現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第78話から第80話

第78話

 

 こんばんは、ツアイツです。

 

 現在、魅惑の妖精亭に居ます。夏期休暇を前に、関係者で打ち上げをする為に。

 既に当初メンバーに入っていない、ワルド殿やカステルモール殿も居ます。

 後から、ルイズ、キュルケにモンモランシーとワルド殿に呼ばれたミス・タバサが来る予定。

 皆が集まる迄の暇つぶしで、我らの漢度を図る為にデルフで遊んでいます。

 

 そして次は、カステルモール殿の番です!

 

「いざ、逝かん!」

 

 漢カステルモールが、むんずとデルフを掴む。こちらも、刀身が微妙に光りだした。

 

「おでれーた!コイツも、さっきの変態と同じだ。幼女に劣情してやがる!誰だよエルザって?どう見ても五歳児だしー!いやー、ペドは犯罪だろー」

 

 てか、ちょっと待ってー!エルザって、あのエルザなのか?

 

「ふはははは!エルザ殿は、少し前に任務で出会ったサビエラ村の妖精よ!エルザ殿、お兄ちゃんは頑張るぞー!」

 

 デルフの刀身に妖しい光りが増していく……そして、あのエルザらしかった。

 

 流石だ!カステルモール殿、何時の間に、エターナルロリータに接触したのか?まさか、咬まれてないですよね?

 

「いやー!さっきの変態より、もっとヤバい!妄想が更にヒデーよ」

 

「ふはははは!これが、エルザ殿との未来予想図よ!」

 

 デルフを握り締める手に力をいれて、最後の妄想を叩き込むカステルモール殿。

 

「もう……もう無理。オレっちは汚されちまったよ……えぐえぐ、もう殺してくれ……」

 

 己が妄想を叩き込み終えたカステルモール殿は満足気だ!

 

「どうだ、デルフよ!ワルド殿と、どちらが上なのだ?」

 

「そうだぞ、デルフよ!カステルモール殿と、どちらが上なのだ?」

 

 妄想を終えた、賢者タイムの2人に詰め寄られ、剣なのに涙が見える程、落ち込んだデルフに追い討ちをする。

 

「「勝負がつかねば、第2ラウンドに逝くのみ!」」

 

「イヤー!危険度は後の奴だからー!もうやめてー」

 

 デルフ堕つ……カステルモール殿は勝ち誇った顔で「これで勝負は1勝1負の五分ですな」とワルド殿の肩をバンバン叩いている。

 ワルド殿も「流石はカステルモール殿だ!」と、彼を讃えている。

 

 己がライバルの力量を確認しあえたからか、熱い握手を交わしている。何て迷惑な2人だ……

 

「えぐえぐ……汚された……もう綺麗な体には戻れない……オレっちは汚されちまったよ」

 

 咽び泣くデルフを優しく持ち上げる。

 

「デルフ……ご苦労様。次は僕だよ」

 

 デルフを握り直すと、正眼に構える。見よ!平成のサブカルチャーを納めし我が妄想を……先程はダメだったが、今回はじんわりと刀身が輝きだした!

 

「おでれーた!兄さん、さっきよりも心が震えてるぜ!こっこれは……この性癖は普通だ!普通におっぱい大好きな波動を感じて……

いや、普通じゃねー!何だ、このおっぱいに対するスゲー思い入れは」

 

 僕の握り締めたデルフから、先程の2人よりも明らかに強い光りを刀身が放つ!

 

「おでれーた!おでれーたよ!何なんだ、この妄想は!ロリやペドじゃない。

普通の範囲に収まらないが、心の底から安心して湧き上がる激情は!俺はノーマルで正しい!正しかったんだー!」

 

 更に、妄想を込める!

 

「嫌じゃないけどイヤー!こんな感覚を覚えちまったら、男になんて触られたくねー!ビバおっぱい!」

 

 完全に本来の姿を表したデルフ。しかも、乳の素晴らしさに感じ入ったのか、ご機嫌な様子。

 

「流石は兄さんだ!あの変態野郎共の薄汚い妄想を吹き飛ばす、素晴らしさたぜ。今なら声を大にして言えるぜ。ビバおっぱい!」

 

 僕は、デルフを右手に持ち替え天に突き上げる!

