バカと弱気な少年と強気な少女   作:HAZAMA

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「聞いたわよ。昨日あんたの誕生日だったんだってね。おめでとう。」
誰から聞いたのか知らんけどありがとう。
「せっかくの誕生日なんだから何かくれるんじゃないの?」
今は行きたい場所に外食に行くというだけでそれ以外はない。
「それだけで良いの?」
「十分満足。」
まぁ、あんたがそれで良いなら良いんだけどね。



21話 ドウシテコウナッタ

とうとう最終戦。これに勝てば教室の設備を交換出来、負ければ設備のランクが1つ下がる。この勝負で全てが決まる。

 

「教科は何にします?」

 

霧島さんはマルタと同じように全科目隙がない(康太君の情報によると)。そんな人を相手に雄二君はどう挑んでいくのか。

 

「教科は日本史、内容は小学生レベルの百点満点の上限ありの方式だ。」

『小学生レベルだと?』

『満点確実じゃないか。』

 

雄二君の宣言で皆がざわつき始める。小学生レベルならこちらが勝てる可能性が出る。それを分かってるからだろう。

 

「分かりました。それでは、問題作りの準備をしてきますので出来上がるまで待機しててください。」

 

高橋先生はノートパソコンを閉じると教室を出た。

 

「どういう事だ雄二。小学生の日本史なんて満点確定じゃねぇか。」

「ロイド。貴方これまで日本史のテストで満点取った事一度もなかったわよね?」

「うっわ、恥ずかし~。」

 

マルタを始めクラスの皆から苦い顔をされ、ロイドは体操座りで泣き出した。そんな事があったんだ。

 

「俺がこの科目を選んだ理由はただ一つ。『大化の改新が起きた年』、この問題が出たらあいつは絶対に間違える。」

 

大化の改新は・・・無事故の改心の645年、だね。これを絶対に?

 

「何でそう言いきれるの?」

 

察せないのか、マルタが珍しく質問してきた。

 

「あいつは一度覚えた事は絶対に忘れない記憶力を持っている。小さい頃にその問題を625年に起きたと間違えたまま覚えてる。それを利用するって事だ。それさえ出れば俺達の勝利は確定だ。」

 

勝ち方がちょっとあれだけど凄いよ雄二君。それが本当なら勝てる。

 

「なるほどね。それだけの自信があるんだから絶対に負けないでよ?もし負けたら・・・(パチンッ)分かってるわね?」

 

マルタが指を鳴らすと、クラスメイトの皆が黒覆面黒マントに着替え拷問具を用意しだした。まるでマルタがリーダーかのように。

 

「勿論だ。」

 

雄二君はかなり自信あるみたいだ。

 

「準備が出来ましたので、参加者の霧島さんと坂本君は視聴覚室に来て下さい。」

「・・・・・・はい。」

 

戻ってきた高橋先生が2人に声をかけた。霧島さんは短い返事をして出て行く。

 

「んじゃ、行ってくるぜ。」

 

雄二君も出て行く。

 

「さて、私達はあいつが負けた時に備えてどんな処刑をしようか考えましょ。」

『『『了解です!!!マルタ姐さん!!!』』』

 

そこはせめて勝った方を考えてよマルタ。

 

 

                     ☆

 

 

『それでは問題用紙を配ります。制限時間は50分です。不正行為をした場合はその場で失格となります。よろしいですね?』

『・・・・・・はい。』

『分かってるさ。』

 

プラズマディスプレイから視聴覚室が映し出され、そこに説明を受けている2人の姿があった。2人は席に着き、裏返しのままの問題用紙を受け取る。

 

『それでは・・・始め!』

 

高橋先生の合図で2人同時に用紙を表にする。問題用紙に書かれている問題文がディスプレイに表示されるのでどんな問題があるかがここでも確認出来る。

 

《次の( )に当てはまる人物の名前を書きなさい。》

(  )はわずか数千の軍で(  )率いる2万5千の軍を敗ったこの戦いを「桶狭間の戦い」という。

川中島の戦いで、甲斐の(  )は、越後の(  )と数回に渡って戦ったが、決着は着かなかった。

 

流石は小学生の問題。でも本命の問題はまだ出ていない。

 

《次の( )に正しい年号を書きなさい。》

(  )年 源頼朝が鎌倉に幕府を開く

(  )年 中大兄皇子や中臣鎌足が起こした大化の改新

 

出た!

