ランサーとバゼットのルーン魔術講座   作:kanpan

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君が居ないと困るんだ、って言われたい。



保護《algiz》

 AM 2:00

 ここは冬木市新都の牛丼屋。

 深夜の店内のカウンターで男女二人組が牛丼を食べている。いや、まだ食べているのは男のほうだけで、隣の女の丼はすでにきれいに空っぽだった。

 

「バゼット、アンタ食べるの早いな!」

「いえ、ランサー。わたしのはすぐ出てきましたが、あなたのは新商品で時間がかかっていたからです」

 

 バゼットが注文したのは普通の牛丼で、ランサーのは店の壁にでかでかと張り出されたポスターの新商品「おろしポン酢ピリ辛牛丼」だ。

 牛丼の調理時間わずか1分弱。席について食券を渡してお茶を一口飲んだあたりで即出てくる。だが新商品は5分くらいかかることもあるのだ。

 そしてバゼットが牛丼を食べおわるのにかかる時間はせいぜい3分。

 そういうわけで、ランサーの手元に丼が出てきたときにはバゼットは黙々と手元のお茶を

啜っていた。

 ランサーは暇そうにしているバゼットを横目で見る。

 

「アンタもたまには違う種類の牛丼を食べればいいじゃねえか。いつもソレだろ?」

「これで十分です。私は必要なカロリーさえとれれば何でも良くて」

 

 ランサーの言葉に、バゼットは困ったような表情で答えた。

 やれやれ、変わんねーな、とランサーは再び目の前の丼飯を口に運ぶ。

 ランサーが牛丼をかき込んでいる間、バゼットは手持ち無沙汰に店の壁に並んだポスターを眺めていた。

 

「ランサー」

「あ、どうした?」

 

 ふとバゼットに声をかけられてランサーは顔を上げた。バゼットは壁のポスターの1枚を指差していた。

 

『アルバイト・パート急募!! 深夜勤務時給1500円 高給待遇 初心者歓迎 

 あなたらしい働き方を。 やりがいのある仕事です!』

 

 この店のアルバイト募集ポスターだった。ポスターの写真ではアルバイトの女の子が牛丼を手に持ちながら微笑んでいる。その上に宣伝文句の文字が踊っている。

 (いわ)く『お客様からのありがとうの言葉が私の喜びです』

 

「この仕事やりたいのかよ、バゼット」

「急募ですよ! 時給も高いですし、それになんとなく人に喜んでもらえそうな気がします」

 

 バゼットは意気込んでいる。

 ランサーもそのポスターを眺めてみる。確かにこのポスターにバゼットが惹かれるのは納得だ。ここには人に必要とされたくて、できれば人の役に立つ事をしたい性分のバゼットがひっかかりそうな言葉が並んでいる。

 

「ま、やってみればいいんじゃないのか」

「そうですね。明日応募しに行ってみます」

 

 バゼットは即座にそう答えた。

 やる気満々だな。

 ランサーは心に浮かんだ一抹の不安を隠しつつ、あえて平然を装った。

 

 

 

 PM 15:00

「えー、バゼット・フラガ・マクレミッツさん、23歳と。出身は……へえ、アイルランドですか」

 

 次の日、バゼットはさっそく牛丼屋のアルバイトの面接に赴いた。牛丼屋の店長はバゼットが書いてきた履歴書の内容をじっくりと読んでいる。

 バゼットは店長の目の前で椅子に座って縮こまっていた。

 

「あ。そんなに緊張する事ないですよ」

「す、すみません」

 

 堅くなっているのを見抜かれ、バゼットは余計に気にしてしまった。

 そうです。必要以上に緊張することなどない。やる気はあるのですから。

 ……実際のところ、やる気だけしかないのだけど。

 

「ええと、15歳で実家を出てからは特に仕事はしていなかったのですか? 履歴書には何も書いてないですが」

「そっ、それは……」

 

 店長の指摘にバゼットは慌てて弁解を試みた。バゼットは断じて無職ではない。23歳にして既に8年間もの仕事歴(キャリア)がある。

 だが、その仕事は表立って説明することはできないものだ。むろん履歴書には書けない。

 

「あのですね……行方不明になってしまった人を探し出して保護したりとかですね。あと、街に逃げ出した魔獣、というか動物を退治したりとかですね……」

 

 バゼットは必死で魔術協会でやっていた仕事をなんとか堅気の人にも理解可能なように取り繕ろおうとした。

 座っている椅子から身を乗り出しつつ一生懸命話すが、その内容は意味不明で話せば話すほどしどろもどろになる。

 まずい。挙動不審極まっている。なんとかしないと……。

 

 焦っているバゼットの肩に、店長がぽん、と手を置いた。

 

「大丈夫です」

「え?」

 

