Fクラス対Aクラスの試召戦争はAクラスの勝利で幕を下ろし、僕等の設備が1ランクダウンしてしまった。ちゃぶ台からみかん箱という名のダンボールに・・・。
「雄二!元はと言えば貴様が!」
「あぁ!テメェが木下に勝ってれば済んだ話なんだがな!」
雄二君とロイドが朝からいきなり喧嘩している。それはもう僕とマルタが来た時からだ。
「それを言うならしいなにだって同じ事が言えるんじゃねぇのか!?化学がもっと良い点数だったらこっちが勝ってたかもしんねぇだろ!」
「うっ・・・。」
ロイドに指摘され、しいなは何かが心に突き刺さったような表情をする。ごもっともではあるが、自信あり気な表情で9点はないとは誰もが思う事だ。いや、思わない方がおかしい。明久君が言うには、あの後プレセアに徹夜で勉強漬けにされたそうな。それで目の下にクマが出来てるのか。
「でも良かったじゃない。あれほどの美人さんと結ばれるなんて凄く喜ばしい事じゃない。」
他人からしたら霧島さんは前にも言ったけど才色兼備が当てはまる美人さん。その人から告白されるのは
「俺は全然喜ばしくねぇんだよ!お前はあいつといる時の俺の苦労を知らねぇからそういう事が言えるんだよ!朝なんて目が覚めたら「昨日一緒に帰ってくれなかった」というそんだけの理由で寝込んでる所を襲い掛かって来るわ、服を下着ごと脱がそうとするわ、リビングに行ったら何故か朝飯作ってたりとか・・・」
うわぁ・・・。そこまでされると逆に引くよ。最後のを除くと。
「良い夫婦になれそうじゃない。」
「じゃあ聞くが、夫に首枷付けたり手錠かけたりする妻がいるか?」
そこまでするの!?
「・・・・・・ごめん。」
「分かってくれれば良い。」
聞いちゃいけない事を聞いてしまったかの様にマルタが謝る。うん。彼がどれだけ苦労しているか分かる気がする。
「・・・・・・雄二。他の女の子と仲良く話してるなんて、浮気に違いない。」
「翔子!いつの間にあがががが!頭蓋がぁ!頭蓋が軋む音がぁぁぁ!」
突然乱入してきた霧島さんに雄二君はアイアンクローを極められる。他の女の子と話すだけでこれとは何と恐ろしい・・・。
「大丈夫よ。私はエミル一筋だから。」
そう言って僕の腕を組み、僕はちょっと照れる。
「・・・・・・そう、なら良い。」
霧島さんは雄二君を掴んだ手を離す。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・翔子。何時からいた?」
解放された雄二君が霧島さんに問う。
「・・・・・・ついさっき。今日も一緒に帰ろうと言おうと思って。」
「断る。今日「は」お前とは帰りたくない。」
「・・・・・・今日「は」?」
あ、今何か墓穴掘ったような・・・。
「・・・・・・分かった。今日「は」やめる。」
「あ・・・、ち、違う!そういう意味で言ったんじゃ・・・」
「あらあら~。素直に本当は帰りたいと言えば言いのに~。」
うっかり口を滑らせただけなのにここまでからかわれるとは・・・。
『これより、異端審問会を始める。』
『ちょっと待て!何しやがんだテメェ等!』
そして何か変な集団に拉致され、十字架にかけられた。普段一体何処に仕舞ってるんだろう。
『横溝は、罪状を述べよ。』
『はっ、須川副会長。』
え?須川君が副会長?じゃあ会長は誰なんだ?
『え~、本日、坂本雄二(以下この者を甲とする)は、霧島翔子さん(以下この者をお姫様とする)に一緒に下校する誘いを受けた。しかし彼は今日「は」と断った模様。つまりは・・・』
『結論のみを述べよ。』
『誘われて羨ましいんじゃこの野郎がぁぁぁ!!!』
『うむ。分かりやすい報告、ご苦労であった。では、如何なる処刑が宜しいですか?マルタ会長。』
ちょっとマルタぁぁぁ!!?いつの間にその集団の中に入ってたの!?しかも会長!?