 

「「流石ですな!ツアイツ殿は、一味も二味も違いますな!」」

 

 拍手をしてくれる2人。ここに、3人の漢達の妄想が終わりデルフに安息が戻った!勝者はツアイツ!

 先の2人の時代の先端を走り過ぎた妄想より、古来より男性諸君に安らぎを与える大いなるおっぱいが勝ったのだ!

 

「お前らもう俺に触るな!兄さんか、女性にしか触られたくねーぞ」

 

 そして、後に性剣デルフリンガーと讃えられたツアイツの愛剣が生まれ……あれ?

 

「デルフ……正当な使い手を探さなくて良いの?」

 

「兄さん、もう兄さん以外の男に触られるなんてゴメンっすよ。そして出来れば、巨乳な剣士に使われてーっす。激しい体捌きで、揺れるおっぱいを眺めたい!」

 

 ……サイトすまん。ヒロインどころか、相棒まで奪ってしまったよ。しかも、すっかりインテリジェンスエロソードだ!

 

「あら、女性なら良いのね?」

 

 ずっと見守っていた、シェフィールドさんが最後にデルフを掴む。

 

「嗚呼……姉さん、立派な双子山ですね!……姉さん?その妄想は何なんですかい?いや、相手はそんな青髭と?すげー甘酸っぱいっすね。

えっ、兄さんが混じってますけど?3P?うわぁ……おでれーた!でもこれは、これで有りですぜ!いやぁ……ご馳走様でした、姉さん!」

 

 不吉な台詞も聞こえだが、にっこりと鞘に入れてデルフを返してくれたシェフィールドさんには、何も言えなかった。

 貴女の中で、僕は義弟ではなかったのですか?その慈愛に満ちた微笑みに邪な物は無いですよね?

 

「どうしました?ツアイツ様、私をじっと見つめて?」

 

「……いえ。信じてます、信じてますからシェフィールドさん」

 

「…………?ええ、私は貴方を裏切りませんわよ」

 

 シェフィールドさんの表情には、邪なエロさは無い。良かった。僕の勘違いか……そうだよね。

 ジョゼフ王狙いなんだから、僕の事は弟みたいな物だよね。

 

 デルフめ!

 

 疑わしい台詞を吐きやがって、後でワルド殿とカステルモール殿に持たせてやるからな。

 アルビオンより高く反省しろ!さて、そろそろ他の連中も来る筈だ。

 女性陣が集まるから、シモネタ騒ぎはこれでお終いにしないとね!

 

 

 

第79話

 

 chaos カオス かおす?

 

 こんばんは、ツアイツです。

 

 今は「魅惑の妖精亭」にて大宴会中です。これほど無礼講って宴会も珍しい位に盛り上がってます!

 

 参加メンバーは……

 

 まず貴族組がゲルマニア組は、僕とキュルケ。トリステイン組は、ルイズとモンモランシーにワルド殿。

 ガリア組が、カステルモール殿とシェフィールドさん?にミス・タバサ

 

 平民組がタルブ村から、ソフィアにジェシカに筋肉オカマ……それとビスチェウェイトレスさん達で、お送りしてます。

 それぞれが、少人数で纏まり話に華を咲かせております。

 

 見渡して……

 

 先ずは珍しい、シェフィールドさんとソフィア、ジェシカです。

 今夜のシェフィールドさんはグラマラスなスレンダーラインの黒のドレス姿!

 ジェシカは淡いブルーのビスチェでソフィアは白を基調としたセーラー服。

 全く纏まりの無いメンバーですが、シェフィールドさんを左右から挟む様にタルブチームが攻めてます。

 シェフィールドさんも満更では無さそう。

 

 会話の内容は……

 

「シェフィールドさんは、そのジョゼフさんと結ばれる為にツアイツ様と頑張られているのですねー!」

 

「だぁーいじょーぶ!ツアイツ様なら、何とでもしれくれまーす!」

 

 珍しい絡み酒、美少女2人に曖昧な笑みで答えているシェフィールドさん。

 てかジェシカが、接客業の彼女が、あんなに絡むなんて初めて見た。

 

「「シェフィールドさん聞いてますか?」」

 

「はいはい。聞いてますよ」

 

「「それでですねー」」

 

 2人とも、しっかり者だしお姉ちゃん的な存在が嬉しいのかもね。……少し放っておいてあげよう。

 

 次はミス・タバサ。

 

 淡い黄緑のショートラインのキュート系ドレスだ!

