。

 

「この度は両家の和解に尽力して頂き感謝します」

 

 流石はカリン様、堂々としてるな。内心怒っているのを出さないのは流石だ。

 

「ようこそヴァリエール家に。貴方の信者達(メイド)は引き取ってね」

 

 エリオノール様は怒りを隠してない、額に井形が浮かんでいる。

 

「始めましてツアイツ様今回の件感謝しています」

 

 ……何についての感謝ナンデスカー?でもカトレア様って癒し系の巨乳だよね。

 

 最後にルイズなんだが……様子がヘンダヨ……

 

「ルイズよ、宜しくね。貴方の考案した体操って凄いのね。ちぃねぇさまと胸がお揃いになれたわ、ありがと」

 

 ズキューン!

 

 ちっこいけどチチ有りデレルイズはなんて破壊力だ、元々超美少女だしそれが巨乳になってるし……思わず見とれてしまった。

 

「ツアイツ殿は最年少で土のスクエアになった程の逸材だ。度胸も機転も有る。仲良くして貰いなさい」

 

「何なら嫁に貰ってくれても構わないよ」

 

 ヴァリエール公爵がニコニコと原作崩壊の言葉を紡いでくれました。ヤバクネ?

 ワルドこの時期何してたっけ?アンリエッタは?なんでこんなルイズになってるの?

 

 これは状況を確認しないと一気に原作崩壊で僕に死亡フラグが沢山降り掛かってくるよヤベーヤベー!

 

「ミナサン大変ウツクシイデスネ……デキレバるいず殿ト色々オハナシサセテホシイノデスガ……」

 

 やばい気が動転してカタコトの変な言葉になってる。

 

「随分積極的だな。親の前で二人きりになりたい等と言い出すとは」

 

 ヴァリエール公爵ニヤニヤしてやがる。

 

「おやおやツアイツ殿は我が娘の時より積極的じゃないのかね?」

 

 ツェルプストー辺境伯何故か不機嫌なような……父上は好みのチッパイがあの二人しか居ないので意気消沈してる、息子にのされた事もショックだったか。

 

「ツアイツ殿、今日はもう遅い。明日にでもルイズに屋敷内でも案内させよう」

 

 心の友、ヴァリエール公爵がその場を纏めてくれた。

 その夜、宛がわれた部屋で休もうとすると信者ズが僕付のメイドとして甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。

 

 でも1人に対し10人て多くね?明日交代でまた10人来るの?そうですか、流石に添い寝とかはさせてませんよ。

 

 そんな不埒な事をこの屋敷で行えば普通に死ねるから……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 今日あの教典の作者に会えた。(※既に写本は教典になってます!)

 

 彼はゲルマニアの貴族だけど野蛮な感じはしなかった、同い年なのに既に土のスクエアなんてビックリ!

 しかも今回の件も中心的な役割を担い王宮の勅使や枢機卿にも一歩も引いてなかった。

 

 でも私と喋ると恥ずかしがり屋さんみたいにアゥアゥしてた。

 

 ツアイツのお陰でエレオノールねぇ様に苛められても私の方が女性らしいので優越感が有りそんなに落ち込まなかった。

 

 久しぶりにお会いしたワルド様は絶望して両手を床に付けて慟哭していたけど、彼に何が有ったのかしら?

 

「ルイズ……君(の胸)に何があってそんな物が……」

 

 とか凄くショックみたいだったけど何がそんな物なのかな?

 

 魔法が失敗しても周りに同じ信者の皆が励まし支えてくれた、哀れむ様に接してきた他の使用人には彼女らが制裁してくれたし。

 でも皆居なくなっちゃうのよね、私も皆と離れたくないから一緒に行きたいけど……そうだ朝一番でお母様にお願いしてみよう。

 

 

 決定権は父親より母親に有るのか?

 

 公爵家での父親の地位って、そしてツアイツの公開処刑のフラグが立った。

 

 

 朝食後、ヴァリエール夫人……いや現役時代の仮面を付けた烈風のカリンより決闘を申し込まれた!

