阿求と小鈴を救った太一だが、まだ人里の村人たちに嫌われ続ける存在になっていた。
阿求と小鈴が説明しても、1人も太一に寄ってこない。それどころか、人里の立ち入り禁止。四季映姫が一緒だったとしても、入ってはいけないことになっていた。
「ったく、なんで事態が悪化してるんだよ。」
今、太一は博麗神社の境内の裏で修業をしてた。太陽神の見習いなので、一応修業をしなければならない。
太陽神の修業ということで、最初に水の中で炎を10分間扱えるかということをやらなければならないのだ。
しかし、炎は出せるものの扱うことはできなかった。
「どうやればいいんだ。」
「何をやっているんですか?」
「面白いこと?」
「何言ってるのよ。修業よあれは。」
三妖精がこっちに来た。面白いものを見るような目で。
「お前らは光を扱うんだっけ?」
「そうよ。」
「太陽の光が消えたら、意味ないな。」
ショックを受けるようなことを太一は言った。
昼間の午後1時24分頃、太一は妖怪の山へ向かっていた。
理由?強い奴と戦いたいから。
「お、見えてきた。って俺が最初にスペルカード使って戦った時の山じゃん。」
太一は覚えていた。正確に言えば忘れられないの方が正しい。
そして、一番重要なことを忘れていた。
太一は地底への入り口がわからないのである。
「四季映姫に探せと言われたけど、それが修業になるのか?」
独り言を言っていると、「おい、止まれ!」と声がしたから前を見ると、2人の白狼天狗がいた。
俺は気にしないで通り過ぎようとすると、さらに8人の白狼天狗まで湧いてきやがった。
「おい、守矢神社の参道からずれているが、何をやってたんだ?」
「地底の入り口がここにあると映姫の奴から聞いたから捜してんだよ。」
「地底に行ってどうすんだよ。」
「修業ということで強い奴を片っ端から潰していくだけだ。」
太一は正直にすべてのことを話すと、天狗たちが笑い始めた。
「人間のお前に鬼やほかの強い妖怪を倒すことはできないよ。」
「笑わせてくれたけどさぁ。本当はスパイなんだろう?」
「ハ!?お前ら良い病院教えてあげようか?」
太一は馬鹿にするように白狼天狗に言った。
「本来の目的を言いなさい。そうすれば、入口を教えますよ。」
そこにいたのは、なんと文だった。
メモ用紙を持ち、インタビューしてるようにしか見えない。
「取引か?」
「まあ、そういうことになります。」
「入口を教えても、行かせる保証はないんだな。」
文は、入口を教えると言っても、行かせるなんて言っていないから疑っていた。
が、文はこう言った。
「とんでもない。ルナティック指定者に勝負を挑むわけないじゃないですか。」
「本当か?」
「ええ、その代わりに取材させてくれませんか?」
「断る。勝手に盗撮した写真使いやがって。」
太一は椛との戦闘中に撮られた時の写真のことを言っていた。
すると、文は何も言えないと言ったような顔をしていた。
「どうしたんだ?もしかして、何も言えないのか?」
「そんなことは……ないです。」
「そこか!?」
突然、援軍を連れてきた椛が太一に切りかかった。
太一は、銀狼になり、素手で、刀をつかんだが、さすがに血が出てきた。
「何の用だ。」
「大天狗様が君を連れてこいとおっしゃっています。」
「だが断る。」
「そうですか。来ないと言うのなら、今ここで君を討つ。」
なに言ってるんだ。俺はただ単に修業ということで強い奴を片っ端から倒すだけなのに。
四季映姫は「鬼は舐めないほうがいいですよ。」としか言ってないしな。
「そこっ。」
「わわっと。」
「どうしたんですか?まさか、スペルカードを持ってないとか?」
「(こいつ、銀狼用のスペルカード持ってないことを知らないな。)」
太一は椛の振った剣をかわしながら、勝負に勝つ方法を考えていた。
が、そんな余裕はあんまりなかった。
そんな時、謎の洞穴が見えた。
一か八か太一は洞穴に飛び込んでみると、竪穴に落ちていた。
「(スカイダイビングよりも面白いな。)」
ビヨーン、ビヨンビョン
突然、何かに引っ掛かった。ねばねばしていて、蜘蛛の巣上に張られた糸。
太一は察した。これが蜘蛛の巣だと。
「なんでこんな大きな蜘蛛の巣があるんだよ。」
「何か引っ掛かったのかしら?」
「種族チェンジが使えるが、反動がでかいしなー。」
太一は反動がでかくなった代わりに、満月だろうが新月だろうが吸血鬼か銀狼になることができるのだ。
ただし、反動を受けると、普通なら気絶レベル。
「あら、妖怪かしら?」
「お前は誰だ?」
「礼儀を知ってるかしら?」
「なら、蜘蛛の糸を抹消させてやる。」
