現代人のお気楽極楽転生ライフ(修正版)   作:Amber bird

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第45話から第47話

第45話

 

 おはよう!私はワルド、トリステインで魔法衛士隊の隊長をしている。今回の私の台詞の中に現実世界では不適切な物が有る。

 これはこの変態妄想小説の中でしか通用しない。だから真似せず本気にしない事だ!

 この約束を守れない場合はこの回の話は飛ばした方が良いだろう。

 

 宜しく頼む……では本編を始めるぞ!

 

 

 ジャネットの憂鬱

 

 

 私は北花壇騎士団所属の元素の兄弟の一員、現在はアルビオン王国の小汚い宿屋の一室に潜伏中。

 他の兄弟達と来たのだが、何故か今は独り……他の奴らは捨て台詞を吐いて帰っていった。

 任務を達成して帰ったら制裁する予定、任務はハーナウ家次期当主の素性を調べる事だが初日にジャックの馬鹿が暴走して襲ったが逃げられた。

 僅かの会話の中で彼の握っている情報の正確さと紳士然とした態度なのにエグイ魔法を使う相手と理解した。

 

 まさか爆風に刺激物を混ぜるなんて……

 

 追いかけようとして爆風に突っ込み目と喉をヤラレて偉い目にあった、アレは確信犯だと思う。

 本人は私の容姿を気に入ったらしい。カフェでお茶でもと誘われたから実現したら滅茶苦茶奢らせようと思う。

 

 しかし連絡を取ろうにも彼は魔法学院の中。

 

 襲撃後にもうノコノコと外出はしないし、しても護衛が付くだろう。仕方なく魔法学院に忍び込む事にした。

 たしか潜入捜査で7号が居る筈だし彼女に接触して繋ぎを頼もう。

 いくら私でも夜に殿方の部屋に忍び込むのは色々と意味深で夜這いと勘違いされたら嫌だから……

 

 

 

タバサ私室にて

 

 

 

「今晩は7号さん。ちょっと宜しいかしら?」

 

 上手く女子寮に忍び込み目的の部屋に侵入出来た。

 

「……何?」

 

 7号は大量の本の荷造りに奮闘していた、凄い数だ!

 

「いや。同じ北花壇騎士団として任務に協力して欲しいんだけど……」

 

「……無理。これからガリアに戻る」

 

 コイツこっちを見ずに拒否しやがった。

 

「時間は取らせないから。ハーナウ家の次期当主に会いたいので繋ぎを取って欲しいんだけど?」

 

「……無駄。彼はゲルマニアに帰った」

 

「……え?」

 

「……はいコレ」

 

 7号から本の束を二つ渡された。

 

「何これ?」

 

「男の浪漫本シリーズ。ミスタ・ツイアツが竜騎士団にお土産用にと、こっちはジョゼフ用」

 

「……なんで?」

 

「彼が竜騎士団に渡せば私の力になってくれる筈だからって」

 

「そうじゃなくて何で私が持つのよ?」

 

「貴女の任務はおしまい、イザベラにもそう伝える」

 

「訳が分からないんだけど?」

 

「彼にはシェフィールドが護衛に付いた。つまりジョゼフは彼に危害をくわえる相手を許さない……だから任務終了」

 

「へー凄い!益々興味が沸くわね。彼に……」

 

「……時間が惜しい」

 

「はいはい、運ぶの手伝うから道中で彼の事を教えてよ」

 

「……ん」

 

 大量のエロ本を抱えた美少女2人が深夜のトリステインを疾走する……

 

 

 ハーナウ家 サムエル愛の資料館

 

 

「ワルド殿……いやワルドよ。最近堕落してはいないか?」

 

「サムエル殿そのような事は……」

 

「我らがチッパイ道を極める為に妻を娶る事は何も問題は無いがその相手とは、相手の乳はどうなのだ?」

 

「はい。見事な位に上から下までストンです。今後の成長も見込めないと……さらにチビッ子でクーデレです」

 

「ならばワルドよ……何故もっとガツガツ逝かんのだ?」

 

「……それは」

 

「我らの教義を叫んでみろ、ワルドよ」

 

「はっ!イエス・ロリータ・ゴー・タッチ!です」

 