 

「ツアイツ殿、信者だけでなく娘まで連れて行こうとするならば私を倒してからにしなさい」

 

 はい?初耳ですし誰が誰を連れて行こうとしてるのですか?僕は初耳ですよ?

 聞く耳を持たないとはこの事か……あれよあれよと言う間に練兵場?

 のような場所に連行され現在進行形で烈風のカリンと向き合っています。

 

 ルイズが信者を従えニコニコと応援してくれますが君ですかこの訳ワカメな状況の犯人は?

 

「随分余裕ですね。応援団まで呼ぶとは……では死になさい」

 

 なんだか分からないが、決闘が始まってしまった。生き残る為に本気で……って勝てる訳ねーって!

 

 兎に角、この場を何とかしないと本当に殺されちゃうので僕は特訓の成果を試す事にした。

 

「錬金!」

 

 僕の周りの地面を抉る様に錬金した鋼鉄のインセクトゴーレムこれが修行の成果だ。ゴーレムの操作は劇で嫌と言うほど練習した。

 関節の構造とかお構いなしに動くことが出来る、流石はイメージ重視。

 人型よりは安定も攻撃力も有る全長4mの蟷螂を4匹錬金し四方からカリンに突っ込ませた、そして次の魔法を準備する。

 

 アレだけじゃカリンは止められない、合計8本の鎌が一斉にカリンを襲う。

 しかしカリンは上空に飛ぶ事で交わし一気に此方との距離を詰める気だ。

 

「あまい」

 

 蟷螂は飛べるんだよ!飛び上がりカリンに追撃をさせるがカリンはブレイド一閃ゴーレムをバラバラに切り刻む。

 バラバラとゴーレムの破片の落ちる真ん中に着地したカリンは全然余裕だ、何か言う前に切り刻まれた破片に再び錬金をかけ黒色火薬にし着火する。

 

 周辺に破裂音と黒煙が充満するが、あっさり避けられて後方に飛びのくカリン。

 

「なかなか面白いゴーレムですね、動きも良い。しかし私には通じませんよ」

 

 そう言ってフライで真っ直ぐに突っ込んで来た、赤くもないのにスピードは通常の3倍だ!

 

 僕は足元から花が咲く様に広がる岩の柱を錬金し更に現代のクレイモアを真似て地雷にし自分の周りにセットしタイミングを伺う。

 自慢じゃないが運動神経など良くて平均、接近されたら負けだ。

 

 某合法ロリっ子吸血鬼が言った通り砲台に徹する。しかし魔力が切れたときが敗北の時……勝つイメージが浮かばないんですよ。

 

 あっさりと土の柱をエアハンマーで吹き飛ばすが、地雷原に入ったのを確認すると似非クレイモア発動!

 周囲から指向性をもった鉄の散弾が彼女の周囲に殺到する、流石に避けられないと思ったのか風の防壁?で散弾を防く。

 

 ……やっぱ化け物だな、まだ決闘が始まってから30秒位か?

 

 もう魔力は半分以上使っている、ゴーレムによる正攻法は駄目、カウンターも不意打ちも駄目、あとはどんな手がある?

 

 これだけ攻撃しても彼女はマントに付いた埃ろ払っている程度のダメージ……どこまでも余裕だ。

 しかし決闘を止めてはくれないんだろうな。

 

「今までに見たことも無い魔法ですね。しかし、もうお終いですか?では終わりにしましょう」

 

 背中がゾクゾクするね全く、そして僕は最後の切り札を切った。

 

 

第11話

 

 

 残りの殆どの魔力を注ぎ込み究極の錬金をする。土と水の合体魔法、透明度の高い氷でブーメランを錬金していく。

 もとの世界ではオーストラリアの原住民が狩猟用として使っていたのが有名だが、実は手元に戻ってくる様なタイプは攻撃力が低いし、敵に当っても戻って来るなんて事はまずない。