 

「出たよ!マルタ!」

「うん!これで私達のちゃぶ台がシステムデスクになるね!」

『『『うおぉぉぉぉぉ!!!』』』

 

クラスメイトの皆から歓喜の声が上がる。ここまで頑張った甲斐があった。この勝負、僕等の勝ちだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《日本史勝負テスト 100点満点の上限あり》

Aクラス 霧島翔子 97点

 

VS

 

Fクラス 坂本雄二 53点

 

と思ってた時期がありました。

 

 

                     ☆

 

 

結局僕等の努力も虚しく終わってしまい、ちゃぶ台がみかん箱に変わった。

 

「・・・・・・殺せ。」

 

覚悟は出来てるみたいで、抵抗する様子はない。

 

「上等だ!歯を食いしばりやがれ!」

 

ロイドを筆頭に皆が雄二君に襲い掛かろうとするもコレットに後ろから抱き着いて止められる。

 

「待ってよロイド!雄二だってわざとやった訳じゃないんだから!」

 

コレットの必死の説得でロイドは収まるものの・・・

 

『標的変更!』

 

彼等の怒りの矛先が雄二君からロイドに変わった。

 

『ちょっと待て!殺るのはオレじゃなくて雄二じゃあぁぁぁぁぁ!!!』

 

そしてロイドはそのまま何処かへ連れていかれた。彼も大変なんだね。

 

「・・・・・・雄二。約束。」

「雄二が欲しいんでしょ?遠慮なく持ってっちゃいなさい。」

「マルタ!テメェ!裏切るのか!?」

 

マルタが雄二君を物扱いするように霧島さんに差し出した。

 

「裏切る?何言ってんの?私は2人の仲を応援したいだけなんだけど?」

 

凄いニヤニヤしながら言ってるマルタが、根本君みたいに思えた。

 

「余計質が悪いんだよ!」

「・・・・・・ありがとう。そうする。」

「ちょっと待て翔子!俺に拒否権は・・・」

「・・・・・・ない。約束だから今すぐデートに行こう。」

「断る!俺は(ブスッ)あぁぁぁぁ!目が!目がぁぁぁ!」

 

逃げようとする雄二君に霧島さんが目つぶしをした。一瞬指の第二関節まで入ったような気がするのは気のせいだろうか。

 

「・・・・・・じゃ、行こう。」

「だから俺は行く気はないっつってんだろ!おい誰かこいつを止めてくれ!」

 

助けを乞うも、誰も応じず拉・・・連れていかれた。

 

「皆さん。鉄・・・いえ、西村先生が皆さんに話したい事があるそうですよ。」

「今鉄人と言いかけませんでした?リフィル先生。」

 

西村先生が僕等に?何の用だろう?

 

「今から補習について話す。お前等が戦争に負けたおかげで俺がFクラスの副担任を任される事になった。」

 

『何ぃぃぃ!!?』

 

僕を除く男子全員が悲鳴をあげる。

 

「良いか。お前等は確かによくやった。成績最底辺のFクラスがAクラス相手に互角にやりあったというのはこれまでなかったからな。だがな、学力も人生を渡る上では必要な事だ。全てではなくとも蔑ろ(ないがしろ)にはするではない!これからみっちりと勉強させてやるから覚悟しておけ!吉井、坂本、アーヴィングは特に念入りに監視する!」

 

雄二君はこの場にはいないが、挙げられた2人はゲッ!という顔をした。

 

「因みに姫路、キャスタニエ、ルアルディ、セイジ、コンバティールの5人は参加自由だ。」

「あれ?あたしは?」

「藤林は生物以外の理数と英語がダメだから問題外だ。」

 

そりゃそうだよねと皆首を縦に振った。

 

「という訳だ。明日から授業とは別に補習2時間設けてやるからな。楽しみにしてろ。」

 