「声が小さいぞ。もっとだ!」

 

「イエス・ロリータ・ゴー・タッチ!」

 

「まだだ!」

 

「イエス・ロリータ・ゴー・タッチ!」

 

「もう一度!」

 

「イエス・ロリータ・ゴー・タッチ!」

 

「そうだワルドよ!この世界ではロリっ子とニャンニャンしても合法なのだ!」

 

「にゃ……ニャンニャンですか?」

 

「そうだ!貴様もゲルマニア貴族になるのだ!甲斐性さえ有れば実力さえ有れば貴様もロリっ子ハーレムが可能だ!」

 

「ハーレムを……僕がロリっ子ハーレムを持てる……と」

 

「そうだ!我が息子を見ろ!婚約者3人・予定1人・専属メイド5人、信者メイドも多数だ!全て一流の巨乳だぞ」

 

「しかし……ツアイツ殿は巨乳教の教祖、自分などとは格が違うのでは?」

 

 

「ばかもーん!」

 

 

「良く考えろ、貧と巨……違う属性の貴様を優遇する奴の気持ちを」

 

「ツアイツ殿の?」

 

「そうだ!息子は貴様の事を認めているのだ。ワシとて息子とは貧乳教の教祖として幾度となく衝突し拳を交わしたものだ……」

 

「ツアイツ殿にもそんな熱い時期が……」

 

「そうだ、そして偉大なる乳の元に相反する2人の教祖が手を組んだのだ」

 

「……おおっ」

 

「その2人に認められている貴様がその体たらくとは何事だ!」

 

「僕が……2人に……」

 

「そうだ!今の貴様の気持ちをBU・CHI・MA・KE・RO!」

 

「僕は……僕は……タバサ殿とニャンニャンしてー!」

 

 

 

 ハーナウ家応接室

 

 

 

『僕は……僕は……タバサ殿とニャンニャンしてー!』

 

「ツアイツ?変な雄叫びが聞こえましたが……」

 

「あれ?違う方向性に導かれてしまったかな?」

 

「そちらの妄想の海に突入している女性もそうですが……もう少し友達を選びなさい、母は心配です」

 

「普段はとても有能なのですが……」

 

「小さい頃から他の子供とは違うと思ってましたが、廻りのお友達まで変わり者を集めなくても良いでしょう?

今日と言う今日は少しお話をしなければいけませんわね。そこにお座りなさい」

 

「……はい」

 

「違いますよ。正座しなさい」

 

「大体貴方は小さい頃から……」

 

「もう良い年なのですからオッパイオッパイと……」

 

「有能なのですからもっと違う方面に……」

 

「早く落ち着いて孫の顔を……」

 

 その後覚醒したワルド殿を伴ってきたサムエルもアデーレの前に正座させられ小1時間説教をされた。

 幼い容姿のアデーレさんだが腰に両手を当てて私怒ってます!

 的な雰囲気を醸し出しているが当のサムエルがチッパイ言葉責め萌えー!と全然堪えず寧ろご褒美状態。

 ツアイツの方もずっと話を聞いていたテファに此方は、同じく両手を腰に当ててプンプンな感じで可愛らしく

 

「Hなのはいけないと思います」と再度説教を喰らっている。

 

 当然ツアイツもテファのそんな可愛い仕草と表情と揺れるおっぱいに釘付けだ!此方もご褒美状態!

 

 シェフィールドさんとワルドさんは今後の自分達のバラ色の展開を妄想しながら2人でソファーに並んで座りニヤニヤしている。

 扉の外では執事とメイドさん達が久し振りの親子団欒を微笑ましそうに眺めていた。

 男性陣が正座させられ恍惚とし女性陣は何とも可愛らしく怒っている。

 

 ハーナウ家は今日も平和だった……

 

 

************************************************

 

 

 この作品は性犯罪を助長する目的で書かれていません。作中の台詞はあくまでもお馬鹿な変態小説の中だけでありフィクションです。

 真に受けて行動しない様にお願いします。

 

 

第46話

 

 ハーナウ家食卓

 

 昨夜は久しぶりの実家でゆっくりと休めた。やっぱ実家はいーなー!