 直進又はカーブして目標に当てる、回転と遠心力で破壊力を増す射撃用の武器と僕は思っている。

 

 しかし、ここでレビテーションを応用すればエアカッターとかと違い、投擲後に任意で向きを変えられる質量のある武器になるのだ。

 都合30枚長さは60cmの氷の刃があらゆる軌道で一斉にカリンに殺到する。

 更に2陣目を錬金し投擲、そして1陣目でかわされた刃の軌道を変えて襲わせる。

 

 合計60枚。

 

 向かい合っている僕には彼女の死角になる位置に誘導する事が出来るが……馬鹿な、半分近く落とされたよ。

 

 更に3陣目を錬金し投擲、もう制御は一杯一杯なのだが流石は烈風のカリン!

 

 後ろにも目が有る様に当らない、このままでは全て落とされるのも時間の問題だろう。

 僕は一斉に彼女に向けて誘導すると、刃から制御を切って突貫する。

 

 一瞬でも隙が出来れば、彼女にブレイドを突き付けて終わりにする、そして僕は強い衝撃を受けて気を失った……

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 最初は少しお灸を据えようと思った、主人に良くない事を吹き込む変わり者のゲルマニア貴族。

 しかし芸術面での才能は有るみたいで、彼の著書は全て主人から強奪して読んでみた。

 勿論例の写本も隅々までくまなく読んで、理論的の裏付けと実践の方法はアカデミーで働く長女も唸ったほどだ。

 実際に私たち二人以外に効果は覿面だし、ヴァリエールの血統には効果が無いのかと思えばルイズは……巨乳となり、平民のメイドだが心を許せる仲間を得たのだろう。

 

 以前の落ち込んでる様子はなりを潜め性格もカトレアに似てきた、母としては微笑ましいが女としては妬ましい。

 

 あんな脂肪の塊などモギッてしまいたい。

 

 そんな感情を抱いていたら当人が来るとの事、しかも何時の間にかツェルプストーとの橋渡し的な役目も担っている。

 嫁いで来た私にはかの家に特別な感情は無いのだが娘たちは……特に長女は周りからも囁かれたのか良い感情を待ってないみたいだ。

 

 噂通りの変わり者だが、王宮勅使や機軸卿を丸め込めるのを見ると政治的な才能も持っているのだろう。

 あとは魔法だが、ルイズと同い年で既にスクエアとは驚きました。

 しかし実際に戦ってみて分かったが、発想は凄いが、経験や精度・駆け引き等まだまだですね。

 

 貴族は軍属でなければ前線で戦う事などまず無い。

 

 それでも中遠距離の魔法には驚かされたので特にマイナスとは言えないでしょう。

 後に聞いてみたのですが、土のスクエアなら普通風のメイジに対し巨大なゴーレムを仕掛けてくるのが常套手段ではと聞いたら笑って

 

「そんな手垢の付いた戦法が、烈風のカリンに通じる訳ないじゃないですか」と嬉しい事を言ってくれる。

 

 多分、実の父をしばいた精度のゴーレムを単騎制御すればそこそこ戦えたとは思うのですが……

 まぁルイズの婚約者候補となら認めても良いでしょうし、義母になれば例の研究を効果が出るまで続けさせても文句は言わないでしょう。

 そうすると我が家を継ぐのが、ルイズとの子供になるのでしょうか?上の二人は結婚は難しそうですし早く孫を作らせた方がよいのかしら?

 

 それとももう一人位頑張ろうかしら。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 お母様にメイド達とツアイツの所に行きたいって言ったら「まだ早いです」と叱られてしまった。

 

 別れたくないから言ってしまったが後から考えれば、ツアイツに嫁ぎたいって言ってるみたい。誤解されたかな?

 朝食後に突然、お母様がツアイツに決闘を申し込んで驚いた。

 

 もしかしてツアイツが勝つと結婚オッケー?

 

 ツアイツと母上の決闘は、なんて言うか凄かった。

 

 最初に錬金したゴーレムは、見た事ない虫みたいでしかもゴーレムが飛んだの!

