調理の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を挙げなさい。
姫路瑞希、プレセア・コンバティール、ジーニアス・セイジの答え
問題点:マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為、危険であるという点。
合金の例:ジュラルミン
教師のコメント:正解です。合金なので「鉄」では駄目という引っ掛け問題ですが、流石はお三方。お見事です。
エミル・キャスタニエの答え
合金の例:鉄
教師のコメント:問題点は合っていましたが、そちらはやはり引っ掛かってしまいましたか。鉄は合金ではないので注意してください。
藤林しいなの答え
問題点:え?何でアルミニウムじゃ駄目なんだい?
教師のコメント:それを貴方が答えるんです。
吉井明久、ロイド・アーヴィングの答え
合金の例:未来合金(←凄く強い)
教師のコメント:凄く強いと言われても・・・。
ゼロス・ワイルダーの答え
合金の例:レディ達への愛
教師のコメント:気持ちは分からないでもないですが、後で職員室に来てもらいます。
セレス・ワイルダー、清水美春の答え
合金の例:お兄様への愛
教師のコメント:貴方達も来てもらいます。
この話でリーガル先生が出るには出ますが台詞はありません。ごめんなさい。
それは、ちょうど昼になった頃からの事である。
「ふぅ~、やっとお昼の時間だね。あ~お腹空いた。」
と明久君が席に立つ。それに続くようにしいなとプレセアも立つと
「いよっ来たぜ、ロイド君達。」
「せっかくだから皆で食べようと思って来たわよ♡」
Dクラスのゼロス達がお弁当を持って来た。清水さんとセレスもいる。
『女子と一緒にお昼だと!?なんて羨ま・・・妬ましい奴等だ!』
『オレ等なんてそんな事一度もないのに!』
『皆!裏切り者共を粛清するぞ!』
クラスメイトの男子達が暴走するも、先日のDクラス戦後のようにマルタとしいなによって返り討ちにされた。そこまでは良かった・・・・・・と思う。
「ゼロス!わざわざ来てくれたんだ。」
「良いって良いって。皆で食った方が美味いんだからな。しいな達もどうだ?」
「じゃあ食堂に行くかい?明久は今日は食堂で食べるらしくてね。」
「私はリーガルさんを連れてから来ます。」
皆それぞれ別々の行動をしようとした時だった。
「あの・・・。」
「ん?どうしたの?姫路さん。」
姫路さんが緊張しながらも明久君に声をかける。明久君が反応すると、姫路さんが鞄からお弁当箱を1つ取り出す。一瞬コレットがビックリしたような顔をしたが何だろうか?
「実は今日・・・、吉井君にと思って、お弁当を作ってきたんです。迷惑じゃなかったら・・・、食べてくれませんか?」
「そ、そんな!迷惑じゃないよ!おかげで食費が少し浮いて嬉しいというか・・・。」
「そうですか?良かった~。」
姫路さんはホッと一息する。彼女の厚意に応えなくては男が廃る、と言う事だろう。
「なら屋上に行くか?あの気持ち良い空間で食うのが一番だろ?」
「賛成!早速行こうぜ!」
この時、あんな惨劇が起こるなんて、僕等はまだ誰も予想していなかった。
エミルside out
☆
明久side
場所を変えて屋上へ。
「晴れてて良かったね~。」
「そうだな~。ポカポカで気持ち良いぜ~。」
「・・・・・・・・・(コクッ)」
僕、姫路さん、秀吉、ムッツリーニ、ロイド、コレット、ジーニアス君、ゼロス、清水さん、セレスちゃん、デクス、アリスちゃん12人は先にここに来て、雄二、エミル君、マルタさん、島田さん4人は飲み物を買いに行き、プレセアとしいなはリーガル先生をここに連れてくると職員室に行った。
「あんまり、自信はないんですが・・・。」
姫路さんがお弁当箱の蓋を静かに開ける。
「「「「「「「「「おぉ!」」」」」」」」」
中には玉子焼き、タコのウインナーなど、定番かつカラフルな物が揃っている。
「凄ぇじゃねぇか姫路ちゃん。見るからにも美味そうだな。」
「そんな、恥ずかしいです・・・。」
「じゃあ早速頂きま・・・」
「・・・・・・・・・独り占めはさせない。」ヒョイ
僕がタコのウインナーを取ろうとすると、それよりも先にムッツリーニの手が出てウインナーを口に入れた。
パクッ バタンッ ガタガタガタガタガタガタ・・・
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
コレット以外全員が驚く。そりゃそうだ。食べた直後に体を震わせながら倒れているムッツリーニがいるのだから。
「つ、土屋君!?大丈夫ですか!?」
姫路さんが慌てて近づくと、ムッツリーニは起き上がって
「・・・・・・・・・。」グッ
親指を立てた。「大丈夫だ、問題ない。」と言いたいのだろう。なら何故今も体が震えているのかが分からない。
「そうですか。良かったです。」
気付いていないのだろうか、姫路さんはホッとする。
「(どう思う?)」
「(まず演技ではないじゃろう。)」
「(姫路ちゃんのお弁当に絶対何か入ってるぜ。)」
「(何か微妙に変な匂いしなかったかしら?)」
「(確かにアリスちゃんの言うとおりだ。だがそれを言える勇気あるか?)」
「(美春は・・・ありません。)」
「(私もですわ。コレットさんは?)」
「(私もだよ。瑞希は多分自覚がないと思う。)」
どうしたものか、と皆考え始める。
「(仕方ない。ワシが行こう。)」
「(大丈夫なの!?)」
「(危険だよ!)」
「(大丈夫じゃ。ワシはジャガイモの芽も平気で食べれる鉄の胃袋を持っておる。そう簡単には崩れぬはず。)」
「(それは確かに毒よね。)」
「(凄ぇ。)」
外見は女の子っぽく見えるが、流石秀吉。男前だ。
「ワシもちょっと良いかの?」
「はい、どうぞ♪」
秀吉が自分の箸を持って姫路さんのお弁当のおかずに手をつこうとしたその時だ。
「お~、遅れちまって悪いな。エミル達がちょうど先生に呼ばれたらしくて・・・お?美味そうだな。ちょっと貰うぜ。」
「あ、ちょっ・・・」
バッドタイミングで雄二(と島田さん)が来てしまった。買って来たジュースを置いて、僕が止める前に玉子焼きを口に入れ、
パクッ バタンッ ガタガタガタガタガタガタ・・・
ムッツリーニと同じ感じで倒れた。
「坂本!?」
「坂本君!?」
姫路さんと島田さんが慌てて雄二に駆け寄った。
「(これは流石に少し戸惑うぞい。)」
「(明久が行けよ。一応姫路がお前の為に作ったお弁当なんだからさ。)」
「(え?う、うん・・・。)」
ロイドの言ったとおり、このお弁当は姫路さんが僕の為に作ったんだ。僕が食わず他の人に食わせるなんて姫路さんが悲しむだけだ!それだけは何としても避けたい。だから・・・だから・・・!