 今朝は両親とワルド殿、そしてシェフィールドさんとテファで食卓を囲んでいる。

 

 流石にメイドさんと全員で朝食!とはいかない。

 

「おはようございます」

 

「「「おはよう(ございます)」」」

 

 皆がそれぞれ朝の挨拶を返してくれた。

 

「ツアイツ、久しぶりの実家とは言えお客様を待たせてはいけませんよ」

 

「すいません。学院に行ってから2ヶ月ちょっとですが色々有りまして……熟睡してしまいました」

 

 そう言えば毎週の様にイベントが有ったな、有り過ぎじゃね?

 

「それでだ!今後の対策は食後に我が書斎で行うぞ」

 

「はい。父親、お願いします」

 

「なに、乳の為だ」

 

「アナタ?お食事中ですよ。それとツアイツも少しはテファさんと何処かに遊びに行きなさい」

 

「うむ……しかしアデーレこれはだな」

 

「でっでは午後にでもテファを連れて出掛けるから午前中は打合せと言う事で!」

 

「まぁ良いわ、2人共いい加減おっぱいから卒業して下さい。ねぇテファさん」

 

「そうですね……その……Hなのはいけないと思います」

 

「まぁまぁアデーレ様、今回の件はそれを抜きにしても重要なのでそれ位にしては?」

 

「そうですか……ツアイツ、危ない事だけはしては駄目よ」

 

「……はい。母上」

 

 済みません、母上。今回はかなりヤバいかも知れません。国家間紛争におっぱいのみで介入予定なので……

 

「テファは行きたい所が有るかい?」

 

「そうですね……綺麗な景色を見れる所に行きたいです」

 

「それなら……近くの森に泉が有るから行ってみようか」

 

「はい。嬉しいです」

 

 ヨッシャー!テファとのデートゲットだぜ!などと何処にでも有る家族の食事風景を演じながら朝食を楽しむ!

 

 

 

サムエル執務室

 

 

 メンバーは父上、ワルド殿にシェフィールドさんと僕の4人だ。

 

「さて……大体はワルド殿から報告を受けているがもう一度説明してくれ」

 

「はい、父上。事の発端は父上からも注意しろと言われた美乳派ですが……ブリミル教のクロムウェル司教がアルビオン王国にて広めています。

しかし彼は大国ガリアのジョゼフ王の傀儡でしかありません。目的はアルビオン王国の転覆、クーデターの手段としておっぱいを使おうとしているのです」

 

「なんと!乳を愛でる者がそんな血生臭い事に乳を利用しているだと?」

 

「そうです!しかしクロムウェルなど所詮は乳の上辺だけを説く程度の小物。問題はジョゼフ王の目的です」

 

「ジョゼフ王は何を考えているのだ?まさかアルビオンを弱体化させ属国化ないし占領する気か……」

 

「……その、言いにくいのですが。我等を巻き込んだジョゼフ王の目的とは……」

 

「何なんだ?我が祖国ゲルマニアも狙っているのか?」

 

「いえ……とある理由でナニが機能不全になったので。つまりED治療の為に性戦に勝った者の治療を望んでいます」

 

「はぁ?己の粗チンの不始末の為なのか……」

 

「父上ストーッブ!それ以上は駄目です!」

 

 シェフィールドさんの方を恐る恐る見る。ヤバい!目がグルグルだ!ヤンデレ化マックスだ!

 

「シェフィールドさん落ち着いて下さい。その両拳に握り締めた風石を父上に向けて解放しないでー」

 

「ツアイツ様……やはり貧乳教祖など我等の目的には不要。ここで禍根を絶ちましょう」

 

「いえ駄目です!父上は目的達成に必要なのです。だから……」

 

「くすくす。ツアイツ様だけ居れば私は平気よ。やはりクロムウェルは私が殺すから……貴方のお父上に制裁したら直ぐに……だから、ね?その手を放して」

 

 子供を諭す慈母の微笑みで僕を説得しようとする……

 

「駄目です!父上を殺めたら僕は手伝いません!」

 

「……分かりました。貴方は大切な私の協力者、今回は我慢しましょう」

 

「ほら父上も謝って!」

 