 

 お母様が切り刻んだあとはいきなり爆発しちゃうし、その後、お母様が接近したら……なんていうのか土のツララ?が沢山生えてお母様の進路を阻んだ後にまた爆発した。

 

 ツアイツは爆発好きなのかな?私の失敗魔法も笑わないかしら?

 

 その後は氷のキラキラした羽みたいなのが、お母様の周りを舞っているみたいで綺麗だったけど父上が一つでも当れば大怪我だと言っていた。

 流石にお母様も真剣な表情で避けていたわ、でも最後に何故ツアイツはお母様に突撃したのかしら?

 

 あっさりエアハンマーで吹き飛ばされていたわ。

 

 あっツアイツの目が覚めたみたい。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 僕は宛がわれた客室で目が覚めた、メイドズとルイズが看病してくれたみたいだ。

 

「お母様が婚約者候補なら認めてくれるって言ってたわ。私の為にあんなに頑張ってくれたんですもの、当然よね」

 

 あっさり負けた事を恥ずかしくて謝ったがルイズが輝く笑顔で抱きついてきた。

 如何してこんな状況になってるんですか?玉砕覚悟で突っ込んでから記憶は無いんだけど……まぁ普通は負けるよね。

 

 あんな伝説の女傑に勝ってしまった方が、色々問題だし。

 しかしルイズと婚約なんて流れは……下手をすればトリスティン王国の崩壊の危機だよ。

 原作通りに進んでくれないと、あんな敵役の矢面に僕が立たされてしまうのは嫌だし無理。

 

 僕はやんわりと彼女の両肩に手を添えて体から離す。

 

「負けちゃったね。どれ位気絶してたのかな?」

 

「大体3時間位よ。皆は客間に居るらしいけど、もう立てるの?無理しないでね」

 

 くっこのデレルイズの破壊力は抜群だ!しかしここで流されたら最悪の結末を迎えるから何とか有耶無耶にしないと……

 

「もう大丈夫だから皆の所に行こうか」

 

 この雰囲気を切り替えないとね、ルイズを伴いメイドさんに父上の所に案内してもらったのだが……応接室?の中から怒鳴り声が聞こえます。

 

「ツアイツはウチのキュルケと一緒にさせるのだから、割り込んでくるなヴァリエール!」

 

「はっ!略奪愛は貴様のお家芸だろうがツェルプストー、真似されて怒ったか?だがアレはルイズに一目惚れだぞ」

 

「あー確かに息子の好みだなあの子は……でもうちの跡継ぎなんだし、どっちにもやらんぞ」

 

「「なんだウチの娘に不満があるのか!」」

 

「どっちも跡継ぎ的に問題有るだろ」

 

「あーうちは平気だ!もう一人こさえるから。側室も増やすし、今度は男子を授かるまで頑張るさ」

 

「くっ色ボケのツェルプストーめ。ウチだってルイズの生んだ子供の一人を貰って、跡を継がせれば問題ないわ」

 

 ちょっとマテや!

 

 僕は可愛いモブッ子ハーレムを目指すから、原作キャラとは一緒にならない予定なんだよ。

 

「お待ちください。僕は未だ結婚などは考えていません」

 

 部屋に入り口喧嘩真っ最中の親父ズに怒鳴った!

 

 だが脇腹に激痛が……ルイズさん、抓ってませんか?

 

「ツアイツは私との婚約は嫌なの?」

 

 表情は可憐ですが態度に原作開始時の面影を感じます。

 

「そうじゃない聞いてくれ。僕にはまだ結婚なんて考えられないし、お互い早いと思うんだ。ルイズも婚約者が既に居るんだろ」

 

「ワルドさまの事?

でも先日お会いしたら、僕のルイズじゃないとショックを受けられて帰ってしまわれたわ。破談でしょ?」

 

 ちっアイツ原作通り真性のチッパイ・ロリコンか……アルビオン編どうやって修正するんだよ?