 店長はやさしげな目をして微笑んでいた。

 

「人にはみな事情があります。

 学歴がなくても、職歴がなくても、身分がなんだか怪しくても、

 前向きな心があれば、やる気さえあれば、人生はいつでもやりなおせる」

「ああ……」

 

「そうでしょう? バゼットさん」

「ええ、そう、その通りです!」

 

 バゼットの眼に熱い涙がにじんだ。人に認めてもらえるというのは嬉しいものです。

 

 感激に身を震わせているバゼットの前で店長は再び履歴書に目を落とした。どうやら資格・特技欄を見ているようだ。

 

「ほう、人を殴る事が特技ですか……」

「あっ、それはその」

 

 ついつい、いつもの習慣で書いてしまったが普通の飲食店のアルバイトで格闘技術が役に立つ事はありえないだろう。

 またしても言い訳の言葉を探すバゼットだったが、意外にも店長は満足そうに頷いていた。

 

「実に頼もしい」

「え?」

 

 なぜ牛丼屋で腕っ節の強さが喜ばれるのか? 調理に力が必要なのか?

 

「ええと、もしかしてこちらの店では牛丼の牛を解体するところから調理を始めるのですか?」

 

 おずおずと質問したバゼットに店長は笑いながら答えた。

 

「はははは! いくらなんでもそんなことはありません。調理は簡単です。材料は本社の工場で下ごしらえ済みのものが用意されていますし、調理方法は誰でもわかりやすくマニュアル化されています。すぐに覚えられますよ。

 ではバゼットさん今夜からおねがいします! シフトの時間は夜間です」

 

 よし、バイト即決です。やりましたよランサー!

 就職の手応えを感じ、バゼットは思わずぐっと拳を握りしめたのだった。

 

 

 

 PM 22:00

 この牛丼屋の深夜シフトはたった1人の従業員だけで店の営業をするシステムだ。バゼットは業務マニュアルを通り一遍教わった後、じゃあ後はよろしくね、と夜中の牛丼屋の仕事をまかされた。

 

「慣れないうちに1人で勤務とは正直不安なのですが大丈夫なのでしょうか、と

 い、いらっしゃいませ!」

 

 ガーツと牛丼屋の自動ドアが開いて客が入ってきた。カウンターに座るなり牛丼やカレーを注文してくる。バゼットは注文を受けると厨房に入り、教わった通りに調理をした。

 冷蔵庫から具材をとりだし、マニュアルを見ながら火を通して、皿に盛りつける。料理というよりもプラモデルでも組み立ているかのようだ。あっという間に牛丼やカレーが出来上がった。

 

 なるほど、確かにマニュアル通りに作っていればなんとかなる。それに高度に合理化されていて全く無駄がない。これによって1分程度で料理が出てくるという迅速なオペレーションが達成されているわけだ。

 日本の牛丼屋のマニュアル作業の素晴らしさに感嘆しつつ、バゼットは接客と調理をこなした。

 

 夜中は昼間ほどは客が多くないのだが、時々飲み会帰りとおぼしきグループなどが店に入ってくる。マニュアルがあるといえども1人だけで接客、調理、片付け、会計とすべての仕事をするのはかなり忙しい。

 それに加えて、

 

「つゆだくお願いします」

「俺はねぎだくで」

 

 唐突に客から聞いた事のないメニューを注文された。

 

「は?」

 

 バゼットは訳が分からないままメニュー表を見たが「つゆだく」や「ねぎだく」というメニューは載っていない。

 首を傾げながら厨房に戻ってマニュアルを確かめる。マニュアルを眺めているとその中に

 

『裏メニュー』

 

 というページを見つけた。

 そこに先ほどの謎のメニューの「つゆだく」「ねぎだく」のレシピが書いてあったのだった。

 

「なるほど、『つゆだく』は牛丼のつゆを多め、『ねぎだく』は玉ねぎを多めにするいう隠語なのか」

 

 だったら初めからメニューに入れておいてくれればいいものを、と思いつつ急いで『裏メニュー』を作って客のところに運んだ。

 牛丼屋の夜間シフトの時間はこうしてせわしなく過ぎていった。

 

 

 

 AM 3:00

 バゼットはぼーっと店の入り口をみつめる。

 

「暇ですね……」

 

 この時間になると通りにはほとんど人影がなく、当然客も来ない。ここのところ数時間は1人の客も来ていない。

 0:00頃まではそれなりに客がきて忙しかったのだが、今は全くと言っていいほどやることがない。

 眠くなりそうなのでシャドーボクシングでもしていようか。バゼットは凝った肩をぐるっとまわしてほぐし、ファイティングポーズをとりかける。

 その時、ガラーーーッと店のドアが開いた。

 

