東方吸狼記   作:ケミカル08

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計画ってなんだったっけ


狼と村の計画と

 

翌朝…

 

太一は幻想郷に戻るため、準備をしていた。

 

喬子にはいつになるかはわからないが、必ず帰ると約束した。

 

そして、喬子から死ぬ前に渡した2冊の本を返してもらった。

 

人間が書いたような文字ではなかったらしい。

 

「じゃ、必ず帰ってくるぜ。」

 

「当たり前なことを言わないで。」

 

「じゃあ、行くか《斬符 スキマ切り》」スホーン

 

「行ってらっしゃい。」

 

「行ってくるぜ。」

 

シューン

 

太一がスキマの中に入って行った後、スキマの入り口は閉じた。

 

~幻想郷 妖怪の山~

 

「ああ、今日こそは戻ってきてほしいですねー。」

 

「文さん。太一君は1週間前に現代に行ったばっかじゃないですか。」

 

「それもそうですね。しかし困りましたねえ。」

 

「何に困ってるの?」

 

「実はですね。先ほど人里に新聞を配達していたら、新しいお寺ができたということで取材していたんですが、そのお寺が人間と妖怪が一緒に共存できることを望んでいたらしいですが。」

 

「結構良い寺じゃないですか(他の天狗たちはなんていうのだろうか)。」

 

「問題はここからなんですよ。彼女らは共存できないと思われた存在を封印します。噂話を聞いただけですけど。」

 

「噂話に聞こえないんですけど。」

 

「今のターゲットは太一君なんですよ。」

 

「どうせ、封印された後にまた何かが起こるんじゃないですか?」

 

「大天狗様に怒られちゃいますよ。」

 

「私には関係ありません。」

 

「じゃあ、新聞でも配りに行ってきます。」

 

「行ってらっしゃーい。」

 

「(明日までにスクープでも見つけないと明日の新聞のネタがなくなる。)」

 

文はちょっと慌てて人里に向かった。

 

~幻想郷 人里付近~

 

「なんでここにスキマが出来たし。」

 

太一がスキマを通って出てきたのは人里入口から20mないところだった。

 

スキマ切りをやる時は吸血鬼になる必要があるが、妖力があふれてしまい、感づかれてしまうことになってしまうので、妖怪化はしない方が良い。

 

「(とりあえず、このまま人里に行くのもだめだな)そういうこともあろうかと……フード付きのローブを現代で買ってきたし問題はないだろう。」

 

太一はそのローブを着て、フードをかぶって里に入った。

 

~人里~

 

「(あれ?おかしいな。人里ってこんなにガラガラだったっけ!?)」

 

太一が目にした光景は、里の人間の6割が居なくなっていたということだ。

 

寺子屋でも、阿求の家にもいる気配がなかった。

 

ただ、太一は数日前に幻想郷に戻ってきた時に見つけた新しいお寺に居るのではないかと予想し、そこへ向かった。

 

~幻想郷 命蓮寺~

 

「ここがお寺か。(名前は命蓮寺っていうのか。)」

 

「君は何しに来たんだい?」

 

「里の住人達が居ないから何かあったのかな?と思いまして。」

 

「ふーん。」バシャ

 

水撒きをしていた一人の少女が話しかけてきたが、太一は興味がなく、里の人間の方を気にした。

 

服装は…説明しづらいが船長と思わせるようなと言っておこう。

 

「で、君もルナティック5人目を封印するための会議をしに来たのかい?」

 

「は?会議?他の里の人たちもいるのか?」

 

「居ますよ。」

 

「(そこに居たのか……って、俺を封印する会議とか、どんだけ暇人なんだよ。)」

 

「君も行くか?」

 

「連れて行ってくれるならな。」

 

「いいよ。ついてきな。」

 

「ああ、サンキュー。」

 

「あ、それともう一つ。」

 

「ん?なんだ?」

 

「着いたら、フードを取ってください。そしてみんなに挨拶をしてね。」

 

「(着いたら戦闘開始ですね。わかりたくねえよ。)」

 

「村紗。また会議に参加する人?」

 

「そうだよ。」

 

「ちょっと怪しいわね。」

 

「(オメーの後ろに居る気体みたいなやつの方が怪しいから。)」

 

「私もついて行くわ。」

 

「(来なくていいから。)」

 

~命蓮寺 話し合う部屋~

 

「彼をどうして封印しようとするのですか。」

 

「彼は以前に封印されましたが、その時に太陽の光を消し去ったのです。」

 

「本当ですか!?」

 

「なので、封印してほしいのです。しかも、前にもお伝えしたのですが彼はルナティック指定者です。指定者は里に入ることを制限させることができます。しかし、彼はその制限を無視して問答無用で入ってくるのです。なので、封印をお願いします。」

 

「彼がどういう性格なのかを見てから判断したいですね。」

 

「……わかりました。そこは白蓮さんにお任せします。」

 

「聖ー。もう1人連れてきたよー。」

 