 

「どちらにしてもせめて魔法学院を卒業してからの話にして下さい」

 

 取り敢えず先送りにしよう、もう何か疲れたよ。

 

「ツアイツ殿はゲルマニアにお戻りになられるなら、ルイズは不利になります。公平にするなら魔法学院はこちらに留学なさい」

 

 カリンさまどこに居たんですか?原作時にはトリスティンには居たくないんですよ色々有るから。

 

「ではキュルケも同時期に留学させよう。これで公平だな」

 

 ツェルプストー辺境伯が止めを刺してくれた、もう留学せねばならぬ流れですよ。

 

「父上、留学の件、大丈夫ですか?」

 

 一縷の望みを託して話し掛けてみる。

 

「ツアイツは既に学業も魔法も水準以上だし留学しても恥は掻かないだろう。構わないがアデーレには許しを貰えよ」

 

「分かりました。トリスティンの魔法学院に留学出来る様に母上を説得します」

 

 こうして強制的に、原作の中心に係わる様になってしまった。あと2年ちょっとでどれ位の準備が出来るのか……

 少なくとも戦闘経験は積まないと、あっさり死にそうだ。

 

 最低でもサイトは召喚してもらい、彼を補佐して原作に沿ってストーリーを進めてもらわないといけないな。

 しかしルイズの性格は既に変わっているしキュルケも微妙だ、ワルドも今更アルビオン探索に同行してくるのか?

 

 既に自業自得でこんなに介入してしまったからには、腹を括るしかないよな。

 こうしてヴァリエール公爵家の訪問で得た物は、半分公認なルイズとの婚約の件と20人のメイド達だった。

 

 流石にKYでシエスタお持ち帰りは控えたが、後日ちゃんと回収しました。

 シエスタはTV版のそばかすの無い可愛い巨乳ちゃんで、勿論色々と好感度をあげてから家に来て頂きました。

 

 原作ヒロインの一人を引き抜いてしまったけど、全然後悔はしていない。

 これからも魔法学院入学までに、出来る限り鍛錬し準備をしよう。

 しかし正妻候補があの二人とは、サイトの奴に恨まれるだろうな……

 

 でもアイツにはティファニアやアンリエッタフラグも有るし何とかなるかもね。

 根はヘタレで流されやすいし、上手く誘導して原作の流れに持っていこう。

 

 その分のフォローはすればギブアンドテイク!

 

 念の為、ルイズとキュルケには手を出さないでおこう、貴族的考えだと既成事実→即結婚だよね!

 

 流石にそれは不味いと思うんだ。

 

 

挿話1

 

 

2人のヒロイン候補の独白

 

 

 初めて彼に会った時はどう対応して良いのか分からずに、小さな声で俯いてしまったわ。

 私の周りには、異性の同い年の友達なんて居なかったから……遊んでくれるのは、年上の使用人達か下級貴族の女性ばかり。

 

 今思えば分かるわね。

 

 当時の同い年の子供など、幾ら言い含めても上位者たる私のご機嫌伺いや安全など考えもしないでしょう。何か有ったら大変だ。

 だから思慮分別の付くまで成長した、格下の相手としか接してなかった。そんな時にツアイツに出逢ったの。

 後でお母様に聞いたら、直接合わせる前に他の貴族の子供達もそうとう調べたらしいわ。

 

 唯一合格したのがツアイツだけだった。

 

 確かに初めて会った時からリードされっぱなしだったけど、さり気なく何時も気遣われていたわ……毎日が新鮮で、あんなに笑ったのも初めてだった。

 彼の話や仕草は全てびっくり箱で、何時もその行動に驚かされたわ。寸劇では斬新さや内容にも感動したり驚かされたり。

 知らない内に2人で色々な貴族の所に呼ばれ劇をしたわ。

 

 劇の後でパーティーは主賓扱いだったけど、挨拶に来る貴族の子弟達と話しても全然楽しくないの。

 普通主演男優は主演女優をエスコートする物なのに、ツアイツったら大人の貴族達に混ざり普通に会話をしていたわ。

 