「うむ、済まない。配慮が足りなかったようだ」

 

「いくらツアイツ様のお父上でも次は無いですよ」

 

 こちらも慈母の様な微笑みだか威圧感はカリン様並み、僕の胃に多大なダメージが溜まる。

 

「ワルド殿も止めて下さい……ワルド殿?」

 

「ふっふっふ……私のちびっ子ハーレム!どうするか……やはり制服は統一して例のはなまる幼稚園風に……」

 

「ワルド殿?」

 

「何でしょう?ツアイツ殿、大丈夫です。貴方の期待に必ず応えてみせます!僕はチッパイちびっ子のハーレムマスターに必ず!」

 

「いえ……せめて今はレコンキスタに集中して下さい」

 

「……?もとより承知ですが?」

 

 ちっ父上、再教育に失敗してませんか?

 

「こほん!では続けますのでちゃんと聞いて下さい」

 

「クロムウェル司教はレコンキスタを名乗りアルビオンの乗っ取りを考えています。しかし大義名分は、非道な巨乳派に対し美乳で対抗すると言う何とも微妙なもの……

当然、金と利権と乗っ取り後の空手形が有るのでしょうが表の理由に乳を名乗るのは我慢出来ない……しかも我等程、真剣に乳について考えてはいない」

 

「成る程……ことクーデターが成功した場合、おっぱい革命とか名乗られては堪らんな……」

 

「そうです!だから上辺の理由を潰しましょう」「つまり美乳派の布教を潰し乳による戦力拡大を妨害するのだな」

 

「そうです。父上と手を組み貧と巨、ダブルでアルビオンで布教する……我等が手を組めば美乳派の入り込む余地など」

 

「そうだな。乳による取り込みが難しくなれば他の手段に頼る様になる。つまり……」

 

「「乳は戦争の理由ではなくなる!」」

 

「ジョゼフ王はクロムウェルには潤沢な資金援助をしてるので奴は金の力でしか取り込みが出来ないでしょう」

 

「しかしアルビオン王家にも出血を強いるぞ」

 

「其処までは我等が心配する必要は無いでしょう。戦力的にはアンリエッタ姫をけしかけトリステイン王国を巻き込みますから負ける事はないかと」

 

「何故だ?」

 

「アンリエッタ姫はウェールズ皇太子狙いなのです。これを機にトリステイン王国の内部強化をしたいな……と」

 

「そうか……ヴァリエール公爵への配慮か」

 

「それと言いにくいのですが……ド・モンモランシ家のモンモランシ嬢とも…… 」

 

「それがお前の言っていた婚約者予定の娘か?」

 

「はい。金銭感覚のしっかりした娘です」

 

「ツアイツ……同時期に婚約者4人は父として、また1人の男としてどうかと思うぞ」

 

「母上に内緒で領内の身寄りの無い不幸な子供達を集め世話をしつつハーレム予備軍を育成しているのに?」

 

「なっ?何故それを?」

 

「流石ですなサムエル殿!光源氏計画ですね」

 

「ワルド殿も会議に参加せずそこに喰い付くのは……はぁ……午前中の会議は終了にしましょう。シェフィールドさん退屈でしたか?」

 

「大筋は理解したけど具体的にはどうするの?」

 

「それは夕食後にまた……」

 

「午後はどうしますか?」

 

「そうね?豊胸資料を見せて欲しいわ」

 

「でしたら実践経験者を付けますので……」

 

 疲れた、なんか現状把握で終わってしまったな。さて午後からはテファとデートだ!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

某赤「まさかそんな事の為にツアイツを巻き込むなんて!」

 

某桃「本当に役立たず中年オヤジって哀れね……」

 

某金「立たずって……それオヤジギャグ?」

 

某桃「ちっ違うわよ。言葉のあやよ」

 

某赤「はいはい!冗談は其処までよ。私は実家に……お父様に報告して援助をして貰うわ」

 

某桃「私もお父様とお母様と、序でにエレオノールお姉様にも報告ね」

 

某金「ごめんなさい、私は実家の応援は無理。ラグドリアン湖が増水して対応に大変だって連絡も有ったし……」

 

某赤「気にしないで!貴女の実家にもツアイツの素晴らしさを叩き込まなければ駄目ね」

 

某桃「そうよ!夏休みに入って直ぐに貴女の実家に皆で行きましょう。ツアイツも実家に帰ったから用事も済ませてる筈だし行けるわ」

 

某金「ありがとう。でも迷惑じゃないかしら?」

 

某赤&桃「今まで私達が困ってて解決出来なかった事は無いから平気よ!」

 

 ツアイツは知らない所で信頼とド・モンモランシ家再生のハードルを上げられていた!