「(あいつにはウィルスが効かないのかしら?)」
太一が能力で蜘蛛の糸を破壊した時、突然視界が悪くなった。ウィルスに感染したのだ。
しかも、地上では生成されないウィルスだった。おまけに頭痛までしてきた。
太一は、地底の入り口をただ重力に逆らわずに落ちて行った。
地上では、天狗たちがなぜ大天狗様や天魔様が銀狼を捕まえろと言ったのかを聞いたりしていた。
「いいですかみなさん。私も最近になって知りましたが、妖怪の山を1番最初に住処にしたのが銀狼なんですよ。そして、20年くらいたった後、鬼に住処を取られ、歴史上から抹消された生物となっていたわけですが、この時に銀狼を倒したのは紛れもなく、萃香さんです。」
「「「「「な、なんだってー」」」」」
「太一君はその生き残りの末裔になっているんです。」
そのようなことになった理由は四季映姫しか知らない。
「でも、そんな人がなぜ現代から?」
「大天狗様が言うには、「幻想郷縁起に現代に飛ばされた銀狼が2匹いると書かれていたらしい。その子供がおそらく太一君なのじゃろう。」と言ってました。」
どうしてこうなった。第一に、両親が妖怪と言うのは太一は知る由もなかった(こんな内容で大丈夫かな。)
太一はウィルスに感染した影響で、寒気が現れた。
ブルブルと震えながら、降りていると、上から桶が落ちてきた。
すぐに回避して、桶に入った少女だけが落ちて行った。
「(なんだったのだろう。)」
太一は気にせず、降りて行った。
地上ではとんでもないことが起きていた。
なんと、また間欠泉が噴出したのだ。
しかも、魔理沙の家の近くで。
魔理沙はびっくりしたが、間欠泉を止めるため、異変解決に向かった。
太一は、旧都の街を歩いていた。
人間の姿で。
「ほぼ真っ暗だなあ。」
「おい、そこの兄ちゃんよぉ。」
「あ!?」
太一を止める妖怪が居た。右手にショットガン、左手にナイフを所持していた輩が数人。
「なんだ?」
「お前を食いたいから殺しちゃってお良いよな~?」
「殺せるもんなら殺してみろ!」
何と、地底の治安がいつもより悪くなっていた。
さらに、太一は妖怪と殺し合いをすることになった。
「武器は何でもいいぜ。」
「(ショットとアロンダイトで十分だな。)」
太一と妖怪は広場で大勢の人の前でかけバトルをやることになった。
だが、太一の病気は悪化していた。
「さあさあ、掛け値は妖怪2倍に人間8倍だよー。」
太一は吸血鬼になり、背中にアロンダイトを生成させ、右手に持った。
「バトルゥゥゥ、スタートォォォォォ。」
妖怪の審判がスタートさせたとき、太一が本気になってこう言った。
「ルナティックは伊達じゃない!」
「なに言ってるんだ?お前はただの人間じゃないか。」
「俺の背中に翼を隠してるからわからないんだよバーカ。」
太一は背中の服にあるポケットから翼をだし、髪の毛が一気に金髪へと変わっていった。
「なんだそりゃー!?」
「言っただろう。ルナティックは伊達じゃないと。」
太一はアロンダイトを妖怪の首元に当てた。めまいを起こしながら。
「覚悟はできてるよな?」
「降参するから助けてください。」
「違うだろ俺たちは殺し合いをしている。降参したらその時点で殺し合いにならないだろ!」
するとそこに、2人の鬼が現れた。1人は大きな身長で酒の入った杯を持っていた。
もう1人は幼女のような外観で、ただの鬼にしか見えなかった。
「面白そうなことやってるねぇ。私たちも入れてくれやァ。」
「勇儀、お前は飲み過ぎだよ。」
「それに彼は5人目のルナティック指定者なんだよ。」
周りの人が凍り付いた。ルナティック指定された人間に殺し合いを受けたことを後悔する者が1名。
だが、その妖怪が殺されずに済んだのは鬼が来たからだった。
「鬼のテメェに勝負を挑みたいんだがな。」
「お、やってやろうじゃねぇが。」
「勇儀、やめたら?」
「なら、萃香がやって来い。」
「私は別にいいけど。」
「なら始めようぜ。」
太一は、反動覚悟で銀狼になった。
反動は謎のウィルスで大きくなっていた。
「ガハっ……ゲホっ…。」
「なにやっているんだ。」
太一の口から血が出ていた。真っ赤で、紅色の。
「大丈夫…ダァ。」
「掛け値は、萃香が1,5倍、人間が3倍だ。」
「それでは、始めよう。ガ◯ダムファイトォォォォォ、レディィィィィゴオオオォォォォォ。」
太一はアロンダイトを両手で持ち、ぶん回した。
が、全く効いていない。
果たして太一はどうなってしまうのか!?次回へ続く
締めが雑になってしまいましたが、旅行から帰ってきたら、修正をいたします。その後に、続編を打ちます。次回もゆっくりして行ってね。