「はっ! いらっしゃいませ」

 

 バゼットはすばやく直立不動の姿勢に戻って、入ってきた3人組の方を向いた。彼らは変わったファッションをしていた。3人とも黒いビニール袋のようなものをかぶって目のところだけ穴をあけている。

 先頭に立っている男が低い声でぼそりと言った。

 

「金を出せ」

「ええと、まず、ご注文は?」

 

 一方バゼットはマニュアル通りに彼らに茶を出している。

 

「だ・か・ら、金を出せ」

「そういわれても、ここは牛丼屋ですから出せるものは牛丼やカレーしかありません。お金はむしろ貰う方です」

 

 バゼットの返答で覆面をした男たちのイライラ度が急上昇していく。男の1人が手に持った刃物をバゼットの顔の前に突きつけた。

 

「コレが見えないのか?」

「包丁持参、ということは」

 

 やっと意図が通じたのかと、男はうんうんと頷いてみせた。

 

「そうそう、ようやくわかった?」

「料理がしたい、つまりアルバイトの申し込みですね」

 

 男たちはがくっ、と首をうなだれた。

 

「……姉ちゃん外人だな。日本語がわからないのか?」

「あなたがたはお客様ではないのですか?」

 

 バゼットは刃物を突きつけている男を相手に相変わらず動じず接客をしようとしている。

 後ろにいる男が刃物の男を、もうコイツの相手はいいからさっさと金を盗って逃げようぜ、と小声でせっついた。

 

「仕方ねえ。動くと怪我するぜ姉ちゃん!」

 

 男は包丁を突きつけたままレジに手を伸ばした。その手をバゼットはがしっと掴む。

 

「なっ!」

「なんですか。お客でないのなら初めからそう言ってください」

 

 バゼットは男の腕を掴んだまま店の外に引きずり出した。

 ああ、退屈で何か殴りたい気分になっていたところだ。ちょうどいいですね。

 

「うわあああ。なんだこの怪力女ーーー!」

 

 悲鳴を上げる強盗たちを片っ端からつまみあげては店の外に放り出す。バゼットは1分もかけずに強盗を駆逐した。

 

「なるほど、腕っ節が強いのを褒められたのはこういうことだったのか。日本は安全な国とききましたが賊が侵入してくることもあるのですね」

 

 考えてみれば24時間営業で夜間に人気のない場所の店に従業員1人だけというのは実に不用心だ。防犯上の問題があると言える。

 まだシフトの終わりまでには時間がある。さすがに1日に2度も変な輩が現れる事はないだろうが何か対策をしておこう、とバゼットは考えた。

 

「簡単なものですが、ルーンで防御の為の細工をしておきましょう」

 

 バゼットは外に出て店のドアの前の地面にルーン文字を刻み付けた。その文字はalgiz(アルジズ)。大鹿の角を象ったこのルーン文字は保護の意味を持ち、結界を作るのに役立つ。

 

「これでよし。algiz(アルジズ)のルーンが危険から店を守ってくれるでしょう」

 

 ———そして時間は過ぎていった。

 

 

 

 PM 22:00

 夜中の衛宮邸。士郎は土蔵で魔術の鍛錬をしようと中庭に出たところだった。

 

「おーい小僧」

 

 急に塀の外から声をかけられて士郎は驚く。誰だ? と外に出てみるとなぜかランサーが1人で立っていた。

 

「あれ、ランサーじゃないか。こんな時間にどうしたんだ?」

「うちのマスターが帰ってきてねえんだけど、オマエんちに行ってねーか?」

 

「来てないけど? バゼットって今、牛丼屋で働いてたんだっけ」

「バイトに行ったのは昨日の夜だよ。朝には帰ってくるはずだったんだけどな」

 

 丸一日帰ってきてないことになる。バイトが終わった後どこかに行ってしまったのか。それともまだバイトが終わってないとか。

 

「じゃあランサー、一緒に新都の牛丼屋に行ってみようぜ」

 

 ランサーと士郎は牛丼屋の様子を見に向かった。

 

 まもなく新都に着いて牛丼屋の近くに来たものの、おかしなことに店が見つからない。

 

「あれ? 確かここに店があったはずなんだけどな」

「間違いない。牛丼屋はここのはずだ」

 

 二人は周囲を見回すがどうしても牛丼屋が見つからない。なぜか牛丼屋があった場所だけ視界に入ってこない。

 士郎はこの場所にかすかな歪みを感じとった。

 

「ランサー、この場所なんだか変じゃないか? 魔力で歪められてるっていうか」

「ああ、ルーンの魔力を感じるぜ。ちょっと離れてろ、小僧」

 

 言うが早いか、ランサーは腕を大きく横に薙ぐ。その手に赤い魔槍が具現化させた。

 