 髪の毛の色とマッチして、清楚な美少女なんだが……凄い勢いで料理を食べていると言うか、呑み込んでいる。

 食べ物の容積と胃袋の容積に差が有りすぎるんだけど……魔法か?魔法なのか?

 ワルド殿とカステルモール殿が、脇で競う様に取り皿に料理をよそっては渡すと言う、ある意味凄い不思議な空間だ!

 2人とも、ロリコンだし貧乳的な美少女の存在が嬉しいのだろう。

 こちらも少し放っておく。

 

 そして、さっきまで僕を囲んでいたルイズとモンモランシーだが……

 

 ルイズも同じくビンクのショートラインのドレス。こちらはマーメードタイプだ!

 モンモランシーは薄い紫のロングトルソーのドレス。2人とも胸を強調するデザイン!

 そして今は、他のビスチェウェイトレスさん達に囲まれて巨乳化指導をしている。

 実際に体験し成功した彼女達のお話は、大変貴重なんだろうね。

 

 巨乳化を望んでいる女性達の邪魔をする事は出来ない。気の済む迄、話を聞かせてあげて下さい。

 

 キュルケ!そう、キュルケどこー?

 

 彼女は……居た!スカロン店長と、しっとりと大人の会話をしている。

 途中途切れ途切れに「トレビアーン!」とか雄叫びが聞こえたり、お姉言葉が炸裂したりと……

 視覚的にはキツい物が有るが、話だけ聞けば大変大人な恋愛についての会話です。

 

 んー割り込み辛い。

 

 因みに、スカロン店長は何時もの魔法のビスチェをピチピチに着込んでいる。

 キュルケは、燃えるような真紅をベースに黒のアクセントを入れたタイトなドレスだ!

 

 そして僕の周りには……「「「「「ソウルブラザー!お招き有難う御座います!」」」」」何故か、ガリアの精鋭竜騎士団員が10名程居ます。

 

 しかも貴族的普段着で、ちょっと見には、ガリア出身とは分からない格好で!

 

「呼んでないからー!貴方達、国や仕事は平気なんですか?」

 

「はい!我ら7名は元から休暇申請をしておりました」

 

「我らは、風の魔法を極めし者!つまり遍在がお留守番です」

 

「「「それに我が竜騎士団は総勢100名いますから、常に一割は交代で休んでますし、簡単にはバレませんぜ!」」」

 

 バレたら国際問題だろー!

 

「イザベラ様に許可は貰いましたか?」

 

「ツンデレ様は喜んで送り出してくれました!」

 

「ソウルブラザーに宜しくと!」

 

「なんなら帰ってくるな!ってツンツンでしたよ」

 

 イザベラ様……普通に応援を送り出してくれたのか、面白いから押し付けたのか。判断に困りますよ。

 僕の中の貴女の評価は……急降下中ですよ。

 

「「「それに竜騎士団会議で決めましたから!我らもソウルブラザーの手伝いをすると!」」」

 

 そうか……イザベラ様との会合の時に、詳細を聞いていたのか。何だろう……嬉しい筈なのに、嬉しくないのは?

 

「まさか、貴方達もド・モンモランシ領に?」

 

 皆、気持ちの良い笑顔で胸を叩きながら……

 

「「「お供しますぜ!相棒も連れてきてますから送迎は任せて下さい!」」」

 

「戦争しに行くんじゃないんですよ!分かってますか?復興の手伝いですからね」

 

「はっはっは!ソウルブラザーは心配性ですな」

 

「我らとて、ガリアのエリートですぜ!」

 

「当然理解してやす!水の精霊をぶっ飛ばすんですよね?」

 

「流石は、ゴッドツアイツ!スケールが違うぜー!」

 

バンバンバン!机を思いっきり叩く!

 

「ちがーう!水の精霊と交渉するんだよ。てか、何でそんな事まで知ってるのさ?」

 

 机を叩いて吠えたよ僕は!

 

「大体の事は、同志ワルドから隊長が聞いて、それを我らが教えて貰いました」

 

 情報がだだ漏れだ……身内にユダが居やがる!

 

「話は変わりますが……やはり、「二人は従姉妹姫」の執筆は駄目なんでしょうか?」

 

「最近、イザベラ様と七号殿を見ると……妙にベタベタと抱きついてますぜ!」

 

「妖しいと思うんですよ」

 

 お前ら、ツンデレ派か?それともクーデレ派か?

