最後にやった金銀が懐かしく思えたからね。それにダイヤモンド、パールやブラック、ホワイトとかだと地形とかがあんまり分からないんで。
「そんなのやればすぐ慣れるでしょ?アンタなら。」
四天王攻略とかはGoogle頼りだけどな。
「良いじゃん別に。」
現在ジョウトとカントーのジム両方制覇して残すはレッド戦だけなんだけど・・・
「平均レベルが80以上で勝てる気がしない、と?」
だから現在育成中なんだよ。育てたいポケモンが多過ぎて困惑してるけど。
「先が長くなりそうね。」
何時か勝てりゃ良いんだよ。何時か。
「昨日はウチの代表が迷惑かけたわね、坂本君。」
「木下が謝る事ねぇよ。」
雄二君が霧島さんに拉致された次の日、ようやくAクラス教室で交渉する事になった。昨日何があったかというと
昨日の6時間目が始まって数分後
『じゃあここを須川君。』
『はい。』
須川君が当てられ教壇に近づこうとした時
ガララッ
『あら?坂本君。Aクラスの霧島さんに拉致されたと聞いたけど・・・あ、やっぱり良いわ。答えなくて。』
『察してくれて助かる。』
疲れた顔で戻ってきた雄二君にリフィル先生は何があったか尋ねようとしたが何かを察したのか止めた。
『(ねぇ雄二君。何があったの?)』
席に着いた雄二君に尋ねる。
『(既成事実を作られかけたが暴れてたらちょうど通り掛かった鉄人に助けられたから良かったが・・・。)』
・・・リフィル先生の気持ちが分かったような気がした。
HRが終わりリフィル先生が教室を出た瞬間
『坂本ぉ!さっきの続きをしようじゃねぇかぁ!』
『ヤッチャウヨ~?ヤッチャッテイインダヨネ?』
『お前を処刑したくてうずうずするぜ!』
クラスメイト達がまた暴走。鎌とか色々持ってるけど本当何処に仕舞ってたんだろう?
『ちっ!まだ諦めてなかったのか!マルタ!俺の鞄をこっちに!』
『ほい。』
マルタが片手で投げた鞄を受け止め、すぐさま出て行った。教室が静かになり、僕もマルタと一緒に帰ろうと下駄箱に来た時には前話で話した通り。最後にああ言ったのは前に見たミステリー系バラエティ番組を真似してみたかっただけというのは皆には内緒で。
「んで本題に戻るけど、アンタ達Fクラスはアタシ達Aクラスに一騎討ちを申し込むのよね。目的は何?」
「当然俺達の勝利だ。」
話は変わり、現在Aクラスの交渉役である秀吉君の双子のお姉さんの木下さんと話をしている。隣で座ってるミトス君はついて来ただけだそうだ。
「まぁ面倒な試召戦争を手軽に終わらせるって意味ではありがたいけどあっという間にじゃちょっとつまらなくない?どうせだったら代表同士のじゃなくてお互い5人ずつ選んで3回勝った方が勝ち、で良いじゃない?」
「なるほどな。」
代表同士でなく5対5の一騎討ちか。マルタや姫路さん達が出ればこっちにも勝機はあるんだけど・・・。
「ただし、条件があるわ。そちらにはAクラス並の成績の人が何人かいるわよね。出て良いのは2人だけ。それを呑んでくれれば交渉は成立よ。」
やっぱり警戒されてるなぁ。僕も日本史世界史がAクラス並だからその対象に入るだろう。この条件を呑んでしまえばこちらが勝つ可能性もかなり低くなる。
「よし。その条件を呑もう。」
「本当?良かった♪」
雄二君は何の躊躇もなく了承した。それは僕だけでなくここにいるマルタとプレセア以外のFクラスメンバー全員もだ。
「ただ、それだけじゃつまらんだろ。一騎討ちで勝った方が負けた方に1つ何でも言う事を聞くってのはどうだ?」
「面白そうね。良いわよ。」
「成立だな。んじゃ、帰るぞ。」
悪戯な笑みを浮かべた雄二君は席を立ち、僕達に教室へ戻るよう言った。次の授業までまだ時間があるからミトス君と話がしたい、とジーニアス君は1人残った。因みに霧島さんもここにはいたが昨日の件もあって口出し出来なかったのは言うまでもなかった・・・はず。