「うおおおおおお!!!」
僕はお弁当を取り、必死にがっつく。嗚呼、死んだおじいちゃんの幻覚が見えてきたような・・・。
バタッ
明久side out
☆
エミルside
「急いで行かなきゃ!」
「うん。皆先に食べてるかな。」
僕とマルタはたまたま近くを通りかかった高橋先生に呼ばれた。雄二君と島田さんに僕等が持っていた飲み物も一緒に持って行くよう頼み、高橋先生の用事を済ませに行った。それがついさっき終わり、急いで屋上に向かって行くとそこには
「何よ・・・これ?」
「皆、何があったの・・・?」
明久君、雄二君、土屋君、秀吉君、ロイドが倒れていた。
エミルside out
リヒターside
「全く、何の騒ぎだ?」
屋上の方から騒ぎ声が聞こえ、オレはそれが気になり階段を上って行った。扉を開けて見ると、
「あ、リヒター先生!明久君達が大変な事になってます!急いでLED持ってきてください!」
「落ち着きなさいエミル。
「吉井君達が私のお弁当を食べたら・・・」
「弁当をだと?」
弁当を食って倒れる奴がいるのか?と馬鹿馬鹿しく思っていたオレは姫路の弁当を持って見る。見た所怪しい物は入っていないようだが、変な臭いがしたので嗅いでみた。・・・この匂いはまさか?
「姫路。この弁当に・・・何を入れた?」
すると姫路は弁当に入れるには有り得ない単語を発した。
「あの・・・隠し味にと、塩酸や酢酸を・・・。」
「「「「「「「は?」」」」」」」
どうりでそれっぽい匂いがした訳だ。しかし何故それを料理の中に入れるのかが気になる。
「・・・・・・姫路。」
「は、はい。」
「一旦補習室に来い。そこで詳しく説明して貰う。」
「え?ま、待ってください!どうしてですか!?」
だからオレはそれを知る為に姫路を半ば強引に補習室へ連れて行く。途中で会ったリーガル先生と藤林とコンバティールに何があったかを説明し、すぐさまAEDを持って来るよう伝えた。
”蒼龍”さんリクエストスキットその4「姫路さんのお料理教室」
「さぁさぁ始まりました。「第?回文月学園生徒がするお料理教室」!実況は私、マルタ・ルアルディと!」
「リフィル・セイジがお送りします。」
「では、今回のゲストをお呼びしましょう。全て(?)において成績優秀な姫路瑞希さんです!」
「よ、よろしくお願いします。頑張ります。」
「そして、試食して頂くのはこの方々です!」
「「「「「んんんんん!!!」」」」」←ただいま拘束中
「紹介する前に口のガムテープを解きましょうか。」
「そうですね。」
「ぷはっ。ちょっと!何でこんな事されなきゃなんないの!?」
「アンタ達が逃げようとするからでしょ。」
「そりゃ黒い笑みで縄持ってこっちに来れば逃げたくなるわ!」
「その時点で嫌な予感しかしねぇよ!早くこっちも解いてくれ!」
「それでは姫路さん。よろしくお願いします。今日のお題は、「カレーライス」です!」
「「「他人の話を聞けぇ!!!」」」
数分後
「これでカレーライスは完成・・・」
「良かった。普通に・・・」
「ですが、ここで私なりの隠し味を入れます。」
「「「「(終わらなかった!)」」」」
「(あわわわわわ・・・)」ガタガタガタ
「(コレットさん。しっかりしてください。)」
「しっかりと煮込んだら、塩酸と濃硫酸を・・・」
「「「「「(ヒィィィィィ!!!)」」」」」
さらに3分後・・・
「姫路さんの料理が完成した模様です。それでは、試食タイム!試食係の皆さん、どうぞお召し上がりください!」
「(食べるしか・・・ないよね?)」
「(拘束されてるこの状態でどう逃げろっつうんだよ!)」
「(潔く食うしかねぇだろ!)」
「(覚悟を決めねば・・・。)」
「(そだね。)」
「(では皆さん。)」
「「「「「「(生きてまた会おう(会いましょう)。)」」」」」」
「「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」」ガツガツガツガツガツガツ
バタッ
「ああっと、感想を聞く前に寝てしまったようですね。」
「寝たというより倒れたのではなくて?」
「あ、そうでした。では、今回はこれで終わりにしたいと思います。姫路さん、ありがとうございました!(明久達、ごめんね。後で何か奢るから。)」