文月学園の家庭科教師でプレセアの育て親でもある。両親が事故に巻き込まれて亡くなり、従兄弟である彼がプレセアを引き取って育てる事になった。明久達と出会って(微妙にではあるが)笑顔が増えたプレセアの幸せを誰よりも願っている。
試召戦争中、鉄人(西村宗一)が留守の場合、代わりに補習室へ連れて行ってるが生徒を担ぐなどの荒いやり方はしない。原作と同じコーヒーが大嫌い。
趣味・特技:料理(調理実習の時はマイ包丁を家から持ってくる程)
明久からの評価:一流シェフに転職した方が良いんじゃない?
生徒(明久達を除く)達からの評価:鉄人じゃなくてこの人が補習の担当だったらなぁ、と時々思う(とある男子生徒のコメントから抜粋)
自分の中のロイドの扱いが段々酷い方向へ向かっていってるような・・・。
リーガル先生達が持ってきてくれたAEDのおかげで姫路さんのお弁当を食べた(らしい)明久君達は何とか意識を取り戻した。姫路さんはリヒター先生に補習室へ連れて行かれ、「次の日までに家にある化学物質を1つ残らず持ってくるように。」と忠告を受け解放されたそうだ。そのせいか、姫路さんは少しではあるが暗い顔をしていた。
とまぁ、そんな感じのカオスな昼食は無事(?)に終わった。
「ねぇ雄二君。次はBクラス・・・なんだっけ?」
「あぁ、そうだ。」
午後の授業が始まるまでまだ時間がある為、僕等は次の試召戦争について考えていた。Dクラスとの戦後対談でBクラスの室外機を壊すよう言っていたからそうだとは思ってはいた。
「はっきり言うと、Aクラスにはどんな作戦でも勝てる気はしない。だがそれはクラス単位では、だ。だから一騎打ちに持ち込もうと思う。」
「・・・あぁ。だからその為にBクラスを使う、って事なのね。」
「流石マルタ。察しが良くて助かる。」
マルタは雄二君の作戦に気づいたようだが、僕を含む他の皆はどういう事かよく分かっていない。
「Bクラスを使う?どうやってだ?」
その中で一番理解出来ていないっぽいロイドが質問した。
「試召戦争で下位のクラスが上位のクラスに負けたら設備のランクを1つ落とされるのは知ってるな?」
「え?・・・・・・あぁ、勿論知ってるぜ。」
戸惑いながらも知ってると言うロイド。その戸惑いようは実は知らなかったとでも言おうとしていたんだろう。
「じゃあ、上位のクラスが下位のクラスに負けたらどうなる?」
「悔しい。」
「明久、トマトあるか?」
「家庭科室の冷蔵庫に沢山冷やして入れてあるから取りに行って来るね。」
「待て!オレの一番の悪夢をここで蘇らせるな!」
そりゃ確かに悔しいとは思うけどそれは相手の思ってる事だけだよね?
「相手のクラスと設備が入れ替えられるんだよ。」
そこにコレットのフォローが入る。
「そうだ。そのシステムを利用して交渉するって訳だ。」
「交渉?」
「勝っても設備を入れ替えない代わりにAクラスに攻め込む交渉をする。それをネタにして『Bクラスとの勝負直後に攻め込む』といった感じでだ。マルタ達がAクラスではないという事は既に知れ渡ってるからそれなりの警戒はされるだろうが問題はない。そこはマルタと考えるつもりだ。」
そこまで考えて行動するという所は流石は神童と呼ばれていただけある。その思考について行けるマルタもある意味凄い。
「とにかく、次はBクラスだ。細かい説明はまた次の機会に教えてやる。・・・さて、ロイド。」
「ん?何だ?」
「テストが終わったらお前に宣戦布告の使者をやって貰いたい。」
「だが断る!」
雄二君が宣戦布告の使者をDクラスの時と同じようにロイドを指名した。下位のクラスが宣戦布告に行ったら使者は酷い目に遭うと知っている今、断るのは当然と言えよう。最初は雄二君の力強い断言に何も疑わずに行っちゃったのにね。
「しゃあねぇな。だったらジャンケンで負けた方が使者をやるって事で良いな。・・・いや、ただのジャンケンじゃつまらん。心理戦ありでするか。」