「30秒間袋だたきの後頭突き1人1回ずつの刑!」
『『『了解であります!』』』
しかも刑というかお仕置ききつすぎない!?
「待て!誤解だ!話せば分かる!だから俺を何処かに連れてくなぁ!マルタ!頼む!何でも言う事聞くから助けてくれ!」
「じゃあ~・・・これからも霧島さんと一緒に「それだけは勘弁してくれ!」・・・・・・交渉決裂ね。」
そうまでしてくっつけたかったんだね。・・・・・・こうして雄二君は、1時間目は保健室で過ごす事になったそうでしたとさ。
Q.彼女は何故FFF団会長に?
A.FFF団全員で話し合った結果、マルタ姉さんの方がリーダーに向いてね?という答えになったらしく、彼女に頼んでみた所、エミルには一切手を出さないという条件付きでOKが出たそうです。
プクリンさんリクエストスキットその4 「女装&男装コンテスト 女装コンテスト編」
「第二回文月学園主催、女装コンテスト!さぁさぁ始まりました女装コンテスト。今回は一体どんな挑戦者が待っているでしょうか。司会は再び私、新野すみれと、」
「Fクラス担任のリフィルがお送りします。」
「そして審査員はこちらのお2人です。Aクラスの久保利光君と木下優子さんです。審査員はこれ以上見るに耐えないと思ったらそこにあるボタンを押してください。それでは行ってみましょう!」
「エントリーナンバー1番、卑怯、変態、女装趣味の三拍子が揃った外道、根本恭二さんです!いや~かなり汚いですね~。初っ端からいきなり誰も得しない奴が出て来るとは。」
「そんな酷い事を言ってはいけませんよ新野さん。彼だって自分に自信があって参加したのではなくて?」
「そこに自信を持ってはいけないと思うんですがね~。」
(パカッ)(ヒュー)
「・・・・・・はい、皆さん予想はしてましたよね。ありがとうございました。続いて、エントリーナンバー2番、作者どころか周りからも扱いが酷くなった、ロイド・アー(パカッ)(ヒュー)・・・と、名前を言う前に落とされてしまいましたね。そもそも彼は今にも根本君程ではありませんが吐きそうなくらい似合わないのに何故参加したのでしょうか?」
「クラスメイト達から強制的に参加させられたそうです。」
「どうりで泣いてる顔してる訳です。はい、ドンマイです。では続いて、エントリーナンバー3番、学園一を誇るバカ、吉井明久さんです!」
(パカッ)(ヒュー)
「・・・・・・意外です。普通に可愛いのに落とされてしまいました。」
「審査員の久保君が何故か震えながら泣いていますね。」
「何故でしょう。今の久保君からは学年次席らしい雰囲気が全くありませんね。知らぬが仏、というので放っておきましょう。では続いて、エントリーナンバー4番、今も女の子と間違えられる美男子、ミトス・ユグドラシル君です!」
『ぶはっ!』
「おぉっと!何という事でしょうか!あの木下さんが鼻血を吹いて倒れました!」
「木下さんには刺激が強すぎたのでしょうか。何にせよ、審査員2人共、これなら見ていられると思ってボタンを押さなかった、という事で良いですね。」
「では最後に移ります。エントリーナンバー5番、誰もが認める(バンッ)(パカッ)(ヒュー)優勝・・・候・・・補・・・・・・。・・・・・・・・・・・・はい、それでは優勝は唯一残ったミトス君という事で、今回はこれで終わりにしたいと思います。皆さん、ありがとうございました!次回またお会いしましょう!」
まとめてやると長すぎるので今回と次回の2回に分けてやります。ごめんなさい。