☆
その授業が終わり、作戦会議に移る。
「どういう事だよ雄二。何であんな条件を受け入れたんだよ。」
「そうだぞ。これじゃあこっちに勝ち目がなくなるじゃねぇかよ。」
最初にブーイングしたのは交渉の時その場にいた明久君とロイド。それを聞いて皆もブーイングしだした。
「アホかお前等。あれくらい予想はするもんだろうが。」
「じゃあ誰を出すんだい?」
僕等の中でAクラス並の成績の人の中から出すなら全体的に高いマルタと姫路さんだろうけど後の3人をどうするかが問題だね。
「先に決めておくが、翔子と一騎討ちをするのは俺だ。」
「「「えぇ~っ!」」」
雄二君の発言にビックリしたのは姫路さんと島田さんとコレットだ。
「恋人同士で戦う気なの!?」
「そんなのダメです!」
「恋人同士で傷付き合うなんて酷いよ!」
「誰が恋人同士だ!」
3人の一言に雄二君は突っ込む。
「でもさぁ~。わざわざ争わなくたって交渉だけでどうにかならないの?」
何か面倒臭そうにマルタが喋り出す。
「ほぉ、お前らしくないようだが例えばどんな感じでだ?」
雄二君が尋ねる。
「相手の代表はあの霧島で雄二に恋心を抱いてるみたいだし「雄二あげるから戦争に負けて?」って言えば快くOKしてくれるんじゃない?」
「恐ろしい事言うな!」
あぁ、言うと思ったよ。でもあの時何も言えずに終わったしまず向こうがOKしないと思うけど。
「とにかくだ。出すメンバーは決まってるが相手の出方によっては変えるかもしれん。俺から言えるのはそれだけだ。」
一応はもう決まってるんだ。凄いね。
「それと雄二。1つ気になったんだけど最後に「一騎討ちで勝った方が1つ何でも言う事を聞く」ていうの、あれは何が狙いなの?」
「・・・俺が勝ったら金輪際俺へのストーカー行為を禁止させるためだ。」
それでああ言ったんだ。昨日のあれを見ればそう考えるのも頷ける。しかし皆はそれを聞いて
『おい、この戦争ってまさか・・・。』
『恋人同士の痴話喧嘩か?』
『最低ですね。』
『・・・・・・馬鹿馬鹿しい。』
「誰が恋人同士だ!?」
とまぁそんなこんなで作戦会議は終了となったが、どうなる事か・・・。
『そういえば木下さん。』
『何?ミトス君。』
『この前何で急に僕の目を隠したの?』
『今の貴方には刺激の強すぎるとんでもない物が現れたからよ。』
『?』
小鳥遊凛さんリクエストその3 『恋バナ』
「エミルとマルタって何時からの付き合いなの?」
「小学校の時からの付き合いだよ。弱気な所とかイライラする事はあるけどそれだってエミルの優しさや良い所の表れで私はそこに惹かれたってトコかな。しいなとプレセアは?明久と何時からどういう付き合いなの?」
「い、何時からってただの幼なじみだよ。小学校の時からの。」
「その動揺のしかた、怪しいですね。」
「本当はアキの事・・・。」
「ち、違うって!本当にただの幼なじみだって!そういう2人にコレットだってどうなんだい?好きな人いるんじゃないのか?」
「そっちも気になるわね。」
「「え!?」」
「どうなの?3人共?」
「え?え?わ、私が・・・好きな、人?私が・・・好きな人は・・・その・・・きゅ~(ボフン)」
「あ、気絶しちゃった。じゃあ瑞希とプレセアは?」
「そ、そんな急に言われても・・・。」
「しいなさんに同じく小学校の時からです。その時、私と友達になってと言われてそれが嬉しくてそのまま・・・」
「好きになった、と?」
「はい。(コクッ)昔はあまり友達がいなかったので。」
「へぇ。・・・美波は?」
「へ?う、ウチ!?」
「そうよ。去年転校して来たばっかの美波がどうして明久と特に仲良いのか気になるじゃない。瑞希と一緒に洗いざらい話なさい。」
「私もですか!?」
「瑞希はまだ喋ってないからよ。さ、どうなのか吐きなさい。(ニヤニヤ)」
「「ふぇ~」」