そう言って西村先生は立ち去った。こうして僕等の試召戦争は幕を下ろしたのだった。・・・僕もちょっと参加してみようかな。

 

『ロイド君。良いかしら?』

『オレが負けたんだ。雑用でも何でも良いから言ってくれ。』

『いや、そこまでは言わないわよ。アタシの質問に無理にとは言わないから答えて欲しい、それだけよ。』

『そんなんで良いのか?分かった。何でも聞いてくれ。』

『じゃあ、・・・・・・貴方クラスでどんな扱いを受けてるの?』

『・・・・・・・・・・・・。』←明後日の方角へ向いている

『・・・・・・貴方も大変ね。』

『何て言うか・・・慣れてきた。』

 




デビルバッツ様リクエストスキット その1『男のガチンコ料理対決!!』

「さぁさぁ始まりました文月学園主催、『料理王はオレだ!男のお料理対決!』司会は私、新野すみれがお送りします。それでは今回の参加者を紹介します。どうぞ~。」
わぁぁぁぁぁ!!!
「エントリーナンバー1番、学園初の観察処分者の名を持つ稀代の問題児、吉井明久さんです!」
『酷すぎるよ新野さん!』
「エントリーナンバー2番、かつて神童(笑)と呼ばれた天才、坂本雄二さんです!」
『(笑)は余計だ!』
「エントリーナンバー3番、原作では二重人格という設定の、エミル・キャスタニエさんです!」
『(二重人格ではないけど・・・。)』
「エントリーナンバー4番、名に恥じないムッツリスケベ、土屋康太ことムッツリーニさんです!」
『(・・・・・・・・・何故そっちが本名みたいに・・・。)』
「エントリーナンバー5番。作者さんからの扱いがかなり酷い残念な男、ロイド・アーヴィングさんです!」
『(・・・・・・泣きてぇ。)』
「そして最後に、特別出演という事で参加していただいた、リーガル・ブライアン先生です!」
「リーガル先生はお料理が趣味だそうですのでと、職員皆さんの提案で参加なされたそうです。」
「そして、審査員はこちらの方々です。参加者達と特に交流が深い女子の皆さんです!」
「(アタシそんなに交流してないと思うんだけど。)」
「これは凄いメンバーが揃いましたね。では次に簡単にルールを説明します。お題に書かれてる食材を使った料理を作り、審査員の方に食べていただき、どれが1番美味しかったか投票します!1番票が入った人が優勝です!制限時間はないのでゆっくり作ってください!それでは始めましょう!お題は・・・・・・「卵」です!準備は良いですか?それでは・・・スタート!」
数分後
「おっと!吉井明久さんはもう出来上がったようです!シンプルイズベストで行くんでしょうか?」
さらに数分後
「全員出来上がったみたいですね。それでは、一斉にに出していただきます。それでは、どうぞ。」
(全員が出す)
「吉井明久さんオムレツ、坂本雄二さんのえっと・・・」
「ピカタだ。」
「そうピカタ、エミルさんの親子丼、ムッツリーニさんのキッシュ、そしてリーガル先生の卵とじ!どれも美味しそうですね~。では、審査員の方々、それぞれの料理を食べていただきます。」
「(吉井君のお料理・・・。)」
「(アキって料理出来るんだ。ちょっと意外。)」
「(・・・・・・雄二の手料理雄二の手料理雄二の手料理・・・。)」

10分後

「審査の方が終わったみたいです。それでは結果発表!栄えある第1位に輝いたのは~?






吉井明久 4P 坂本雄二 1P エミル・キャスタニエ 1P 土屋康太 1P リーガル・ブライアン 1P
何と何と!これは意外!他者を圧倒して吉井明久さんが優勝です!!!では吉井明久さん。何か一言どうぞ。」
「意外には余計だと思うけど・・・。でも、勝てて嬉しいです。」
「さぁ皆さん!優勝した吉井明久さんに盛大な拍手を!」
(パチパチパチパチパチ)
「以上で文月学園主催、『料理王はオレだ!男のお料理対決!』を終わります。次回またお会いしましょう。さようなら~。」



下手くそですいません。これに出てる新野さんについては聞かないでください。

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