 そこで知らされた私とツアイツとの差。

 

 何度目かの公演で呼ばれたハーナウ家のメイド達が、彼に向ける忠誠心の凄さ。どれも普通じゃない事を思い知らされた。

 彼と私との差ってなんなのかしら?彼の見る世界を私が見る事が出来るのか……

 暫く我が家に滞在していたけど、その間もお父様とお母様の難しい話にも普通に参加してるし、執筆している新しいお話も途中で読ませて貰ったけど凄く面白いの……

 続きがとっても気になるわ。

 

 そして聞いてしまったの、お父様とツアイツとの会話を……

 

「ツアイツ、ウチのキュルケとは上手くいっているようだね」

 

「ええ、キュルケ嬢は良い子ですよ。頭の回転も機転も良いですし」

 

「そう言う話じゃなくて、男と女としてどうかと聞いているんだよ」

 

「まだ子供に何を言ってるんですか?そんな事考えられないですよ」

 

「ツアイツ……私は君を普通の子供だなんて思ってないよ。君も分かっているだろう?自分は普通とは違うと」

 

「買いかぶり過ぎです、僕はまだまだ子供です。それに結婚相手は自分で決めるつもりでいますから」

 

「もうそこで普通ではないだろう、私の娘を要らないなんて普通言えないぞ」

 

「彼女は将来素晴らしい女性になるでしょう。僕ではとても釣り合わないですよ」

 

「大人を煙に巻くか……まぁ良い、しかし君の父上は何とかしろよ。我が娘を見る目が怪しかったぞ」

 

「すみません。自重させます」

 

 ツアイツのお父様の見るあの怪しい目が、雄が雌を見る目なのね……ツアイツは、お母様が私を見る目と似ている。

 

 保護者の目……慈しむ目……でもけして対等ではない、一線を引かれた関係。

 

 私はツアイツからは大切に思われているけど、1人の女性としては見られてないのね。

 少しショックだけど、ツアイツのお父様の生々しい目よりは全然マシだわ。

 将来性は有るって言ってくれてるし、頑張って自分を磨きましょう。この胸の奥にくすぶる気持ちを貴男に向けるわ。

 

 まだ燃え盛らない私の準備期間の気持ち……そうね。

 

 まだ微熱だけど、もう直ぐ貴男を取り巻く業火になるかも知れないわよ。覚悟なさいねツアイツ。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 初めてツアイツの存在を知ったのは……

 

 お父様があの憎っくきツェルプストーと和解する準備をしてると、エレオノールお姉様が話していたから。

 ゲルマニアは野蛮な国で成り上がりだと何時も聞いていたから私もそう思っていた、そんな事より私には大きな悩みと問題が有ったの。

 

 貴族なら皆が使える魔法が私が唱えると全て爆発してしまう、もう何人もの家庭教師に匙を投げられた。

 

 ヴァリエール家の落ちこぼれ……

 

 みんな表面上は心配や同情をしてくれるけど、本心はそう思ってるはずよ。

 そんな中で何か1つでも、何時もチビルイズと苛めるエレオノールお姉様より秀でた物が欲しかったの。

 暫くしてお母様とエレオノールお姉様が、部屋に篭もり何かを内緒でしているの。

 こっそり見たら夢に見たら魘される様な必死な形相で、何か体操の様な事をしていたわ。しかも毎日よ。

 

 これは何か有ると思ったけど、そんな顔をしているお母様達には直接聞ける訳ないもの……ある日、両親が言い争ってるのを聞いてしまったの。

 

 何でもゲルマニアの同志から女性らしくなる体型の写本を入手したお父様が、お母様とエレオノールお姉様に実践させたけど効果が無いって、お父様がお仕置きされていたわ。

 暫くして折檻したお父様を治療する為に、お母様がお父様を引きずって出て行った隙を見て写本?をこっそり持ち出したの。

 