 

 

第47話

 

 こんにちは!ツアイツです。

 

 午後は、各自のんびりと過ごす予定です。父上は母上を伴い寝室へ昼寝?に向かいました。そろそろ弟か妹が出来ても可笑しくない様な。

 シェフィールドさんは、我が家の巨乳メイドさんとお話中。そして護衛にと小さな牙の連なった腕輪をくれました。

 引きちぎってバラまくと、巨大化して亜人型のゴーレムになるそうです。

 

 このヤンデレさんは扱いさえ間違わなければ情の深い女性です。

 

 なのに護衛と言って付いて来たワルド殿はそうそうに「サムエル愛の資料館」に引き籠もりました……

 さて、僕ですが一頭の馬でテファと遠出をしています。

 普段スカート姿が多い彼女ですが、乗馬服をキリリと着込んで髪をポニーテールにした姿は中々に気品が有ります。

 

 マリコルヌならその鞭でシバいて下さい!な、感じです。

 

 彼女を前に座らせ馬をゆっくりと歩かせる。馬が揺れる度に彼女の髪から良い匂いが……しっかりしろ!

 ツアイツ、只でさえこれから人気の無い泉に2人っきりで行くのだ。初体験を野外で済ます様な暴挙は自重するんだ!

 彼女と彼女のファンに失礼だぞ。

 

 僕の内面の葛藤を知る由もないテファが、申し訳なさそうに「すみません。私、馬に乗れないのでご迷惑を……」と言ってきたので気にしない様にと言った。

 

 我が屋敷からトコトコと街道を進みながらテファと色々な事を話す……学校の事、マチルダさんの事、家での過ごし方や花嫁修行等……

 やはりテファは人との触れ合いを求めている、来年には学院に行かせてあげたい。

 

 一時間程で目的地の泉に着いた。

 

 テファが恥ずかしそうにバスケットを出してくれたので、即席の机と椅子を錬金しようとしたが、情緒が無いからと言われ倒木に並んで座っている。

 

「急いで作ったのでお口に合うか……」

 

 焼き菓子を真っ赤になりながら差し出してくれた。

 

 うーん……美味!

 

 のんびりと2人で泉を眺めてお菓子を食べる……マイナスイオンに溢れて癒やされるよね!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 私の未来の旦那様、私に外の世界を見せてくれた人。ハーフエルフなのに偏見も迫害もしない変な人。

 貴族なのに平民と同じ目線で行動出来る優しい人。少しエッチで胸ばかり見てて、それでいて誰よりも頼りがいの有る人……

 何故、私を助けてくれたのか聞いたら笑って、君のお姉さんに頼まれたからって……何でも無い様に言ってくれた。

 

 ハーフエルフを匿うなんて、凄い事をしてくれたのに自分じゃなくてマチルダ姉さんにお礼を言えなんて……

 この少しエッチな優しい人とならずっと一緒にやっていけると思う。

 

 でっでも、エッチなのは結婚するまでいけないと思います。でも迫られたら断る理由も気持ちも無いから……

 

「どうしたの?寒いの?」

 

「へっ平気です」

 

「でも顔が赤いよ……どれどれ」

 

 額と額をくっ付けて熱を計られました!こんなに顔が近くに。思わず目を閉じて……

 

「んー熱っぽいかな?少し冷えたのかもね。さぁ、我が家に帰ろうか」

 

「……はい」

 

 今度は私が後ろから抱き付く様に馬に乗る。温かい……彼の温もりを感じる。もぅ……

 いくらエッチは駄目でも、さっきの雰囲気ならキス位してくれても良いのに……このニブチンさん!