 

「それは正式にイザベラ様に申し込んだが、断られました。

貴方達が、今でも普通に彼女の私室をナチュラルに覗くのに、そんな本を読まれたら貞操の危機だから、と……」

 

「「「……誰ですかね?そんな不敬を働く奴らは?」」」

 

 何故、目を逸らすかな?君らだね?

 

「まぁイザベラ様をモデルにツンデレ少女の物語は考えています!」

 

「「「おおっ!」」」

 

 まぁド・モンモランシー領の復興には、父上の許可を得て家臣団を送り込む予定だから……彼らが増えても問題無いかな。

 実際に復興は家臣団に丸投げだし、僕がするのは水の精霊との交渉と、ド・モンモランシ伯爵の丸め込めだから……

 こうして、モンモランシーの実家に向かう第一陣は、そうそうたるメンバーになりそうだ……

 

 バタンっと扉が開いて男達が雪崩れ込んできた。

 

「「「ツアイツ殿!お待たせしました。我らグリフォン隊の有志隊もお供します」」」

 

「ってお前らもかー!あんた等の隊長達は可笑しいんじゃないのかー?」

 

 がっくしと膝を付く。もしかして、既に僕の手を離れてるんじゃないのか?この作戦は……

 

「兄さん……辛い時は泣いていいんだぜ?」

 

 デルフに慰められるなんて……確か僕って、チートな能力を得た転生主人公じゃなかったかな?

 

 

 

第80話

 

 

 おはようございます、ツアイツです。

 

 昨夜はかなり盛り上がりました。

 シェフィールドさんに絡んでいたソフィアとジェシカは、適当な所でマジックアイテムで寝かせたらしく、帰りに起こしました。

 ガリアの竜騎士団とトリステインのグリフォン隊の連中は意気投合して、二次会にとグリフォン隊の宿舎に繰り出して行きました。

 隊長ズは、何やら揉めだしていましたが、シェフィールドさんが拳骨で黙らせました……

 

 あの後、ワルド殿が気が付いたのです!エルザが、エターナルロリータである事を……

 

 そして、会わせろ嫌だに発展し、僕に詰め寄りシェフィールドさんに叱られた。しかし、彼女がモデルで有る事は正直に話しました。

 本人の秘密を(吸血鬼)知っているが、直接面識も無いしどうこうするつもりも無いと……

 

 後は彼等の物語!どうする?隊長ズ!

 

 彼女を口説き落とすのは、色んな意味で大変だよ。

 そして、他の女の話題で盛り上がるワルド殿を見てミス・タバサが気を悪くしてないか探して見れば……

 お腹をパンパンに膨らませてソファーに寝っ転がるオヤジ臭いミス・タバサ……全然周りを気にしていません。

 

 多分だけど「お腹いっぱいだからもう寝る」とか言って寝てしまったんだろう。

 

 大人2人掛かりで、沢山食べさせたからね。しかし、出会った当初より随分警戒心が緩んでないかな?

 ルイズ、キュルケそしてモンモランシーは、結局スカロン店長とビスチェウェイトレス達を巻き込んでの大恋バナ話を展開。

 意外とウェイトレスの皆さんが、恋愛下手だと判明。中々意中のお客さんと進展しないとか。

 

 1人だけ、裕福な商人の跡継ぎを落とした娘さんがいましたが、現在は付き合い始めたばかりの初々しさが……正直、惚気話を御馳走様でした!

 

 僕は、結局ファンと作家の集いで終わり。

 多分ハルケギニアでは初めてだろう色紙に、サインと簡単なスケッチで好みのキャラを書いて全員に渡しました!

