バカと弱気な少年と強気な少女   作:HAZAMA

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リヒター・アーベント

担当クラス:Dクラス
担当科目:化学
趣味・特技:なし
彼の料理を試食したら?:死んだ明久君のおじいちゃんの幻覚を見ながら気絶した(エミル談)

デクスとアリスはここで登場しますが・・・、悩んで出した苗字設定がこれなんですけど良かったかな?


9話 癖ってそう簡単には治らないよね

ようやく回復試験を終えた僕達(明久君、プレセア、姫路さん、ジーニアス除く)は少し急ぎ足でクラスメイトと合流した。途中で頭抱えながら床をゴロゴロ転がっているロイドを見かけ、何があったのか聞こうとしたのだが、ちょうどそこにいた明久君に「聞かないであげて」と哀れみのこもった目でアイコンタクトしてきたのでとりあえず聞かない事にした。

 

「今はどんな感じ?」

 

僕は今の戦況を聞いてみた。

 

「プレセアが1人で向こうの前線部隊を全滅させちゃってこっちが優勢かな。」

 

僕達のいない間にそこまでやるとは・・・。

 

「とりあえずもう少し前に進んでみるか。」

「そうね。」

『残念だけど先には行かせないわよ♡』

『オレ達を倒してからにするんだな。』

「こ、この声は!」

 

なんかRPGとかでお約束っぽい台詞を返しながら明久君が振り向くと

 

「デクス!それにアリスも!」

 

僕とマルタの幼馴染のデクス・クロニカと、同じくアリス・シャーリーがいた。2人は同じ孤児院で知り合いよく一緒にいた。僕達と知り合った時も常に一緒だった。ちなみに2人は中学の終わり頃に恋人になったらしい。これをクラスメイトが知ったら彼も狙われると思うから口では言わないでおこう。

 

「今の明久君ならDクラスに入ってもおかしくないのに来てないと思ったらまさかFクラスにいたとはね~♡」

「予想はしていたんだけどな。」

 

そんな彼女だが、ちょっと変わった(ちょっと、と言うのか?)癖がある。

 

「さて、残念ながらお前達の進撃はこれにて終幕だ。何故ならオレとアリスちゃんの愛の力で倒れる運命なんだからな!」

「もうそんな事言われたら恥ずかしいじゃないのデクスったら♡」バシッ

「あ゛ぁぁぁぁぁ!!!」

 

照れるとデクスの背中を思いっきり強く叩くという癖が・・・。デクス曰く下手したら骨折する程かなり痛いそうだ。見てるこっちも痛いと思ってしまう。

 

「あ・・・ご、ごめんなさいデクス!つい・・・。」

「あははは。大丈夫だよアリス。これくらいどうってこと、ないよ・・・。」

 

体が震えている辺り大丈夫そうには見えないんだけどね・・・。それでも彼女に気を遣わせようとする彼が何気に凄い・・・。

 

「今から勝負したい所だけどその前に保健室行って来るね。」

 

アリスがそう言うと、デクスに自分の肩を貸しながら保健室へ向かった。僕等はそれを見送るようにただ突っ立ってる。

 

「・・・・・・何がしたかったのかしら。」

 

あれを見た島田さんからの一言。それは僕も思った。

 

 

                     ☆

 

 

とりあえず2人を後にした僕達はそのままDクラスの教室へ行く。途中で会ったDクラス生徒はほぼ全員仕留めた。マルタは戦い終わった後「ちょっと出かけてくるから先言ってて」といって何処に行くかも答えず行ってしまった。

 

「ゼロス君は数学がAクラス並。美波さんだけでは太刀打ち出来ません。ですが、化学が苦手なのでリヒター先生か布施先生を連れて来れば勝てるはずです。」

「でもプレセア。もしゼロスが船越先生連れてきたらどうするの?」

 

数学担当の船越先生(45歳独身(♀))。婚期を逃してしまい、ついには単位を盾に生徒にまで交際を迫ろうとするある意味危険人物だ。

 

「それについては心配いらないと思います。雄二さんがその時に備えて対策を練ったそうですから。・・・そろそろ来ると思います。」

 

すると

 

<ピーンポーンパーンポーン・・・>『連絡いたします。』

 

校内放送が流れ出した。ひょっとして作戦って呼び出しで誘き寄せるって事なのか。声からすると須川君・・・かな?

 

『船越先生、船越先生。吉井明久君が、体育館裏にて待っています。』

 

・・・・・・はい?

「え?何コレ?」

 

『生徒と教師の垣根を越えた、大事な話が『とぉっ!』ぐはっ!』

『失礼しました。訂正いたします。船越先生、船越先生。須川亮君が放送室で待っています。大至急、婚姻届を持ってお越しください。』<ピーンポーンパーンポーン・・・>

 

この声は・・・マルタか。ひょっとしてこうなると予想しててああ言ったのかな?何はともあれ、助かったと安堵の息を漏らした明久君。

 

「・・・ねぇプレセア。これって雄二君の仕業?」

「いいえ、雄二さんは確か「船越先生を誘き寄せるために偽情報を流して欲しい」としか言ってなかったので恐らくあれは須川さんが思いついたネタだと思います。」

「とはいえ、後でしばいてやらないとねぇ。」

 

しいなからまたもやどす黒いオーラが出てきた。

 

「まぁまぁ落ち着いてよしいな。」

 

明久君は笑顔で諌める。あくまで作戦なんだからしょうがない、と言うのだろうか?

 

「殺るならこれが終わってからでも良いでしょ?」

「・・・確かにそうだね。」

 

・・・・・・君って根に持つタイプなのかな?

 




小鳥遊凛さんリクエストスキットその1「コレットのドジ」

「お待たせ~。(ガッ)痛っ!」
「また何もない所で転んだのか?」
「昔から全然治ってないよね。コレットのその癖。」
「えへへ♪」
「昔って、昔もよく転んでたのか?」
「あぁ、まぁな。例えばさっきみたいに何もない所でだとか水溜りで足滑らせて体の前半分が泥で汚れたり転んだ拍子に教室の窓ガラスや扉壊したり壁にデカイ穴開けたり・・・」
「ちょっと待て!後半は普通じゃねぇぞ!」
「なのにどれも無傷で済んだのが凄いよね。」
「壁や扉は運が良くても無傷じゃ済まねぇだろ!それ以前に穴開ける方に驚くぞ!」
「僕もビックリしたよ。他にも・・・」
「やめろ明久!それ以上は俺が突っ込みきれん!」

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