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 応接室のソファーに並んで座り水晶球を眺めている、水晶球にはツアイツとテファが映っている。

 

「覗き見は趣味が良く無いのでは?」

 

「ツアイツ様の安全を確保する為よ。そして参考になるわ。私も主と、この様な甘酸っぱさ満点の逢い引きがしたいわ……」

 

「あー記憶操作の参考か……僕も帰ったらタバサ殿を誘って、何処かに出掛けるかな」

 

「貴方のは参考にしないわ。何故かしら、背徳感を感じるの」

 

「余計なお世話だ!」

 

「しかし、何であの無表情のお子様が良いの?」

 

「何を言うか!クーデレでチッパイでロリッ子なんだぞ」

 

「やはり貴方は参考にはならないわ」

 

 ツアイツとテファの初デートは、どうしようも無い2人に監視されていた。それでも劣情に流されず押し倒さなくて良かったですね、ツアイツ君。

 

 

 

サムエル執務室にて……

 

 

 

 夜の部の会議の参加者を見渡す、何故かお疲れ様気味の父上。

 微妙にワルド殿を見下すシェフィールドさん、無駄に積極的になったワルド殿。僕の居ない間に何が有ったのだろう?

 

「では具体的な対策の相談に移りたいのですが……宜しいですか?」

 

「うむ。始めてくれ」

 

「……では、レコンキスタはアルビオン大陸の北方より布教を始めています。父上はアルビオンには販路は有りますか?」

 

「うむ。幾つかのルートを持っているぞ」

 

「僕の手の者がクロムウェルの攻略中の貴族と趣味を調べてますから引き込まれる前に……」

 

「我らが教義を叩き込むのだな……」

 

「それと並行して付近の貴族にも布教しましょう」

 

「むしろそちらがメインだな……信者の数が物を言うからな、この場合は」

 

「流石は父上ですね」

 

「ツアイツよ。経典の制作はどうなのだ?」

 

「まずまずです。それと何故かガリア王宮内にも父上の信者が居ますよ」

 

「ほう!やはり時代の先端はチッパイなのだな」

 

「竜騎士団ですが……仕込みで男の浪漫本を大量に送っておきました」

 

「はぁ……ウチの竜騎士団は何をしてるんだか」

 

「レコンキスタとはいえ、仕込みの期間は半年から一年位は掛かるでしょう」

 

「では暫くは布教活動に専念だな」

 

「そうです!勝利の鍵はアルビオン全土に貧と巨のおっぱい教を広める事です!」

 

「素晴らしい!二大教祖の夢の共演ですな」

 

「……アホらしいのに。でも、何とかなりそうな気がするのが不思議で情けないわね」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 某赤の父上

 

 ふむ、また随分と大物に見込まれたなツアイツ殿、そして今はハーナウ家に戻っているのか。では直接会わねばなるまい。

 

「誰か!風竜を用意しろ。ハーナウ家に向かうぞ」

 

 

 某桃の両親

 

「また随分と大物に見込まれましたね婿殿は」

 

「しかし……回春か、気持ちは分かるが、それで国家間紛争をする程の狂王だとは……」

 

「男とは本当に仕方のない生き物ですわね」

 

「カリーヌ、落ち着いてくれ。彼も被害者なのだから」

 

「直接話を聞かねばなりませんね。ゲルマニアから戻ったら学院に押し掛けましょう」

 

「それは問題が……」

 

「呼んでも逃げるかもしれません。ツアイツ殿はリスク回避能力が有りますから」

 

「それは……彼が危険と認識する事をするのか?」

 

「いえ……しかし早めに我が家に括らねば問題を起こすばかり。そして解決の度に女の影がチラつきます。最早、卒業と同時に婿入りさせます」

 

「いや……それは後継ぎ的に無理だ。素直にルイズを嫁に貰ってもらおう」

 

「アナタはお黙りなさい!」

 

 

 某桃のデレ姉

 

「トリステインとの揉め事が終わったかと思えば次々と……やはりしっかり尻に敷かねば駄目かしら?しっ仕方がないから私が……」

 

 

 ヴァリエール一族それぞれの思惑が渦巻くトリステイン、周到に包囲網が形成されていく!

 

 ツアイツの安息の日は遠い!


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