 しかしまだ字が読めなかったので、何時も励ましてくれたメイドに読んで貰ったんだけど……

 彼女が内容を確認していく過程で興奮して他のメイドも呼び集め、知らない内に10人位集まってその体操や食事療法を実践してみる事になったの。

 

 だけど他の皆には内緒で……

 

 だってあんなに必死だったお母様やエレオノールお姉様に知られたら、叱られると思ったし何か見返してやるまでは教えたくなかったの。

 最初は効果はなくて諦めかけてたけど、1ヶ月後から少しづつ実感出来る様になるとどんどんのめり込んでいったわ。

 そして同じプログラムを実践しているメイド達とは、奇妙な連帯感が出来たの。

 苦労を共にする事で、彼女達使用人との間に有った壁が無くなったと言うか。

 兎に角彼女達を名前で呼ぶようになり彼女達も私に対して口調や態度は敬うけれども、その中に親しみを感じる様になったの。

 

 

 そして3ヶ月が過ぎる頃には、お母様とエレオノールお姉様が手に入れる事が出来なかった「ないすばでぃなルイズ」になれたのよ。

 

 

 この達成感と初めて味わう優越感はサイコー!そしてこの写本の作者に最大の愛と感謝を……

 

 魔法は相変わらず爆発してしまうけど、気持ちの通じ合う仲間と女性らしさを手に入れる事が出来たわ。

 周りの態度も私を見る目が直ぐに胸元に来るのは仕方がないと思うけど、レディとして扱う様になったわ。

 

 魔法が失敗でもこの「ないすばでぃ」には男は適わないって事ね。

 

 それにエレオノールお姉様と一緒にお風呂に入った時の優越感ったら……ねぇ。

 

 お母様は……この胸をもぎられそうになったわ。

 

 アレハホンキノメダッタワ。

 

 最近はちぃ姉様と2人で、美人巨乳姉妹とパーティーでは人気なの。そして遂にツアイツが、我が家に来る事になったわ。

 あれから何冊かの彼の執筆の本を読んだり劇も見に行ったして、お父様とのお話の中で出てくる彼の武勇伝は楽しみだったわ。

 彼に直接会えたら何を話そうかしら、先ずはお礼よね。

 

 素晴らしい仲間と体型と自信を付けさせて貰った事に。

 

 

 

 

 完全な遊びで書きました。本編にはあんまり関係しないので、読まなくても問題有りません。

 苦情も出来れば受付ません。変態万歳な作品ですから……

 

 

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挿話2

 

 

ちっぱい勇者サムエルの伝説!

 

 

 外伝と言うか巨乳ばかりが乳ではないとご意見を頂きましたので、貧乳・微乳の勇者サムエルのお話を構想と制作共に通勤電車内で計60分です。

 

 今回はツアイツの父である私、サムエルの自慢話に付き合って貰おう。実はツアイツは後妻との間に出来た息子だ。

 小さい頃に我が愛妻アデーレとのにゃんにゃんに邪魔なので、メイドに預けて寝かしつける内に添い寝をしなければ寝れない子になってしまった。

 しかもちっぱいなメイド達は私の寵愛を何時でも受けれる様に待機だったので、必然的に巨乳なメイドに世話をさせてしまったのが失敗だった。

 奴は豊かな乳に挟まれなくては寝れない異教徒に育ってしまった……

 

 まぁそれについては反省しているが、後悔はしていない。

 

 自分の女を息子とはいえ他の男の側には差し向けないし本妻の子供を愛妾がどう思うかなど……考えれば解るだろう。

 息子の安全の為にも、接触させる訳にはいかなかったのだ。

 そんな訳でツアイツの周りには巨乳が集まり、必然的に奴は巨乳派となったのだ。

 そして成長した息子は、その卓越した才能をとんでもない方面に向けやがった。

 

 人類総巨乳化計画……

 

 この計画書を奴の机から発見した時には、父として差し違えてでも阻止しなければならないと心に決めた。

 しかし内容を把握せずに糾弾も出来ないので、仕方無く計画書を読みふけった……

 我が息子ながらこれだけの才能を何故、無駄遣いするのかと思う程の内容だ。

 これではスラリとしたたおやかな女性が居なくなり、凸凹体型の女共が蔓延る世紀末に……

 

 くっ、直ぐにでも奴を問い詰めねば!