と、ロイドに説明をする。こういう時、雄二君が提案した時点で嫌な予感しかしないと僕は思う。それは明久君達もそうだろう。
「なるほど。乗ったぜ。んじゃ、オレはパーを出すぜ!」
「だったら俺はお前がパーを出さなかったら・・・・・・ぶち殺す、もしくはトマトを無理やり食わせる。」
そう言いながら指をポキポキ鳴らす。ほらやっぱりね。マルタ達がいるから明久君や僕を弄れないからってロイドを弄るのもどうかと思うけど。
「えっ!?」
「ジャンケンポン!」
「えっ!?ちょっ、待っ・・・!・・・ポン。」
パー(ロイド) チョキ(雄二君)
結果、まんまと乗せられたロイドの敗北が決定した。
「よし。任せたぞ。」
「・・・・・・嫌だ。」
「おいおい。決めたルールを破るなんて男が廃るぜ?」
「絶対に嫌だ!こんな心理戦があってたまるか!やり直しを要求する!」
決まっても尚拒否するロイド。Dクラスの時はゼロスや清水さんがいたから助かったものの、Bクラスに知り合いは多分いないから今度こそはフルボッコにされると分かっている・・・はず。
「今度こそは大丈夫だ。Bクラスの奴等は美少年好きが多いらしいぞ?お前が美少年はまずないと思うがな。」
「何だとこの野郎!じゃあお前等に聞くが、オレは美少年じゃないと思ってるか!?」
「「「「「「「「うん(はい)。」」」」」」」」
僕、姫路さん、コレット、ジーニアス以外全員が首を縦に振った。
「くっ。皆嫌いだぁぁぁ!!!」
「んじゃ、よろしくな~。」
こうして僕等の昼休みはお開きとなり、テスト漬けの午後が始まった。
☆
「・・・予想の範囲内でしょ?雄二。」
「まぁな。」
クラスメイトのほとんどが帰った放課後。満身創痍であるロイドをコレットと秀吉君が治療している。雄二君は特に悪びれる様子はない。友達としてどうかと思うがそんな事言っても「知った事か」と思ってるだろう。
試召戦争は明日の午後に決まったそうだ。
「明日の試召戦争に備えてちゃんと寝とけよ。」
そう言い残し、雄二君は先に帰っていった。
「イテテテ・・・。雄二の奴、何時かで覚えてろ。」
「その状態じゃ歩くのもやっとだろ?肩貸すよ。」
「悪いな、しいな。」
「良いって良いって。これくらい易いもんだよ。」
小鳥遊凛さんリクエストその2 『リフィル先生の遺跡講座』
「次の授業は確かリフィル先生だっけ。内容は・・・げっ。」
「ん?どうした明久?」
「今日は日本の遺跡についてをやるって。」
「うわぁ・・・。」
「また長くなりそうだね。」
「嗚呼、姉さんの癖が・・・。」
「何だ?リフィル先生の授業に不満か?」
「文句なら先生に言いなさいよ?」
「あ、雄二達。そうじゃないんだ。去年はなかったから良かったけど、リフィル先生は遺跡とか発掘物の事になると人格が変わるんだ。」
「中学の時もそうだったんだよ。」
「授業が終わるチャイムが鳴ってもまだ続いてて次の授業の担当の先生に何度か止められてたんだよ。」
「地獄だな・・・。」
「そんな事があったなんて・・・。」
「授業始めるわよ~。」
「「「「「(あの日の悪夢がまた来ないと良いけど・・・)」」」」」
50分後
キーンコーンカーンコーン・・・
「この登呂遺跡もまた素晴らしいわよ!安倍川の分流の洪水時に押し流された土砂が堆積し、自然に形成された堤防の上に造られているなんて!しかも1999年から5カ年計画で再発掘調査で新たに銅釧や漆が塗られた槽づくりの琴や祭殿跡等が出土したんですって!」
「「「「「(予想通り・・・。)」」」」」
「(本当に地獄だな・・・。)」
「(明久君達が嫌な顔をする理由が分かったような・・・。)」
「(もう終わったというのにまだ続いてる・・・。)」
更に10分後
キーンコーンカーンコーン・・・
ガラガラガラガラ・・・
「・・・・・・リフィル先生。既に次の授業が始まってますが・・・。」
「止めないでくださいリヒター先生!私の授業はまだまだ終わってなくてよ!」
「「「「「「「(お願いですからからもう終わってください・・・。)」」」」」」」