「うらぁ!」

 

 ランサーは頭上に槍を振りかぶると目の前の空間を真っ正面から叩き斬った。何もないはずの空間で魔力同士の衝突が起こって、そのエネルギーで周囲の空気が激しく揺れる。

 そして衝撃が落ち着いた後、その場所には今まで通りに牛丼屋があった。

 

 なぜか、ガーッと牛丼屋入り口の自動ドアが開く。ドアの奥には人影が見えて、何かを思いっきりこっちに投げようとしている。

 

斬り抉る戦神の剣(フラガラック)…………」

「えええええええ!!!」

 

 詠唱とともに猛スピードの弾丸が飛んできた。士郎はとっさに後ろに避けたが槍を振り下ろした直後のランサーは動けない。

 弾はランサーの頭に命中した。周りに赤い飛沫が飛び散る。

 

「もとい、防犯カラーボール!」

 

 人影が叫んだ。

 牛丼屋の前には蛍光色の赤い液体をあびて、赤青のツートンカラーになったランサーが呆然と立っていた。

 

「また出たな、強盗ども!」

 

 カラーボールを撃ってきたのはバゼットだ。眼が据わっている。蛍光塗料をかぶったランサーがバゼットにつかつかと近寄って肩を揺さぶる。

 

「目を覚ませよバゼット……」

「はっ!」

 

 

 

「そういうわけで24時間寝てないのです」

 

 カウンターで士郎とランサーは黙々と牛丼を食べながら、バゼットから事情を聞いていた。

 

「それでalgiz(アルジズ)で結界をはったのか。結界が効きすぎて店が見えなくなってたんだよ」

「だからあの後、誰も来なかったのですね」

 

 はあ……、とバゼットは肩を落とす。

 

「店放って帰ってくればいいじゃねえか」

「そうはいかないのです。私が帰ったら店に誰もいなくなってしまうではないですか」

「何もアンタが24時間働く事ないだろ。店長に連絡して代わりのヤツ呼べ」

 

 そうしたら外に出たときに結界がおかしい事にも気づいただろうに。

 

「いえ、代わりのアルバイトはいません。だから次の人が来るまで待たないと。

 店長から店の24時間営業は死守しなければならのないのだと聞きました」

 

 バゼットの話を聞いてランサーと士郎は顔を見合わせた。

 

「あのさバゼット、労働基準法って知ってる?」

「アンタ、ブラック企業って言葉を聞いたことあるか?」

「何ですか、それは? また聖杯がさずけたネット知識ですか」

 

 案の定バゼットはきょとんとしている。ランサーと士郎は声を揃ってつっこんだ。

 

「いいや、それ社会常識だから!」

 

 

 

 ガーッと牛丼屋の自動ドアが開いた。おっとお客さんだ。バゼットはいらっしゃいませ、と言いかけたが、

 

「あ、店長」

「おそくなってごめんなさい。おかしいな、いつも来ている店なのになぜか今日は道に迷ってしまったみたいで」

 

 やってきたのは牛丼屋の店長だった。店長はなぜかとても申し訳なさそうな顔をしていた。

 

「実はアルバイトを始めてもらったばかりで悪いんだけれど、この店は閉店する事になりましてね」

 

 店長が言うには、最近の労働問題で牛丼屋業界のアルバイトの時給が高騰している上にこの店では人手が全然集まらず、このままだと店の運営が続けられないのでこの牛丼屋は閉店するとのことだった。

 

 

 

 それから数週間後。

 あの牛丼屋の跡地には別の新しい牛丼屋が入って営業を始めた。新しい店も牛丼の種類、営業時間、サービス内容、いずれも以前の店と大差なかった。

 違う事があるならば新しい店では深夜でも何人かのアルバイトが店の中で働いている。

 アルバイトに代わりはいなくても牛丼屋の方に代わりはあるのだ。

 

 今夜もまたランサーとバゼットは新しい牛丼屋でいままでと同じように牛丼を注文した。

 調理時間1分程度で手元に届いた牛丼を彼らはいつも通り平らげつつ呟く。

 

「人に必要としてもらうのはなかなか難しいですね。ランサー」

「なあバゼット、こんどは牛丼屋以外の店にも行こうぜ。ファミレスとかさ」

 

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algiz(アルジズ)  

 

象徴:大鹿/保護

英字:Z

意味:大鹿の角の形を表す庇護、共存のルーン。スゲという植物の意味もある。鹿は群れて生活する事から友情のルーンとされ、仲間や身内を守るという意味を持つ。保護、防御を意味するルーンでもあり、魔除けのお守りに使われる。

 

ルーン図形:

【挿絵表示】

 




牛丼屋を始め、飲食店で働く皆さんくれぐれも健康第一でがんばってくださいな。

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