 

 息子を探すと、アデーレの膝の上で魔法の練習中だった。

 

 嗚呼……アデーレ、君は僕の宝石だ!

 

 今晩も寝かせないぞ……ハァハァ

 

 あんな事やこんな事を……ハァハァハァ

 

 あまつさえこんな事も……ハァハァハァハァ

 

 はっ?何をしていたんだっけか?あまりのアデーレの美しさに一瞬記憶が……

 そう、アデーレを初めて見たのは、配下の貴族達を呼んだパーティーの時だった。

 ケバい年増の女達の中で、彼女の周りだけが神聖な森の中の泉の如く清らかな空間が出来ていた。

 

 まだ幼さの残る彼女だが、儚げでたおやかでスラリとした容姿のまさに宝石の輝きだった!

 今回が社交界デビューと聞いて、他の誰にも奪われたくなくその日に求婚した!

 

 それからの日々はまさに薔薇色の性活……いや生活だった。いまでも変わらず彼女は素晴らしい。

 

 そんな母親にも危害を加える様な計画など、この私が潰してみせる!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 洒落で書いた人類総巨乳化計画書が、ビリビリに破かれていた……

 

 某新世紀なグラサン髭親父のポーズで「ふっ問題ない!」ってふざけてポーズを決めてみたら……

 

「問題だわボケがー!表に出ろツアイツ。貧乳は微乳にあらず、美乳と言う事を神に変わって叩き込んでくれるわ」

 

 父上が乱入して来た、父上からは漲る闘気が立ち上っているのが見える。そして首根っこを掴まれ窓から外に放り投げられた!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 息子と話し合ってみようと部屋を覗いて見れば、つい破ってしまった計画書を前にしても……問題ないだと!

 

 既に計画は進行しているのだな、良いだろう。言葉で通じぬなら拳で語るまで!

 

 今は我が息子ではなく、異教徒として改心するまで殴るのみ!

 

 

「いざサムエル・フォン・ハーナウ、参る」

 

 

 結果として魔法の才能が豊かかもしれんが、実戦経験の無い息子などチョロいわ!

 

 ゴーレムで押さえつけてお尻をペンペン叩きながら、ちっぱいの素晴らしさを語りツアイツが「人類総巨乳化計画」を断念すると言うまで、お仕置きを続けた。

 

 ふっ……ハルケギニアの平和は、こうして私が守ったのだ。

 

 しかしあやつは、アデーレに告げ口すると言う暴挙にでおった。

 暫くアデーレとのにゃんにゃんを断られてしまったが、後悔はしていない。

 

 これも放置ぷれいと言うやつじゃ。

 

 アデーレは確かに素晴らしい女性だが……ほら、毎日美味しく物ばかり食べてしまっては、いずれ飽きるかも知れん。

 

 なのでこの焦らし効果は抜群なのだ!だから暫くは我慢するつもりだ。

 なに、アデーレも真面目にしていれば一週間も掛からずに許してくれるだろう。

 こうして息子とは何度となく拳で語りあったものだ。

 

 8歳迄は私の全勝だったが、流石に土の魔法を覚えだしてからは苦戦した。

 

 しかし奴の巨乳化プログラムでも体に悪影響を及ぼさない女性が現れてからは、息子の言う住み分けと言う考えを理解した。

 

 彼女らには遺伝子でちっぱいが組み込まれている、永遠の妖精達なのだ!

 

 それを選別出来ただけで良しとしよう。まだまだ息子には家督は譲らない。

 

 

 サムエルちっぱい帝国は永遠なのだ!

 

 

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とにかくサムエルさんの変態ぶりが強調された、作品になってしまった。実は作者的には、彼が一番のお気に入りなのです。

 

ちっぱい帝国永遠なれ!


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