 貰った端から、厳重な固定化をかけ捲ってたのが、魔法の世界なんだと実感したり……こうしてカオスな宴会は幕を閉じた。

 

 明日の朝に、町外れで合流する約束をして解散しました。

 僕は、眠りこけた学院組の皆を馬車に乗せ、のんびり隣をシェフィールドさん謹製の馬ゴーレムに二人乗りをして、護衛しながらついて行く……

 2人共、殆どお酒は呑んでいない。

 

「どうでした?随分とソフィアとジェシカに懐かれていましたね」

 

 シェフィールドさんは、珍しい苦笑いの表情だ。

 

「とても楽しかったですわ。ガリアでは、私と親しくしたい人なんて居ませんでしたから……」

 

 そして寂しそうな表情をして「こんな、普通の幸せも良いものですね」と言ってくれた。

 

「僕達はもう仲間じゃないですか。ずっと普通に、この関係は続きますよ」

 

「そうですね……でも私の本性を知れば、皆離れて行きます」

 

 顔は見れないのだが、悲しそうな声……

 

「そんな事は無いです!そんな事を気にするのは、仲間とは言わないです。僕等は貴女を裏切らない。そして貴女も僕等を裏切らない。

それで良いじゃないですか……お姉ちゃん」

 

 思わず言ってしまってから、クサい台詞に赤面して真っ赤になってしまった。

 

「ふふふっ!そうですね。出来の良い弟を持つお姉ちゃんは、幸せ者ね……」

 

 シェフィールドさんは、そう言って後ろから抱きしめてくれた。双子の月が、僕らを照らす。

 

 小さな声で、シェフィールドさんが「……ありがとう」と、言ってくれた。

 

 また、守る者が増えてしまったと感じた……守るなんておこがましい位に、戦闘力では差が開いているのにどうにも守りたい。

 しっかり者で強力な伝説の使い魔だけど、脆い一面が有るのを知ってしまったから……あの狂った髭親父には、勿体無いお姉ちゃんだよね。

 しかし、早くジョゼフ王とラブラブとなり、家族と言う物を教えてあげたい。

 

 トラウマが解消したら、序に超強力媚薬も打ち込んでやる。とっとと、赤ちゃんを仕込ませよう。

 

 旦那が出来て、子供も授かればシェフィールドさんももっと幸せになれる!

 先ずは、邪魔するレコンキスタをどうにかするぞ。決意も新たに、これからの作戦を進める事にする。

 しかし、この時は僕も、少し酔っていたのかも知れません。

 

 僕の決意表明が、多分「また守る……」の辺りから独り言の様に言ってしまったらしい……

 

 暫く後に、シェフィールドさんから「まだ、我が主との子供は早いと思います……」とか、真っ赤になって言われた時には、こっちも真っ赤になってしまった。

 空気が読める?デルフは空気の様に静かだったな。

 

 

 

 

 気を取り直して、今日からは夏期休暇です。そう言えば、学院の舞踊会には二回共に出れなかったなぁ……

 まぁ華やかに社交ダンスとか苦手だけどね。

 当初の予定通りにルイズ達と、モンモランシーの実家に訪ねる事になっています。

 予定以外の強力な灰汁の有るメンバーが増えて大所帯での訪問になるけどね。

 

 流石に他国の貴族が、しかも娘の友達とは言え男性も混じって居る為に、事前に連絡はして有りましたが……

 こんなに増えて平気かな?とも、思いますが今更帰れ!と言って、言う事を聞くような連中でもないので諦めました。

 モンモランシーも参加メンバーを聞いて驚いてました。

 

 当たり前ですよね。ガリアの竜騎士団長以下竜騎士団10人、トリステインのグリフォン隊隊長以下隊員6人僕に、シェフィールドさん。

 

 このメンバーなら、ド・モンモランシ家と真っ向勝負しても余裕で勝てるメンバーでは?警戒されなければ、良いんだけどね?

 いきなり娘が、男を連れて帰ってくる。

 しかも、エライ連中を引き連れて……父親なら悶死しますよ?僕が父親だったら……何としてでも叩き出すかな、無理だけど。

 

 朝飯を終えて部屋で寛いでいるのですが、視界の隅で荷造りをしている女性陣が気になってます。

 

「ソフィア……僕の荷物にしては、多くないかな?シェフィールドさんの分を足しても多くない?それとも里帰りでもするの?」

 

「「えっ?今日出発ですよね?大丈夫ですか、ツアイツ様?」」

 

 ナチュラルにソフィアも同行させるつもりだよ、この2人。

 

「えーと、聞き返しますが、ド・モンモランシ領に行くのですか?」

 

「ええ。ツアイツ様のお世話を他の方に任せる事なんて出来ませんから」

 

 凄い笑顔です。あの変態連中の同行を許したのに、この穢れない笑顔のソフィアに駄目とは言えない。

 

 僕の夏休みは、波乱含みのスタートとなった。

 


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