明久とは中学から知り合った仲で、よく一緒にバカ騒ぎをしていた。勉強が大の苦手で鉄人やリフィルによく捕まる。手先は器用だが女心には凄い鈍感で、コレットから好意を抱かれている事に気づいていない。
得意科目:現代国語、家庭科
苦手科目:上記の二科目以外全て
趣味、特技:小物作り
将来の目標:小物作りの職人
今も頭の中に残るトラウマ:明久等にトマトを無理矢理食わされた事がある
コレット・ブルーネル
明久とは中学から知り合った仲。おっとりとした雰囲気でよく何もない所でつまづいては転び、壁に穴を空けたりもするドジッ娘(?)なうっかりさん。瑞希とは1年の頃知り合いで、仲が良い。瑞希の料理の第1被害者で直そうと一緒に料理をするが無駄と分かり断念。
得意科目:数学、家庭科
苦手科目:国語、古典、英語(音読中によく噛むからだけで成績は上記の二科目ほどではないが良い方)
趣味・特技:読書(主に犬が主人公)
将来の目標:今の所なし
好きな動物:犬
犬(大人)を見つけると:センスを問わず名前をつける
子犬を見つけると:あまりの可愛さに興奮で鼻血を出す(一番酷いのは豆柴の時)
『え?』
誰からという訳ではなく、今この場にいたリフィル先生以外全員が驚いたような声を発する。何事かとざわめくクラスメイトの中、リフィル先生は笑顔で女の子に話しかけた。
「あら姫路さん。今ちょうど自己紹介をしてる所だからお願い出来る?」
「は、はい。姫路瑞希と言います。その、よろしくお願いします。」
姫路さんは、小柄な体を更に縮こめるように声を上げて自己紹介した。8割以上が男子であるこのFクラスにとっては数少ない華なのだろう。しかし皆は容姿に驚いているわけではない。
「はいっ、質問ですが、どうしてこのクラスにいるんですか?」
自己紹介を終えた1人の男子生徒が高々と手を挙げて質問をした。言いようによっては失礼かもしれないが、これは誰もが思う疑問だから仕方ないのかもしれない。僕の知る姫路さんというと、成績は常にマルタと良い勝負をする程に良い。そんな彼女が成績最底辺が集まるFクラスにいるハズがない。Aクラスにいると他のクラスもそう思うだろう。
「えっと、その・・・振り分け試験中に高熱を出してしまいまして・・・。」
その答えを聞き、全員が納得したようにうなずいた。
それにしても相変わらず可憐な容姿だ。僕もつい見惚れてしまうほどに。
「エミル、今見惚れたような顔した?私だってあれくらいの大きさだったら・・・。」
それに気づいたマルタはジト目で僕を見、胸に手を当てながら落ち込む。
「そ、そんな事ないよ。僕はマルタ以外の人と付き合う気はないから。」
「そ、そう。なら良いけど。」
こっちはこっちでちょっと大変だが、皆は聞こえてなかったのか(僕からしたらちょっと安心した(3話参照))姫路さんの言い分を聞いてちらほらと言い訳をする。
『俺も熱(の問題)があってFクラス行きになったんだっけなぁ。』
『化学だろ?確かに難しかったな。』
『先日弟が事故に遭っちゃってね。あまりのショックにやる気が・・・。』
『黙れ一人っ子。』
『この前彼女が寝かせてくれなかったせいで全然集中出来なかったんだよ。』
『今年一番の大嘘ありがとう。』
うん。もう何も言うまい。このクラスは
「バカばっかね。」
・・・ともうお約束みたいに先を越すマルタ。僕から言わなくても良いからありがたいけど。
「で、では。よろしくお願いします。」
そんな中逃げるように僕等がいる後ろの席に来た。姫路さんに最初に声をかけたのは
「おはよ、瑞希。」
「あ、コレットちゃん。おはようございます。」
「また一緒のクラスになれて良かったね。これからもよろしく。」
「はい。よろしくお願いしますね。」
コレットだ。2人は去年から知り合いとても仲が良い。まだ緊張が解けていない姫路さんにとってはありがたいだろう。そして次に声をかけたのが
「あのさ、姫・・・」
「姫路。」
明久君・・・の声をかぶせるように声をかける上半身ミイラ男の雄二君。狙ってやったのか、わざとやったのかは気にしなくても良いだろう。
「坂本雄二だ。よろしく頼む。」
「あ、はい。坂本君。よろしくお願いします。」
「ところで、体調の方はもう大丈夫か?」
「あ、それは僕も気になる。」
雄二君が体調について聞き、明久君も口を挟む。何故明久君が口を挟むかはその時マルタの看病でいなかった僕には分からない。多分だけど、同じ教室でしていたとかだろうか?
「よ、吉井君!?」
僕が1人考え事してる横で、姫路さんは明久君を見てビックリしている。一瞬顔が赤くなったように見えた。
「姫路。明久がブサイクですまんな。」
そこにとてもフォローしてるとは思えない言葉が発せられた。友人の悪口を平気で言えるこの人も流石と言える(と思う)。しかしそう思ったのも束の間。
「今誰に対してブサイクって言ったんだい雄二?」
「明久さんに悪口を言う度胸があるのですから、私達にやられる覚悟も勿論出来ているんですよね?」
さっきのマルタと同じように指をポキポキ鳴らし背後にどす黒いオーラを放っているしいなと同じく無表情のプレセアが雄二君に近づいた。この時点で、雄二君のオチが決まったような気がする。
「あ、いや。ちょっと待て!今のは冗談で言ったつもりであって決して本気で言ってる訳じゃ・・・」
「「問答無用(です)。」」
そのまま2人は雄二君を引き連れ教室を出て行った。一方リフィル先生は
「ちょっと後ろの人達、静かにしなさい。」
バンッ
バキバキッ
注意するように教卓を叩き、教卓が一瞬にしてゴミ屑と化した。分かってはいたけどまさか教卓もここまで酷いとは。
「替えを持ってくるからそれまで自由時間にします。ちょっとシバいてから来ようかしら(ボソッ)」
何か呟きながらまた教室を出て行った。その後しいなとプレセアと完全にミイラ男と化した雄二君が帰ってきた事は言うまでもない。
”蒼龍”さんリクエスト(?)
スキットその1ロイド、明久、ムッツリーニの『素晴らしき友情』
「くっ・・・、オレもここまで、かっ・・・。2人とも・・・、オレの事は良い。先に・・・。」
「ロイド!諦めないで!もう少し・・・もう少しだから・・・っ。」
「・・・・・・そうだ。オレ達・・・、仲間だろっ!」グッ
「明久・・・、ムッツリーニ・・・!オレは・・・、お前等みたいな仲間が、いてくれて、幸せ、だぜ・・・っ。」
「・・・たかがトイレの順番待ちで、暑苦しくないかい?アンタ達。」
「・・・・・・(コクッ)」