「雲山。一応準備。」

 

「……」シュワッ

 

「(なんで華仙もいるんだよ。面倒だなー。とりあえず、現代から持ってきた本を阿求に解読してもらいたいだけなのになー。)」

 

「ほら、挨拶して。」

 

「ちょっと、阿求を貸してくれませんか?」

 

「君の名前を教えてくれない?」

 

「あれれー?もしかして華仙は俺のことを忘れたとか言うんですか?」

 

「私が人の名前を忘れるなんてことするわけないでしょ。」

 

「なら、覚えてるよなァ。」

 

「顔を見せなさい!」

 

「俺は5人目のルナティック指定者の八神太一だ!忘れたとは言わせねーぞ。」

 

「君が太一君ね。」

 

「雲山。行くわよ。」

 

「なら私も。」

 

「ご主人様も倒しに行ってください。」

 

「宝塔なくしちゃって。」

 

「またか!」

 

「阿求を借りるって言っているだけだろ。」

 

「あなたは、今封印されるとしたら、何がしたいですか?」

 

「そりゃあ、封印されてから、封印されている空間内で寝て、妖力を満タンにしたいかな。」

 

「意味が分からないわ。(自爆テロでも起こすかと思ったけど、大丈夫そうね。)」

 

「遊んでくれるなら外でやろうか。」

 

「良いわよ。最後の遊びだと思いなさい。」

 

「もう一回封印しないとお前らはわからないようだな。」

 

~命蓮寺 境内~

 

「スペルカードは何枚まで使用可能にするんだ?」

 

「私は3枚あなたは何枚でもいいわよ。」

 

「フルで戦ってやるぜ!」

 

「行くわよ。《封印術「縛」》」

 

(白蓮が使用するオリジナルスペルカードです。)

 

「こっちも!《GP アカツキ「オオワシ」》」

 

黄金の装甲を身に纏い、華仙と里の人は見たことあるような装備だった。

 

「これは…あなたの仕業だったのね!」

 

「ああそうだよ。……って体が動かねえ。」

 

「私の使ったスペルカードの効果よ。能力も使えないわよ。」

 

「……クッ、クソッタレがー。」

 

「さあ、封印されるがいいわ。反省してなさい。」

 

太一は封印され、消えた(その場所に、解除できる魔法陣が浮いている)。

 

封印される前に残した言葉は…「おやすみ」

 

太一が封印されると、太陽の光が突然消えてきた。

 

白蓮や華仙すら、驚いていた。

 

「こ、これは…一体どういうこと…なの!?」

 

「(太一の仕業って聞いているけど、どういう事かしら?)」

 

~幻想郷 人里~

 

「あやややや。またですか。」

 

「文様。これは一体、誰の仕業でしょうか。」

 

「それより、太一君は知りませんか?大天狗様がお呼びを掛けているんですけど。」

 

「いえ、見ておりません。」

 

「そうですか。わかりました。」

 

「文々。新聞1部。」

 

「はい、どうぞ。」

 

最近の文々。新聞はなぜか、好評らしい。(理由?全体の60%が捏造じゃないからかな?)

 

「すみません。新しいお寺があると聞いたんですけど。」

 

「向こうにあるよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

文は、新しくできたといわれるお寺に向かった。

 

~幻想郷? ???~

 

「チッ、全然眠れねえ。というか、ダメージが入るとか。」

 

ここは太一が封印されている空間。

 

ここはなぜかダメージが入るらしい。

 

「調整でもしておくか。能力で出られそうだし。」

 

~幻想郷 ???~

 

「映姫様。大変です。」

 

「小町!持ち場を離れてはいけません。それに伝えたい内容はもう知っています。」

 

「じゃあ、言ってみてください。」

 

「太一君が戻ってきたことですね。」

 

「また、封印されたと言おうとしましたが。」

 

「……支度をしなさい。」

 

「今の間は何だったんですか?」

 

「10分後に出発します、と言いたかったんですが、最近仕事がたまっているので出発は2日後にします。」

 

「じゃあ、あたいは寝てきます。」

 

「小町は魂を運んできてください。」

 

「は、はーい(やばい、本音が)。」

 

~幻想郷 ???~

 

太一は吸血鬼になり、運よく反動をくらわなかった。

 

「能力でこの空間を破壊する!!」

 

~幻想郷 命蓮寺~

 

「え、えーと、ここって命蓮寺ですか?」

 

「そうだよ。」

 

「ここに太一っていう人間のような妖怪が来てませんか?」

 

「さっきいたけど聖に封印されたよ。」

 

(村紗って、こんなに口が軽かったっけ?ま、いいか。)

 

「え、封印?どうしてですか?」

 

「なんか里の住人の要望らしいけど。」

 

「またですか。」

 

「それはそうとあんたは誰?」

 

「射命丸文です。」

 

「またってことは以前にもこのようなことが?」

 

「とりあえず中に入って話をしましょう。」

 

つづく

 





ストックを出しました。

次回もお楽しみに!

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